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公共組織法 条文全文Lex50 · 04/50 · 私案条文

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第一編 総則

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、現在及び将来の国民が公共の福祉を享受し得るよう、公共組織及び公共機関の設置、編制並びに運営に関する基本原則を定め、もって公共組織に関する事務の能率的、民主的かつ適正な遂行を確保することを目的とする。 解説

(将来世代への配慮)

第一条の二 公共機関は、政策及び法令案の立案・執行に際し、将来世代への影響(長期費用、自然資本、世代間衡平)を評価し、その結果を公表するものとする。 解説

(日本国憲法との関係)

第二条 この法律に基づき設置される公共組織及び公共機関は、国にあっては国会、裁判所又は内閣に属し、地方にあっては地方公共団体に属するものとし、この法律のいかなる規定も、これらの独立を害するものとして解してはならない。 解説

(定義)

第三条 この法律にいう「電磁的記録」は、関係法令の定めるところに従う。 解説

 「公表」とは、インターネットその他の適切な方法により、一般の閲覧に供する状態に置くことをいう。

 前二項のほか、「公開」及び「公布」の用法は、法令の通用に従う。

(デジタル包摂)

第三条の二 電磁的方法による手続には、障害、高齢、通信困難その他の事情を有する者のための多経路代替手段を確保しなければならない。 解説

(団体、機関及び組織)

第四条 公共団体は、国及び地方公共団体とする。 解説

 公共団体には、公共機関を置く。

 公共機関は、公共組織を基本単位として構成する。

第二章 公共組織

(公共組織)

第五条 公共組織は、いずれかの公共機関に属するものとし、これを次に区分する。 解説

一 国家公共組織

二 地方公共組織

三 指定公共組織

 公共組織の名称、定員、所掌事務及び所管区域は、別表に掲げる。

(公共組織の自治)

第六条 公共組織は、法令及び所属する公共機関の定める基準に従い、自己の職務を誠実に遂行する責任を負う。 解説

 公共組織は、職務の範囲内において、創意及び改善の余地を有し、その成果について説明責任を負う。

 公共組織は、情報処理技術を活用して事務を遂行する場合において、個人情報及び機密の保護に配慮しつつ、その意思決定過程を説明可能な形で記録し、第三者が検証可能な状態に置くよう努めなければならない。

 公共組織は、一定の政策目的の達成のため、法令の定めるところにより、必要性、相当性及び期間の限定に従い他の公共組織又は指定公共組織と連携し、電子的手段により一体的に運営し得る。この場合において、目的・期間・役割分担・終了基準を定め、公表するものとする。

(自動化意思決定の影響評価)

第六条の二 公共組織は、高い影響を及ぼす自動化意思決定(個人の権利又は重要利益に実質的影響を及ぼすものをいう。以下同じ。)を導入し又は更新する場合には、目的、用いるデータ、偏りの管理、説明可能性、苦情救済及び停止手続を含む影響評価書を作成し、これを公表しなければならない。 解説

 前項の評価は、定期に行い、その結果を記録し、監査に供するものとする。

 前二項に関し必要な基準は、政令で定める。

(意思決定記録の真正性)

第六条の三 意思決定記録には、時刻認証及び改ざん検知措置を施し、その検証方法を公表するものとする。 解説

(国家公共組織)

第七条 国家公共組織は、日本国憲法に定める立法権、司法権及び行政権に基づき、国会、裁判所、行政機関その他の国の機関に属する組織をいう。 解説

(地方公共組織)

第八条 地方公共組織は、日本国憲法第九十二条に定める地方自治の本旨に則り、住民の福祉の増進を目的とし、地方公共団体その他の地方公共機関に属する組織をいう。 解説

(指定公共組織)

第九条 指定公共組織は、指定公共機関の内部組織であって、国又は地方公共団体以外の者により設立された法人の内部組織として、法律又は条例に基づき事務を所掌し、指定公共機関に属する組織をいう。 解説

 指定公共組織は、処分、命令その他の公権力の行使を行うことができない。ただし、根拠法令において当該行為の範囲及び要件が明確に定められている場合は、この限りでない。

 所管する国又は地方公共団体は、指定公共組織に対し、報告の徴収、立入検査及び是正命令を行うことができる。

 所管する国又は地方公共団体は、指定公共組織の業務の状況について毎事業年度評価を行い、その結果を公表しなければならない。

 指定公共組織の指定は、次の区分に従い行う。

一 国又は二以上の地方公共団体の区域に係る事務を担うものについては、国が政令で指定する。

二 単独の地方公共団体の区域に係る事務を担うものについては、当該地方公共団体が条例で指定する。

 地方公共団体は、条例で定めるところにより、当該地方公共団体に属する指定公共組織を設けることができる。

 地方公共団体の指定する指定公共組織は、地域又は事務の性質に応じ、次の各号に掲げる区分に従い設けるものとする。

一 地域の財産の管理又は運用を目的とするもの

二 地域住民の参加又は協議を目的とするもの

三 複数の地方公共団体が共同して事務を処理するもの

四 その他条例で定めるもの

第三章 公共機関

(公共機関)

第十条 公共機関は、公共組織を基本単位として構成するものとし、これを次に区分する。 解説

一 立法機関

二 司法機関

三 行政機関

四 指定公共機関

 公共機関の名称、定員、組織及び所掌事務は、別表に掲げる。

 公共機関の長は、別に定める場合を除き、当該公共機関に属する公共組織の職員のうちから任命する。ただし、専門的知識又は高度の独立性を要する場合は、公共組織以外の者を任命することができる。

 公共機関は、この法律の委任に基づき、その所掌事務に関し規則を定めることができる。この場合において、各議院の規則及び最高裁判所の規則に属する事項は、この限りでない。

 公共機関は、公益性及び透明性を確保するため、その業務の状況に関する評価及び公表を行うものとする。

 規則は、これを公布しなければならない。

 公共機関の処分その他の意思表示は、その機関の名称をもって行う。指定公共機関に属する指定公共組織が処理する事務についても、同様とする。ただし、国会、内閣及び最高裁判所にあっては、その長の名称をもって行う。

 公共機関は、情報の公開及び保存に関し、総務省令、又は各議院・最高裁の規則で定めるところにより、国際的に承認された技術標準(ISO/IEC)に適合する形式を採用しなければならない。

(公開APIの整備)

第十条の二 公共機関は、保有する公開対象データについて、機械判読形式及び公開APIを整備し、再利用を妨げない条件で提供するものとする。 解説

 セキュリティ及び個人情報保護に必要な制限は、最小限度とし、その理由を公表しなければならない。

(規制実証の実施)

第十条の三 公共機関は、法令の目的を損なわない範囲で、期間・区域・対象を限定した規制実証を行うことができる。 解説

 規制実証の結果、効果及び副作用を評価し、公表しなければならない。

(公共機関の自治)

第十一条 公共機関は、その所掌事務の範囲において、法令及び上位の公共団体の定める基準に従い、自律的にその事務を処理することができる。 解説

 公共機関は、自己の責任において、所属する公共組織の運営を統括する。

(立法機関)

第十二条 立法機関は、国民の代表による合議に基づき立法を行うことを目的とし、立法に関わる公共組織により構成される。 解説

(行政機関)

第十三条 行政機関は、国及び地方公共団体の行政事務を効率的かつ民主的に遂行することを目的とし、行政に関わる公共組織により構成される。 解説

(司法機関)

第十四条 司法機関は、司法権の独立を確保し、公正な裁判を実現することを目的とし、司法に関わる公共組織により構成される。 解説

(指定公共機関)

第十五条 指定公共機関は、法令により特定の公共事務の処理を付与された公的主体をいう。 解説

(組織委任事務)

第十六条 公共機関は、その所掌事務の一部を、当該公共機関に属する公共組織に委任して処理させることができる。 解説

 前項の規定に基づき委任を受けた公共組織は、委任の範囲において当該公共機関の権限を行使する。

 公共機関は、公共組織に委任した事務について、その適正かつ能率的な処理を確保するため必要な監督を行わなければならない。

(機関委任事務)

第十七条 公共機関は、災害その他不測の事態により自らその所掌事務を遂行することができない場合には、期間を定め、かつ当該公共団体の長又は国会、内閣若しくは最高裁判所の決定を経て、他の公共機関に、その事務の全部又は一部を委任して処理させることができる。 解説

 前項の規定に基づき委任を受けた公共機関は、委任の範囲において当該事務を処理するものとする。

 機関委任事務を行う場合には、その旨、期間、委任の理由及び事後検証の方法を公表しなければならない。

 機関委任事務に関し必要な事項は、政令で定める。

第四章 公共団体

(公共団体)

第十八条 公共団体は、国及び地方公共団体の別を問わず、相互にその自主性を尊重し、適切な役割分担の下に連携を図り、協力して公共の福祉の増進に努めなければならない。 解説

 公共団体は、全国的又は広域的な見地から行政の総合性を確保するとともに、地域における事務を自主的かつ総合的に実施するよう努めなければならない。

 公共団体は、共通の政策目的又は機能を有する場合において、区域の連続性によらず、法令又は協定により連合体を組織することができる。この場合における意思決定及び財政負担の原則は、法令又は協定で明らかにする。

(データ信託の設置)

第十八条の二 公共団体は、協定によりデータ信託の仕組みを設け、データの目的外利用禁止、監査、撤回権及び越境移転時の保護措置を確保するものとする。 解説

(公共団体の自治)

第十九条 公共団体は、法令の定めるところにより、自己の組織及び運営に関する基本事項を定めることができる。 解説

 公共団体は、地域又は分野に応じて、公共機関及び公共組織を設け、これを自律的に運営する権限を有する。

 前項に規定する場合における基準その他必要な事項は、政令で定める。

(公共団体の構成又は名称の変更)

第二十条 公共団体の構成又は名称の変更は、関係する公共団体相互の協議により定め、これを公示しなければならない。 解説

 前項の協議が整わない場合において、当該変更が公益上特に必要であるときは、国会の議決又は当該公共団体の議会の議決を経て、これを行うことができる。

 公共団体の構成又は名称の変更に関し、必要な手続は、政令で定める。

(地方公共団体)

第二十一条 地方公共団体の区域及び名称は、地域の歴史、文化又は統計上の区分その他合理的な基準に基づき定めることができる。 解説

 地方公共団体は、地域の名称又は地理的区分にかかわらず、法令に定める公共機関及び公共組織の基準に従い、自治を行うものとする。

 市町村、都道府県その他の名称は、地理的又は文化的区分を示す用語として、これを称することができる。

(地方公共団体の自治)

第二十二条 地方公共団体は、区域を変更することなく、人口、経済、文化その他の要件に応じて、公共機関及び公共組織の機能を拡張し、又は分担を変更することができる。 解説

 前項の措置は、国の政令又は当該地方公共団体の条例により定める基準に適合して行わなければならない。

 国は、地方公共団体がその能力に応じて行政機能を発揮できるよう、技術的及び財政的援助を行うものとする。

(地方公共団体の区域)

第二十三条 地方公共団体の区域は、地理的、歴史的又は文化的区分を基礎とするものであり、原則として変更しない。 解説

 地方公共団体は、区域を変更することなく、公共機関及び公共組織の設置、統合又は分担により、性質に応じて、その事務を処理することができる。

 地方公共団体は、他の公共団体又は公共機関との間で、連携協定を締結し、事務又は機能の一部を共同して実施することができる。

(地方公共団体の長)

第二十四条 地方公共団体の長は、当該地方公共団体における住民の代表として、議会とともに、当該地方公共団体における公共組織の事務の執行を監視し、及び当該区域の全体の執行を調整することを目的とする。 解説

 地方公共団体の長は、当該地方公共団体における公共組織に対し説明を求め、又は住民の意思を反映するため、必要な意見を表明することができる。

(地方公共団体の報告及び監査請求)

第二十五条 地方公共団体の長は、公共組織における事務の執行状況について、当該組織に対し、報告を求めることができる。 解説

 地方議会は、公共組織における事務の執行状況について、当該組織に対し、外部監査の実施を請求することができる。

第五章 内部組織

(公共組織の構成)

第二十六条 公共組織は、その所掌する事務を分担する局を基本の単位として編制する。 解説

 局は、公共組織に属する他の部門とともに、当該公共組織を構成し、その事務を分掌する。

 局の所掌事務及び組織に関する基本事項は、法律で定める。

(内部組織)

第二十七条 公共組織は、局のほか、その所掌事務を効果的に遂行するため、部、課その他の内部組織を置くことができる。 解説

 前項の内部組織の設置、所掌事務及び職制上の位置付けは、政令又は条例で定める。

 局以外の内部組織は、局の権限及び責任の下に置かれ、局長又はその委任を受けた者の指揮監督に従う。

(局の編制及び長)

