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森林法 条文全文Lex50 · 36/50 · 私案条文

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(目的)

第一条 本法は、森林の有する環境的、経済的及び社会的機能を総合的に発揮させ、もって国土の保全及び国民生活の安定に寄与するため、森林の整備、保全、利用及び林業の振興に関する基本的事項を定めることを目的とする。

(定義)

第二条 本法において「森林」とは、木竹が集団的に生育し、土地と一体として環境の保全、資源の供給又は地域社会の基盤形成に寄与する区域をいう。

 「森林経営管理権者」とは、森林所有者その他政令で定める者であって、森林の経営及び管理に関する権限を有する者をいう。

 「森林組織」とは、森林組合、森林経営共同体その他政令で定める団体をいう。

 「森林資源」とは、森林の樹木、土壌、水、遺伝資源その他の自然的要素をいう。

(基本理念)

第三条 森林及び林業は、森林の有する多面的機能を持続的に発揮させることを旨とし、その整備、経営及び利用は、地球温暖化の防止、生物多様性の保全並びに地域経済の循環に資するよう行わなければならない。

 森林の利用に当たっては、長期的な生態系の安定及び将来世代への継承を確保することを基本とする。

(国及び地方公共団体の責務)

第四条 国及び地方公共団体は、森林の整備、経営及び利用に関し、科学的知見に基づく政策を策定し、その実施に必要な財政上及び技術上の措置を講じなければならない。

 地方公共団体は、地域の森林資源の特性に応じた計画を作成し、森林所有者及び森林組織と協働してその管理及び利用を推進するものとする。

(森林所有者及び森林組織の責務)

第五条 森林所有者は、その森林が環境保全及び資源供給に果たす役割に留意し、適正な経営及び保全に努めなければならない。

 森林組織は、森林所有者の協力のもとに、共同的又は公益的な森林経営管理を推進し、森林の持続可能な利用を確保する責務を有する。

(国民の理解及び協力)

第六条 国民は、森林のもつ公共的価値及び地球環境への寄与について理解を深め、その保全及び持続可能な利用に主体的に関わるよう努めなければならない。

第二編 森林所有・利用制度

(森林の所有及び利用の原則)

第七条 森林の所有者は、当該森林の経営及び管理について、環境の保全、資源の持続的利用及び公益的機能の維持に資するよう適正に行わなければならない。

 森林の利用は、その自然的条件及び地域の森林計画に適合し、公益的機能を損なわない範囲において行われなければならない。

 国及び地方公共団体は、森林の適正な所有及び利用を確保するため、必要な指導、助成及び監督を行うものとする。

(森林の区分)

第八条 森林は、その機能及び管理の態様に応じ、次の各号に区分する。

一 保安森林 国土の保全、水源の涵養、災害防止その他環境の保全を主たる目的とする森林

二 経営森林 木材その他の森林資源の生産を主たる目的とする森林

三 共同利用森林 地域住民が共同して利用する森林であって、慣行又は条例により共有又は共同管理の対象とされるもの

 森林の区分は、都道府県知事が定め、国の承認を得て公示するものとする。

(保安森林の指定)

第九条 国又は都道府県知事は、国土保全、水源涵養、環境保全その他公益上必要と認めるときは、当該森林を保安森林として指定することができる。

 保安森林においては、政令で定める伐採、開発その他の行為を制限する。

 保安森林の指定、変更又は解除は、公告をもって行い、その効力は告示の日から生ずる。

(森林計画区域)

第十条 国は、森林の整備及び保全を総合的に実施するため、地域の地形、水系及び土地利用状況に応じ、森林計画区域を設定する。

 森林計画区域の設定は、森林経営管理計画、土地利用基本計画及び地域計画との整合を図って行わなければならない。

第三章 森林の経営及び伐採

(伐採の届出)

第十一条 森林所有者又は森林経営管理権者は、立木の伐採又は伐採後の造林を行おうとするときは、政令で定めるところにより、当該森林の所在する市町村長に届出をしなければならない。

 届出に当たっては、伐採面積、伐採方法、再造林計画及び環境影響に関する事項を記載するものとする。

 届出を受けた市町村長は、森林の公益的機能を著しく損なうおそれがあると認めるときは、伐採の制限又は方法の変更を命ずることができる。

(造林義務)

