第一章 総則
(目的)
第1条 この法律は、人口の減少及び高齢化の進展、公共施設の老朽化、地域公共交通の縮小、災害リスクの増大その他地域社会を取り巻く環境の変化に対応し、地域における公共施設、交通、物流、医療、介護、福祉、教育、こども及び子育て支援、防災、地域産業、情報通信その他住民生活及び地域経済の基盤となる機能を総合的に把握し、その適正な再配置、維持及び強化を図るため、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する基本理念、国及び地方公共団体の責務、地域振興基本方針、地域振興区域、地域振興実施計画、地域公共拠点、地域振興台帳、支援措置その他必要な事項を定め、もって住民生活の基盤の確保、地域経済の維持及び発展、国土の均衡ある発展並びに災害その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態における地域公共機能の継続的な提供に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「地域公共機能」とは、地域における住民生活、地域経済、災害対応又は行政運営の基盤となる機能であって、国若しくは地方公共団体が自ら提供し、又はその安定的な確保を図る必要がある公共施設、交通、物流、医療、介護、福祉、保健、教育、社会教育、こども及び子育て支援、防災、消防、日常生活に必要な物品若しくはサービスの供給、食料その他生活に必要な物資の安定的な供給、情報通信、行政窓口、相談支援その他これらに類する機能をいう。
2 この法律において「地域公共機能の再配置」とは、人口、生活圏、交通、公共施設、財政、人材、地域経済、災害リスクその他地域の状況を踏まえ、地域公共機能の所在、規模、役割分担、提供方法、運営方法及び相互の連携を見直し、必要な地域公共機能を維持し、又は強化することをいう。
3 この法律において「地域振興区域」とは、第17条第1項の規定により指定された区域をいう。
4 この法律において「地域生活圏」とは、住民が日常生活を営むために必要な行政、保健、福祉、こども及び子育て支援、教育、日常生活に必要な物品の購入、交通その他の地域公共機能を通常利用する地域的範囲をいう。
5 この法律において「地方生活圏」とは、一又は二以上の地域生活圏について、医療、教育、雇用、商業、交通、物流、防災その他の専門的又は広域的な地域公共機能を総合的に確保する地域的範囲をいう。
6 この法律において「広域生活圏」とは、一又は二以上の地方生活圏について、高度な医療、教育及び研究、広域交通、物流、産業、防災その他の高次の地域公共機能を確保し、又は地方生活圏相互の連携を図る地域的範囲をいう。
7 この法律において「地域振興実施計画」とは、第28条第1項の規定により作成される計画をいう。
8 この法律において「認定地域振興実施計画」とは、第35条第2項の認定を受けた地域振興実施計画をいう。
9 この法律において「地域公共拠点」とは、行政、相談、医療、介護、福祉及び保健に関する案内又は相談、こども及び子育て支援、教育、防災、交通、物流、事業者支援、情報提供その他地域公共機能の維持に必要な機能の全部又は一部を担う一又は二以上の施設その他の場所をいう。
10 この法律において「地域振興台帳」とは、認定地域振興実施計画に関係する計画、事業、公共施設、支援措置、行政記録、評価資料その他の資料について、その原本の所在、管理主体、保存期間、更新履歴その他必要な事項を記録する台帳をいう。
11 この法律において「指定公共組織」とは、第77条第1項の規定による指定を受けた法人その他の団体をいう。
12 この法律において「地域共同事業組織」とは、認定地域振興実施計画に位置付けられ、又はこの法律に基づく支援措置の対象として国若しくは地方公共団体が認めた、地方公共団体、事業者その他の関係者が共同して事業を行うための組織をいう。
13 この法律において「モデル区域」とは、第27条第1項の規定により指定された区域をいう。
14 この法律において「行政記録」とは、行政文書その他国又は地方公共団体の事務又は事業の経過、判断又は結果を記録した文書、図画又は電磁的記録をいう。
15 この法律において「支援措置」とは、地域公共機能の再配置及び地域振興を推進するために行われる財政上、税制上、金融上、公共資産の活用上、人材上、技術上その他の措置をいう。
16 この法律において「主務大臣」とは、第128条第1項及び第2項に定める大臣をいう。
17 この法律において「主務省令」とは、主務大臣がこの法律に基づき発する命令をいう。
(基本理念)
第3条 地域公共機能の再配置及び地域振興は、住民生活の基盤を確保し、地域経済の維持及び発展を図り、並びに災害その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態における地域公共機能の継続的な提供を確保することを旨として行われなければならない。
2 地域公共機能の再配置及び地域振興は、地方公共団体の自主性及び自立性を尊重し、地域の自然的、社会的、経済的及び歴史的条件並びに住民の意向を踏まえて行われなければならない。
3 地域公共機能の再配置及び地域振興は、既存の計画、施設、支援措置、協議体及び行政記録をできる限り活用し、新たな計画又は事務の不必要な重複を生じさせないよう行われなければならない。
4 地域公共機能の再配置及び地域振興は、住民、利用者、事業者、こども、若者、高齢者、障害者、外国人その他の関係者の意見が適切に反映されるよう行われなければならない。
5 地域公共機能の再配置及び地域振興は、国、地方公共団体、指定公共組織、地域共同事業組織、事業者、住民その他の関係者の適切な役割分担及び連携により行われなければならない。
6 地域公共機能の再配置及び地域振興は、財政の健全性に配慮し、既存の歳出、公共資産、人材その他の資源を総合的に把握し、その重複の排除及び効果的な活用を図ることを旨として行われなければならない。
7 地域振興台帳の整備及び活用は、個人情報、営業秘密その他事業者の秘密に属する情報、租税に関する法令により守秘を要する情報、重要インフラの防護又は安定的な機能の確保に関し保護を要する情報その他保護を要する情報の適正な管理を確保して行われなければならない。
(国の責務)
第4条 国は、前条の基本理念にのっとり、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 国は、地域振興基本方針を定め、関係行政機関相互の調整、地方公共団体に対する財政上、技術上及び人材上の支援、標準的な手続及び様式の整備その他必要な措置を講ずるものとする。
3 国は、地方公共団体の自主性及び自立性を尊重し、その事務の不必要な増加を生じさせないよう配慮しなければならない。
(都道府県の責務)
第5条 都道府県は、第3条の基本理念にのっとり、その区域に関係する地域生活圏、地方生活圏及び広域生活圏について、市町村相互又は関係地方公共団体相互の連携を促進し、並びに地域公共機能に関し必要な広域的調整を図る責務を有する。
2 都道府県は、市町村による地域振興実施計画の作成、地域公共拠点の整備及び地域振興台帳の整備について、情報の提供、専門的な助言、関係機関との調整その他必要な支援を行うよう努めるものとする。
(市町村の責務)
第6条 市町村は、第3条の基本理念にのっとり、住民に最も身近な基礎的地方公共団体として、地域の実情、住民の意見及び地方議会における審議を踏まえ、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策を実施する責務を有する。
2 市町村は、必要に応じ、地域振興実施計画の作成、地域公共拠点の整備及び運営、地域振興台帳の整備その他地域公共機能の維持に必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(指定公共組織等の責務)
第7条 指定公共組織は、この法律、この法律に基づく命令及び指定に付された条件に従い、その担当する業務を適正に実施しなければならない。
2 地域共同事業組織その他認定地域振興実施計画の実施に関与する者は、法令、契約、協定又は支援措置に付された条件に従い、その担当する業務を適正に実施するものとする。
3 前二項に規定する者は、その担当する業務に関し、情報の適正な管理、必要な記録の作成及び保存並びに不正の防止に努めなければならない。
(住民及び事業者の参画)
第8条 住民及び事業者は、地域振興実施計画の作成、地域公共拠点の運営、地域公共機能の評価その他地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策について、意見の提出その他適切な方法により参画することができる。
2 住民及び事業者は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(地方自治及び住民参加への配慮)
第9条 国及び都道府県は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策の実施に当たっては、市町村の自主性及び自立性を尊重し、地域の実情に応じた施策の実施が妨げられることのないよう配慮しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、住民生活に重要な影響を及ぼす施策について、住民、利用者、事業者その他の関係者の意見を適切に反映するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 地方公共団体は、認定地域振興実施計画その他地域公共機能の再配置に関する重要な事項について、地方議会に必要な説明及び報告を行うよう努めるものとする。
(他の法令との関係)
第10条 この法律は、地域再生、地方創生、国土形成、国土強靱化、都市計画、公共施設、地域公共交通、医療、介護、福祉、教育、こども及び子育て支援、防災、農林水産業、産業振興、環境、情報通信、地方自治、地方財政、公文書管理、情報公開、個人情報保護、補助金その他関係する法令に基づく制度の適用を妨げるものではない。
2 この法律に基づく認定、指定又は計画への位置付けは、他の法令に基づく許可、認可、承認、指定その他の処分をしたものとみなすものではない。
3 行政文書に該当する行政記録の管理については、公文書管理に関する法令又は条例の定めるところによる。
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第二章 地域振興基本方針
(地域振興基本方針)
第11条 政府は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、地域振興基本方針を定めなければならない。
2 地域振興基本方針は、国の行政機関及び地方公共団体に対する政策上の基本的な指針とする。
3 地域振興基本方針は、それ自体によって国民又は事業者に新たな義務を課し、又はその権利を制限するものではない。
(地域振興基本方針に定める事項)
第12条 地域振興基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 地域公共機能の再配置及び地域振興の基本的方向
二 地域振興区域、地域生活圏、地方生活圏、広域生活圏及びモデル区域に関する基本的事項
三 地域振興実施計画に関する基本的事項
四 地域公共拠点に関する基本的事項
五 地域振興台帳及び行政記録に関する基本的事項
六 既存の計画、区域、施設及び支援措置の活用に関する基本的事項
七 支援措置に関する基本的事項