第二十八条 公共組織は、その所掌事務ごとに局を編制し、局には本庁に局長を置き、当該局の事務を総括させる。 解説

 地方公共団体に置かれる局は、局長の指揮監督の下に、当該区域における事務を処理する。

 局の職員は、国及び地方公共団体における局の間で異動することができる。

(重複事務の禁止等)

第二十九条 公共組織は、同一の事務又は事業について、二以上の公共組織が重複してこれを所掌してはならない。 解説

 内閣は閣議決定により、又は地方公共団体は議会の議決により、特定の目的を達成するため必要かつ合理的と認め、かつ期間及び終了後の評価・報告の方法を定めたときは、その範囲に限り、二以上の公共組織が同一の事務を共同して担うことができる。

 前項に基づき行われる事務に要する費用及び人員の確保は、当該決定又は議決をした機関がその責任において行う。

 緊急の災害その他公共の安全に関わる事由により直ちに対応を要する場合には、国は財政法の定める予備費、地方公共団体は地方財政法の定める予備費を充当することができる。不足する費用は、各法の範囲内で短期借入金により支弁する。

第六章 補則

(公共組織法の原則優先)

第三十条 公共組織及び公共機関の設置並びに運営に関しては、他の法律に別段の定めがある場合を除き、この法律の定めるところによる。 解説

 前項に規定する別段の定めは、公共組織の目的又は事務の特性に応じ、必要な限度で特例を設けるものであって、この法律の基本的目的を覆すことができない。

(委任)

第三十一条 この法律の委任は、政令又は省令に委任するものは技術的又は事務的細目に限る。各議院規則及び最高裁判所の規則に属する事項は、これらの規則で定める。条例に委任するものは、当該地方公共団体に応じ必要な限度とする。 解説

(経費負担)

第三十二条 公共組織及び公共機関の運営に要する経費は、国又は地方公共団体がそれぞれの所掌に応じて負担する。ただし、指定公共組織に関する経費の一部は、その設立主体の負担とすることができる。 解説

(秘密保持)

第三十三条 本法に基づき職務に従事する者は、正当な理由なくして知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。 解説

第七章 監督

(報告の徴収)

第三十四条 主務大臣又は地方公共団体の長は、公共組織又は公共機関に対し、その所掌事務の実施状況について必要な報告を求めることができる。 解説

 前項の規定により報告を求められた公共組織又は公共機関は、正当な理由がなければこれを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない。ただし、各議院の議事に属する事項及び裁判所の職務に関する事項については、この限りでない。

(責任区分表の作成・公表)

第三十四条の二 高リスク事務について、設計・運用・監査・救済の責任区分表を作成・公表し、事故・障害発生時の連絡・救済手続を明示する。 解説

(立入検査)

第三十五条 主務大臣又は地方公共団体の長は、公共の利益を確保するため必要があると認めるときは、関係職員をして行政機関又は指定公共機関の事務所その他の施設に立ち入り、必要かつ相当な範囲に限りその業務又は財産の状況を検査させることができる。 解説

 前項の規定に基づく立入検査を行う場合においては、身分を示す証票を携帯しなければならない。

 検査は刑事捜査に代わるものではない。

(命令)

第三十六条 主務大臣又は地方公共団体の長は、行政機関又は指定公共機関が法令又は別表に定める目的に違反して事務を行い、又は公益を著しく害するおそれがあるときは、その是正のため必要な措置を命ずることができる。 解説

(非常時の特例と議会承認)

第三十六条の二 非常の事態においてやむを得ず手続を一時緩和する場合は、期間・範囲を限定し、四十八時間以内に国会又は当該地方議会の承認を受けなければならない。 解説

 特例の実施状況及び効果は、終了後速やかに全記録を公表する。

第八章 罰則

(虚偽報告等)

第三十七条 第三十四条第二項の規定に違反して虚偽の報告をした者は、五十万円以下の罰金に処する。 解説

(立入検査拒否等)

第三十八条 第三十五条の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、五十万円以下の過料に処する。 解説

(命令違反)

第三十九条 第三十六条の規定による命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。 解説

(両罰規定)

第四十条 法人の代表者又は代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関し第三十四条又は第三十六条の違反行為をしたときは、行為者を処罰するほか、その法人に対しても、各本条に定める罰金刑を科する。 解説

第二編 国民及び住民

第一章 総則

(定義)

第四十一条 本編において「国民」とは、日本国籍を有する者をいう。 解説

 本編において「住民」とは、地方公共団体の区域に住所を有する者をいう。

(国民及び住民の権利と責務)

第四十二条 国民及び住民は、法律の定めるところにより、公共機関を利用し、これに参加する権利を有し、かつ、公共の利益に寄与する責務を負う。 解説

 国民及び住民は、公共の事務に関し、法令の定めるところにより、一定期間、公共組織の会議に参加し又は審議に参画することができる。この場合における議決は、代表機関の議決と同等の拘束力を有しないが、公共組織はその意見を尊重しなければならない。

第二章 国民

(請願権)

第四十三条 国民は、公共の利益に関する事項について、国又は地方公共団体に対し、請願をする権利を有する。 解説

(公共機関の利用権)

第四十四条 国民は、法律の定めるところにより、公共機関の提供するサービスを平等に利用する権利を有する。 解説

(公共情報へのアクセス)

第四十五条 国民は、法律の定めるところにより、公共機関が保有する情報にアクセスする権利を有する。 解説

(公共機関への参加)

第四十六条 国民は、法律の定めるところにより、公共機関の運営に参加し、又は意見を表明する権利を有する。 解説

(国民の責務)

第四十七条 国民は、公共の利益を実現するため、法令を遵守し、公共機関の活動に協力する責務を負う。 解説

(公共職員の職務除外請求)

第四十八条 国民は、行政機関の職員がその職務を著しく適正を欠いて行うと認めるときは、政令で定めるところにより、当該職員を一定の職務から一時的に除外することを請求することができる。 解説

 前項の請求は、署名その他政令で定める方法により行うものとし、独立の合議体である公共監査委員会は、その妥当性を審査し、相当と認めるときは職務の一時的除外を決定する。

 職務の除外期間は、六月を超えることができない。

 当該職員は、当該決定について行政不服審査法による不服申立て又は取消訴訟を提起することができる。

(国民投票)

第四十九条 国民は、憲法の定めるところにより憲法改正に関する国民投票を行うほか、国民の権利の制限に関係する重要な法律の制定又は改正について、法律の定めるところにより、諮問型の国民投票を行うことができる。 解説

 前項の国民投票は、国会の議決又は有権者の一定数以上の署名による請求に基づき実施される。

 諮問型国民投票の結果については、国会はその趣旨を尊重しなければならない。

 国会議員の解職請求は、これを認めない。

第三章 住民

(住民の権利)

第五十条 住民は、地方自治に関する法令の定めるところにより、次の権利を有する。

一 住民の属する地方行政機関の選挙に参与すること。

二 住民の属する地方行政機関の条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃を請求すること。

三 住民の属する地方行政機関の事務の監査を請求すること。

四 住民の属する地方行政機関の議会の解散を請求すること。

五 住民の属する地方行政機関の議会の議員及び長の解職を請求すること。

(住民記録)

第五十一条 住民は、当該地方公共団体において、その記録を登録されるものとする。

 地方公共団体は、過去に当該地方公共団体の区域内に一年以上住所を有した実績のある国民を、関係住民として記録することができる。

 地方公共団体は、当該地方公共団体の議会又は長の選挙に限り、条例の定めるところにより、関係住民を住民とみなし、選挙権又は被選挙権の行使に関し別に取扱うことを妨げない。

(条例の制定及び監査の請求)

第五十二条 地方議会の議員及び長の選挙権を有する者(以下この編において「選挙権を有する者」という。)は、政令で定めるところにより、その総数の五十分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、地方行政機関の長に対し、条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃の請求をすることができる。

 前項の請求があつたときは、当該地方公共団体の長は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。

 地方公共団体の長は、第一項の請求を受理した日から二十日以内に議会を招集し、意見を付けてこれを議会に付議し、その結果を同項の代表者(以下この条において「代表者」という。)に通知するとともに、これを公表しなければならない。

 議会は、前項の規定により付議された事件の審議を行うに当たつては、政令で定めるところにより、代表者に意見を述べる機会を与えなければならない。

 第一項の選挙権を有する者とは、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第二十二条第一項又は第三項の規定による選挙人名簿の登録が行われた日において選挙人名簿に登録されている者とし、その総数の五十分の一の数は、当該地方公共団体の選挙管理委員会において、その登録が行われた日後直ちに告示しなければならない。

 選挙権を有する者のうち次に掲げるものは、代表者となり、又は代表者であることができない。

一 公職選挙法第二十七条第一項又は第二項の規定により選挙人名簿にこれらの項の表示をされている者(都道府県に係る請求にあつては、同法第九条第三項の規定により当該都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有するものとされた者(同法第十一条第一項若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第二十八条の規定により選挙権を有しなくなつた旨の表示をされている者を除く。)を除く。)

二 前項の選挙人名簿の登録が行われた日以後に公職選挙法第二十八条の規定により選挙人名簿から抹消された者

三 第一項の請求に係る地方公共団体の選挙管理委員会の委員又は職員である者

 第一項の場合において、当該地方公共団体の区域内で衆議院議員、参議院議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは長の選挙が行われることとなるときは、政令で定める期間、当該選挙が行われる区域内においては請求のための署名を求めることができない。

 選挙権を有する者は、心身の故障その他の事由により条例の制定又は改廃の請求者の署名簿に署名することができないときは、その者の属する市区町村の選挙権を有する者(代表者及び代表者の委任を受けて当該市区町村の選挙権を有する者に対し当該署名簿に署名することを求める者を除く。)に委任して、自己の氏名(以下「請求者の氏名」という。)を当該署名簿に記載させることができる。この場合において、委任を受けた者による当該請求者の氏名の記載は、第一項の規定による請求者の署名とみなす。

 前項の規定により委任を受けた者(以下「氏名代筆者」という。)が請求者の氏名を条例の制定又は改廃の請求者の署名簿に記載する場合には、氏名代筆者は、当該署名簿に氏名代筆者としての署名をしなければならない。

(署名簿の証明)

第五十三条 条例の制定又は改廃の請求者の代表者は、条例の制定又は改廃の請求者の署名簿を市区町村の選挙管理委員会に提出してこれに署名し印をおした者が選挙人名簿に登録された者であることの証明を求めなければならない。この場合においては、当該市区町村の選挙管理委員会は、その日から二十日以内に審査を行い、署名の効力を決定し、その旨を証明しなければならない。

 市区町村の選挙管理委員会は、前項の規定による署名簿の署名の証明が終了したときは、その日から七日間、その指定した場所において署名簿を関係人の縦覧に供さなければならない。

 前項の署名簿の縦覧の期間及び場所については、市区町村の選挙管理委員会は、予めこれを告示し及び公表しなければならない。

 署名簿の署名に関し異議があるときは、関係人は、第二項の規定による縦覧期間内に当該市区町村の選挙管理委員会にこれを申し出ることができる。

 市区町村の選挙管理委員会は、前項の規定による異議の申出を受けた場合においては、その申出を受けた日から十四日以内にこれを決定しなければならない。この場合において、その申出を正当であると決定したときは、直ちに第一項の規定による証明を修正し、その旨を申出人及び関係人に通知し、併せてこれを告示し、その申出を正当でないと決定したときは、直ちにその旨を申出人に通知しなければならない。

 市区町村の選挙管理委員会は、第二項の規定による縦覧期間内に関係人の異議の申出がないとき、又は前項の規定によるすべての異議についての決定をしたときは、その旨及び有効署名の総数を告示するとともに、署名簿を条例の制定又は改廃の請求者の代表者に返付しなければならない。

 都道府県の条例の制定又は改廃の請求者の署名簿の署名に関し第五項の規定による決定に不服がある者は、その決定のあつた日から十日以内に都道府県の選挙管理委員会に審査を申し立てることができる。

 市区町村の条例の制定又は改廃の請求者の署名簿の署名に関し第五項の規定による決定に不服がある者は、その決定のあつた日から十四日以内に地方裁判所に出訴することができる。その判決に不服がある者は、控訴することはできないが最高裁判所に上告することができる。

 第七項の規定による審査の申立てに対する裁決に不服がある者は、その裁決書の交付を受けた日から十四日以内に高等裁判所に出訴することができる。

10 審査の申立てに対する裁決又は判決が確定したときは、当該都道府県の選挙管理委員会又は当該裁判所は、直ちに裁決書又は判決書の写を関係市区町村の選挙管理委員会に送付しなければならない。この場合においては、送付を受けた当該市区町村の選挙管理委員会は、直ちに条例の制定又は改廃の請求者の代表者にその旨を通知しなければならない。

11 署名簿の署名に関する争訟については、審査の申立てに対する裁決は審査の申立てを受理した日から二十日以内にこれをするものとし、訴訟の判決は事件を受理した日から百日以内にこれをするように努めなければならない。