第十二条 森林経営管理権者は、伐採後に当該森林の再生を図るため、造林、天然更新又はその他の適切な方法により、森林の回復を行わなければならない。

 造林義務は、森林の用途、立地及び生態系の特性を考慮して政令で定める基準に従うものとする。

 造林を怠った場合には、都道府県知事は代執行を行うことができる。

(共同利用森林の定義)

第十三条 共同利用森林とは、特定の地域住民が伝統的慣行又は条例に基づき共同して利用し、又は管理する森林をいう。

 共同利用森林における利用権は、地域共同体の構成員の共有に属し、その管理方法は条例又は協定により定めるものとする。

 共同利用森林に係る利用権は、民法第263条(入会権)の特則として存続し、譲渡又は質入をすることができない。

(共同利用森林の管理組織)

第十四条 共同利用森林の管理は、森林組合その他の地域協同組織に行わせることができる。

 管理組織は、条例又は協定に基づき、管理計画及び利用規約を定め、これを市町村に届け出なければならない。

 管理計画には、伐採、利用、再生及び環境保全に関する事項を含むものとする。

第五章 森林の権利関係の登録

(森林経営管理権の登録)

第十五条 森林の所有権又は森林経営管理権を設定、変更又は消滅させたときは、政令で定めるところにより、森林経営管理台帳に登録しなければならない。

 森林経営管理台帳は、市町村に備え、登記事項は電子的に公開するものとする。

 森林経営管理台帳に登録された情報は、土地利用基本台帳及び環境情報台帳と連携して管理される。

第三編 森林組合制度

第一章 総則

(目的及び法人格)

第十六条 森林組合は、森林の整備、経営及び利用を協同して行い、もって地域の森林資源の持続的管理及び林業の振興に寄与することを目的とする法人とする。

 森林組合は、非営利の法人とし、公共的機能を有するものとする。

 森林組合は、法人格を有し、民法及び本法の定めるところにより権利義務の主体となる。

(組合員の資格)

第十七条 森林の所有者、森林経営管理権者及び共同利用森林の構成員は、森林組合の組合員となることができる。

 地方公共団体、国有林管理機関及び非営利法人は、準組合員として加入することができる。

 組合員資格の取得及び喪失に関する手続は、定款で定める。

第二章 設立及び組織

(設立)

第十八条 森林組合は、組合員となるべき者二十人以上の同意を得て、設立総会を開き、定款を定め、主務大臣の認可を受けて設立する。

 特定の地域における森林が少数の所有者によって管理される場合には、都道府県知事の承認により、組合員五人以上で設立することができる。

(定款)

第十九条 森林組合の定款には、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 目的及び事業内容

二 名称及び事務所の所在地

三 組合員及び準組合員の資格並びに加入・脱退の手続

四 役員の定数及び任期

五 会計及び剰余金の処理

六 情報公開及び監査に関する事項

七 解散及び合併に関する手続

 定款の変更は、総会において組合員の三分の二以上の多数で決議し、主務大臣の認可を受けなければならない。

(役員)

第二十条 森林組合には、理事長一人、理事若干人及び監事二人以上を置くものとする。

 理事長は、組合を代表し、会務を統括する。

 監事は、組合の業務及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告する。

 役員の任期は三年とし、再任を妨げない。

第三章 事業及び財務

(事業)

第二十一条 森林組合は、その目的を達成するため、次に掲げる事業を行うことができる。

一 森林の整備、経営及び管理

二 林産物の生産、加工及び販売

三 森林保険、資金助成及び共同購買

四 森林環境教育及び地域資源の活用

五 国又は地方公共団体からの委託事業

 森林組合は、前項の事業に附帯する業務を行うことができる。

(財務及び会計)

第二十二条 森林組合は、毎事業年度の収支及び貸借対照表を作成し、総会の承認を得なければならない。

 剰余金は、定款で定めるところにより、事業拡充又は組合員への配当以外に使用してはならない。

 会計は、会計基準に従い、公認会計士又は監査法人の監査を受けるものとする。

第四章 監督及び合併

(監督)

第二十三条 主務大臣又は都道府県知事は、森林組合の業務運営が公益目的に反すると認めるときは、報告を求め、又は必要な措置を命ずることができる。

 前項の命令に従わない場合には、主務大臣は理事長の解任又は組合の解散を命ずることができる。

 森林組合は、行政庁の監督権の行使に対し、意見書を提出することができる。

(合併及び連合会)