八 評価、報告及び制度の見直しに関する基本的事項
九 住民及び事業者の参画に関する基本的事項
十 情報の保護及び不正の防止に関する基本的事項
十一 前各号に掲げるもののほか、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する重要な事項
(分野別施策との連携)
第13条 地域振興基本方針には、医療、介護、福祉、保健、雇用、職業訓練、教育、社会教育、文化、こども及び子育て支援、農山漁村、食料供給、環境、デジタル基盤、防災、復旧復興、公共施設、住宅、交通、物流、地域産業、商業、観光、情報通信、エネルギー、国民保護その他地域公共機能に関係する施策との連携に関する事項を定めるものとする。
2 前項の分野別連携事項は、関係行政機関がその所掌事務に基づき講ずる施策の相互の関係及び役割分担を明らかにするものとする。
(地域振興基本方針の策定)
第14条 主務大臣は、地域振興基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
2 主務大臣は、前項の案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
3 主務大臣は、第1項の案を作成しようとするときは、地方公共団体の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
4 主務大臣は、必要があると認めるときは、学識経験を有する者、指定公共組織、事業者、住民その他の関係者の意見を聴くことができる。
(地域振興基本方針の変更)
第15条 主務大臣は、人口、社会経済情勢、災害リスクその他地域公共機能を取り巻く状況に重要な変化が生じた場合又はこの法律に基づく施策の評価の結果、地域振興基本方針を変更する必要があると認めるときは、その変更案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
2 主務大臣は、前項の変更案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
3 主務大臣は、第1項の変更案を作成しようとするときは、地方公共団体の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。ただし、その変更が軽微なものであるときは、この限りでない。
4 主務大臣は、必要があると認めるときは、学識経験を有する者、指定公共組織、事業者、住民その他の関係者の意見を聴くことができる。
(公表及び見直し)
第16条 主務大臣は、地域振興基本方針が定められ、又は変更されたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
2 主務大臣は、地方公共団体その他の関係者が地域振興基本方針を円滑に活用することができるよう、その概要、参考資料その他必要な資料を整備するものとする。
3 政府は、この法律に基づく施策の実施状況、地方公共団体の事務の負担その他の事情を踏まえ、地域振興基本方針について定期的に検討を加えるものとする。
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第三章 地域振興区域及び生活圏等
(地域振興区域の指定)
第17条 主務大臣は、人口の減少、地域公共機能を利用するために要する時間、費用その他の負担の増加、公共施設の老朽化その他の事情により地域公共機能の維持又は再配置を計画的に行う必要があると認められる区域を、地域振興区域として指定することができる。
2 主務大臣は、前項の指定をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県及び関係市町村の意見を聴かなければならない。
3 主務大臣は、第1項の指定をしたときは、当該指定の理由の概要を公表するものとする。
(指定基準)
第18条 主務大臣は、地域振興区域を指定するに当たっては、次に掲げる事項を総合的に勘案するものとする。
一 人口、世帯及び年齢構成
二 地域公共機能を利用するために要する時間、費用その他の負担
三 公共施設の配置、利用状況、老朽化、維持管理費及び更新費
四 交通、物流及び情報通信の状況
五 地域経済及び雇用の状況
六 災害リスクその他危機管理上の事情
七 地方公共団体の財政及び実施体制
八 既存の計画、区域及び支援措置との関係
九 住民その他の関係者の意見
十 前各号に掲げる事項に準ずるものとして政令で定める事項
2 前項第十号の政令は、同項第一号から第九号までに掲げる事項に準ずる事項を定めるものとする。
(生活圏の把握)
第19条 国及び地方公共団体は、地域振興区域の指定及び地域振興実施計画の作成に当たっては、地域における住民生活及び経済社会活動の実態を踏まえ、地域生活圏、地方生活圏及び広域生活圏を把握するよう努めるものとする。
2 前項に規定する生活圏は、市町村の区域のみによって画されるものではない。
3 生活圏の把握に当たっては、医療圏、通勤圏、通学圏、商圏、交通に係る圏域その他地域的な範囲に関する既存の資料を活用することができる。
(地域生活圏)
第20条 地域生活圏の把握に当たっては、住民が日常生活に必要な地域公共機能を利用するために要する時間、利用することができる交通手段、利用に要する費用その他の負担を考慮するものとする。
2 国及び地方公共団体は、地域生活圏において、住民の日常生活に必要な地域公共機能が継続的に提供されるよう配慮するものとする。
(地方生活圏)
第21条 地方生活圏の把握に当たっては、医療、教育、雇用、商業、交通、物流、文化、防災その他の地域公共機能の配置並びに通勤、通学、人の往来、物資の流通その他の経済社会活動の実態を考慮するものとする。
2 国及び地方公共団体は、地方生活圏において、個々の地域生活圏のみでは確保することが困難な地域公共機能が適切に提供されるよう配慮するものとする。
3 地方生活圏は、大都市地域その他人口が集中する地域についても、その地域公共機能及び経済社会活動の実態に応じて把握することができる。
(広域生活圏)
第22条 広域生活圏の把握に当たっては、高度な地域公共機能の配置、広域交通の状況、地方生活圏相互の連携、人及び物資の広域的な移動並びに国土の利用、整備及び保全との関係を考慮するものとする。
2 広域生活圏は、都道府県の区域を越えて把握することができる。
3 国及び地方公共団体は、地理的条件その他の事情により他の地方生活圏又は広域生活圏に存する地域公共機能を利用することが著しく困難な地域について、高次の地域公共機能の確保に特に配慮するものとする。
(条件不利地域等への配慮)
第23条 国及び地方公共団体は、中山間地域、離島、半島地域、豪雪地帯、過疎地域、復興地域その他地理的、社会的又は経済的条件が不利な地域について、地域公共機能が著しく低下することのないよう配慮するものとする。
2 国及び地方公共団体は、前項の地域について、巡回支援、遠隔支援、交通及び物流の確保、人材支援その他地域の実情に応じた措置を講ずるよう努めるものとする。
(指定の申出及び手続)
第24条 都道府県又は市町村は、主務省令で定めるところにより、主務大臣に対し、地域振興区域の指定を申し出ることができる。
2 前項の申出には、区域の範囲、地域公共機能の状況、地域生活圏、地方生活圏及び広域生活圏に関する資料、既存計画との関係その他主務省令で定める事項を記載した書類を添付するものとする。
3 主務大臣は、地域振興区域を指定しようとするときは、必要に応じ、関係行政機関の長に協議するものとする。
4 第1項の申出は、主務大臣に地域振興区域の指定を求める法律上の権利を生じさせるものではない。
(指定の効果)
第25条 地域振興区域の指定は、この法律に基づく地域振興実施計画、支援措置その他の施策を検討し、又は実施する対象となる区域を明らかにする効力を有する。
2 地域振興区域の指定は、別に法律の定めがある場合を除き、当該区域内の土地、建築物その他の財産に係る権利を制限し、又は当該区域内の者に新たな義務を課する効力を有しない。
(指定の変更及び解除)
第26条 主務大臣は、人口、交通、公共施設、災害リスク、地域経済その他地域公共機能に関する事情に重要な変化が生じた場合には、地域振興区域の指定を変更することができる。
2 主務大臣は、前項の変更をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県及び関係市町村の意見を聴かなければならない。ただし、主務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
3 主務大臣は、第1項の変更をしようとするときは、必要に応じ、関係行政機関の長に協議するものとする。
4 主務大臣は、地域振興区域について地域公共機能の再配置を計画的に行う必要がなくなったとき、指定の基礎となった事情に重大な変更が生じたとき、又は不正の手段により指定を受けたことが判明したときは、その指定を解除することができる。
5 主務大臣は、前項の指定の解除をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県及び関係市町村の意見を聴かなければならない。
6 地域振興区域の指定の解除は、当該区域に係る認定地域振興実施計画の認定又は当該計画に関係する支援措置の効力を当然に失わせるものではない。
(モデル区域の指定等)
第27条 主務大臣は、この法律に基づく制度の実効性、地方公共団体の事務の負担、財政上の効果、地域振興台帳の運用その他必要な事項を検証するため、地域振興区域又は地域振興区域として指定されることが見込まれる区域のうちから、モデル区域を指定することができる。
2 モデル区域の指定基準は、第18条各号に掲げる事項、地域の自然的、社会的及び経済的条件の多様性、既存施設の活用可能性、実施体制並びに他の地域への展開の可能性を考慮して政令で定める。
3 主務大臣は、モデル区域における施策の実施状況及び効果を検証し、その結果を制度の改善に反映するものとする。
4 主務大臣は、モデル区域の指定を変更し、又は解除することができる。
5 モデル区域の指定、変更及び解除に関し必要な手続は、主務省令で定める。
6 主務大臣は、地域振興区域又はモデル区域を指定し、変更し、又は解除したときは、その区域、効力の発生時期その他主務省令で定める事項を告示しなければならない。
7 法令又は計画に基づき指定され、又は設定された既存の区域又は圏域は、地域振興区域、地域生活圏、地方生活圏、広域生活圏又はモデル区域の検討に係る基礎資料として活用することができる。
8 前項の規定は、既存の区域又は圏域に関する法令上の効力を変更するものではない。
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第四章 地域振興実施計画
(地域振興実施計画の作成)
第28条 都道府県又は市町村は、地域振興区域について、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、地域振興実施計画を作成することができる。
2 都道府県及び市町村は、共同して地域振興実施計画を作成することができる。
3 地域振興実施計画は、地域振興基本方針に即して作成するものとする。
(計画に定める事項)
第29条 地域振興実施計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 対象区域
二 地域生活圏、地方生活圏及び広域生活圏の状況並びにこれらの相互の関係
三 地域公共機能の現状及び課題
