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国際税法 条文全文Lex50 · 20/50 · 私案条文

原稿あり· 23 か条(枝条・附則含む)

原稿から機械抽出した私案の条文です。表・別表・書式は含みません。正本は原稿ファイルです。

第一編 総則

(目的)

第一条 本法は、国際的な取引、航行及び通関に関する課税並びに租税条約の実施に関し、国の課税主権の行使及び国際協調の原則を明らかにするとともに、その適正かつ円滑な運用を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 本法において使用する用語の意義は、次に掲げるところによる。

一 「国際課税」とは、国際取引その他の国境を越える経済活動に対して行われる課税をいう。

二 「関税」とは、輸入貨物に対して課される租税をいう。

三 「通関」とは、貨物の輸出入に関し、税関長の許可その他法令に定める手続を経ることをいう。

四 「租税条約」とは、日本国と外国との間で締結された、所得、資産その他の課税に関する条約をいう。

五 「原産地証明書」とは、当該貨物の原産地を証明する文書をいう。

(国際租税制度の基本原則)

第三条 国際租税制度は、次に掲げる原則に基づくものとする。

一 課税主権の尊重及び相互主義の原則

二 二重課税の回避及び租税回避の防止の原則

三 租税に関する情報交換及び透明性の確保の原則

四 経済取引の実質に即した課税の原則

五 国際通商及び投資の円滑化に資する非差別の原則

第二編 関税制度

(輸入及び輸出に関する課税の原則)

第四条 輸入しようとする貨物には、この法律及びこれに基づく命令の定めるところにより関税を課する。

 輸出に関しては、国際協定に基づき又は国の資源及び環境の保全上特に必要がある場合に限り、政令で定めるところにより関税を課することができる。

 関税の課税及び徴収は、貿易円滑化及び国際通商秩序の確保に資するよう適正に行わなければならない。

(課税標準及び税率)

第五条 関税の課税標準は、貨物の価格、数量その他政令で定める事項に基づき算定する。

 関税の税率は、別表(関税税率表)に定めるほか、譲許税率、基本税率及び特別税率の三区分により適用する。

 特別税率は、経済上又は環境上の事情により暫定的に適用することができ、政令で定めるところにより弾力的に運用することができる。

(関税税率表)

第六条 関税税率表は、別表として本法に付属する。

 関税税率表の改定は、国会の承認を経て政令でこれを行うことができる。

 改定及び適用期日は、電子官報その他の方法により公示するものとする。

(暫定税率及び弾力的適用)

第七条 政府は、国際経済の変動、災害、需給の著しい変化その他特別の事由がある場合において、国会の承認を得て、政令で定めるところにより、一定期間関税の税率を引き上げ又は引き下げることができる。

 前項の暫定税率の適用は、国際協定に適合する範囲に限る。

 暫定税率の期間は、一年を超えてはならない。ただし、国会の承認を得た場合はこの限りでない。

第三編 船舶関係課税

(入港及び出港に対する課税)

第八条 外国航路に就航する船舶の入港又は出港に対しては、この法律の定めるところによりとん税を課する。

 とん税は、船舶の総トン数を基準として算定し、航行の目的及び航路の距離に応じて政令で定める区分により課す。

 政府は、国際海事機関その他の国際機関の定める基準に従い、燃料使用量、温室効果ガス排出量その他環境負担の程度を考慮して課税額を調整することができる。

 とん税の徴収は、税関長が行う。ただし、港湾管理者と協定を締結した場合にあっては、港湾管理者が代行することができる。

(特別とん税及び経過措置)

第九条 特別とん税法(昭和四十六年法律第八号)は、廃止する。

 特別とん税の賦課及び徴収に係る未処理の債権債務は、施行日以後もなお効力を有するものとし、その整理は政令で定めるところによる。

 政府は、前項により徴収した特別とん税相当額の残余を、港湾環境整備及び海上輸送の脱炭素化に充てるものとする。

第四編 通関制度

(通関業の登録及び監督)

第九条 通関業を営もうとする者は、財務大臣の登録を受けなければならない。

 登録は、法人格、設備、資格者等の要件を満たす者に限り行う。

 財務大臣は、登録を受けた通関業者に対し監督を行うことができる。

 通関業者は、電子情報処理システムを利用して手続を行う場合、電子署名その他政令で定める方法により本人確認を行わなければならない。

(電子通関手続)