第二十四条 森林組合は、他の森林組合と合併し、又は連合会を設立することができる。

 連合会は、会員である森林組合の事業の調整及び支援を行い、地域間連携を推進する。

 森林組合及び連合会の合併又は解散には、主務大臣の認可を要する。

第五章 雑則

(情報公開及び地域連携)

第二十五条 森林組合は、その業務及び財務の概要を毎事業年度終了後に公表しなければならない。

 森林組合は、地域の学校、企業及び市民団体と連携し、森林環境教育及び地域資源活用に関する活動を行うよう努めなければならない。

第四編 森林整備・管理

第一章 森林整備の基本計画

(森林整備の基本方針)

第二十六条 国は、森林の整備及び管理に関する総合的な方針(以下「森林整備基本方針」という。)を定め、森林の有する環境的、経済的及び社会的機能の調和的発揮を図らなければならない。

 森林整備基本方針には、次に掲げる事項を含むものとする。

一 森林の整備及び管理の基本目標

二 森林経営管理区域の設定及び森林計画の策定基準

三 間伐、更新及び保全の推進方策

四 国及び地方公共団体の施策の方向

五 財政上及び技術上の支援措置

(地域森林整備計画)

第二十七条 都道府県は、森林整備基本方針に基づき、森林計画区域ごとに地域森林整備計画を策定しなければならない。

 地域森林整備計画には、森林の区分、伐採及び造林の基準、災害防止、水源涵養及び景観保全に関する方針を定めるものとする。

 地域森林整備計画は、森林経営管理権者、森林組合及び市町村の意見を聴いて策定しなければならない。

 地域森林整備計画は、少なくとも五年ごとに見直すものとする。

第二章 森林経営管理措置

(経営管理区域の設定)

第二十八条 市町村は、地域森林整備計画に基づき、森林経営管理区域を設定するものとする。

 森林経営管理区域には、管理責任者、整備目標、施業内容及び期間を定める。

 森林経営管理区域の設定又は変更は、公示により行うものとする。

(経営管理権の設定及び委託)

第二十九条 森林所有者又は森林経営管理権者は、当該森林の整備及び管理を市町村、森林組合又は登録森林管理者に委託することができる。

 経営管理権の設定又は委託に関する契約は、政令で定める様式により、森林経営管理台帳に登録しなければならない。

 登録された契約は、民法の委任に関する規定にかかわらず、公共的管理契約として効力を有する。

(間伐及び更新の促進)

第三十条 森林経営管理権者は、森林の生育状況、樹種構成及び生態系の変化に応じて、間伐、更新その他の整備を適切に行わなければならない。

 国及び地方公共団体は、間伐及び更新の推進に必要な助成、技術支援及び人材育成を行うものとする。

 森林整備に係る技術基準は、主務省令で定める。

(森林災害の防止及び復旧)

第三十一条 森林経営管理権者は、風害、雪害、火災その他の災害を防止し、又はその被害を軽減するため、必要な施設の整備及び管理を行わなければならない。

 国及び地方公共団体は、災害の発生時において、被害森林の再生及び流域保全に必要な措置を講ずるものとする。

 災害復旧に要する費用については、森林保険法に基づく保険金の支払又は国の補助によってこれを補填する。

第三章 森林環境保全及び資金調達

(森林環境税及び基金)

第三十二条 国は、森林環境税及び森林整備基金を設け、森林の整備及び保全に必要な財源を確保するものとする。

 森林環境税の使途は、間伐、造林、人材育成及び森林情報の整備等に限るものとする。

 森林整備基金は、国及び地方公共団体の拠出金、寄附金及び民間事業者の協賛金を財源とする。

(森林環境寄附)

第三十三条 国民、事業者及び団体は、森林整備基金への寄附その他の方法により、森林の保全及び再生のための資金の提供に努めなければならない。

 寄附金は、森林環境寄附金として税額控除の対象とすることができる。

 森林整備基金の運用及び会計は、毎年度公表するものとする。

第四章 森林情報及び評価

(森林情報の整備)

第三十四条 市町村は、森林経営管理台帳に基づき、森林の位置、所有権、経営状況、樹種構成及び環境情報を電子的に整備しなければならない。

 森林情報は、GIS(地理情報システム)により統合し、国及び地方公共団体が共有する。

 森林情報のうち、環境及び災害防止に関する情報は、一般に公開することができる。

(評価及び報告)