四 地域公共機能の再配置、維持又は強化に関する事項
五 地域公共拠点に関する事項
六 既存の計画、区域、施設及び支援措置との関係
七 必要な支援措置
八 地域振興台帳に関する事項
九 住民その他の関係者の意見の反映に関する事項
十 実施期間及び工程
十一 評価及び見直しに関する事項
十二 情報管理及び不正防止に関する事項
十三 前各号に掲げる事項の記載方法その他地域振興実施計画の比較及び評価に必要な事項として主務省令で定める事項
2 前項第十三号の主務省令は、同項各号に掲げる事項の趣旨を超えて、地域振興実施計画に新たな独立の記載事項を追加するものであってはならない。
(既存計画の活用)
第30条 地域振興実施計画は、既存の地域再生、地方創生、国土強靱化、公共施設、地域公共交通、医療、福祉、教育、防災、産業振興その他の計画を基礎資料、添付資料又はその一部として活用して作成することができる。
2 既存計画を地域振興実施計画に活用する場合には、当該既存計画に関する法令上の効力は変更されない。
3 国及び地方公共団体は、既存計画の活用により、計画作成に係る事務の重複を軽減するよう努めるものとする。
(住民その他の関係者の意見の反映)
第31条 地域振興実施計画を作成しようとする都道府県又は市町村は、住民、利用者、事業者その他の関係者の意見を反映するために必要な措置を講ずるものとする。
2 前項の措置は、説明会、意見募集、書面若しくは電子的方法による意見の受付、地域公共拠点における意見提出の支援その他地域の実情に応じた方法によるものとする。
3 都道府県又は市町村は、こども、若者、高齢者、障害者、外国人その他意見の提出に配慮を要する者について、その意見の提出に必要な配慮を行うよう努めるものとする。
(地方議会への説明)
第32条 都道府県又は市町村は、地域振興実施計画を作成し、又は重要な変更をしようとするときは、その内容、財政上の影響及び住民その他の関係者の意見の反映状況について、地方議会に説明するよう努めるものとする。
(関係地方公共団体との協議)
第33条 地域振興実施計画を作成しようとする都道府県又は市町村は、当該計画が他の地方公共団体の地域公共機能に重要な影響を及ぼすと認めるときは、あらかじめ、当該地方公共団体と協議するものとする。
2 都道府県は、複数の市町村にまたがる地域振興実施計画について、必要な調整を行うものとする。
(関係行政機関との協議)
第34条 主務大臣は、地域振興実施計画の認定に当たり、当該計画が関係行政機関の長の所掌する施策に重要な関係を有すると認めるときは、当該関係行政機関の長に協議するものとする。
2 前項の協議の方法その他必要な事項は、主務省令で定める。
(認定の申請及び認定)
第35条 地域振興実施計画を作成した都道府県又は市町村は、主務省令で定めるところにより、主務大臣に対し、その認定を申請することができる。
2 主務大臣は、前項の申請に係る地域振興実施計画が次条の基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
(認定基準)
第36条 主務大臣は、地域振興実施計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときでなければ、前条第2項の認定をしてはならない。
一 地域振興基本方針に即していること。
二 地域公共機能の現状及び課題を適切に把握していること。
三 計画に定める施策が実施可能なものであること。
四 地方公共団体の自主性及び住民その他の関係者の意見に配慮していること。
五 既存計画、既存施設及び既存支援措置との関係が整理されていること。
六 財政上の見通しが明らかであること。
七 地域振興台帳及び情報管理に関する体制が明らかであること。
八 評価及び見直しの方法が明らかであること。
九 不正防止のために必要な措置が講じられていること。
十 前各号に掲げる基準の適用に関し必要な事項として主務省令で定める基準に適合すること。
(認定の効果)
第37条 認定地域振興実施計画は、第八章に規定する支援措置の検討及び関係行政機関相互の調整の対象とすることができる。
2 関係行政機関の長は、その所掌事務の範囲内において、認定地域振興実施計画の円滑な実施に配慮するものとする。
3 認定は、当該計画に記載された事業について、他の法令に基づく許可、認可、承認、指定その他の処分をしたものとみなすものではない。
4 認定は、この法律又は他の法令に別段の定めがある場合を除き、国又は地方公共団体に特定の財政支出を義務付ける効力を有しない。
(認定計画の公表)
第38条 主務大臣は、地域振興実施計画の認定をしたときは、その概要を公表するものとする。
2 認定を受けた都道府県又は市町村は、住民その他の関係者が認定地域振興実施計画の内容を理解することができるよう、必要な資料を公表するよう努めるものとする。
(認定地域振興実施計画の変更)
第39条 認定地域振興実施計画を作成した都道府県又は市町村は、当該計画について重要な変更をしようとするときは、主務大臣の認定を受けなければならない。
2 主務省令で定める軽微な変更については、主務大臣に届け出ることをもって足りる。
3 認定地域振興実施計画を変更しようとする都道府県又は市町村は、その変更の内容に応じ、住民、利用者、事業者その他の関係者の意見を反映するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
4 認定地域振興実施計画の変更が他の地方公共団体の地域公共機能に重要な影響を及ぼすと認められるときは、当該計画を変更しようとする都道府県又は市町村は、あらかじめ、当該地方公共団体と協議するものとする。
5 主務大臣は、第1項の認定に当たり、変更後の地域振興実施計画が関係行政機関の長の所掌する施策に重要な関係を有すると認めるときは、当該関係行政機関の長に協議するものとする。
6 主務大臣は、第1項の申請に係る変更後の地域振興実施計画が第36条各号に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
(実施状況の報告)
第40条 認定地域振興実施計画を作成した都道府県又は市町村は、毎年度、主務省令で定めるところにより、当該計画の実施状況を主務大臣に報告するものとする。
2 前項の報告に含める事項は、計画の進捗、地域公共拠点、支援措置、地域振興台帳及び評価に関する事項その他前項の報告の目的を達成するために必要な事項として主務省令で定める。
(実施状況の評価)
第41条 認定地域振興実施計画を作成した都道府県又は市町村は、当該計画の実施状況について評価を行うものとする。
2 前項の評価に当たっては、地域公共機能を利用するために要する時間、費用その他の負担、地域公共拠点の利用状況、財政上の効果、住民サービス、地域経済、事務の負担、情報管理その他必要な事項を考慮するものとする。
3 評価結果は、認定地域振興実施計画の見直しその他の施策に反映するよう努めるものとする。
(認定の取消し、支援措置の取扱い及び計画の終了)
第42条 主務大臣は、認定地域振興実施計画が第36条各号に掲げる基準に適合しないこととなったと認めるときは、当該計画を作成した都道府県又は市町村に対し、相当の期間を定めて、当該認定地域振興実施計画が同条各号に掲げる基準に適合するために必要な措置を講ずるよう求めることができる。
2 主務大臣は、前項の求めを受けた都道府県又は市町村が正当な理由なく同項の措置を講ぜず、当該認定地域振興実施計画が引き続き第36条各号に掲げる基準に適合しないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
3 主務大臣は、不正の手段により認定を受けたことが判明したとき、又は認定地域振興実施計画に関係する行政記録その他の資料について重大な改ざん若しくは隠匿が行われたと認めるときは、前二項の規定にかかわらず、その認定を取り消すことができる。
4 主務大臣は、認定地域振興実施計画に係る重大な違反があると認めるときは、自ら行う支援措置の全部若しくは一部を停止し、又は関係行政機関の長若しくは関係地方公共団体に対し、その所管する支援措置の取扱いについて検討を求めることができる。
5 認定地域振興実施計画を作成した都道府県又は市町村は、当該計画に定める施策が完了し、又は特別の支援措置を継続する必要がなくなったと認めるときは、主務大臣にその終了又は他の法令若しくは制度に基づく施策への移行を報告するものとする。
6 認定の取消し、支援措置の取扱い又は計画の終了に当たっては、地域公共機能の継続的な提供及び住民生活への影響に配慮するものとする。
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第五章 地域公共拠点
(地域公共拠点の整備)
第43条 国及び地方公共団体は、地域振興区域における地域公共機能の維持及び認定地域振興実施計画の円滑な実施を図るため、地域の実情に応じ、地域公共拠点の整備を推進するよう努めるものとする。
2 地域公共拠点は、一の施設又は相互に連携する二以上の施設その他の場所により構成することができる。
(地域公共拠点の機能)
第44条 地域公共拠点は、地域の実情に応じ、次に掲げる機能の全部又は一部を担うものとする。
一 行政窓口及び住民相談
二 医療、介護、福祉及び保健に関する案内又は相談
三 こども及び子育て支援、教育、社会教育及び若者支援
四 交通、物流、買物及び移動支援
五 地域産業及び事業者支援
六 認定地域振興実施計画に係る住民説明及び意見提出の支援
七 地域振興台帳の閲覧及び訂正の申出に関する支援
八 国、地方公共団体、指定公共組織その他の関係者が共同して事務を行い、又は相互に連携するための機能
九 災害、感染症の発生、交通若しくは物流の途絶、通信障害、エネルギー供給の制約その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態における地域公共機能の継続的な提供
十 その他地域公共機能の維持に必要な機能
(既存施設等の活用)
第45条 国及び地方公共団体は、地域公共拠点の整備に当たっては、既存の庁舎、合同庁舎、道の駅、学校、公民館、図書館、防災拠点その他の施設及び余剰床を活用するよう努めるものとする。
2 新たな施設を整備する場合には、既存施設の活用可能性、維持管理費、更新費その他財政上の影響を考慮しなければならない。
3 公共資産の活用については、当該公共資産に関する法令の定めるところによる。
(関係機関による事務の共同実施等)
第46条 国、地方公共団体、指定公共組織その他の関係者は、関係法令の定めるところにより、地域公共拠点において共同して事務を行い、相談対応、住民説明その他地域公共機能の維持に必要な連携を行うことができる。
2 前項の事務の共同実施又は連携に当たっては、指揮命令、服務、責任分担、情報管理及び記録管理に関する事項を明確にするものとする。
3 この条の規定は、国、地方公共団体、指定公共組織その他の関係者の事務又は権限を変更するものではない。
(住民説明及び意見提出の支援)
第47条 地方公共団体は、地域公共拠点において、認定地域振興実施計画その他地域公共機能の再配置に関する住民説明及び意見提出の支援を行うよう努めるものとする。
2 前項の支援に当たっては、情報の取得又は意見の提出に配慮を要する者に必要な配慮を行うよう努めるものとする。
(行政手続及び相談の支援)
第48条 地方公共団体その他地域公共拠点の運営者は、地域公共拠点において、行政手続及び地域公共機能に関する相談について、案内、申請の補助、関係機関への取次ぎその他必要な支援を行うことができる。