第十条 輸出入に関する申告、検査、納税その他の通関手続は、電子情報処理システムを利用して行うものとする。

 電子通関に係る情報の送受信及び保存については、電子帳簿保存法の規定を準用する。

 政府は、AI及び機械学習の活用により、貨物審査及び輸入許可の迅速化を図るものとする。

(特定原産地証明書の発給)

第十一条 政府又は指定発給機関は、経済連携協定に基づき輸出される貨物について、特定原産地証明書を電子的方式により発給することができる。

 指定発給機関は、商工会議所、日本貿易振興機構その他政令で定める者とする。

 政府は、原産地証明書の電子的な相互承認を推進しなければならない。

(申告原産品情報提供制度)

第十二条 輸入者は、経済連携協定に基づき、自己の責任において原産品情報を申告することができる。

 輸入者は、申告に係る資料を五年間保存しなければならない。

 税関長は、必要に応じ、輸入者に対し資料の提出を求めることができる。

第五編 租税条約の実施

(租税条約の適用手続)

第十三条 租税条約に基づく特例の適用を受けようとする者は、財務大臣に対し、当該条約の定めるところにより申請をしなければならない。

 財務大臣は、外国の税務当局との情報交換又は相互協議を行うことができる。

 情報交換は、電子情報処理システムを利用して行うものとする。

 通信の安全確保及び認証に関する事項は、政令で定める。

(日米租税条約に伴う相続税特例)

第十四条 相続税又は贈与税に関する条約の規定により、日本に課税権が属しない場合には、相続税及び贈与税を課さない。

 財務大臣は、当該条約に基づく相互協議の結果を告示しなければならない。

(TIR条約実施特例)

第十五条 政府は、TIR条約に基づき、国際通関手帳(TIRカーネット)の発給、承認及び管理を行う。

 前項の手続は、電子情報処理システムにより行うものとする。

 政府は、国際機関との連携及び電子化推進のための協議を行わなければならない。

(ATA条約実施特例)

第十六条 政府は、ATA条約に基づき、一時輸入貨物について関税及び内国消費税を免除することができる。

 当該貨物は、通関手帳又は電子通関証明により管理する。

 政府は、文化財、芸術作品その他政令で定める物品について、再輸入の円滑化に努めるものとする。

(自家用車の一時輸入特例)

第十七条 外国居住者が自家用自動車を一時的に輸入する場合には、関税及び内国消費税を免除することができる。

 その期間は一年以内とする。ただし、特別の事情がある場合は政令で定める期間延長を認めることができる。

 輸入された自家用自動車は、交通安全及び自動車損害賠償保障に関する法令の適用を受ける。

第六編 特例規定

(外国居住者等の相互主義による非課税制度)

第十八条 外国の政府、地方公共団体、国際機関その他政令で定める者が日本国内において行う活動については、相互主義に基づき、所得税、法人税、消費税その他の租税を免除することができる。

 相互主義に基づく免税を適用する場合においては、相手国が日本国に対し同等の待遇を与えていることを確認しなければならない。

 財務大臣は、相互主義の適用に係る国又は機関を政令で指定し、その内容を公示するものとする。

 免税の範囲及び手続については、国際条約その他の国際約束に従うものとする。

(輸入品に対する内国消費税の徴収等)

第十九条 輸入される課税貨物に対しては、関税法の規定に準じて、消費税を徴収するものとする。

 前項の消費税は、関税とともに税関長が徴収し、国庫に納付する。

 本法施行の日以前に輸入された貨物に係る消費税の賦課及び徴収については、なお従前の例による。

 政府は、国際取引に係る課税の公平性及び二重課税の回避を図るため、国際付加価値税制度の整備に努めなければならない。

附則

(特別とん税法の廃止及び経過措置)

第一条 特別とん税法(昭和四十六年法律第八号)は、本法の施行の日をもって廃止する。

 本法施行前に特別とん税法の規定により課された特別とん税に関する賦課、徴収、還付その他の手続については、なお従前の例による。

 前項の規定により徴収した特別とん税の残余金は、政令で定めるところにより、港湾環境整備及び海上輸送の脱炭素化に充てるものとする。

(輸入消費税調整制度の経過措置)

第二条 本法施行前に輸入された貨物に係る消費税の賦課及び徴収については、なお従前の例による。

 輸入消費税の調整に関する政令及び省令は、本法施行の日において失効する。

 政府は、国際的付加価値税制度の整備に関し、関係国との協議を行い、その結果を国会に報告しなければならない。

(施行期日)

第三条 本法は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において、政令で定める日から施行する。

 本法の施行に必要な準備行為は、施行日前においても行うことができる。

 本法の施行に際して必要な経過措置は、政令で定める。