第三十五条 国は、森林整備及び管理の実施状況について、五年ごとに評価を行い、その結果を国会に報告しなければならない。

 評価に当たっては、森林吸収量、CO固定量及び地域経済波及効果に関する指標を用いるものとする。

 評価結果は、公表し、次期森林整備基本方針の策定に反映させる。

第五編 森林経営基盤及び資金助成

第一章 森林経営の基盤整備

(森林経営基盤の強化)

第三十六条 国及び地方公共団体は、森林経営の効率化及び持続的発展を図るため、経営規模の適正化、路網の整備、共同利用施設の整備その他森林経営基盤の強化に関する施策を総合的に推進しなければならない。

 前項の施策には、森林の所有界の明確化、境界確認及び集約化に関する支援を含むものとする。

(森林路網及び共同利用施設)

第三十七条 都道府県及び市町村は、森林の施業及び林産物の搬出を効率的に行うため、林道、作業道その他の森林路網を整備しなければならない。

 森林組合又は森林経営管理権者は、共同利用施設(集材場、乾燥施設等)を設置し、又は共同で利用することができる。

 国は、前二項に定める施設整備に対し、財政上及び技術上の支援を行うものとする。

第二章 資金及び信用制度

(林業金融機関の役割)

第三十八条 国は、森林経営及び林業の振興のため、森林整備資金の貸付を行う金融機関(以下「林業金融機関」という。)を指定し、その業務運営に関する基準を定めなければならない。

 林業金融機関は、森林経営者及び森林組合に対し、長期かつ低利の資金を供給するよう努めなければならない。

 林業金融機関の貸付は、森林整備基金又は林業信用基金による債務保証を受けることができる。

(森林整備資金)

第三十九条 森林経営管理権者、森林組合及び地方公共団体は、森林整備資金の貸付け又は補助を受けることができる。

 森林整備資金は、次の各号に掲げる事業に充てることができる。

一 間伐、更新及び造林

二 作業道、林道等の路網整備

三 共同利用施設の設置

四 災害復旧及び防除施設の整備

五 森林情報管理システムの構築

 森林整備資金の利率、償還期間その他の条件は、政令で定める。

(林業信用保証)

第四十条 林業信用基金は、森林経営者又は森林組合が金融機関から受ける融資について、債務保証を行うことができる。

 基金の資金は、国及び地方公共団体の拠出金並びに保証料をもって充てる。

 基金の運用及び監査に関する事項は、主務省令で定める。

第三章 助成及び税制措置

(助成制度)

第四十一条 国及び地方公共団体は、森林整備事業を行う者に対し、予算の範囲内で補助金又は交付金を交付することができる。

 助成の対象となる事業は、造林、間伐、再生、路網整備、地域担い手育成及び森林環境教育とする。

 補助金の交付を受けた者は、その実績及び経理を報告しなければならない。

(税制上の特例)

第四十二条 森林経営管理権者が森林整備又は造林のために支出した費用は、所得税法及び法人税法の定めるところにより、特別償却又は税額控除の対象とすることができる。

 共同利用施設及び路網の整備に要した資産については、固定資産税の課税標準を政令で定める割合で軽減することができる。

 森林環境寄附金に係る寄附金控除の取扱いについては、主務省令で定める。

第四章 担保及び管理

(森林担保権)

第四十三条 森林経営管理権者は、森林整備資金の貸付を受ける場合において、当該森林の経営管理権を担保に供することができる。

 森林担保権の設定及び実行に関する手続は、主務省令で定める。

 森林担保権の実行により取得された森林経営管理権は、公益的利用を妨げない範囲において譲渡することができる。

(経理及び監査)

第四十四条 森林整備資金及び助成金の交付を受けた者は、政令で定めるところにより、収支報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。

 都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該事業に関し報告を求め、又は職員に実地調査を行わせることができる。

 虚偽の報告又は不正の手段により助成を受けた者は、その助成金の返還を命ぜられるものとする。

第六編 森林病害虫及び防除

第一章 総則

(目的)

第四十五条 この編は、森林における病害虫及び外来生物による被害を防止し、並びに森林生態系の健全な維持を図るため、防除、監視及び研究に関する基本事項を定めることを目的とする。

〈引用:森林病害虫等防除法第1条〉〈審査コメント〉 「森林保全」から「生態系防衛」へ概念を拡張。外来種対応を正式に法定化。

(定義)