2 前項の支援は、処分権限又は審査権限を有しない者に当該権限を付与するものではない。
(巡回支援及び遠隔支援)
第49条 国及び地方公共団体は、地域公共拠点への移動が困難な地域について、巡回支援又は遠隔支援を行うよう努めるものとする。
2 前項の支援に当たっては、本人確認、情報の保護、通信の安全及び記録管理に配慮するものとする。
(地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態における活用)
第50条 国及び地方公共団体は、災害、感染症の発生、交通若しくは物流の途絶、通信障害、エネルギー供給の制約その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態が生じた場合には、法令、契約、協定その他の定めるところにより、地域公共拠点を情報提供、避難、物資の配分、行政機能の継続その他必要な用途に活用することができる。
2 前項の活用に当たっては、要配慮者への対応、支援記録の作成及び事後の検証に配慮するものとする。
(地域公共拠点の運営者)
第51条 地域公共拠点の運営者は、当該施設その他の場所の管理に関する法令、契約又は協定に基づき、認定地域振興実施計画に定めるものとする。
2 公の施設に該当する地域公共拠点の管理については、地方自治法その他関係法令の定めるところによる。
3 地方公共団体が地域公共拠点の運営を他の者に委託し、又は担わせる場合には、責任分担、費用負担、情報管理、報告及び事故対応その他必要な事項を契約、協定その他の方法により明らかにするものとする。
(情報及び記録の管理)
第52条 地域公共拠点の運営者は、その業務において取り扱う個人情報、営業秘密その他事業者の秘密に属する情報、相談記録、申請関係資料その他保護又は保存を要する情報を適正に管理しなければならない。
2 地域公共拠点の運営者は、情報の漏えい、滅失、毀損又は不正利用が生じたときは、関係法令、契約又は協定の定めるところにより、必要な報告及び対応を行うものとする。
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第六章 地域振興台帳及び行政記録
(地域振興台帳の整備)
第53条 認定地域振興実施計画を作成した都道府県又は市町村は、当該認定地域振興実施計画に係る地域振興台帳を整備するものとする。
2 都道府県及び市町村が共同して認定地域振興実施計画を作成した場合には、当該計画において、地域振興台帳を管理する地方公共団体を定めるものとする。
3 地域振興台帳は、認定地域振興実施計画の作成及び評価、地域公共拠点、支援措置、住民説明、地方議会への報告その他地域公共機能の再配置に関する事務に活用するものとする。
(原本の管理との関係)
第54条 地域振興台帳は、計画、行政文書、個人情報その他の原本を一元的に集約することを原則とせず、その原本の所在、管理主体、保存期間及び相互の関係を明らかにするものとする。
2 地域振興台帳の整備に当たっては、既存の文書管理簿、公共施設台帳、財産台帳、補助金管理資料その他既存の資料をできる限り活用するものとする。
3 地域振興台帳への記録は、原本の法的性質又は証拠としての性質を変更するものではない。
(記録事項)
第55条 地域振興台帳には、次に掲げる事項を記録するものとする。
一 対象となる計画、事業、施設又は支援措置の名称及び概要
二 関係する地域生活圏、地方生活圏又は広域生活圏
三 対象区域
四 所管機関又は管理主体
五 原本の所在
六 公表の可否その他情報の取扱いに関する事項
七 保存期間
八 作成、変更及び更新の履歴
九 関係する計画、事業、施設又は行政記録
十 財政措置その他支援措置との関係
十一 評価、議会報告及び住民説明に関する資料との関係
十二 前各号に掲げる事項の識別、管理、相互の関連又は評価に必要な範囲内において主務省令で定める事項
(原本の所在及び管理主体)
第56条 地域振興台帳を管理する地方公共団体は、台帳に記録された資料について、その原本の所在及び管理主体を明らかにするものとする。
2 原本の管理責任は、別段の定めがある場合を除き、当該原本を管理する者が負うものとする。
3 原本の移管、廃棄その他管理状況に変更があった場合には、地域振興台帳の記録を適切に更新するものとする。
(公表その他情報の取扱い)
第57条 地域振興台帳を管理する地方公共団体は、台帳に記録する事項について、関係法令又は条例に従い、公表の可否その他情報の取扱いを整理するものとする。
2 地域振興台帳における前項の整理は、情報公開に関する法令又は条例に基づく開示又は不開示の判断を拘束するものではない。
(保存期間及び更新履歴)
第58条 地域振興台帳には、原本の保存期間その他管理に必要な期間を記録するよう努めるものとする。
2 地域振興台帳の記録を変更し、又は更新した場合には、その日時及び内容その他主務省令で定める事項を記録するものとする。
3 前項の更新履歴は、記録の追跡可能性を確保するため、適切に保存するものとする。
(関係計画及び支援措置との接続)
第59条 地域振興台帳においては、認定地域振興実施計画と既存計画、補助金、交付金、基金、地方債、税制上の措置、金融上の措置その他支援措置との関係を明らかにするよう努めるものとする。
2 前項の整理は、支援措置の重複の把握、財政評価及び事業の終了又は他の法令若しくは制度に基づく施策への移行の検討に活用するものとする。
(政策形成過程に係る行政記録)
第60条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する重要な政策判断について、関係法令又は条例の定めるところにより、その判断の基礎となった資料、協議、住民その他の関係者の意見、議会への説明、評価その他政策形成過程に関する行政記録を適切に作成し、及び保存するものとする。
2 前項の行政記録のうち認定地域振興実施計画に重要な関係を有するものについては、その所在を地域振興台帳に記録するものとする。
(情報の保護)
第61条 地域振興台帳に記録された情報を取り扱う者は、個人情報、営業秘密その他事業者の秘密に属する情報、租税に関する法令により守秘を要する情報その他保護を要する情報を適正に取り扱わなければならない。
2 前項の者は、法令に基づく場合又は当該情報を取り扱う事務若しくは事業の遂行に必要な範囲内で利用し、若しくは提供する場合を除き、当該情報を利用し、又は提供してはならない。
(閲覧及び情報公開との関係)
第62条 地域振興台帳を管理する地方公共団体は、台帳に記録された事項のうち公表することが適当なものについて、住民及び事業者が容易に閲覧することができるよう努めるものとする。
2 地域振興台帳に記録された事項又はその原本の開示については、情報公開に関する法令又は条例の定めるところによる。
3 地方公共団体は、地域振興台帳を活用し、資料の所在に関する案内を行うよう努めるものとする。
(地域振興台帳の記録の訂正の申出)
第63条 地域振興台帳に記録された事項に関係を有する者は、当該記録に事実上の誤りがあると認めるときは、主務省令で定めるところにより、その訂正を申し出ることができる。
2 地域振興台帳を管理する地方公共団体は、前項の申出を受けたときは、必要な確認を行い、訂正の必要があると認める場合には、当該記録を訂正するものとする。
3 前二項の規定は、個人情報その他の訂正請求に関する法令又は条例の適用を妨げるものではない。
(電子記録及び操作記録)
第64条 地域振興台帳を電子的方法により整備する場合には、記録の真正性、完全性及び追跡可能性を確保するため、登録、変更、削除その他主務省令で定める操作に関する記録を保存するものとする。
2 前項の記録については、改ざん、削除又は不正利用を防止するため必要な技術上及び組織上の措置を講ずるものとする。
(地域振興台帳一覧簿及び政策の検証)
第65条 国は、地域振興区域、認定地域振興実施計画及び地域振興台帳に関する情報の所在を把握するため、地域振興台帳一覧簿を作成するものとする。
2 地域振興台帳一覧簿には、地域振興区域、認定地域振興実施計画、地域振興台帳の所在、管理主体その他主務省令で定める事項を記録するものとし、地域振興台帳又はその原本に記録された情報の内容を重ねて記録することを原則としない。
3 政府は、地域振興台帳、地域振興台帳一覧簿及び関係する行政記録を、地域公共機能の再配置に関する長期的な政策の検証に活用するよう努めるものとする。
4 歴史資料として重要な行政記録の保存については、公文書管理に関する法令又は条例の定めるところによる。
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第七章 関係行政機関等との連携
(政府における総合調整)
第66条 政府は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策が複数の行政分野にわたることに鑑み、関係行政機関相互の緊密な連携及び総合調整を図るものとする。
2 政府は、地域振興基本方針、認定地域振興実施計画、支援措置及び評価について、政府全体として整合的な実施が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。
(政府内の調整体制)
第67条 政府は、既存の会議その他の政府内の調整体制を活用することを基本として、第66条の総合調整を行うものとする。
2 政府は、既存の調整体制のみでは第66条の総合調整を円滑に行うことが困難であると認めるときは、政令で定めるところにより、必要な調整体制を整備することができる。
(国土交通行政との連携)
第68条 国は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策について、道路、都市、住宅、地域公共交通、鉄道、港湾、空港、物流、国土空間情報その他国土交通行政に関する施策との連携を図るものとする。
2 前項の連携に当たっては、地域生活圏、地方生活圏及び広域生活圏の構造、地域公共機能を利用するために要する時間その他の負担、交通結節、公共施設の配置、物流の状況並びに災害その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態における代替性を考慮するものとする。
(地方自治、地方財政及び統計との連携)
第69条 国は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策について、地方自治、地方財政、地方公務員制度、地方公共団体相互の連携及び公的統計に関する施策との連携を図るものとする。
(医療、福祉、教育、こども及び雇用との連携)
第70条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策について、医療、介護、福祉、保健、雇用、職業訓練、教育、社会教育、文化、こども及び子育て支援に関する施策との連携を図るものとする。
2 地域公共機能の再配置により住民生活に重大な影響が生ずるおそれがある場合には、代替措置、交通手段、相談支援その他必要な措置を検討するものとする。
(産業、農林水産業、観光及び金融との連携)
第71条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策について、地域産業、商業、サービス業、中小企業、小規模事業者、農林水産業、観光、事業承継、地域金融及び政策金融に関する施策との連携を図るものとする。
2 前項の連携に当たっては、公正な競争が不当に阻害されることのないよう配慮するものとする。