12 第八項及び第九項の訴えは、当該決定又は裁決をした選挙管理委員会の所在地を管轄する地方裁判所又は高等裁判所の専属管轄とする。

13 第八項及び第九項の訴えについては、行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第四十三条の規定にかかわらず、同法第十三条の規定を準用せず、また、同法第十六条から第十九条までの規定は、署名簿の署名の効力を争う数個の請求に関してのみ準用する。

(署名の効力)

第五十四条 条例の制定又は改廃の署名で次に掲げるものは、無効とする。

一 法令の定める成規の手続によらない署名

二 何人であるかを確認し難い署名

 前条第四項の規定により詐偽又は強迫に基く旨の異議の申出があつた署名で市区町村の選挙管理委員会がその申出を正当であると決定したものは、無効とする。

 市区町村の選挙管理委員会は、署名の効力を決定する場合において必要があると認めるときは、関係人の出頭及び証言を求めることができる。

(罰則)

第五十五条 条例の制定又は改廃の請求者の署名に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

一 署名権者又は署名運動者に対し、暴行若しくは威力を加え、又はこれをかどわかしたとき。

二 交通若しくは集会の便を妨げ、又は演説を妨害し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて署名の自由を妨害したとき。

三 署名権者若しくは署名運動者又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市区町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して署名権者又は署名運動者を威迫したとき。

 条例の制定若しくは改廃の請求者の署名を偽造し若しくはその数を増減した者又は署名簿その他の条例の制定若しくは改廃の請求に必要な関係書類を抑留、毀壊若しくは奪取した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 条例の制定又は改廃の請求者の署名に関し、選挙権を有する者の委任を受けずに又は選挙権を有する者が心身の故障その他の事由により請求者の署名簿に署名することができないときでないのに、氏名代筆者として請求者の氏名を請求者の署名簿に記載した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 選挙権を有する者が心身の故障その他の事由により条例の制定又は改廃の請求者の署名簿に署名することができない場合において、当該選挙権を有する者の委任を受けて請求者の氏名を請求者の署名簿に記載した者が、当該署名簿に氏名代筆者としての署名をせず又は虚偽の署名をしたときは、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 条例の制定又は改廃の請求者の署名に関し、公共職員が、その地位を利用して署名運動をしたときは、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。

 条例の制定又は改廃の請求に関し、政令で定める請求書及び請求代表者証明書を付していない署名簿、政令で定める署名を求めるための請求代表者の委任状を付していない署名簿その他法令の定める所定の手続によらない署名簿を用いて署名を求めた者又は政令で定める署名を求めることができる期間外の時期に署名を求めた者は、十万円以下の罰金に処する。

(住民監査請求)

第五十六条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の五十分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、地方公共団体の監査委員に対し、当該地方公共団体の事務の執行に関し、監査の請求をすることができる。

 前項の請求があつたときは、監査委員は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。

 監査委員は、第一項の請求に係る事項につき監査し、監査の結果に関する報告を決定し、これを同項の代表者に送付し、かつ、公表するとともに、これを当該地方議会及び長並びに関係公共組織に提出しなければならない。

 前項の規定による監査の結果に関する報告の決定は、監査委員の合議による。

 第五十二条第五項の規定は第一項の選挙権を有する者及びその総数の五十分の一の数について、同条第六項の規定は第一項の代表者について、同条第七項から第九項までの規定は第一項の規定による請求者の署名について準用する。

(解散及び解職の請求)

第五十七条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、地方行政機関の選挙管理委員会に対し、当該地方議会の解散の請求をすることができる。

 前項の請求があつたときは、委員会は、直ちに請求の要旨を公表するとともに、これを選挙人の投票に付さなければならない。

 第五十二条第五項の規定は第一項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数について、同条第六項の規定は第一項の代表者について、同条第七項から第九項までの規定は第一項の規定による請求者の署名について準用する。

(解散投票の結果)

第五十八条 解散の投票の結果が判明したときは、選挙管理委員会は、直ちにこれを前条第一項の代表者及び当該地方議会の議長に通知し、かつ、これを公表するとともに、都道府県にあつては都道府県知事に、市区町村にあつては市区町村長に報告しなければならない。その投票の結果が確定したときも、また、同様とする。

(地方議会の解散)

第五十九条 地方議会は、解散の投票において過半数の同意があつたときは、解散するものとする。

 地方議会の解散の請求は、その議会の議員の一般選挙のあつた日及び第五十七条第三項の規定による解散の投票のあつた日から一年間は、これをすることができない。

(議員の解職の請求)

第六十条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、所属の選挙区におけるその総数の三分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該選挙区に属する地方議会の議員の解職の請求をすることができる。この場合において選挙区がないときは、選挙権を有する者の総数の三分の一以上の者の連署をもつて、議員の解職の請求をすることができる。

 前項の請求があつたときは、委員会は、直ちに請求の要旨を関係区域内に公表しなければならない。

 第一項の請求があつたときは、委員会は、これを当該選挙区の選挙人の投票に付さなければならない。この場合において選挙区がないときは、すべての選挙人の投票に付さなければならない。

 第五十二条第五項の規定は第一項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数について、同条第六項の規定は第一項の代表者について、同条第七項から第九項までの規定は第一項の規定による請求者の署名について準用する。

(長の解職の請求)

第六十一条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該地方公共団体の長の解職の請求をすることができる。

 第五十二条第五項の規定は前項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数について、同条第六項の規定は前項の代表者について、同条第七項から第九項までの規定は前項の規定による請求者の署名について準用する。

(解職投票の結果)

第六十二条 前条第一項の規定による解職の投票の結果が判明したときは、地方公共団体の選挙管理委員会は、直ちにこれを同条第一項の代表者並びに当該公共団体の関係議員及び議長に通知し、かつ、これを公表するとともに、都道府県にあつては都道府県知事に、市区町村にあつては市区町村長に報告しなければならない。その投票の結果が確定したときも、また、同様とする。

 前条第二項の規定による解職の投票の結果が判明したときは、委員会は、直ちにこれを同条第一項の代表者並びに当該地方公共団体の長及び議会の議長に通知し、かつ、これを公表しなければならない。

(議員又は長の解職)

第六十三条 地方議会の議員又は長は、解職の投票において、過半数の同意があつたときは、その職を失う。

 地方議会の議員又は長の解職の請求は、その就職の日から一年間及び解職の投票の日から一年間は、これをすることができない。ただし、公職選挙法第百条第六項の規定により当選人と定められ地方議会の議員又は長となつた者に対する解職の請求は、その就職の日から一年以内においても、これをすることができる。

 政令で特別の定をするものを除く外、公職選挙法中地方公共団体の選挙に関する規定は、解散の投票並びに解職の投票にこれを準用する。

 前項の投票は、政令の定めるところにより、地方公共団体の選挙と同時にこれを行うことができる。

第三編 立法機関

第一章 国会

(構成及び権能)

第六十四条 国会は、憲法の定めるところにより、国権の最高機関かつ唯一の立法機関である。 解説

 両議院は、憲法及びこの法律の定めるところに従い、その権能を行う。

(議員の資格及び任期)

第六十五条 議員の資格及び任期は、憲法の定めるところによる。 解説

 議員は、次の各号の一に該当するときは、その職を失う。

一 選挙無効の判決が確定したとき。

二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わらず又は免除されないとき。

三 国務大臣その他の国家行政機関の特定の職に就任したとき。

四 この法律に定める兼職禁止の規定に違反したとき。

(人事)

第六十六条 各議院の議長及び副議長は、院の議員の中からこれを選挙する。

 議員の辞職、資格争訟及び職務執行停止に関する手続は、憲法及びこの法律の定めるところによる。

(規律及び警察)

第六十七条 各議院は、議場の秩序を保持し、院内の警察権を行使する。

(懲罰)

第六十八条 各議院は、議員が院の秩序を乱し又はその品位を傷つけたときは、懲罰委員会の議に基づき、戒告、陳謝、一定期間の登院停止又は除名の処分を科することができる。

(政治倫理)

第六十九条 議員は、その地位にふさわしい政治倫理を保持しなければならない。

 議員は、自己又は近親者の利益と職務上の権限との間に利益相反が生ずるおそれがあるときは、その事実を公開しなければならない。

 政治倫理の保持に関し必要な事項は、各議院に設ける政治倫理審査会において審査する。

(議会事務局)

第七十条 各議院に事務局を置き、議院の庶務を処理する。

(議会図書館)

第七十一条 各議院は、議員の立法活動に資するため、図書館その他の調査機関を設置することができる。

(議会法制局)

第七十二条 各議院に法制局を置き、法案の立案、審査及び法制に関する調査を行わせる。

(経費及び財政権限)

第七十三条 各議院の経費は、独立して、国又は地方公共団体の予算に計上しなければならない。

 前項の経費中には、予備金を設けることを要する。

 国会は、憲法の定めるところにより国の財政を処理するほか、この法律の定めるところにより地方公共団体の議会における予算及び決算の手続を監督する。

(気候・自然資本影響表)

第七十三条の二 予算及び予算関連法案には、温室効果ガス排出及び生態系への影響に関する評価表を添付するものとする。

(召集)

第七十四条 国会の召集詔書は、集会の期日を定めて、これを公布する。

 常会の召集詔書は、少なくとも十日前にこれを公布しなければならない。

 臨時会及び特別会(日本国憲法第五十四条により召集された国会をいう)の召集詔書の公布は、前項によることを要しない。

 常会は、毎年一月中に召集するのを常例とし、特別会は、常会と併せてこれを召集することができる。

 衆議院議員の任期満了による総選挙が行われたときは、その任期が始まる日から三十日以内に臨時会を召集しなければならない。但し、その期間内に常会が召集された場合又はその期間が参議院議員の通常選挙を行うべき期間にかかる場合は、この限りでない。

 参議院議員の通常選挙が行われたときは、その任期が始まる日から三十日以内に臨時会を召集しなければならない。但し、その期間内に常会若しくは特別会が召集された場合又はその期間が衆議院議員の任期満了による総選挙を行うべき期間にかかる場合は、この限りでない。

 臨時会の召集の決定を要求するには、いずれかの議院の総議員の四分の一以上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出しなければならない。

 議員は、召集詔書に指定された期日に、各議院に集会しなければならない。

 各議院において、召集の当日に議長若しくは副議長がないとき、又は議長及び副議長が共にないときは、その選挙を行わなければならない。

10 議長及び副議長が選挙されるまでは、事務総長が、議長の職務を行う。

(会期)

第七十五条 常会の会期は、百五十日間とする。但し、会期中に議員の任期が満限に達する場合には、その満限の日をもつて、会期は終了するものとする。

 臨時会及び特別会の会期は、両議院一致の議決で、これを定める。

 国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。

 会期の延長は、常会にあつては一回、特別会及び臨時会にあつては二回を超えてはならない。

 前二項の場合において、両議院の議決が一致しないとき、又は参議院が議決しないときは、衆議院の議決したところによる。

 会期は、召集の当日からこれを起算する。

 休会は、両議院一致の議決を必要とする。

 国会の休会中、各議院は、議長において緊急の必要があると認めたとき、又は総議員の四分の一以上の議員から要求があつたときは、他の院の議長と協議の上、会議を開くことができる。

 前項の場合における会議の日数は、日本国憲法及び法律に定める休会の期間にこれを算入する。

10 各議院は、十日以内においてその院の休会を議決することができる。

(国会議長)

第七十五条の二 各議院の議長は、議事日程を定め、予めこれを議院に報告する。

 議長は、特に緊急の必要があると認めたときは、会議の日時だけを議員に通知して会議を開くことができる。

 議長は、議事の順序その他必要と認める事項につき、議院運営委員長及び議院運営委員会が選任する議事協議員と協議することができる。この場合において、その意見が一致しないときは、議長は、これを裁定することができる。

 議長は、議事協議会の主宰を議院運営委員長に委任することができる。

 議長は、会期中であると閉会中であるとを問わず、何時でも議事協議会を開くことができる。

(国会委員)

第七十五条の三 国会委員は、常任委員及び特別委員からなるものとし、各会派の所属議員数の比率により、これを各会派に割り当て選任する。

 前項の規定により委員が選任された後、各会派の所属議員数に異動があつたたときは、議長は、第四十二条第一項及び前条第二項の規定にかかわらず、議院運営委員会の議を経て委員を変更することができる。

 常任委員は、会期の始めに議院において選任し、議員の任期中その任につく。

 特別委員は、議院において選任し、その委員会に付託された案件がその院で議決されるまで、その任にあるものとする。

 議員は、少なくとも一箇の常任委員となる。ただし、議長、副議長、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官、副大臣、大臣政務官及び大臣補佐官は、その割り当てられた常任委員を辞することができる。

 前項但書の規定により常任委員を辞した者があるときは、その者が属する会派の議員は、その委員を兼ねることができる。

(委員会)