第四十六条 この編において「森林病害虫」とは、樹木又は森林生態系に被害を及ぼす病原菌、昆虫その他の生物をいう。

 「防除」とは、森林病害虫の発生の予防、まん延の防止及び駆除をいう。

 「特定外来生物」とは、外来生物法(平成十六年法律第七十八号)に規定するものをいう。

〈引用:森林病害虫等防除法第2条〉

第二章 防除体制

(国及び地方公共団体の責務)

第四十七条 国は、森林病害虫及び特定外来生物による被害を防止するため、全国的な監視体制及び防除計画を整備しなければならない。

 都道府県及び市町村は、地域における森林病害虫の発生を常時監視し、発生を認めたときは、速やかに国に報告しなければならない。

 国及び地方公共団体は、必要があると認めるときは、相互に情報を共有し、又は合同で防除措置を講ずるものとする。

〈引用:森林病害虫等防除法第3条〉〈審査コメント〉 地方自治体の「通報義務」を明文化。AI監視・衛星観測等の活用を前提とする構造。

(森林病害虫防除計画)

第四十八条 農林水産大臣は、全国的な防除の方針及び重点区域を定めた森林病害虫防除計画を策定しなければならない。

 都道府県知事は、当該区域の実情に応じた地域防除計画を作成し、これを毎年見直すものとする。

 防除計画には、次に掲げる事項を含むものとする。

一 主要病害虫及び外来生物の種別と被害想定

二 防除の方法、薬剤及び機械の使用基準

三 防除区域及び実施機関

四 安全性及び環境保全に関する事項

五 防除実績の記録及び評価の方法〈引用:森林病害虫等防除法第4条〉

(緊急防除命令)

第四十九条 農林水産大臣又は都道府県知事は、森林病害虫又は特定外来生物の異常発生により、森林の被害が拡大するおそれがあると認めるときは、当該区域における防除を命ずることができる。

 前項の命令は、必要な限度において、森林所有者、森林経営管理権者又は森林組合に対して行うものとする。

 命令を受けた者がこれに従わないときは、行政代執行法(昭和二十三年法律第百四十三号)の例により代執行することができる。

〈引用:森林病害虫等防除法第8条〉〈審査コメント〉 旧来の「伐採命令」規定を改正し、代執行制度の条文化を含む。環境影響配慮を前提とする。

(予防的監視)

第五十条 国及び地方公共団体は、森林病害虫及び特定外来生物の発生予察を行うため、観測点、無人センサー及び衛星情報を用いた監視体制を整備するものとする。

 森林経営管理権者は、異常を認めたときは、直ちに市町村に報告しなければならない。

 森林情報台帳には、防除履歴及び発生予測情報を登録するものとする。

〈審査コメント〉 GIS・AI・衛星観測を法的に裏付け。情報編(第四編)との一貫性を確保。

第三章 防除実施及び費用

(防除実施機関)

第五十一条 防除計画に基づく防除は、都道府県又は指定防除機関が行うものとする。

 指定防除機関は、農林水産大臣の登録を受けた法人又は森林組合でなければならない。

 防除に従事する者は、主務省令で定める安全衛生基準に従わなければならない。

〈引用:森林病害虫等防除法第6条〉

(費用の負担)

第五十二条 防除に要する費用は、原則として森林所有者又は森林経営管理権者が負担するものとする。

 公益上特に必要があると認める防除については、国又は地方公共団体がその全部又は一部を負担することができる。

 前項の規定により負担した経費は、予算の範囲内で補助金又は交付金として交付することができる。

〈引用:森林病害虫等防除法第9条〉〈審査コメント〉 原則自己負担+公益防除の公費助成。感染症法の構造に類似。

第四章 技術及び研究

(研究及び技術開発)

第五十三条 国は、森林病害虫の発生原因、生態及び防除技術に関する研究を推進し、その成果を公表しなければならない。

 地方公共団体、大学及び研究機関は、相互に連携して研究を行うものとする。

 新たな薬剤又は生物的防除技術の使用は、生態系に及ぼす影響を評価した上で行わなければならない。

〈引用:森林病害虫等防除法第10条〉〈審査コメント〉 「研究成果の公開」「生物的防除のリスク評価」を義務化。環境影響評価法と接続。

(教育及び普及)

第五十四条 国及び地方公共団体は、森林病害虫及び特定外来生物に関する知識の普及を図り、関係者に対して必要な教育及び訓練を行うよう努めなければならない。

 森林組合及び関係団体は、技術研修及び普及啓発活動を実施することができる。

第五章 罰則

(報告義務違反)