(防災、復旧復興及び地域安全との連携)
第72条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策について、防災、減災、国土強靱化、復旧復興、消防、救急救助、警察活動、交通安全、海上保安及び気象に関する施策との連携を図るものとする。
2 地域公共機能の配置に当たっては、災害その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態における代替性、継続的な提供及び迅速な復旧を考慮するものとする。
(デジタル、情報通信及び情報保護との連携)
第73条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策について、デジタル基盤、情報通信、放送、郵便、サイバーセキュリティ及び個人情報保護に関する施策との連携を図るものとする。
2 情報システム又は情報連携の整備に当たっては、相互運用性、アクセス管理、業務の継続及び障害発生時の代替手段に配慮するものとする。
3 デジタル技術の利用が困難な者が地域公共機能を利用する機会を失うことのないよう配慮するものとする。
(国の財政、税制、国有財産及び会計検査との連携)
第74条 国は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策について、国の予算、税制、国有財産、財政投融資その他国の財政に関する制度との整合を図るものとする。
2 国及び地方公共団体は、支援措置について、会計検査、監査及び政策評価その他財政支出の適正性を確保する制度との接続を図るものとする。
(防衛、国民保護及び重要インフラとの連携)
第75条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策が防衛、国民保護又は重要インフラの維持に関係する場合には、関係行政機関との連携を図るものとする。
2 前項の場合には、防衛上、安全保障上又は重要インフラの防護上保護を要する情報を適正に取り扱わなければならない。
(地方公共団体相互の連携)
第76条 地方公共団体は、地域生活圏、地方生活圏、広域生活圏その他地域公共機能が複数の地方公共団体の区域にわたる場合には、認定地域振興実施計画、地域公共拠点、交通、物流、公共施設その他必要な事項について相互に連携するよう努めるものとする。
2 都道府県は、前項の連携が円滑に行われるよう必要な調整を行うものとする。
(指定公共組織の指定)
第77条 第128条第2項に規定する大臣は、その所掌する地域公共機能の維持に継続的かつ重要な役割を担う法人その他の団体であって、その業務内容、実施体制、財務の状況及び情報管理体制が主務省令で定める基準に適合するものを、その同意を得て、指定公共組織として指定することができる。
2 前項の主務省令は、指定公共組織が担う地域公共機能の公共性及び継続性を確保するために必要な範囲で指定基準を定めるものとする。
3 第1項の大臣は、同項の指定をしようとするときは、必要に応じ、国土交通大臣、他の関係行政機関の長及び関係地方公共団体の意見を聴くものとする。
(指定の公示及び変更の届出)
第78条 第77条第1項の指定をした大臣は、指定公共組織の指定をしたときは、その名称、主たる事務所の所在地及び担当する地域公共機能その他主務省令で定める事項を公示するものとする。
2 指定公共組織は、前項の公示事項その他主務省令で定める重要な事項に変更があったときは、第77条第1項の指定をした大臣に届け出なければならない。
(指定の解除)
第79条 第77条第1項の指定をした大臣は、指定公共組織が同条第1項の基準に適合しないこととなったと認めるとき、法令若しくは指定に付された条件に係る重大な違反があると認めるとき、又は担当する地域公共機能を継続して担うことが困難となったと認めるときは、相当の期間を定めて必要な改善を求めることができる。
2 第77条第1項の指定をした大臣は、指定公共組織が正当な理由なく前項の改善を行わないときは、その指定を解除することができる。
3 第77条第1項の指定をした大臣は、指定公共組織が不正の手段により指定を受けたときは、前二項の規定にかかわらず、その指定を解除することができる。
4 第77条第1項の指定をした大臣は、指定公共組織から指定の解除の申出があったときは、その指定を解除することができる。
5 第77条第1項の指定をした大臣は、第2項又は第3項の規定により指定を解除しようとするときは、地域公共機能の継続的な提供に重大な支障が生じないよう必要な措置を検討するものとする。
(指定公共組織及び地域共同事業組織等との連携)
第80条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の維持又は認定地域振興実施計画の実施に必要があると認めるときは、指定公共組織、地域共同事業組織その他の関係者との連携を図るものとする。
2 前項の連携に当たっては、責任分担、費用負担、会計区分、利益相反の防止、情報管理及び事業評価に関する事項を明らかにするものとする。
(国会及び地方議会への説明等)
第81条 政府は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する重要な施策について、国会に対する説明及び報告が適切に行われるよう努めるものとする。
2 地方公共団体は、認定地域振興実施計画その他住民生活に重要な影響を及ぼす施策について、地方議会への説明及び報告を行うよう努めるものとする。
3 前二項の規定は、第103条及び第104条に定める報告を妨げるものではない。
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第八章 支援措置
(支援措置の基本原則)
第82条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興を推進するため、認定地域振興実施計画その他地域の実情に応じ、必要な支援措置を講ずるよう努めるものとする。
2 支援措置は、効果的かつ効率的に行い、不必要な制度又は支援の重複を避けるものとする。
3 支援措置については、その目的、対象、期間及び評価方法を明らかにするよう努めるものとする。
(財政上の措置)
第83条 国は、認定地域振興実施計画に基づく施策を推進するため必要があると認めるときは、予算の範囲内において、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、財政上の措置に当たっては、既存事業の再編、既存歳出の再配置、公共施設の維持管理費及び更新費その他財政負担を総合的に考慮するものとする。
(国庫補助及び交付金との関係)
第84条 関係行政機関の長は、その所掌する国庫補助又は交付金が認定地域振興実施計画に関係する場合には、当該制度の法令上の要件を損なわない範囲内において、その円滑な活用に配慮するものとする。
2 複数の国庫補助又は交付金が同一の認定地域振興実施計画に関係する場合には、関係行政機関は、申請、実績報告又は評価に係る事務の重複を軽減するため必要な調整を行うよう努めるものとする。
(地方負担及び地方財政上の措置)
第85条 国は、認定地域振興実施計画に基づく施策に係る地方公共団体の負担について、当該施策の公益性、地方公共団体の財政状況その他の事情を考慮し、必要な地方財政上の措置を検討するものとする。
2 地方公共団体は、将来の財政負担を伴う措置を活用する場合には、維持管理費、更新費その他将来負担を考慮するものとする。
(基金)
第86条 国及び地方公共団体は、認定地域振興実施計画に関係する基金を設置し、又は既存の基金を活用する場合には、その目的、対象事業、設置期間、成果目標及び終了条件を明らかにするよう努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、前項の基金の残高、執行状況及び事業効果を定期的に確認し、その継続の必要性を検討するものとする。
3 基金を継続する必要がないと認めるときは、関係法令の定めるところにより、廃止、残余財産の返納その他必要な措置を講ずるものとする。
(税制上の措置)
第87条 政府は、地域公共機能の再配置及び地域振興を推進するため必要があると認めるときは、税制上の措置を検討するものとする。
2 税制上の措置については、租税に関する法令の定めるところによる。
(金融上の措置)
第88条 国及び地方公共団体は、認定地域振興実施計画に基づく事業について、必要があると認めるときは、関係機関と連携し、政策金融、信用保証、財政投融資、地域金融機関との連携その他金融上の措置が適切に活用されるよう努めるものとする。
2 金融上の措置の活用に当たっては、事業の継続可能性、償還可能性、利用者保護及び利益相反を考慮するものとする。
(公共資産の活用)
第89条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の維持又は認定地域振興実施計画の実施に必要があると認めるときは、国有財産、公有財産、公共施設の余剰床その他公共資産の有効活用を図るよう努めるものとする。
2 公共資産の使用、貸付け、処分その他の取扱いについては、当該公共資産に関する法令の定めるところによる。
(職員の配置及び人材支援)
第90条 国及び都道府県は、国家公務員法、地方公務員法、地方自治法その他関係法令の定めるところにより、地域公共機能の維持及び認定地域振興実施計画の実施に必要な職員の配置、併任、派遣その他関係法令に基づく人事上の措置並びに関係機関が共同して事務を行うために必要な支援、専門人材の確保及び研修その他人材上の支援を行うよう努めるものとする。
2 前項の支援は、市町村の事務の単なる代行又は一時的な欠員の補充にとどまらず、地域公共機能の把握、地域政策の企画及び実施並びに関係機関の連携に関する能力の向上に資するよう行うものとする。
3 この条の規定は、新たな任命権、派遣権又は指揮命令権を創設するものではない。
(技術的な助言及び情報の提供等)
第91条 国及び都道府県は、地方自治法その他関係法令の定めるところにより、地方公共団体に対し、地域振興実施計画、地域公共拠点、地域振興台帳、地域公共機能の評価その他地域公共機能の再配置及び地域振興に関し、技術的な助言、情報の提供、標準様式、分析手法、データの提供その他必要な支援を行うよう努めるものとする。
2 前項の支援に当たっては、既存の情報システム及び資料をできる限り活用し、過度なシステム更新又は同一の事項を重ねて記載し、若しくは記録する事務を生じさせないよう配慮するものとする。
(指定公共組織及び地域共同事業組織等への支援)
第92条 国及び地方公共団体は、認定地域振興実施計画の実施に必要があると認めるときは、指定公共組織、地域共同事業組織その他地域公共機能の維持に関与する者に対し、法令及び予算の範囲内において、必要な支援を行うことができる。
2 前項の支援に当たっては、公共的役割、事業の必要性、会計の透明性、利益相反の管理及び情報管理を考慮するものとする。
(中小企業及び地域産業への支援)
第93条 国及び地方公共団体は、地域生活圏、地方生活圏及び広域生活圏における地域産業の維持及び発展を図るため、中小企業、小規模事業者、農林水産事業者その他地域の事業者に対し、既存の支援制度を活用しつつ、必要な情報提供、相談、事業承継、人材育成その他の支援を行うよう努めるものとする。
2 前項の支援に当たっては、公正な競争及び事業者間の公平な取扱いに配慮しなければならない。
(条件不利地域に対する支援上の配慮)