第七十六条 各議院の委員会は、常任委員会及び特別委員会の二種とする。

 常任委員会及び特別委員会は、会期中に限り、付託された案件を審査する。

 常任委員会及び特別委員会は、各議院の議決で特に付託された案件については、閉会中もなお、これを審査することができる。

 前項の規定により懲罰事犯の件を閉会中審査に付する場合においては、その会期中に生じた事犯にかかるものでなければならない。

 第二項の規定により閉会中もなお審査することに決したときは、その院の議長から、その旨を他の議院及び内閣に通知する。

 委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持する。

 委員会は、委員の半数以上の出席がなければ、議事を行うことができない。

 委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

 委員会は、その所管に属する事項に関し、法律案を提出することができる。

10 前項の法律案については、委員長をもつて提出者とする。

11 委員会は、一般的関心及び目的を有する重要な案件について、公聴会を開き、真に利害関係を有する者又は学識経験者等から意見を聴くことができる。

12 総予算及び重要な歳入法案については、前項の公聴会を開かなければならない。但し、すでに公聴会を開いた案件と同一の内容のものについては、この限りでない。

13 委員会は、議員の外傍聴を許さない。但し、報道の任務にあたる者その他の者で委員長の許可を得たものについては、この限りでない。

14 委員会は、その決議により秘密会とすることができる。

15 委員長は、秩序保持のため、傍聴人の退場を命ずることができる。

16 委員長は、委員会の経過及び結果を議院に報告しなければならない。

17 委員会において廃棄された少数意見で、出席委員の十分の一以上の賛成があるものは、委員長の報告に次いで、少数意見者がこれを議院に報告することができる。この場合においては、少数意見者は、その賛成者と連名で簡明な少数意見の報告書を議長に提出しなければならない。

18 議長は、少数意見の報告につき、時間を制限することができる。

19 第一項後段の報告書は、委員会の報告書と共にこれを会議録に掲載する。

(常任委員会)

第七十七条 常任委員会は、その部門に属する議案(決議案を含む。)、請願等を審査する。

 常任委員会には、専門の知識を有する職員及び調査員を置くことができる。

 各議院の常任委員会は、他の議院の常任委員会と協議して合同審査会を開くことができる。

 衆議院の常任委員会は、次のとおりとする。

一 内閣委員会

二 総務委員会

三 法務委員会

四 外務委員会

五 財務金融委員会

六 文部科学委員会

七 厚生労働委員会

八 農林水産委員会

九 経済産業委員会

十 国土交通委員会

十一 環境委員会

十二 安全保障委員会

十三 国家基本政策委員会

十四 予算委員会

十五 決算行政監視委員会

十六 議院運営委員会

十七 懲罰委員会

 参議院の常任委員会は、次のとおりとする。

一 地方第一委員会

二 地方第二委員会

三 地方第三委員会

四 地方第四委員会

五 地方第五委員会

六 地方第六委員会

七 地方第七委員会

八 地方第八委員会

九 地方第九委員会

十 地方第十委員会

十一 安全保障委員会

十二 国家基本政策委員会

十三 予算委員会

十四 決算委員会

十五 行政監視委員会

十六 議院運営委員会

十七 懲罰委員会

(特別委員会)

第七十八条 各議院は、特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するため、特別委員会を設けることができる。

 特別委員長は、委員会においてその委員がこれを互選する。

(調査会)

第七十九条 各議院は、国政の基本的事項に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、調査会を設けることができる。

 調査会は、各議院議員の半数以上の任期満了の日まで存続する。

 調査会の名称、調査事項及び委員の数は、各議院の議決でこれを定める。

 調査会の委員は、議院において選任し、調査会が存続する間、その任にあるものとする。

 調査会の委員は、各会派の所属議員数の比率により、これを各会派に割り当て選任する。

 前項の規定により委員が選任された後、各会派の所属議員数に異動があつたため、委員の各会派割当数を変更する必要があるときは、議長は、第一項の規定にかかわらず、議院運営委員会の議を経て委員を変更することができる。

 調査会長は、調査会においてその委員がこれを互選する。

(公聴会)

第八十条 各委員会は、議案の審査に際し、国民に対して電磁的方法による意見提出の機会を保障しなければならない。 解説

 提出された意見は必ず紹介され、その要旨を会議録に記載する。

 提出意見は参考意見とする。ただし、議員の発議により当該委員会の過半数の賛成を得たときは、審査に反映させることができる。

 本条に関する技術基準は、各議院の規則で定める。

 委員会は、前各項により提出された意見の件数、分類及び審査への反映状況の概要を作成し、会議録と併せて公表しなければならない。取扱いに関する基準は各議院の規則で定める。

(国際合同審議)

第八十一条 各委員会は、条約、国際的規律又は共通課題に関する議案の審査に際し、他国の議会又は国際機関の議決機関と合同して審議を行うことができる。 解説

 合同審議の成果は参考意見として取り扱い、必要があるときは付帯決議をもって承認することができる。

 合同審議の手続の細目は各議院の規則で定める。

(逐条審査及び翻訳審査)

第八十一条の二 各委員会は、法律案の審査にあたり、当該条文を複数言語(日本語及び参照言語)で対照し、文義及び趣旨の整合性を確認する「逐条翻訳審査」を行うものとする。 解説

 参照言語として英語を基本とし、国際法及び比較法上の用例を参照する。

 逐条翻訳審査の結果は、議事録とともに公表する。

(議案及び審議過程の電子公開)

第八十二条 国会に提出された議案、修正案その他の審議資料は、速やかに電磁的方法により公開しなければならない。 解説

 資料には、真正性を担保する措置を施し、主要言語への翻訳を付するものとする。

 電子公開に関する技術基準は各議院の規則で定める。ただし、国民の知る権利を不当に制限してはならない。

 各議院は、法令又は規則で定めるところにより、審議時間を記録する。審議時間及び過程を公共の資源とみなし、その公平な配分及び利用の効率化を図るものとする。具体の配分方法は、各議院の規則で定める。

(審議時間配分指標)

第八十二条の二 各議院は、会派別枠、提出主体別枠及び市民意見紹介枠を含む審議時間配分指標を策定・公表し、年次レビューを行う。

(選択肢付報告及び択一採決の定義)

第八十二条の三 本章において「案」とは、委員会の付託に係る原案、修正案又は対案をいう。 解説

一 「順位投票」とは、各委員が案に対し重複のない連続した順序(第一位、第二位、…)を付す投票をいう(同順位は不可。未順位は許容)。

二 「承認投票」とは、各議員が賛同可能と判断する案に複数選択で賛意を表示する投票をいう。

三 「スミス集合」とは、互いの一対比較において集合外のいずれの案にも敗北しない案の最小集合をいう。

四 「Ranked Pairs」とは、得票差の大きい順に優先関係を固定し、循環を生じない範囲で順次確定して序列を得る方法をいう。

 前条及び第八十一条の二に基づく電子公開及び逐条翻訳審査は、本条以下の手続に準用する。

(委員会の順位投票及びスミス分析)

第八十二条の四 委員会は、選択肢付報告を作成するに当たり、委員による順位投票を実施し、各案間の一対比較行列を作成する。

 委員長は、一対比較行列からスミス集合を抽出する。スミス集合が一案の場合、その案を「委員会第一候補」とする。複数の場合、Ranked Pairs(各議院の規則で定める技術基準による。)で序列を確定し、上位案を「委員会第一候補」、次位案を「委員会第二候補」とする。

 同点その他決し難いときは、勝利の強さの合計、第一位票の多寡、委員長による公開抽選の順で決する。

 少数案であっても、委員会所属議員の三分の一以上の賛成があるときは、報告に添付することができる。

 本条の審査は、第八十条及び第八十一条の二の結果を踏まえて行う。

(選択肢付報告の様式)

第八十二条の五 委員会の報告は、少なくとも次の事項を含むものとする。 解説

一 各案の条文、新旧対照表及び要綱

二 一対比較行列、スミス集合及びRanked Pairsの確定過程の要約

三 財政・規制・地方・権利への影響評価(第八十三条の二第一項の要約)

四 少数案の明示(前条第四項)

五 委員会内賛否の集計(会派別・人数)

(本会議前の承認投票)

第八十二条の六 本会議に先立ち、議長は電磁的方法により全議員の承認投票を実施する。承認投票の結果は、次の基準に適合するかを審査する。 解説

一 全体承認率(OAR):全議員のうち当該案を承認した者の割合が五十五%以上であること。

二 交差承認下限(CBA):当該案に対し反対意見書を提出した会派の合算議席に属する議員のうち承認した者の割合が四十%以上であること。

 委員会第一候補が前項の基準を満たさない場合は、委員会第二候補について同様に審査する。いずれも満たさないときは、十日の修正交渉期間を設け、委員会は統合修正案の作成に努める。

 承認投票の票式、集計方法、本人確認及び監査に関する技術基準は、各議院の規則で定める。

(本会議の択一採決)

第八十二条の七 本会議は、次のいずれかの方式により択一採決を行う。 解説

一 二者多数決方式:委員会第一候補と第二候補の二者による多数決。

二 逐次二者択一方式:第一候補と次順位候補の対決を順次行い勝者を次順位候補と対決させる。

三 優先順位付投票方式(IRV):候補が三以上残る必要がある特段の事情があるときに限り、議院運営委員会の議決により用いる。

 採決において、現状維持は択一対象としない。ただし、採決の結果、いずれの案も憲法又は法律に適合しない重大な瑕疵が明らかとなった場合は、議長は当該案件を委員会に差し戻すことができる。

 歳出増又は減収を伴う案で財源規定を具備しないものは、採決の対象としない。

(公開及び再現可能性)

第八十二条の八 本法における一対比較行列、Ranked Pairsの固定順、承認投票の集計、修正履歴及び利益相反申告は、個人特定情報を適切に保護した上で、第八十二条の規定に従い機械判読可能な形式で公開する。 解説

 前項のほか、アルゴリズム及び集計手続の仕様は各議院の規則で定める。

(試行及び評価)

第八十二条の九 本条から第八十二条の八までの制度は、施行後三年を経過する日までを試行期間とし、議院運営委員会は運用評価及び基準値の見直しを行う。 解説

(議案の提出)

第八十三条 議案は、議員、委員会又は内閣がこれを提出する。

 議員は、単独又は共同で議案を発議することができる。但し、議員が単独又は十名未満で提出する場合には、議長は形式要件の審査を行い、内容要件に問題があると認めるときは、委員会に付託し意見を聴くことができる。

 議案が発議又は提出されたときは、議長は、これを適当の委員会に付託し、その審査を経て会議に付する。但し、特に緊急を要するものは、発議者又は提出者の要求に基き、議院の議決で委員会の審査を省略することができる。

 各議院に発議又は提出された議案につき、議院運営委員会がその必要を認めた場合は、議院の会議において、その議案の趣旨の説明を聴取することができる。

 各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。

 前項の中間報告があつた案件について、議院が特に緊急を要すると認めたときは、委員会の審査に期限を附け又は議院の会議において審議することができる。

 委員会の審査に期限を附けた場合、その期間内に審査を終らなかつたときは、議院の会議においてこれを審議するものとする。但し、議院は、委員会の要求により、審査期間を延長することができる。

 内閣は、一の議院に議案を提出したときは、予備審査のため、提出の日から五日以内に他の議院に同一の案を送付しなければならない。

 各議院が提出した議案については、その委員長(その代理者を含む)又は発議者は、他の議院において、提案の理由を説明することができる。

10 各議院の議長は、質疑、討論その他の発言につき、予め議院の議決があつた場合を除いて、時間を制限することができる。

11 議長の定めた時間制限に対して、出席議員の五分の一以上から異議を申し立てたときは、議長は、討論を用いないで、議院に諮らなければならない。

12 議員が時間制限のため発言を終らなかつた部分につき特に議院の議決があつた場合を除いては、議長の認める範囲内において、これを会議録に掲載する。

(規制影響評価)

第八十三条の二 法律案及び各議院規則案の作成に当たっては、規制の必要性、代替案、コスト・便益及び影響を記載した規制影響評価書を作成し、公表する。

 成立後三年以内に見直し評価を実施する。

(廃案)

第八十四条 委員会において、議院の会議に付するを要しないと決定した議案は、廃案とする。但し、委員会の決定の日から休会中の期間を除いて七日以内に議員二十人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。

 前項の規定は、他の議院から送付された議案については、これを適用しない。

(一事不再議)

第八十五条 各議院は、他の議院から送付又は提出された議案と同一の議案を審議することができない。

(議案修正)

第八十六条 議案につき議院の会議で修正の動議を議題とするには、衆議院においては議員二十人以上、参議院においては議員十人以上の賛成を要する。

 各議院又は各議院の委員会は、予算総額の増額修正、委員会の提出若しくは議員の発議にかかる予算を伴う法律案又は法律案に対する修正で、予算の増額を伴うもの若しくは予算を伴うこととなるものについては、内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。