第五十五条 第四十七条第二項又は第五十条第二項の規定による報告を怠った者は、三十万円以下の過料に処する。

(命令違反)

第五十六条 第四十九条第一項の規定による防除命令に従わなかった者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(虚偽報告)

第五十七条 第四十四条又は第五十二条第三項の規定による報告において虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

第七編 森林種苗及び遺伝資源〔林業種苗法統合〕

第一章 総則

(目的)

第五十八条 この編は、森林の整備及び保全に資するため、林業用種苗の生産、流通及び利用の適正を図るとともに、森林の遺伝資源を保全し、その持続的利用を促進することを目的とする。

〈引用:林業種苗法第1条〉〈審査コメント〉 単なる「苗木取引」法から脱却し、「遺伝的多様性保全法」的要素を統合。

(定義)

第五十九条 この編において「種苗」とは、森林の造成又は再生に用いられる種子、苗木その他の繁殖材料をいう。

 「指定母樹林」とは、特定の地域における遺伝的特性を保持するため、政令で指定された母樹又は母林をいう。

 「遺伝資源」とは、森林の植物体、種子、花粉その他の部分であって、遺伝的機能又は価値を有するものをいう。

〈引用:林業種苗法第2条〉

第二章 種苗の生産及び流通

(種苗生産の登録)

第六十条 種苗を生産し、又は販売しようとする者は、主務大臣の登録を受けなければならない。

 登録を受けた者(以下「登録生産者」という。)は、種苗の品質保持及び遺伝的純度を確保するため、主務省令で定める基準に従わなければならない。

 主務大臣は、登録生産者が基準に適合しないと認めるときは、その登録を取り消すことができる。

〈引用:林業種苗法第4条〉

(種苗の表示及び検査)

第六十一条 登録生産者は、販売に供する種苗に、種名、産地、採取年及び母樹林名その他主務省令で定める事項を表示しなければならない。

 主務大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、種苗の検査を行うことができる。

 検査の結果、基準に適合しない種苗については、販売又は譲渡を禁止し、又はその廃棄を命ずることができる。

〈引用:林業種苗法第6条・第7条〉

(生産及び流通の記録)

第六十二条 登録生産者は、種苗の生産、採取、保管及び販売に関する事項を記録し、これを十年間保存しなければならない。

 主務省令で定める場合を除き、これらの記録を改ざんし、又は虚偽の記載をしてはならない。

〈審査コメント〉 デジタル台帳(ブロックチェーン等)対応を想定し、トレーサビリティを法的義務化。

第三章 遺伝資源の保全及び利用

(遺伝資源の保存)

第六十三条 国は、森林の遺伝的多様性を確保するため、遺伝資源の保存に関する基本方針を定めなければならない。

 都道府県は、地域における遺伝資源保存区域を指定し、その維持及び管理を行うものとする。

 遺伝資源保存区域においては、遺伝的改変、外来種の導入その他の行為をしてはならない。

〈引用:林業種苗法第13条・生物多様性基本法第18条〉

(遺伝資源の利用及び提供)

第六十四条 国は、遺伝資源の研究、育種及び商業利用に関し、公正な利益配分を確保するため、国際的枠組みに基づき指針を定めるものとする。

 外国の研究者又は事業者が我が国の森林遺伝資源を利用しようとするときは、主務大臣の承認を受けなければならない。

 前項の規定により得られた情報及び利益は、当該遺伝資源の保存及び地域森林の再生に活用されるものとする。

〈引用:名古屋議定書(ABS:Access and Benefit-Sharing)〉〈審査コメント〉 生物多様性条約との整合を図り、「利益配分の国内実装」を明文化。

(遺伝資源の登録及び管理台帳)

第六十五条 主務大臣は、森林遺伝資源の所在、種類及び特性に関する情報を登録するため、森林遺伝資源台帳を整備しなければならない。

 森林遺伝資源台帳は、GIS及びデータベースにより電子的に管理し、研究機関、大学及び地方公共団体に開示することができる。

 台帳に登録された情報のうち、環境保全又は学術研究に資する部分は、一般に公開することができる。

〈審査コメント〉 第四編(森林情報)との連携強化。データ統合型「国家森林ゲノム台帳」的機能。

第四章 技術開発及び教育

(育種及び技術開発)

第六十六条 国及び地方公共団体は、森林樹木の育種及び種苗改良に関する研究を推進し、その成果の普及に努めなければならない。

 研究においては、遺伝的改変技術の使用に当たり、生態系及び地域種の遺伝的均衡に及ぼす影響を評価しなければならない。

〈引用:林業種苗法第16条〉

(教育及び普及)