第94条 国及び地方公共団体は、第23条第1項に規定する地域について、地域公共機能の維持に要する費用、交通及び物流の条件、人材確保の困難性その他地域の実情を考慮し、支援措置の実施に当たり必要な配慮を行うものとする。
(支援措置の重複の排除及び情報の公表)
第95条 国及び地方公共団体は、認定地域振興実施計画に関係する支援措置について、その目的、対象経費、支援対象者、実施期間及び財源を確認し、不適切な重複が生じないよう努めるものとする。
2 複数の支援措置を併用することが政策上合理的である場合には、その役割分担を明らかにするよう努めるものとする。
3 国及び地方公共団体は、主要な支援措置について、その目的及び内容その他公表することが適当な事項を公表するよう努めるものとする。
(支援措置の終了等)
第96条 国及び地方公共団体は、この法律に基づく特別の支援措置について、その目的が達成されたとき、政策効果が十分でないと認められるとき、又は他の制度により継続的に対応することが適当となったときは、その終了、縮小又は他の法令若しくは制度に基づく施策への移行を検討するものとする。
2 前項の検討に当たっては、地域公共機能及び住民生活への影響を考慮するものとする。
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第九章 評価、報告及び見直し
(評価の基本原則)
第97条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策について、その実施状況及び効果を継続的に把握し、客観的な資料及び地域の実情に基づき評価するものとする。
2 評価は、事業量又は支出額のみならず、住民生活、地域公共機能を利用するために要する負担、地域経済、財政、行政上の事務の負担及び災害その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態における地域公共機能の維持への効果を考慮して行うものとする。
3 評価に当たっては、既存の政策評価、事務事業評価、監査その他の評価結果を活用し、地方公共団体の事務の負担の軽減に配慮するものとする。
(評価指標)
第98条 政府は、地域振興基本方針において、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する標準的な評価指標を定めるものとする。
2 前項の評価指標には、次に掲げる事項に関する指標を含むものとする。
一 地域公共機能を利用するために要する時間、費用その他の負担
二 地域公共拠点その他地域公共機能の利用可能性及び利用状況
三 公共施設の維持管理費及び更新費
四 支援措置の効果
五 地域経済及び雇用への影響
六 住民及び事業者の評価
七 行政上の事務の負担
八 災害その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態における地域公共機能の維持
九 地域振興台帳及び行政記録の整備状況
十 不正防止及び是正の状況
3 地方公共団体は、地域の実情に応じ、独自の評価指標を定めることができる。
(実施状況の総合評価)
第99条 主務大臣は、第40条の報告、第41条の評価その他必要な資料に基づき、認定地域振興実施計画の実施状況について総合的な評価を行うことができる。
2 主務大臣は、前項の評価結果に基づき、当該計画を作成した都道府県又は市町村に対し、地方自治法その他関係法令の定めるところにより、当該計画の円滑な実施に資する技術的な助言又は情報の提供を行うことができる。
3 主務大臣は、複数の認定地域振興実施計画に共通する課題を、地域振興基本方針、標準様式その他制度の改善に反映するよう努めるものとする。
(財政評価)
第100条 国及び地方公共団体は、認定地域振興実施計画に関係する主要な財政措置及び支援措置について、支出額、地方負担、維持管理費、更新費、将来負担、重複の状況及び政策効果を把握し、評価するものとする。
2 前項の評価に当たっては、地域公共機能を維持しない場合に生ずる費用又は住民生活への影響についても、可能な範囲で考慮するものとする。
(地域公共機能の利用状況等の評価)
第101条 国及び地方公共団体は、住民が地域公共機能を利用することができる状況について評価するよう努めるものとする。
2 前項の評価に当たっては、地域生活圏、地方生活圏及び広域生活圏ごとに、移動時間、待ち時間、利用することができる時間帯、利用に要する費用、交通手段その他住民が地域公共機能を利用するために要する負担を考慮するものとする。
3 認定地域振興実施計画を作成した地方公共団体は、当該計画の対象区域において、施設の数又は地域公共機能を提供する者の数が減少した場合には、住民が当該地域公共機能を利用するために要する負担が増加していないかを評価するものとする。
4 前項の評価により、地域公共機能を利用するために要する負担が増加したと認めるときは、当該地方公共団体は、その原因及び代替措置の必要性について検討するものとする。
(災害等における地域公共機能の維持に関する評価)
第102条 国及び地方公共団体は、災害、感染症の発生、交通若しくは物流の途絶、通信障害、エネルギー供給の制約その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態における地域公共機能の維持について評価するものとする。
2 前項に規定する事態が生じた場合には、その対応経過及び地域公共機能の提供状況について事後の検証を行い、その結果を関係する計画の見直しに反映するよう努めるものとする。
(施策の公表及び国会への報告)
第103条 政府は、毎年度、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策の実施状況の概要を公表するものとする。
2 政府は、おおむね三年ごとに、前項の施策の実施状況及び評価について国会に報告するものとする。
(地方議会への報告)
第104条 認定地域振興実施計画を作成した地方公共団体は、当該計画の実施状況、地域公共拠点の運営状況、主要な支援措置及び評価結果について、地方議会に報告するよう努めるものとする。
2 地方公共団体は、前項の報告に使用した資料のうち公表することが適当なものを住民に公表するよう努めるものとする。
(モデル区域の検証)
第105条 主務大臣は、モデル区域における施策について、制度の実効性、地方公共団体の事務の負担、財政上の効果、住民の参画、地域振興台帳の運用その他必要な事項を検証するものとする。
2 主務大臣は、前項の検証結果の概要を公表するものとする。
3 政府は、第1項の検証結果を制度の改善及び他の地域への展開の検討に反映するものとする。
(制度の見直し及び再編)
第106条 政府は、この法律に基づく施策の実施状況及び評価結果を踏まえ、地域振興区域、認定地域振興実施計画、地域公共拠点、地域振興台帳及び支援措置その他この法律に基づく制度について必要な見直しを行うものとする。
2 前項の見直しに当たっては、既存の計画制度、支援制度、基金、会議体、台帳及び行政手続との重複を検証し、必要があると認めるときは、統合、廃止、簡素化又は他の法令若しくは制度に基づく施策への移行を検討するものとする。
3 政府は、前二項の検討の結果に基づき、必要な法制上、財政上又は行政上の措置を講ずるものとする。
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第十章 行政手続及び権利利益の保護
(行政手続に関する法令との関係)
第107条 この法律に基づく処分、行政指導及び届出その他の行政手続については、行政手続に関する法令の定めるところによる。
2 この章の規定は、地域公共機能の再配置及び地域振興に係る手続について、この法律に特有の追加的な措置を定めるものとする。
(認定の申請の補正及び重複提出の抑制)
第108条 この法律に基づく認定の申請に形式上の不備があり、補正することが可能であると認められる場合には、申請を受けた行政機関の長は、行政手続に関する法令の定めるところにより、相当の期間を定めて補正を求めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、既に保有する資料又は地域振興台帳により確認することができる事項について、法令上必要な場合を除き、同一の資料を重ねて提出させないよう努めるものとする。
(広く影響を及ぼす施策に係る意見提出)
第109条 国及び地方公共団体は、地域振興区域の指定、認定地域振興実施計画、公共施設の重要な再配置その他住民又は事業者に広く影響を及ぼす施策について、必要があると認めるときは、意見を提出する機会を設けるものとする。
2 国及び地方公共団体は、提出された意見を施策の検討において考慮するものとする。
(緊急の場合における事後の手続)
第110条 行政機関の長が、法令の規定に基づき、地域公共機能の継続的な提供、情報の保護その他重大な公益を確保するため緊急に不利益な措置を講じた場合において、その緊急性により通常の事前の手続を経ることができなかったときは、当該行政機関の長は、速やかに、その理由を明らかにするものとする。
2 前項の場合において、関係法令に意見陳述その他の事後の手続に関する定めがあるときは、当該行政機関の長は、その定めるところにより必要な手続を行わなければならない。
3 この条の規定は、行政機関の長に新たな緊急措置その他の権限を付与するものではない。
(行政指導等の記録)
第111条 国及び地方公共団体は、この法律の施行に関して行う重要な行政指導、助言又は勧告について、その内容及び経過を適切に記録するものとする。
2 行政指導に従わなかったことのみを理由として、法令上の根拠なく不利益な取扱いをしてはならない。
(権利利益の救済に関する案内)
第112条 国及び地方公共団体は、地域公共拠点その他適切な窓口において、この法律に基づく処分に関する行政不服審査その他権利利益の救済制度について一般的な案内を行うよう努めるものとする。
2 前項の案内は、審査庁、裁判所その他の機関の権限を代行するものではない。
(苦情及び相談)
第113条 国及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する苦情又は相談を適切に受け付けるために必要な体制の整備に努めるものとする。
2 同種の苦情又は相談が継続して生じている場合には、その原因を分析し、計画、手続、標準様式その他制度の改善に反映するよう努めるものとする。
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第十一章 不正防止及び是正措置
(不正防止の基本原則)
第114条 国及び地方公共団体は、この法律に基づく認定、指定、地域振興台帳及び支援措置について、虚偽申請、不正受給、目的外使用、虚偽報告、行政記録の改ざん、情報の漏えいその他の不正を防止するために必要な措置を講ずるものとする。
2 是正、認定若しくは指定の取消し、支援措置の停止、公表その他の措置は、関係法令との整合を図り、行為の態様、故意又は過失の程度、生じた影響及び是正の状況を考慮し、必要かつ相当な範囲で行うものとする。
3 軽微な誤記、形式的な不備その他補正又は是正が可能な事項については、重大な不正がある場合を除き、補正又は是正を求めることを基本とする。
(虚偽申請及び不正受給)
第115条 当該認定、指定又は支援措置について権限を有する行政機関の長又は地方公共団体は、虚偽その他不正の手段により当該認定、指定又は支援措置を受けた者に対し、法令の定めるところにより、その取消し、当該支援の停止、返還その他必要な措置を講ずることができる。