 内閣が、各議院の会議又は委員会において議題となつた議案を修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。但し、一の議院で議決した後は、修正し、又は撤回することはできない。

(秘密会議)

第八十七条 各議院の会議は、議長又は議員十人以上の発議により、出席議員の三分の二以上の議決があつたときは、公開を停めることができる。

 秘密会議の記録中、特に秘密を要するものとその院において議決した部分は、これを公表しないことができる。

(議案送付)

第八十八条 国会の議決を要する議案について、最後の議決があつた場合にはその院の議長から、その公布を要するものは、これを内閣を経由して奏上し、その他のものは、これを内閣に送付する。

 内閣総理大臣の指名については、衆議院議長から、内閣を経由して奏上する。

(公布)

第八十九条 法律は、奏上の日から三十日以内にこれを公布しなければならない。

(構造化法令の提供)

第八十九条の二 法律の公布に当たっては、条・項・号及び参照関係を付した構造化データ版を同時に作成し、無償で公表するものとする。

 前項のデータには、改正履歴及び真正性担保措置を付す。

(特別法)

第九十条 一の地方公共団体のみに適用される特別法については、国会において最後の可決があつた場合は、別に定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票に付し、その過半数の同意を得たときに、国会の議決を確定する。

(審議不継続)

第九十一条 会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。但し、閉会中審査した議案及び懲罰事犯の件は、後会に継続する。

(国務大臣等の出席)

第九十二条 内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官は、内閣総理大臣その他の国務大臣を補佐するため、議院の会議又は委員会に出席することができる。

 内閣は、国会において内閣総理大臣その他の国務大臣を補佐するため、両議院の議長の承認を得て、人事院総裁、内閣法制局長官、公正取引委員会委員長、原子力規制委員会委員長及び公害等調整委員会委員長を政府特別補佐人として議院の会議又は委員会に出席させることができる。

 内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人が、議院の会議又は委員会において発言しようとするときは、議長又は委員長に通告しなければならない。

 委員会は、議長を経由して内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人の出席を求めることができる。

 委員会は、議長を経由して会計検査院長及び検査官の出席説明を求めることができる。

 最高裁判所長官又はその指定する代理者は、その要求により、委員会の承認を得て委員会に出席説明することができる。

(報告)

第九十三条 議院の会議及び委員会の会議に関する報告は、議員に配付すると同時に、これを内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人に送付する。

(質問)

第九十四条 各議院の議員が、内閣に質問するときは、議長の承認を要する。

 質問は、あらかじめ簡明な主意書を作り、議長に提出しなければならない。

 議長の承認しなかつた質問について、その議員から異議を申し立てたときは、議長は、討論を用いないで、議院に諮らなければならない。

 議長又は議院の承認しなかつた質問について、その議員から要求があつたときは、議長は、その主意書を会議録に掲載する。

 議長は、議長又は議院の承認した質問についての主意書を内閣に転送する。

 内閣は、質問主意書を受け取つた日から七日以内に答弁をしなければならない。その期間内に答弁をすることができないときは、その理由及び答弁をすることができる期限を明示することを要する。

 緊急を要するときは、議院の議決により口頭で質問することができる。

(請願)

第九十五条 請願しようとする者は、請願書を提出しなければならない。

 請願は、各議院において委員会の審査を経た後これを議決する。

 委員会において、議院の会議に付するを要しないと決定した請願は、これを会議に付さない。但し、議員二十人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。

 各議院において採択した請願で、内閣において措置するを適当と認めたものは、これを内閣に送付する。

 内閣は、前項の請願の処理の経過を毎年議院に報告しなければならない。

 各議院は、各別に請願を受け互に干預しない。

(議決後の運用)

第九十六条 国会の議決を要する議案を甲議院において可決し、又は修正したときは、これを乙議院に送付し、否決したときは、その旨を乙議院に通知する。

 乙議院において甲議院の送付案に同意し、又はこれを否決したときは、その旨を甲議院に通知する。

 乙議院において甲議院の送付案を修正したときは、これを甲議院に回付する。

 甲議院において乙議院の回付案に同意し、又は同意しなかつたときは、その旨を乙議院に通知する。

 参議院は、法律案について、衆議院の送付案を否決したときは、その議案を衆議院に返付する。

 参議院は、法律案について、衆議院の回付案に同意しないで、両院協議会を求めたが衆議院がこれを拒んだとき、又は両院協議会を求めないときは、その議案を衆議院に返付する。

 参議院は、予算又は衆議院先議の条約を否決したときは、これを衆議院に返付する。衆議院は、参議院先議の条約を否決したときは、これを参議院に返付する。

 衆議院は、日本国憲法第五十九条第四項の規定により、参議院が法律案を否決したものとみなしたときは、その旨を参議院に通知する。

 衆議院は、日本国憲法第六十条第二項又は第六十一条の規定により衆議院の議決が国会の議決となつたときは、その旨を参議院に通知する。

10 前二項の通知があつたときは、参議院は、直ちに衆議院の送付案又は回付案を衆議院に返付する。

11 甲議院の送付案を、乙議院において継続審査し後の会期で議決したときは、第八十三条による。

12 法律案について、衆議院において参議院の回付案に同意しなかつたとき、又は参議院において衆議院の送付案を否決し及び衆議院の回付案に同意しなかつたときは、衆議院は、両院協議会を求めることができる。

13 参議院は、衆議院の回付案に同意しなかつたときに限り前項の規定にかかわらず、その通知と同時に両院協議会を求めることができる。但し、衆議院は、この両院協議会の請求を拒むことができる。

14 予算及び衆議院先議の条約について、衆議院において参議院の回付案に同意しなかつたとき、又は参議院において衆議院の送付案を否決したときは、衆議院は、両院協議会を求めなければならない。

15 参議院先議の条約について、参議院において衆議院の回付案に同意しなかつたとき、又は衆議院において参議院の送付案を否決したときは、参議院は、両院協議会を求めなければならない。

(内閣総理大臣の指名)

第九十七条 各議院において、内閣総理大臣の指名を議決したときは、これを他の議院に通知する。

 内閣総理大臣の指名について、両議院の議決が一致しないときは、参議院は、両院協議会を求めなければならない。

(内閣総理大臣の辞職通知)

第九十八条 内閣は、内閣総理大臣が欠けたとき、又は辞表を提出したときは、直ちにその旨を両議院に通知しなければならない。

(憲法改正発議)

第九十九条 議員が日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)の原案(以下「憲法改正原案」という。)を発議するには、各議院の議員の総数の三分の一以上の賛成を要する。

 前項の憲法改正原案の発議に当たつては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする。

 憲法改正原案につき議院の会議で修正の動議を議題とするには、第八十六条の規定にかかわらず、各議院の議員の総数の三分の一以上の賛成を要する。

 憲法改正原案について国会において最後の可決があつた場合には、その可決をもつて、国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)の発議をし、国民に提案したものとする。この場合に、両議院の議長は、憲法改正の発議をした旨及び発議に係る憲法改正案を官報に公示する。

 憲法改正原案について前項の最後の可決があつた場合には、第六十五条第一項の規定にかかわらず、その院の議長から、内閣にその旨を通知及び送付する。

 憲法改正の発議に係る国民投票の期日は、国会の議決でこれを定める。

(憲法改正原案の議決)

第九十九条の二 憲法改正原案について、甲議院の送付案を乙議院が否決したときは、その議案を甲議院に返付する。

 憲法改正原案について、甲議院は、乙議院の回付案に同意しなかつた場合において両院協議会を求めないときは、その議案を乙議院に返付する。

 憲法改正原案について、甲議院において乙議院の回付案に同意しなかつたとき、又は乙議院において甲議院の送付案を否決したときは、甲議院は、両院協議会を求めることができる。

 憲法改正原案について、甲議院が、乙議院の回付案に同意しなかつた場合において両院協議会を求めなかつたときは、乙議院は、両院協議会を求めることができる。

(両院協議会)

第百条 法律案、予算、条約及び憲法改正原案を除いて、国会の議決を要する案件について、後議の議院が先議の議院の議決に同意しないときは、その旨の通知と共にこれを先議の議院に返付する。

 前項の場合において、先議の議院は、両院協議会を求めることができる。

 第九十六条第十三項但書の場合を除いては、一の議院から両院協議会を求められたときは、他の議院は、これを拒むことができない。

 両院協議会は、各議院において選挙された各々十人の委員でこれを組織する。

 両院協議会の議長には、各議院の協議委員において夫々互選された議長が、毎会更代してこれに当る。その初会の議長は、くじでこれを定める。

 両院協議会は、各議院の協議委員の各々三分の二以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

 協議委員が、正当な理由がなくて欠席し、又は両院協議会の議長から再度の出席要求があつてもなお出席しないときは、その協議委員の属する議院の議長は、当該協議委員は辞任したものとみなす。

 前項の場合において、その協議委員の属する議院は、直ちにその補欠選挙を行わなければならない。

 両院協議会においては、協議案が出席協議委員の三分の二以上の多数で議決されたとき成案となる。

10 両院協議会の議事は、前項の場合を除いては、出席協議委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

11 両院協議会の成案は、両院協議会を求めた議院において先ずこれを議し、他の議院にこれを送付する。

12 成案については、更に修正することができない。

13 両院協議会において、成案を得なかつたときは、各議院の協議委員議長は、各々その旨を議院に報告しなければならない。

14 各議院の議長は、両院協議会に出席して意見を述べることができる。

15 両院協議会は、内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人の出席を要求することができる。

16 両院協議会は、傍聴を許さない。

17 この法律に定めるものの外、両院協議会に関する規程は、両議院の議決によりこれを定める。

(参議院の緊急集会)

第百一条 内閣が参議院の緊急集会を求めるには、内閣総理大臣から、集会の期日を定め、案件を示して、参議院議長にこれを請求しなければならない。

 前項の規定による請求があつたときは、参議院議長は、これを各議員に通知し、議員は、前項の指定された集会の期日に参議院に集会しなければならない。

 参議院の緊急集会中、参議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、参議院の許諾がなければ逮捕されない。

 内閣は、参議院の緊急集会前に逮捕された参議院の議員があるときは、集会のの前日までに、参議院議長に、令状の写を添えて氏名を通知しなければならない。

 内閣は、参議院の緊急集会前に逮捕された参議院の議員について、緊急集会中に勾留期間の延長の裁判があつたときは、参議院議長に通知しなければならない。

 参議院の緊急集会前に逮捕された参議院の議員は、参議院の要求があれば、緊急集会中これを釈放しなければならない。

 議員が、参議院の緊急集会前に逮捕された議員の釈放を発議するには、議員二十人以上の連名で、理由を附した要求書を参議院議長に提出しなければならない。

 参議院の緊急集会においては、議員は、第九十九条第一項の規定により示された案件に関連のあるものに限り、議案を発議することができる。

 参議院の緊急集会においては、請願は、第九十九条第一項の規定により示された案件に関連のあるものに限り、これをすることができる。

10 案件がすべて議決されたときは、議長は、緊急集会の閉会を宣告する。

11 参議院の緊急集会において案件が可決された場合には、参議院議長から、その公布を要するものは、これを内閣を経由して奏上し、その他のものは、これを内閣に送付する。

12 参議院の緊急集会において採られた措置に対する衆議院の同意については、その案件を内閣から提出する。

13 本条に規定しない緊急集会の議事については、常会の規定に準じ処理する。

(憲法審査会)

第百二条 各議院に憲法審査会を置き、憲法改正原案その他憲法に関する事項を審査する。

(建設的不信任)

第百二条の二 各議院は、内閣に対する不信任の決議を議題とする場合においては、当該決議の可否の決定に先立ち、内閣総理大臣の後任として当該議院の議員の中から指名を行うことを原則とする。

 前項の手続、様式その他必要な事項は、各議院の規則で定める。

(政府責任付与による審議終結及び迅速採決)

第百三条 内閣総理大臣は、閣議の議を経て、緊急かつ不可分の予算又は予算関連法案(以下「予算関連法案」という。)について、当該議案に内閣の信任を結び付ける旨を宣言することができる。

 前項の宣言があったときは、当該議案について、各議院の規則で定める最低審議時間の経過後に、当該議院において終局(討論終局)及び採決に付する議事手続を直ちに動議に付したものとみなす。

 当該動議は、出席議員の過半数で決する。否決されたときは、通常の議事手続による。

 当該宣言から四十八時間以内に不信任の動議が提出され、かつこれが可決されたときは、当該議案は否決されたものとみなす。

 この手続の発動は、各会計年度につき二回を超えてはならない。

 第一項の「予算関連法案」の範囲、第二項の最低審議時間の算定、動議の様式その他手続の技術的事項は、各議院の規則で定める。

(情報監視審査会)

第百四条 各議院に情報監視審査会を置き、機密性を有する国家情報の取扱いを監視する。

(審査及び調査)

第百五条 各議院は、必要に応じ、国政に関する審査及び調査を行うことができる。

(資格訴訟)