第六十七条 国及び地方公共団体は、森林種苗及び遺伝資源に関する教育及び普及活動を推進し、国民の理解を深めるよう努めなければならない。

 森林組合及び学校、研究機関は、育林教育及び遺伝資源保全に関する講習、展示又は実習を行うことができる。

〈引用:生物多様性基本法第25条〉

第五章 罰則

(無登録生産)

第六十八条 第六十条第一項の規定に違反して登録を受けないで種苗を生産し、又は販売した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(虚偽表示)

第六十九条 第六十一条第一項の規定に違反して種苗に虚偽の表示をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

(遺伝資源の無断提供)

第七十条 第六十四条第二項の規定に違反して主務大臣の承認を受けずに遺伝資源を外国に提供した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第八編 国有林野の管理及び活用〔国有林野管理経営法・活用法統合〕

第一章 総則

(目的)

第七十一条 この編は、国有林野の適正な管理及び有効な活用を図ることにより、国土の保全、水源の涵養、生物多様性の維持及び木材資源の安定供給を確保し、もって国民生活の安定及び地域社会の発展に資することを目的とする。

〈引用:国有林野管理経営法第1条〉〈審査コメント〉 現行法の経営目的に「生態系維持」「地域連携」を追加。

(定義)

第七十二条 この編において「国有林野」とは、国が所有する森林及び原野であって、林野庁長官が管理するものをいう。

 「管理経営体」とは、国有林野の経営又は活用を行うために設立された法人その他の組織をいう。

 「公益的利用」とは、教育、研究、環境保全、観光及び地域振興その他公共の利益に資する利用をいう。

〈引用:国有林野管理経営法第2条〉

第二章 管理及び経営

(管理責任)

第七十三条 国有林野は、林野庁長官が総括的に管理し、その経営及び利用について責任を負う。

 林野庁長官は、管理経営体に対し、その事務の全部又は一部を委託することができる。

 管理経営体は、委託契約の範囲内において、国の財産としての性質を損なわないよう当該林野を管理しなければならない。

〈引用:国有林野管理経営法第3条〉

(管理計画)

第七十四条 林野庁長官は、国有林野の整備及び利用に関する基本的計画(以下「国有林野管理計画」という。)を策定しなければならない。

 国有林野管理計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 保全及び経営の基本目標

二 公益的機能の維持及び強化に関する事項

三 木材資源の生産及び供給計画

四 地域社会との連携及び利用調整に関する事項

五 環境影響評価及びモニタリングに関する事項

 国有林野管理計画は、五年ごとに見直しを行うものとする。

〈引用:国有林野管理経営法第4条〉

(森林施業の実施)

第七十五条 国有林野における伐採、造林その他の施業は、国有林野管理計画に基づき、持続可能な方法により行わなければならない。

 施業に際しては、流域単位の生態系管理及び地球温暖化防止に資するよう配慮しなければならない。

 施業に従事する者は、安全衛生及び労働基準関係法令を遵守しなければならない。

〈引用:国有林野管理経営法第5条〉

第三章 活用及び地域連携

(国有林野の活用)

第七十六条 林野庁長官は、国有林野の公益的利用を促進するため、環境教育、観光、研究又は地域振興の目的で、これを地方公共団体、学校、企業又は団体に貸し付けることができる。

 貸付契約においては、森林の環境保全及び公益的機能を損なわないことを条件とする。

 貸付料及び契約期間は、主務省令で定める基準に従うものとする。

〈引用:国有林野活用法第3条〉〈審査コメント〉 「観光・教育・研究」の公益利用を明文化し、地域の利益還元を前提とする構造に転換。

(地域協定)

第七十七条 地方公共団体又は地域の森林組合は、国有林野の管理経営体と協定を締結し、国有林野の共同利用及び地域振興に関する施策を実施することができる。

 協定には、森林の整備、利用収益の分配、環境保全及び災害防止に関する事項を定めるものとする。

 林野庁長官は、地域協定の内容が国有林野管理計画に適合するかどうかを確認し、必要な助言又は指導を行うものとする。

〈引用:国有林野活用法第4条〉〈審査コメント〉 地方自治体と国有林をつなぐ「森林パートナーシップ協定」的機能。地方振興法との整合を想定。

(収益の配分及び基金)