2 補助金その他公的給付に係る取消し、返還、加算金その他の措置については、当該公的給付に関する法令の定めるところによる。
(目的外使用等)
第116条 当該支援措置について権限を有する行政機関の長又は地方公共団体は、当該支援措置により取得し、又は整備された財産、施設、資金その他の資源が支援の目的に反して使用されていると認めるときは、法令、契約又は支援条件の定めるところにより、必要な是正を求めることができる。
2 正当な理由なく是正が行われない場合又は違反が重大である場合には、法令、契約又は支援条件の定めるところにより、当該支援の停止、返還、契約の解除その他必要な措置を講ずることができる。
(報告義務違反)
第117条 法令、指定に付された条件、契約、協定又は支援措置に付された条件に基づき報告をする義務を負う者が、正当な理由なく報告をせず、又は虚偽の報告をした場合には、当該報告に関係する認定、指定、契約、協定又は支援措置について権限を有する行政機関の長又は地方公共団体は、期限を定めて報告又は訂正を求めることができる。
2 前項の求めに正当な理由なく応じない場合には、当該行政機関の長又は地方公共団体は、法令、指定に付された条件、契約、協定又は支援措置に付された条件の定めるところにより、必要な措置を講ずることができる。
(関係資料の隠匿等)
第118条 この法律に基づく認定若しくは指定に係る申請、申出、届出若しくは報告又は支援措置に係る申請、報告若しくは資料の提出をする者は、当該認定、指定又は支援措置の適正な確認を妨げる目的で、関係資料を故意に隠匿し、改ざんし、又は虚偽の資料を提出してはならない。
2 前項の行為が認められた場合には、当該認定、指定又は支援措置について権限を有する行政機関の長又は地方公共団体は、法令、指定に付された条件、契約又は支援措置に付された条件の定めるところにより、必要な是正その他の措置を講ずることができる。
(地域振興台帳及び行政記録の改ざん防止)
第119条 国若しくは地方公共団体の職員、指定公共組織又はその他この法律に基づく事務を行う者は、地域振興台帳又は当該事務に関係する行政記録について、故意に事実と異なる記録をし、真正な記録を改変し、削除し、又は隠匿してはならない。
2 記録に誤りがあることが判明した場合には、その訂正の内容及び経過を確認することができる方法により訂正するものとする。
3 第1項の行為が認められた場合には、関係する行政機関の長又は地方公共団体は、原本及び更新履歴の確認、内部監査その他必要な措置を講ずるものとする。
(情報の漏えい等)
第120条 国若しくは地方公共団体の職員、指定公共組織又はその他この法律に基づく事務を行う者は、その事務に関して知り得た保護を要する情報を、法令に基づく場合又は当該事務の遂行に必要な場合を除き、漏らし、又は不正に利用してはならない。
2 情報の漏えい、滅失、毀損又は不正利用が生じた場合には、情報を管理する者は、関係法令の定めるところにより、被害の拡大防止、必要な報告及び再発防止のための措置を講ずるものとする。
3 個人情報、営業秘密その他の情報に関する制裁については、それぞれ当該情報の保護に関する法令の定めるところによる。
(指定公共組織等の義務違反)
第121条 指定公共組織、地域共同事業組織その他地域公共機能の維持に関与する者が、法令、指定条件、契約、協定又は支援条件に違反した場合には、当該指定、契約、協定又は支援について権限を有する行政機関の長又は地方公共団体は、その根拠となる法令その他の定めに従い、是正又は改善を求めることができる。
2 違反が是正されない場合又は重大である場合には、法令その他の定めに従い、指定の解除、契約の解除、当該支援の停止その他必要な措置を講ずることができる。
3 前項の措置に当たっては、地域公共機能の継続的な提供に重大な支障が生じないよう必要な措置を検討するものとする。
(公表及び将来の支援の取扱い)
第122条 認定、指定又は支援措置について権限を有する行政機関の長又は地方公共団体は、第115条から前条までに規定する違反のうち、その内容が重大であり、同種の不正の防止又は公的支援の適正な運用のため特に必要があると認める場合には、違反の事実及び講じた措置を公表することができる。
2 前項の公表をしようとするときは、緊急の必要がある場合を除き、公表の対象となる者に意見を述べる機会を与えるものとする。
3 第1項の規定により公表する事項、期間及び方法は、違反の態様及び公表により関係者に生ずる影響を考慮し、同項の目的を達成するために必要な範囲に限るものとする。
4 重大な不正を行った者に対する将来の支援の制限については、個別の支援制度に関する法令その他の定めによる。
5 入札参加停止その他公共調達に関する措置については、公共調達に関する法令及び規程の定めるところによる。
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第十二章 雑則
(報告及び資料の提出)
第123条 主務大臣は、地方自治法その他関係法令の定めるところにより、認定地域振興実施計画を作成した地方公共団体に対し、当該認定地域振興実施計画の実施状況の把握その他この法律の施行に必要な範囲内において、資料の提出を求めることができる。
2 第77条第1項の指定をした大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定公共組織に対し、その担当する地域公共機能に係る業務の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
3 認定、指定、委託、契約又は支援措置について権限を有する行政機関の長又は地方公共団体は、法令その他その根拠となる定めに従い、その対象となる者に対して必要な報告を求めることができる。
4 前三項の資料の提出又は報告は、それぞれの求めの目的を達成するために必要な範囲を超えて求めてはならない。
(指定公共組織等に対する資料の提出及び現地における確認)
第124条 第77条第1項の指定をした大臣は、前条第2項の報告の内容を確認するため特に必要があると認めるときは、指定公共組織に対し、関係資料の提出を求めることができる。
2 第77条第1項の指定をした大臣は、前項の資料のみでは事実を確認することが困難であり、かつ、確認することが特に必要であると認めるときは、指定公共組織その他関係する場所の管理者の任意の協力を得て、その職員に現地における確認を行わせることができる。
3 前項の確認を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
4 第2項の規定は、立入検査その他関係者に受忍義務を課する権限を付与するものではない。
5 第2項の規定は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
6 この条の規定は、他の法令に基づく報告命令、資料提出命令、立入検査その他の権限を変更するものではない。
(関係行政機関等への情報提供)
第125条 主務大臣、関係行政機関の長及び地方公共団体は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策の実施、不正の防止、支援措置の重複の排除又は災害その他地域公共機能の維持に重大な支障を及ぼす事態への対応のため必要があると認めるときは、法令の定めるところにより、関係行政機関又は地方公共団体に必要な情報を提供することができる。
2 前項の情報提供は、利用目的及び提供する情報の範囲を明らかにし、必要な範囲で行うものとする。
3 特別の守秘義務その他情報提供の制限については、当該情報に関する法令の定めるところによる。
(提供を受けた情報の目的外利用等の禁止)
第126条 前条の規定により情報の提供を受けた者は、法令に基づく場合又は当該情報の提供を受けた目的を達成するために必要な範囲内で利用し、若しくは提供する場合を除き、当該情報を提供の目的を超えて利用し、又は他の者に提供してはならない。
(関係行政機関の協力)
第127条 主務大臣は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提供、意見の提出その他必要な協力を求めることができる。
2 関係行政機関の長は、その所掌事務又は権限の範囲内において、前項の求めに協力するよう努めるものとする。
3 地方公共団体に対する資料の提出の要求、技術的な助言その他国又は都道府県の関与については、地方自治法その他関係法令の定めるところによる。
(主務大臣及び権限の分担)
第128条 地域振興基本方針、地域振興区域、地域振興実施計画、地域公共拠点、地域振興台帳及び地域公共機能の空間的配置に関するこの法律の主務大臣は、国土交通大臣とする。
2 この法律に基づく事務のうち、医療、介護、福祉、保健、雇用、教育、こども及び子育て支援、農林水産業、産業、金融、情報通信、エネルギー、防災、消防、国民保護その他国土交通大臣以外の大臣の所掌に属する地域公共機能又は支援措置に関する事務については、当該事務を所掌する大臣を主務大臣とする。
3 国土交通大臣は、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する制度並びに地域公共機能の空間的配置を総括する。
4 第2項に規定する大臣は、その所掌事務及び関係法令に基づき、支援措置、指定、監督その他必要な事務を行う。
5 国土交通大臣及び第2項に規定する大臣は、この法律の施行に関し相互の所掌する事項との調整が必要であると認めるときは、相互に協議するものとする。
6 内閣総理大臣は、政府全体の施策の総合調整上必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、必要な総合調整を行うものとする。
7 第2項に規定する主務大臣の区分その他主務大臣に関し必要な事項は、政令で定める。
(共同命令)
第129条 この法律に基づく命令であって、その内容が二以上の主務大臣の所掌に属する事項に関するものは、当該主務大臣の共同命令として定めることができる。
2 前項の共同命令を定める場合には、この法律における「主務省令」には、当該共同命令を含むものとする。
3 共同命令は、各主務大臣の所掌事務又は権限を変更するものであってはならない。
(標準様式及び事務処理上の参考事項)
第130条 主務大臣は、この法律の円滑な運用のため、標準様式、審査において参考となる事項、事務処理上の留意事項その他この法律の実施に資する事項を示すことができる。
2 前項の事項は、地方公共団体の既存の様式及び情報システムとの整合並びに同一の事項を重ねて記載し、又は記録する事務の防止に配慮したものとする。
3 第1項の事項は、この法律又はこの法律に基づく命令に根拠のない義務を新たに課し、若しくは権利を制限し、又は地方公共団体の既存の様式若しくは情報システムの変更を当然に義務付けるものと解してはならない。
(委任)
第131条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な手続その他の事項は、政令又は主務省令で定める。
2 前項の政令又は主務省令は、この法律に定める制度の目的、対象若しくは法的効果を実質的に変更し、又はこの法律に根拠のない義務を新たに課し、若しくは権利を制限するものであってはならない。
(経過措置の政令への委任)
第132条 この法律に基づく制度の施行に伴い合理的に必要と認められる範囲内において、既存の計画、手続、様式、情報システムその他の制度からこの法律に基づく制度への移行を円滑に行うため必要な経過措置は、附則に定めるもののほか、政令で定めることができる。