第百六条 各議院は、憲法第五十五条に基づき、議員の資格に関する争訟を裁判する。

(一票の較差上限)

第百七条 衆議院の各選挙区間の人口較差は二・〇を超えてはならない。参議院の各選挙区については一・五を超えてはならない。

(違憲状態の是正期限)

第百八条 裁判所が選挙区割若しくは定数配分について違憲状態を確定したときは、当該確定の日から一年以内に是正しなければならない。

(弾劾裁判所及び訴追委員会)

第百九条 国会に、裁判官を罷免する弾劾裁判所及び訴追委員会を設置する。

(国立国会図書館)

第百十条 国会に、国立国会図書館を設置する。その組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

(議員会館)

第百十一条 国会に、議員の活動を補佐するため議員会館を設置する。

第二章 地方議会

(地方議会)

第百十二条 地方公共団体の議会は、憲法及びこの法律の定めるところにより、住民の代表機関として設置する。 解説

(地方議会選挙)

第百十三条 地方議会の議員の選挙については、公職選挙法その他の法律の定めるところによる。 解説

(召集)

第百十四条 地方議会の召集は、長が行う。 解説

(定例会及び臨時会)

第百十五条 地方議会は、法律に定めるところにより、毎年定例会を開かなければならない。 解説

 そのほか、臨時会を召集することができる。

(会期)

第百十六条 地方議会の会期に関しては、この法律の国会に関する規定を準用する。ただし、法律に特別の定めがある場合はこの限りでない。 解説

(議長及び副議長)

第百十七条 地方議会は、議員の中から議長及び副議長を選挙する。 解説

 議長及び副議長の定数、選任、解任、補充及び職務分担に関しては、国会に関する第五十六条から第六十条までの規定を準用する。この場合において、「国民」は「住民」と読み替える。

(委員会)

第百十八条 地方議会は、議事を処理するため、常任委員会及び特別委員会を置くことができる。 解説

 本会議は投票により最終決定を行い、住民意見の聴取は委員会において行う。

(審議時間配分の透明化)

第百十九条 地方議会の委員会においては、会派を問わず比例的に審議時間を配分しなければならない。住民提出意見要旨の紹介は、保証される。 解説

(住民公聴会)

第百二十条 各委員会は、審査に際し、住民に対して電磁的方法による意見提出の機会を保障する。提出意見は必ず紹介し、その要旨を会議録に記載する。技術基準は政令又は条例で定める。 解説

 委員会は、前項により提出された意見の件数、分類及び審査への反映状況の概要を作成し、会議録と併せて公表しなければならない。取扱いに関する基準は条例又は規則で定める。

(国際合同審議)

第百二十一条 地方議会の各委員会は、必要に応じ、共通課題に関し他国の地方議会等と合同審議を行うことができる。その成果は参考意見とし、必要があれば付帯決議をもって承認できる。 解説

(議案及び審議過程の電子公開)

第百二十二条 地方議会に提出された議案、修正案その他の審議資料は、速やかに電磁的方法により公開しなければならない。真正性担保の技術措置及び主要言語への翻訳を付すことを要する。技術基準は政令又は条例で定め、住民の知る権利を不当に制限してはならない。 解説

(委員会の調査権)

第百二十三条 地方議会の委員会は、関係人に対し出頭、証言又は資料を求めることができる。 解説

 正当な理由なくこれを拒み、又は虚偽の陳述をした者に対しては、条例で定めるところにより過料を科することができる。

 委員会は、執行機関及び監査委員に対し、資料提出又は意見陳述を求めることができる。

(利益相反行為の制限)

第百二十四条 地方議会の議員は、当該地方公共団体との契約その他利益相反行為をしてはならない。 解説

(議会内選挙)

第百二十五条 地方議会における議会内選挙は、無記名投票で行う。ただし、全会一致で別段の定めをしたときは、この限りでない。 解説

(事件不継続)

第百二十六条 地方議会の議案は、会期終了により審議未了のまま廃案となる。ただし、地方議会の議決があるときは、次の会期に継続して審議することができる。 解説

(予算説明義務)

第百二十七条 長は、予算案を提出するときは、その説明を行わなければならない。 解説

(会議録)

第百二十八条 地方議会は、会議録を作成し、公表しなければならない。ただし、秘密会の部分についてはこの限りでない。 解説

(請願)

第百二十九条 請願は、議員を紹介者として、地方議会に提出しなければならない。 解説

(人事、規律及び懲罰)

第百三十条 地方議会における議員の辞職、資格争訟及び職務執行停止に関する手続並びに規律及び懲罰については、この法律の国会に関する規定を準用する。 解説

(議会事務局等)

第百三十一条 地方議会に事務局を置き、必要に応じ、図書館又は法制局を置くことができる。 解説

(地方共同議会の設置)

第百三十二条 二以上の地方公共団体は、法律の定めるところにより、共同の議会を設置することができる。

(地方共同議会の運営及び解散)

第百三十三条 地方共同議会の組織、運営及び解散に関し必要な事項は、政令で定める。

第四編 行政機関

第一章 総則

(行政機関の構成及び役割)

第百三十四条 行政機関の構成及び役割は、この法律第十条、第十三条並びに第十一条の定めるところによる。 解説

 行政機関は、民主的統制、適正手続及び説明責任を基本としてその職務を遂行しなければならない。

(国と地方の協議)

第百三十五条 国は、地方公共団体と重要な制度又は財政に関する事項について、常設の協議の場を設け、協議の経過及び結果を公表するものとする。 解説

 協議の対象、開催頻度、議事録の作成及び公表の方法その他必要な事項は、政令で定める。

(広域行政の調整)

第百三十六条 広域に及ぶ行政課題の調整は、この法律第十八条第三項(非領域連合)及び第二十三条第三項(連携協定)の定めるところによる。 解説

 前項の調整に専門的知見を要するときは、関係行政機関は共同で調整会議を設け、所掌及び主務を定めて行う。

(行政情報の公開及び共有)

第百三十七条 行政機関は、行政情報の公開及び保存並びに共有に関し、第十条第八項(技術標準)、第十条の二(公開API)及び第八十九条の二(構造化法令の提供)の定めるところにより、機械判読形式及び公開APIにより行うものとする。 解説

 個人情報及び機密の保護は必要最小限の範囲で制限し、その理由を公表しなければならない。

(行政相談制度)

第百三十七条の二 行政機関は、行政運営に関する相談及び苦情の申出を受け付けるため、電磁的方法による窓口を設け、処理の経過及び結果を申出人に通知しなければならない。 解説

 処理期間の目安、不服申出の方法及び年次の統計並びに改善提案の公表その他必要な事項は、政令で定める。

(政府公報及び官報)

第百三十七条の三 政府の公報は、官報により行う。官報は電磁的方法により発行することができ、この場合における真正性の確保は、第六条の三(意思決定記録の真正性)及び第八十九条の二第二項の規定に準じて行う。 解説

 緊急の公報は、その旨及び理由を付して電磁的方法により行うことができ、速やかに官報で追補する。

第二章 国家行政機関

(国家行政機関)

第百三十八条 国家行政機関の設置及び所掌は、個別の設置法の定めるところによる。 解説

(内閣)

第百三十九条 内閣は、国民主権の理念にのっとり、日本国憲法第七十三条その他憲法に定める職権を行う。 解説

 内閣は、行政権の行使について、全国民を代表する議員からなる国会に対し、連帯して責任を負う。

 内閣は、国会の指名に基づいて任命された内閣総理大臣及び、内閣総理大臣により任命された国務大臣をもって組織する。

 国務大臣の数は、十四人以内とする。ただし、特別に必要がある場合においては、三人を限度としてその数を増加し、十七人以内とすることができる。

 各国務大臣は、別に法律の定めるところにより、主任の大臣として行政事務を分担管理する。

 前項の規定は、行政事務を分担管理しない国務大臣を置くことを妨げない。

 内閣は、公共機関としての組織運営に関し、この法律第十条第八項(技術標準)及び第八十九条の二(構造化法令の提供)の定めるところにより、閣議決定その他の意思決定記録を電磁的に保存し、公表しなければならない。

(閣議)

第百四十条 内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。 解説

 閣議は、内閣総理大臣がこれを主宰する。

 内閣総理大臣は、内閣の重要政策に関する基本的な方針その他の案件を発議することができる。

 各国務大臣は、案件の如何を問わず、内閣総理大臣に提出して閣議を求めることができる。

 閣議における決定の過程及び結果は、国家機密に属する事項を除き、閣議書その他の電磁的記録として保存し、後世の検証に供するよう努めなければならない。

(権限の裁定)

第百四十一条 主任の国務大臣の間における権限についての疑義は、内閣総理大臣が、閣議にかけて、これを裁定する。 解説

 前項の裁定は、電子的に記録し、公文書管理法その他関係法令の定めるところにより保存するものとする。

(職務の代理)

第百四十二条 内閣総理大臣に事故があるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、そのあらかじめ指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う。 解説

 主任の国務大臣に事故があるとき、又は主任の国務大臣が欠けたときは、内閣総理大臣又はその指定する国務大臣が、臨時に、その主任の国務大臣の職務を行う。

 前二項に基づく代行の指定及び発動状況は、閣議録に記載し、公示しなければならない。

(法律の委任)

第百四十三条 政令には、法律の委任がなければ、義務を課し、又は権利を制限する規定を設けることができない。 解説

 法律の委任を受けて政令を発する場合には、委任の範囲、理由及び根拠条文を閣議決定に明記しなければならない。

 前項の政令は、公布時において構造化法令データとして作成し、公表する。

(内閣官房及び法制局)

第百四十四条 内閣に、内閣官房及び法制局を置く。 解説

 内閣官房は、閣議事項の整理その他内閣の庶務及び行政の総合調整を所掌する。

 法制局は、内閣提出の法律案及び政令案の審議立案ならびに条約案の審議その他法制一般に関することを所掌する。

 内閣官房及び法制局の意思決定及び審査過程に関する情報は、政令で定める技術基準に従い、真正性を担保した電磁的記録として保存するものとする。

第三章 地方行政機関

(地方行政機関)

第百四十五条 地方行政機関は、地方公共団体の執行機関として、法令及び条例の定めるところにより設置される。 解説

 地方行政機関は、地域の特性に応じ、効率的かつ民主的な行政を遂行しなければならない。

(地方行政機関の廃置分合等)

第百四十六条 地方行政機関の設置、廃止又は統合は、条例で定める。 解説

 前項の規定にかかわらず、国の委任に係る事務を処理する地方行政機関の廃止又は統合は、主務大臣の協議を要する。

(市制及び区制施行要件)

第百四十七条 地方公共団体は、政令で定める人口、財政及び行政能力の基準を満たすときは、市制又は区制を施行することができる。

 施行に当たっては、議会の議決を経なければならない。

(町村制施行要件)

第百四十八条 町村制の施行は、地域の実情に応じ、政令で定める要件を充たす地方公共団体において行うことができる。

(市区制及び町村制の移行)

第百四十九条 市区制又は町村制を相互に移行しようとするときは、関係地方公共団体の協議を経て、条例でこれを定める。

 移行の手続、効力発生時期及び資産・債務の承継その他必要な事項は、政令で定める。

(境界確定裁定)

第百五十条 地方公共団体相互の境界に関して紛争がある場合において、協議が整わないときは、関係地方公共団体の申立てにより、総務大臣が裁定する。

 裁定に不服がある場合においては、行政不服審査法によることができない。

(都道府県知事による境界確定)

第百五十一条 市町村相互間の境界について協議が整わない場合において、関係市町村の属する都道府県が同一であるときは、都道府県知事がこれを裁定する。

 都道府県知事は、裁定に先立ち、関係当事者の意見を聴取しなければならない。

(公有水面にかかる境界変更)

第百五十二条 公有水面にかかる地方公共団体の境界の変更は、国土交通大臣が関係地方公共団体の意見を聴いて決定する。

 国は、境界変更後の公共用財産の管理及び権限分担について、当該地方公共団体間の協議を促進する。

(土地造成に関する届出)

第百五十三条 地方行政機関は、土地造成その他の開発行為に関し、公共施設の配置及び防災上の見地から、事前の届出を求めることができる。 解説

 届出の手続及び審査に関する事項は、条例で定める。

(条例及び規則)

第百五十四条 地方行政機関の所掌事務に関し必要な事項は、条例又は規則で定める。 解説

第四章 行政委員会

第一節 国家行政委員会

(会計検査院)

第百五十五条 会計検査院は、憲法及び会計検査院法の定めるところにより、国の収入支出の検査を行う。 解説

(公正取引委員会)

第百五十六条 公正取引委員会は、独占禁止法その他の法令に基づき、自由かつ公正な競争の確保をつかさどる。 解説

(人事院)

第百五十七条 人事院は、国家公務員法の定めるところにより、公務員の人事行政の公平を保障し、その地位を守る。 解説

第二節 中央行政委員会

(中央行政委員会の設置)