2 前項の政令は、この法律の施行前に適法に成立した権利若しくは法律関係を遡及して不利益に変更し、又はこの法律に定めのない新たな制裁を設けるものであってはならない。
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附則
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第2条、第4条、第5条及び第14条の規定は、公布の日から施行する。
2 第11条から第16条まで、第66条、第67条並びに附則第6条の規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することができる。
3 第43条から第65条まで及び第82条から第96条までの規定のうち政令で定めるものは、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(準備行為)
第2条 政府は、この法律の施行前においても、地域振興基本方針の案、政令若しくは主務省令の案、標準様式又は地域振興台帳の標準的な項目の作成その他この法律の施行に必要な準備を行うことができる。
2 国及び地方公共団体は、この法律の施行前においても、既存の計画、区域、公共施設、支援措置及び行政記録について必要な調査及び整理を行うことができる。
3 前二項の準備は、この法律の施行前に、この法律の施行後においてのみ課することができる義務を地方公共団体、住民又は事業者に課するものではない。
(段階的な実施)
第3条 政府は、この法律に基づく制度について、地方公共団体の事務の負担、財政上の影響及び情報管理上の安全性を考慮し、段階的に実施するものとする。
2 前項の実施は、次に掲げる順序を基本とする。
一 地域振興基本方針、関係行政機関の連携体制及び下位法令の整備
二 モデル区域における検証
三 地域振興区域の指定及び地域振興実施計画の認定
四 地域公共拠点及び地域振興台帳の段階的な整備
五 支援措置及び評価制度の本格的な運用
3 政府は、各段階において重大な事務上、財政上又は情報管理上の支障が認められた場合には、実施方法、支援方法又は他の地域への展開の時期を見直すものとする。
(最初の地域振興基本方針)
第4条 主務大臣は、この法律の公布の日から起算して六月以内を目途として、最初の地域振興基本方針の案を作成するものとする。
2 最初の地域振興基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 段階的な実施に関する工程
二 モデル区域の選定及び検証
三 既存計画及び既存区域の活用
四 地域公共拠点の先行的な整備
五 地域振興台帳の段階的な整備
六 地方公共団体の事務の負担の軽減
七 附則第14条及び第15条の検討に用いる評価事項
3 主務大臣は、最初の地域振興基本方針の案を作成しようとするときは、地方公共団体及び地方公共団体を代表する全国的な連合組織の意見を聴くものとする。
(下位法令及び標準様式の整備)
第5条 政府及び主務大臣は、この法律に基づく各制度の施行前に、必要な政令、主務省令及び標準様式を整備するものとする。
2 標準様式は、地方公共団体が現に使用する様式、既存の情報システム及び事務処理方法を調査した上で、可能な限り簡素なものとするよう努めるものとする。
3 既存資料の添付、既存様式の活用又は既存の情報システムからの出力により確認することができる事項については、同一の事項を重ねて記載し、又は記録することを求めないことを基本とする。
(モデル区域に関する準備及び先行的な検証)
第6条 主務大臣は、第27条の規定の施行前においても、モデル区域の指定に必要な調査、地方公共団体その他の関係者との協議その他の準備を行うことができる。
2 主務大臣は、前項の準備に当たり、第18条各号に掲げる事項に相当する事項、地域の自然的、社会的及び経済的条件の多様性、既存施設の活用可能性、実施体制並びに他の地域への展開の可能性を考慮するものとする。
3 国及び地方公共団体は、この法律の施行前においても、既存の法令、予算、契約その他の制度の範囲内において、モデル区域における制度の実施に必要な調査又は検証を行うことができる。
4 前項の調査又は検証において、法律又は施行済みの命令に明確な根拠なく権利を制限し、義務を課し、又は処分を行ってはならない。
5 主務大臣は、前二項の調査又は検証の結果を、第27条の規定の施行後におけるモデル区域の指定及び制度の改善に反映するものとする。
(既存の区域及び圏域)
第7条 この法律の施行の際現に法令又は計画に基づき指定され、又は設定されている地域政策に関係する区域又は圏域は、この法律の施行により、その効力を失うものではない。
2 前項の区域又は圏域は、第27条第7項の規定により基礎資料として活用することができる。
3 従前の地方生活圏整備計画に係る地方生活圏、定住圏、広域市町村圏その他従前の圏域に関する資料は、第19条第3項の規定による既存の資料として活用することができる。
4 前項の規定は、従前の地方生活圏その他の圏域をこの法律に基づく地域生活圏、地方生活圏又は広域生活圏として指定し、又は承継するものではない。
5 主務大臣は、地方公共団体の事務の負担を軽減するため、既存の区域又は圏域に関する簡易な確認方法を示すことができる。
(既存の計画)
第8条 この法律の施行の際現に作成されている地域公共機能に関係する計画は、この法律の施行により、その効力を失うものではない。
2 都道府県又は市町村は、第30条の規定により、既存計画を地域振興実施計画に活用することができる。
3 最初の地域振興実施計画の認定に限り、主務大臣は、主務省令で定めるところにより、既存計画を主たる資料として作成された計画の申請書類を簡略化することができる。
4 国及び地方公共団体は、既存計画の改定時期その他適切な時期に、当該既存計画と認定地域振興実施計画との関係を整理するよう努めるものとする。
(既存の認定、支援決定及び契約)
第9条 この法律の施行前に他の法令又は制度に基づき行われた認定、交付決定その他の支援に係る決定又は締結された契約のうち、この法律の施行後に認定地域振興実施計画又はこの法律に基づく支援措置に接続されるものについては、当該認定、決定又は契約に関する従前の定めによる。
2 前項の認定、決定又は契約について、この法律の施行後に重要な変更、期間の延長又は追加的な支援を行う場合には、地域振興台帳への接続、評価又は支援措置の重複の確認を行うことができる。
3 前項の規定は、この法律の施行前に適法に成立した権利又は法律関係を遡及して不利益に変更するものではない。
(既存の基金及び地方債)
第10条 この法律の施行前に設置され、認定地域振興実施計画に接続される基金については、当該基金に関する従前の定めによる。
2 前項の基金について設置期間の延長、追加造成又は対象事業の重要な変更を行う場合には、第86条の趣旨を踏まえ、その目的、成果目標、執行状況及び終了条件を確認するものとする。
3 この法律の施行前に適法に発行され、又は必要な手続が行われた地方債であって、認定地域振興実施計画に関係するものについては、なお従前の例による。
4 前項の地方債に関係する事業を認定地域振興実施計画に位置付ける場合には、その将来負担を評価において考慮するよう努めるものとする。
(既存施設)
第11条 この法律の施行の際現に存する公共施設その他地域公共機能に関係する施設は、この法律の施行により、その用途、管理関係又は法令上の地位を変更されるものではない。
2 前項の施設を地域公共拠点として活用する場合には、その管理主体、用途、財産上の制限、既存利用者への影響その他必要な事項を確認するものとする。
3 主務大臣は、既存施設を地域公共拠点として活用する場合の標準的な確認事項を示すことができる。
4 前三項の規定は、当該施設に関する法令上必要な手続を免除するものではない。
(地域振興台帳の整備に関する準備等)
第12条 国及び地方公共団体は、第53条の規定による地域振興台帳の整備に先立ち、モデル区域その他適当と認める区域において、地域振興台帳の整備に必要な準備又は試行を行うことができる。
2 前項の準備又は試行に当たっては、既存資料について、その原本の所在及び管理主体を確認することを優先するものとする。
3 前二項の準備又は試行において、既存資料の内容の全部を重ねて記録することを原則として求めないものとする。
4 第1項の準備又は試行により作成された記録は、第53条の規定による地域振興台帳ではない。ただし、認定地域振興実施計画が作成された後、当該記録について第54条から第64条までの規定に適合することを当該地域振興台帳を管理する地方公共団体が確認したときは、地域振興台帳の記録として活用することができる。
5 地域振興台帳の標準的な項目又は情報システムの仕様が変更された場合には、既存の記録を段階的に移行することができる。
6 政府は、地域振興台帳の整備に当たり、地方公共団体の事務の負担及び既存システムとの接続状況を検証するものとする。
(行政手続及び是正措置に関する経過措置)
第13条 この法律の施行前にされた申請又は届出及びこれらに対する処分その他の手続については、この法律に別段の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
2 この法律の施行前にされた処分に係る行政不服審査その他の不服申立てについては、なお従前の例による。
3 第十一章の規定は、この法律の施行後に行われた行為について適用する。
4 前項の規定は、この法律の施行前の行為について、この法律に基づく新たな不利益な措置を遡及して適用するものではない。
(施行後三年以内の検討)
第14条 政府は、この法律の施行の日から起算して三年を経過する日までに、この法律の施行状況について検討を加えるものとする。
2 前項の検討においては、特に次に掲げる事項を検証するものとする。
一 地域振興区域及びモデル区域
二 地域生活圏、地方生活圏及び広域生活圏の把握並びにこれらの相互の関係
三 地域振興実施計画及び既存計画の活用
四 地域公共拠点
五 地域振興台帳の整備及び地方公共団体の事務の負担
六 職員の配置、関係機関が共同して事務を行うための取組及び人材支援
七 支援措置及びその重複
八 住民の参画及び地方議会への報告
九 地域公共機能を利用するために要する時間、費用その他の負担
十 不正防止及び是正措置
十一 政令、主務省令、標準様式及び事務処理方法
3 政府は、前項の検討結果に基づき必要な措置を講ずるものとする。
4 政府は、第1項の検討結果の概要を公表するものとする。
(施行後五年以内の検討)
第15条 政府は、この法律の施行の日から起算して五年を経過する日までに、この法律に基づく制度全体の在り方について検討を加えるものとする。
2 前項の検討においては、地域公共機能の再配置及び地域振興に関する施策の効果、人口及び地域構造の変化、地域生活圏、地方生活圏及び広域生活圏の構造、国及び地方公共団体の財政、地方公共団体の事務及び組織、既存の計画制度及び支援制度との重複並びに国及び地方公共団体の役割分担について総合的に検証するものとする。
3 政府は、既存の計画、支援制度、基金、会議体、台帳その他の制度について、認定地域振興実施計画、地域振興台帳その他この法律に基づく制度との統合、廃止、簡素化又は他の法令若しくは制度に基づく施策への移行の必要性を検討するものとする。
4 政府は、前三項の検討結果に基づき、必要な法制上、財政上又は行政上の措置を講ずるものとする。
5 政府は、第1項の検討結果について、国会に報告するものとする。