第百五十八条 国は、専門的又は中立的判断を要する行政分野について、中央行政委員会を設置することができる。 解説

 中央行政委員会は、合議制とし、独立して職権を行う。

(選挙管理中央委員会)

第百五十九条 選挙管理中央委員会は、選挙の公正を確保するため、選挙法令の解釈及び運用に関し指針を示す。 解説

(監査中央委員会)

第百六十条 監査中央委員会は、国及び地方公共団体における監査制度の統一的基準を定める。 解説

(情報保護中央委員会)

第百六十一条 情報保護中央委員会は、個人情報、機微情報及び行政機密の保護並びに公開請求制度の適正運用を監督する。 解説

(税務不服審判委員会)

第百六十二条 税務不服審判委員会は、税務行政に関する不服申立てを審理裁決する。 解説

第三節 地方支部及び局の設置

(地方選挙管理支部)

第百六十三条 選挙管理中央委員会は、地方公共団体の区域ごとに地方選挙管理支部を置くことができる。 解説

(地方監査支部)

第百六十四条 監査中央委員会は、地方公共団体の監査制度に関する助言及び調整のため、地方監査支部を置くことができる。 解説

(教育局)

第百六十五条 教育局は、教育行政の地方分担及び調整に関する事務をつかさどる。 解説

(警察局)

第百六十六条 警察局は、警察の組織及び運営に関する基準を定め、都道府県警察を指導監督する。 解説

(人事局)

第百六十七条 人事局は、公務員の採用、研修及び人事評価制度の整備を担当する。 解説

第五章 行政審議会

第一節 総則

(行政審議会の設置)

第百六十八条 行政機関は、専門的又は総合的な政策の調査審議を行うため、法律又は政令の定めるところにより、行政審議会を設けることができる。 解説

(行政審議会と政治会議の区別)

第百六十九条 行政審議会は、学識経験者その他の専門的知見を有する者により構成され、政治的意思決定を行う会議と区別されるものとする。 解説

(委員の任命)

第百七十条 行政審議会の委員は、公正中立の立場において審議に参加することを要し、任命に当たっては、性別、年齢及び職業の均衡に配慮しなければならない。 解説

(運営の基本)

第百七十一条 行政審議会の会議は公開を原則とし、審議の経過及び結果は、電磁的方法により公表しなければならない。 解説

 会議録その他の資料は、原則として機械判読可能な形式で作成し、一般の閲覧に供するものとする。

第二節 国家審議会

(国家審議会の必置)

第百七十二条 国においては、重要な政策分野ごとに国家審議会を設け、基本方針の企画、評価及び見直しに関する事項を審議するものとする。 解説

(国家審議会の権限)

第百七十三条 国家審議会は、内閣又は関係行政機関に対し、勧告、意見又は報告を行うことができる。 解説

 内閣は、勧告の取扱い及び実施状況を毎年度報告し、公表しなければならない。

第三節 地方審議会

(地方審議会の必置)

第百七十四条 地方公共団体は、条例の定めるところにより、地域の政策形成に資するため、地方審議会を設けるものとする。 解説

(地方審議会の権限)

第百七十五条 地方審議会は、当該地方公共団体の長又は議会に対し、意見、提言又は報告を行うことができる。 解説

 当該地方公共団体は、地方審議会の意見を尊重し、その取扱い及び実施状況を公表しなければならない。

第五編 司法機関

第一章 総則

(司法制度の構成)

第百七十六条 司法権は、最高裁判所及び法律の定める下級裁判所に属する。 解説

 裁判所は、独立してその職権を行い、いかなる行政機関からも指揮を受けない。

第二章 裁判所の組織

(裁判所)

第百七十七条 裁判所は、最高裁判所及び高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所並びに簡易裁判所とする。 解説

(最高裁判所)

第百七十八条 最高裁判所は、憲法の定めるところにより、司法権の最高機関として、下級裁判所を指揮監督する。 解説

(下級裁判所)

第百七十九条 下級裁判所は、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所とする。 解説

(高等裁判所)

第百八十条 高等裁判所は、上訴事件その他法律で定める事件を管轄する。 解説

(地方裁判所)

第百八十一条 地方裁判所は、第一審としてすべての事件を管轄する。ただし、法律で特に定めるものを除く。 解説

(家庭裁判所)

第百八十二条 家庭裁判所は、家庭に関する事件を管轄し、調停その他の方法により紛争の円満な解決を図る。 解説

(簡易裁判所)

第百八十三条 簡易裁判所は、軽微な民事及び刑事事件を管轄する。 解説

第三章 司法事務及び施設

(司法事務)

第百八十四条 裁判所は、訴訟、非訟及びその他司法事務に関し、事務の能率化及び公開性を確保しなければならない。 解説

(司法図書館)

第百八十五条 最高裁判所に司法図書館を置き、判例、資料及び法学研究を収集し、一般の利用に供する。 解説

(法廷)

第百八十六条 裁判は、法廷において公開で行う。 解説

(秘密法廷)

第百八十七条 裁判所は、秩序又は公益を著しく害するおそれがあるときは、決定により秘密法廷で審理することができる。 解説

第四章 裁判の手続及び保障

(審判妨害罪)

第百八十八条 裁判又は審判の公正を害する目的で、威迫、妨害又は虚偽の供述をした者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 解説

(評議)

第百八十九条 裁判所の合議体は、評議によりその判断を決する。 解説

(評決)

第百九十条 評決は、出席裁判官の過半数によって決する。 解説

(裁判員制度及び陪審制度)

第百九十一条 国は、裁判員制度及び陪審制度の運用を通じ、司法への国民参加を保障する。 解説

第五章 地方司法準備機関

(地方司法準備機関の設置)

第百九十二条 地方公共団体は、地方司法準備機関を設けることができる。 解説

(権限及び職務)

第百九十三条 地方司法準備機関は、司法施設の整備、司法補助人材の育成及び地域紛争解決制度の支援を行う。 解説

第六章 司法補助機関

(検察庁)

第百九十四条 検察庁は、刑事事件の捜査及び公訴の提起を行う。 解説

(検察官の任命及び職務)

第百九十五条 検察官は、法務大臣の監督を受けつつ、公平中立にその職務を遂行する。 解説

(弁護士)

第百九十六条 弁護士は、すべての国民の権利を擁護し、社会正義の実現を目的とする。 解説

(弁護士会及び連合会)

第百九十七条 弁護士会及び日本弁護士連合会は、弁護士の品位を保持し、業務の改善及び司法制度の発展を図る。 解説

(司法書士)

第百九十八条 司法書士は、登記及び供託に関する業務を行い、国民の法的利便を増進する。 解説

(調停委員及び司法委員)

第百九十九条 調停委員及び司法委員は、社会的良識をもって、紛争の円満な解決を図るため、裁判所を補佐する。 解説

(仲裁機関及び裁判外紛争解決手続)

第二百条 国は、仲裁機関及び裁判外紛争解決手続(ADR)の整備を促進する。 解説

(その他司法補助資格者)

第二百一条 司法通訳人、公証人その他司法補助資格者は、法令の定めるところにより、その職務を行う。 解説

第七章 司法審査及び統制

(違憲審査権)

第二百二条 最高裁判所は、すべての法令、命令、規則又は処分について違憲審査権を有する。 解説

(憲法裁判手続)

第二百三条 憲法の解釈又は適用に関する裁判手続は、別に法律で定める。 解説

(裁判官弾劾裁判所)

第二百四条 裁判官弾劾裁判所は、国会法その他の法令の定めるところにより設置する。 解説

(検察官適格審査会)

第二百五条 検察官適格審査会は、検察官の適格性を審査し、その職務執行の公正を確保する。 解説

(司法行政及び統計)

第二百六条 最高裁判所は、司法行政を統括し、司法統計を作成してこれを公表する。 解説

(司法制度審議会)

第二百七条 司法制度の改善及び将来計画を審議するため、司法制度審議会を設ける。 解説

(国際司法協力)

第二百八条 国は、国際的な司法協力を促進し、国際紛争の平和的解決に資する体制を整備する。 解説

第六編 法人

第一章 指定公共機関

(公共機関の指定)

第二百九条 国又は地方公共団体は、法令又は条例の定めるところにより、特定の公共事務を処理させるため、法人を公共機関として指定することができる。 解説

 指定は、第一種指定公共機関及び第二種指定公共機関に区分して行う。

(公共機関の区分)

第二百十条 第一種指定公共機関は、法令に基づき公権力の行使を伴う事務を行う法人とし、第二種指定公共機関は、公共の利益のための補助的事務を行う法人とする。 解説

(第一種指定公共機関)

第二百十一条 第一種指定公共機関は、法令の定める範囲内で、行政上の処分その他の公権力の行使を行うことができる。 解説

 前項に規定する法人は、指定に際してその権限、責任及び監督機関を明示しなければならない。

(第二種指定公共機関)

第二百十二条 第二種指定公共機関は、行政事務の補助その他公的事業の実施に関する事務を行う。 解説

 前項の法人は、主務大臣又は地方公共団体の長の監督を受け、その業務の状況について毎事業年度報告書を提出しなければならない。

(公共組織法準用機関)

第二百十三条 第一種及び第二種指定公共機関は、公共組織法の定めるところにより、監督、報告及び罰則に関する規定を準用する。 解説

第二章 指定公共組織

(指定公共組織の定義)

第二百十四条 指定公共組織は、国、地方公共団体、民間法人、外国の公共機関又は国際機関その他の団体が、法令又は条例に基づき、対等の協働関係において、公共の利益に資する特定の事務又は事業を期間及び範囲を限定して実施するために設立され、又は指定された組織をいう。 解説

 指定公共組織は、行政機関及び地方公共団体の内部組織に該当しないものとし、その公的権限は法令に明示された範囲に限られる。

(複数主体及び競争性の原則)

第二百十五条 指定公共組織は、二以上の主体により構成しなければならない。 解説

 指定に当たっては、特定の一法人のみに依存することを避け、事業内容に応じ、民間企業、学術機関、地域団体、国際機関その他の適切な主体の参加を促すものとする。

 主務大臣又は地方公共団体の長は、指定に際し、公募その他の透明な方法により構成員の選定を行わなければならない。

(指定の要件及び協定)

第二百十六条 指定公共組織の指定は、次に掲げる要件を満たす場合に限り行うものとする。 解説

一 構成員の間で、目的、権限、財政負担及び責任分担が明確に定められていること。

二 期間及び終了時の成果の引継方法が明確に定められていること。

三 情報公開及び監査に関する基準が、国内外の標準に適合していること。

四 外国又は国際機関が参加する場合においては、国際約束又は協定により法的安定性が確保されていること。

 指定公共組織の設立又は指定に際しては、前項の事項を定めた協定書を作成し、主務大臣又は地方公共団体の長の認可を受けなければならない。

(予算及び会計)

第二百十七条 指定公共組織に係る経費は、当該国又は地方公共団体の予算において目的別経費として計上しなければならない。 解説

 指定公共組織が公金の支出を伴う場合は、会計法又は地方財政法の原則に従い、歳出の目的及び金額を明示しなければならない。

 主務大臣又は地方公共団体の長は、当該支出の決定に際し、第三者による審査又は評価を経なければならない。

(情報公開及び透明性)

第二百十八条 指定公共組織は、事業の進捗、契約、財務及び評価に関する情報を電磁的方法により公開しなければならない。 解説

 主務大臣又は地方公共団体の長は、情報公開が適正に行われていないと認めるときは、是正を命ずることができる。

(監督及び評価)

第二百十九条 主務大臣又は地方公共団体の長は、指定公共組織に対し、業務及び財務に関する監査を行い、必要があるときは改善を命ずることができる。 解説

 指定公共組織は、毎事業年度終了後に事業報告書及び財務諸表を作成し、公認会計士の監査を受けた上で、公表しなければならない。

 主務大臣又は地方公共団体の長は、前項の報告を第三者評価委員会に付して審議し、その結果を国会又は議会に報告しなければならない。

(期間の満了及び再指定)

第二百二十条 指定公共組織は、指定に定める期間の満了により、その効力を失う。 解説

 期間の延長又は再指定を行う場合には、前条までの規定を準用する。

(公示及び終了)

第二百二十一条 指定公共組織の指定、変更又は終了に関する事項は、官報又は当該地方公共団体の公報に公示するものとする。 解説

 当該公示には、構成員、期間、財政支援、監督機関及び評価結果を明示しなければならない。

第三章 特殊法人

(定義)

第二百二十二条 特殊法人は、特別の法律により設立される法人であって、国の出資その他財政的関与の下に、公共の利益を目的として特定の事業を行うものをいう。 解説

(設置及び監督)

第二百二十三条 特殊法人の設置は、国会の議決を経て定める設置法によらなければならない。 解説

 主務大臣は、特殊法人の業務が法令又は設置法に違反するおそれがあると認めるときは、報告を求め、又は必要な指示をすることができる。

(区分及び所掌事務)

第二百二十四条 特殊法人は、産業、交通、通信、金融、教育、文化その他公共の利益に関する分野ごとに設けることができる。 解説

 その所掌事務及び権限は、設置法に定める。

(経理及び報告)

第二百二十五条 特殊法人は、毎事業年度、財務諸表及び事業報告書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。 解説

 主務大臣は、必要があるときは会計検査院の検査を請求することができる。

第四章 独立行政法人

(定義)

第二百二十六条 独立行政法人は、法律に基づき設立され、国の政策の効果的実施を目的として、特定の業務を自律的に行う法人をいう。 解説

(設置及び監督)

第二百二十七条 独立行政法人の設置は、法律の定めるところによる。 解説

 主務大臣は、当該法人の業務運営に関し、法令又は業務方法書に違反するおそれがあるときは、報告又は改善命令を行うことができる。

(業務運営及び評価)

第二百二十八条 独立行政法人は、中期目標及び中期計画に基づき、効率的かつ透明な業務運営を行うものとする。 解説

 主務大臣は、業務及び財務の状況について定期的に評価を行い、その結果を公表する。

第五章 認可法人

(定義)

第二百二十九条 認可法人は、法律の定めにより、主務大臣の認可を受けて設立され、特定の資格者又は業種の統一的運営を目的とする法人をいう。 解説

(設立及び監督)

第二百三十条 認可法人の設立及び解散は、主務大臣の認可を要する。 解説

 主務大臣は、その業務運営が法令又は定款に違反するおそれがあるときは、必要な指導又は改善命令を行うことができる。

(業務の範囲)

第二百三十一条 認可法人は、会員の指導監督、試験、登録その他公共性の高い業務を行うことができる。 解説

 認可法人は、営利を目的とする事業を行ってはならない。

(責任及び報告)

第二百三十二条 認可法人は、その業務により生じた損害について、当該業務を行った役員又は職員と連帯して賠償の責任を負う。 解説

 認可法人は、毎事業年度終了後、業務及び会計の状況を主務大臣に報告しなければならない。

第六章 特別民間法人

(定義)

第二百三十三条 特別民間法人は、特別の法律により設立される民法上の法人であって、公益又は公共の利益に資する事業を行うものをいう。 解説

(設置及び監督)

第二百三十四条 特別民間法人の設置は、法律に定めるところによる。 解説

 主務大臣は、その業務が公共の利益を著しく害すると認めるときは、必要な勧告を行うことができる。

(事業の範囲)

第二百三十五条 特別民間法人は、法令で定める目的の範囲内において、公益又は公共の利益を目的とする事業を行うものとする。 解説

第七章 地方共同法人

(定義)

第二百三十六条 地方共同法人は、二以上の地方公共団体が共同して設立する法人であって、地域の行政事務を効率的に処理することを目的とするものをいう。 解説

(設置及び監督)

第二百三十七条 地方共同法人の設置は、関係地方公共団体の議会の議決及び総務大臣の認可を経て行う。 解説

 地方共同法人は、その業務及び会計に関し、毎事業年度、関係地方公共団体の監査を受けなければならない。

(業務及び責任)

第二百三十八条 地方共同法人は、関係公共団体の委託に基づき、共同の事務又は事業を行う。 解説

 当該法人の債務については、関係地方公共団体が連帯して責任を負う。

第八章 公共法人及び公益法人

(公共法人の定義)

第二百三十九条 公共法人は、法律により設立され、公共の利益のために行政事務を補完することを目的とする法人をいう。 解説

(公共法人の設置及び監督)

第二百四十条 公共法人の設立は、法律に定めるところによる。 解説

 主務大臣は、必要があると認めるときは、当該法人に対し報告を求め、又は監査を行うことができる。

(公益法人の定義)

第二百四十一条 公益法人は、公益社団法人又は公益財団法人であって、内閣府の認定を受けて公益目的事業を行うものをいう。 解説

(公益法人の監督及び事業の範囲)

第二百四十二条 公益法人は、公益目的事業以外の事業を行ってはならない。ただし、公益目的事業の遂行に支障を及ぼさない範囲で営利事業を行うことができる。

 内閣府は、公益法人の業務及び会計の状況について監督を行う。

第九章 民間事業者

(定義)

第二百四十三条 公共的事業を担う民間事業者とは、法律又は契約により公共の利益に関する事務又は事業を実施する法人又は個人をいう。 解説

(指定及び監督)

第二百四十四条 公共組織は、民間事業者に対し、公共的事業の遂行を委託し、又は指定することができる。 解説

 前項の指定を受けた事業者は、主務大臣又は地方公共団体の監督を受け、その業務の実績を公表しなければならない。

(公共的責務)

第二百四十五条 公共的事業を担う事業者は、公共の利益を損なう行為をしてはならず、業務の透明性及び公正性を確保しなければならない。 解説

 公共組織は、必要に応じ、報告の徴収、検査及び是正命令を行うことができる。

第七編 財政

第一章 総則

(歳入歳出の原則)

第二百四十六条 公共組織の財政は、すべて法令の定めるところにより行わなければならない。 解説

 すべての歳入及び歳出は、予算に計上しなければならない。

 特定の目的のため設けられた歳入は、法令の定める場合を除き、流用してはならない。

(財政民主主義の原則)

第二百四十七条 公共組織の財政は、議会の議決に基づき、国民及び住民の負託に応えるものでなければならない。 解説

 公共組織は、予算及び決算の内容を公表し、国民及び住民に説明する責務を負う。

(予算の編成及び執行)

第二百四十八条 公共組織は、毎会計年度の予算を編成し、議会の議決を経て執行しなければならない。 解説

 予算は、政策目的別及び機能別に分類し、公共組織及び指定公共組織の経費を明確に区分して計上するものとする。

 予算の執行は、効率性及び透明性を確保しなければならない。

(財政の健全性)

第二百四十九条 公共組織は、財政の健全性を保持し、将来世代に過度の負担を残してはならない。 解説

 財政収支の均衡及び債務残高の適正化に努めなければならない。

第二章 公債及び債務

(国債及び地方債の制限)

第二百五十条 公共組織は、法令の定める場合を除き、公債又は地方債を発行してはならない。 解説

 公債及び地方債の発行は、公共施設、災害復旧又は長期的投資に限定するものとする。

(償還及び管理)

第二百五十一条 公共組織は、債券の償還計画を策定し、これを公表しなければならない。 解説

 償還に要する経費は、予算に計上し、当該年度内にこれを支出しなければならない。

第三章 公共料金及び公共事業

(公共料金の原則)

第二百五十二条 公共組織が定める公共料金は、適正な原価と社会的負担能力に基づき、法令又は条例で定めるものとする。 解説

 公共料金は、過大な利益又は過少な対価を生じさせてはならない。

(公共料金の決定)

第二百五十三条 公共料金の新設又は改定は、議会の議決を経て行うものとする。 解説

 指定公共組織又は公共法人が料金を定める場合は、主務大臣又は地方公共団体の長の認可を受けなければならない。

(公共事業費用の原則)

第二百五十四条 公共事業の実施に要する費用は、受益と負担の均衡を図りつつ、公共組織がその所掌に応じて分担するものとする。 解説

 民間又は国際機関と共同して実施する事業については、協定に基づき、費用負担及び監査方法を明確に定めなければならない。

第四章 使用料・補助金等

(使用料の原則)

第二百五十五条 使用料は、法令又は条例で定める基準により算定しなければならない。 解説

 使用料の額は、社会的公正及び経済的合理性を考慮して決定する。

(補助金及び負担金)

第二百五十六条 公共組織は、法令の定める場合を除き、補助金又は負担金の交付を受けない。 解説

 補助金及び負担金は、明確な政策目的及び成果指標に基づき交付しなければならない。

 指定公共組織又は民間事業者に対する補助金については、評価及び再検証を行い、その結果を公表しなければならない。

(国庫支出金)

第二百五十七条 国庫支出金は、公共組織の自主性及び財政の健全性を損なわないよう配慮して交付するものとする。 解説

 国は、当該組織に対し、交付条件、支出基準及び評価方法を明示しなければならない。

(特別会計の原則)

第二百五十八条 公共組織は、特別会計を設ける場合においては、その設置目的、収支及び資金繰りを明確にしなければならない。 解説

 特別会計は、会計年度ごとに決算報告書を作成し、公表するものとする。

(収益事業収入)

第二百五十九条 公共組織の事業収入は、公共目的の達成のために充てなければならない。 解説

 収益事業の損益は、予算及び決算において区分して記載しなければならない。

第五章 監査及び報告

(財政報告及び監査)

第二百六十条 公共組織は、毎会計年度の歳入歳出決算を作成し、会計検査院又は監査委員の監査を受けなければならない。 解説

 指定公共組織、独立行政法人その他公的法人は、監査結果を主務大臣又は地方公共団体の長に報告しなければならない。

 国及び地方公共団体は、監査結果に基づき、必要な是正措置を講じ、その実施状況を議会に報告しなければならない。

第八編 附則

第一節 施行

(施行期日)

第二百六十一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内で政令で定める日から施行する。 解説

(段階的施行)

第二百六十二条 この法律の施行については、政令で定めるところにより、章又は条の区分に従い順次施行することができる。 解説

 国及び地方公共団体は、施行に先立ち、必要な組織及び財務の整備を行わなければならない。

第二節 経過措置

(現行組織の存続)

第二百六十三条 この法律の施行の際現に存する行政機関及び地方公共団体の組織は、当該機関又は団体に関する法令に特別の定めがある場合を除き、この法律に基づく公共組織又は公共機関とみなす。 解説

(現行財政手続の存続)

第二百六十四条 この法律の施行前に着手された予算、決算その他の財政手続は、従前の例による。ただし、施行後における監査及び報告はこの法律の定めるところによる。 解説

(現行法人の存続)

第二百六十五条 この法律の施行の際現に存する特殊法人、独立行政法人その他の公的法人は、設置根拠法の定めるところにより設立されたものとみなし、この法律に基づく法人として存続する。 解説

(指定公共組織への移行)

第二百六十六条 現行法に基づき国又は地方公共団体から特定の事務を受託している法人又は団体は、政令で定めるところにより、指定公共組織として指定を受けることができる。 解説

 前項の指定を受けた法人又は団体は、施行の日から一年以内に、協定書及び予算区分を整備しなければならない。

(特定非営利活動促進法の廃止及び経過措置)

第二百六十六条の二 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)は、廃止する。

 施行の日において、同法に基づき設立された特定非営利活動法人は、本法第二百三十三条に規定する特別民間法人として存続するものとする。

 当該法人に係る主務大臣は、本法第二百三十三条及び第二百四十四条の規定により監督を行う。

第三節 読み替え規定

(他法の読み替え)

第二百六十七条 この法律の施行に際し、次に掲げる法令中の規定は、それぞれ次のように読み替えるものとする。 解説

一 国家行政組織法中「行政機関」又は「内部部局」とあるのは、「公共機関」又は「公共組織」とする。

二 地方自治法中「普通地方公共団体の機関」とあるのは、「地方公共機関」とする。

三 裁判所法中「裁判所の組織」とあるのは、「司法機関及び司法公共組織の編制」とする。

四 検察庁法中「検察庁」とあるのは、「司法機関に属する公共組織」とする。

五 独立行政法人通則法中「独立行政法人」とあるのは、「独立行政法人(公共組織法第二百二十六条の定義による)」とする。

六 特殊法人設置法中「特殊法人」とあるのは、「公共組織法第二百二十二条に定める特殊法人」とする。

七 財政法及び地方財政法中「行政機関」又は「地方公共団体」とあるのは、必要に応じて「公共機関」又は「公共組織」を含むものとする。

八 特別会計法中「各会計」とあるのは、「公共組織法に定める公共会計」とする。

第四節 廃止・改正

(廃止)

第二百六十八条 次に掲げる法律は、この法律の施行の日において廃止する。 解説

一 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)

二 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)

三 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)

四 検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)

五 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)

六 特殊法人設置法(各特別法)

七 財政法(昭和二十二年法律第三十四号)

八 地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)

九 特別会計に関する法律(昭和二十五年法律第十三号)

(関連法令の改正)

第二百六十九条 関係法令中、この法律の施行に伴い整備を要するものについては、政令で別に定める。 解説

第五節 検討条項

(施行後の見直し)

第二百七十条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、その施行の状況及び公共組織の運用実績を勘案し、必要があると認めるときは、その見直しについて検討を加え、その結果に基づき所要の措置を講じなければならない。 解説

(評価制度の総点検)

第二百七十一条 政府は、指定公共組織及び独立行政法人に係る評価制度の実施状況について、施行後三年を経過した時点で総点検を行い、その結果を国会に報告するものとする。 解説

(附則の効力)

第二百七十二条 この附則の規定は、この法律の他の規定と同一の効力を有するものとする。 解説