第七十八条 国有林野の活用によって得られた収益は、国の一般会計に繰り入れるほか、その一部を森林整備基金に充てるものとする。

 森林整備基金への繰入割合は、政令で定める。

 基金は、国有林野の再整備及び地域協定に基づく公益的活動の支援に充てるものとする。

〈審査コメント〉 「収益の地域還元」を法定化。国有林経営の透明性と持続性を確保。

第四章 特別管理区域及び環境保全

(特別管理区域の指定)

第七十九条 林野庁長官は、国有林野のうち、特に環境保全上重要な区域を特別管理区域として指定することができる。

 特別管理区域においては、開発、伐採その他の行為を禁止し、又は制限する。

 指定又は解除は、官報で公告してその効力を生ずる。

〈引用:国有林野管理経営法第6条〉〈審査コメント〉 「保安林制度」を国有林体系に明確に位置づけ。世界自然遺産・生態系保護地域を包括できる設計。

(環境影響評価)

第八十条 国有林野において大規模な伐採又は施設整備を行おうとするときは、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)の定めるところにより、環境影響評価を実施しなければならない。

 評価の結果、環境への重大な影響があると認められる場合は、林野庁長官は事業の変更又は中止を命ずることができる。

〈審査コメント〉 森林開発・道路建設等に対する環境審査義務を法定化し、国際的信頼性を確保。

第五章 報告及び監督

(業務報告及び監査)

第八十一条 管理経営体は、毎事業年度終了後、その経営状況及び会計を林野庁長官に報告しなければならない。

 林野庁長官は、必要があると認めるときは、監査を命じ、又は職員に実地調査を行わせることができる。

 監査の結果、不正又は重大な過失が認められた場合は、林野庁長官は改善命令を発し、又は委託契約を解除することができる。

〈引用:国有林野管理経営法第8条〉

第六章 罰則

(無断利用)

第八十二条 正当な理由がなく国有林野を占有し、又は利用した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

(虚偽報告)

第八十三条 第八十一条の規定による報告において虚偽の報告をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

第九編 森林保険制度〔森林保険法統合〕

第一章 総則

(目的)

第八十四条 この編は、森林に生ずる火災、風水害、雪害、地震その他の災害による損失を填補し、森林経営の安定及び森林の再生を図るため、森林保険制度を設け、その運営に関する基本事項を定めることを目的とする。

〈引用:森林保険法第1条〉〈審査コメント〉 現行法の「火災・風水害」中心から「地震・気候変動」等を追加。リスク範囲を拡大。

(定義)

第八十五条 この編において「森林保険」とは、森林所有者又は森林経営管理権者が加入し、災害その他の事故によって生じた損害を補償する制度をいう。

 「被保険森林」とは、造林地、天然林又は人工林であって、主務省令で定める基準に適合するものをいう。

 「森林再生基金」とは、森林保険契約に基づく支払原資及び再造林助成を行うための国の特別会計をいう。

〈引用:森林保険法第2条〉

第二章 保険契約及び補償

(加入の義務及び対象)

第八十六条 森林所有者及び森林経営管理権者は、政令で定めるところにより、その森林を森林保険に付さなければならない。

 国及び地方公共団体が所有する森林についても、同様とする。

 特定の公益的保安林又は遺伝資源保存区域については、森林保険の適用を除外することができる。

〈引用:森林保険法第3条〉〈審査コメント〉 「任意加入」から「準強制加入」へ。公的リスク分散の原理に基づく。

(保険金の支払)

第八十七条 被保険森林に損害が生じたときは、保険者は、当該損害額の範囲内で保険金を支払わなければならない。

 保険金の額は、森林の樹種、齢級、立地条件及び施業状況を考慮して算定する。

 損害が部分的である場合には、再造林費用を含めた補償を行うものとする。

〈引用:森林保険法第8条〉〈審査コメント〉 現行法の「焼損補償」から「再生支援型補償」へ転換。

(保険金の減額又は不支給)

第八十八条 次の各号のいずれかに該当するときは、保険者は、保険金の全部又は一部を支払わないことができる。

一 故意又は重大な過失により損害を生じさせたとき。

二 防除義務(第六編第四十九条)を怠ったことにより損害が拡大したとき。

三 森林施業計画(第四編第二十八条)に違反していたとき。

〈引用:森林保険法第11条〉

(再造林支援)

第八十九条 森林保険金の受給者は、保険金の全部又は一部を再造林の実施に充てなければならない。

 主務大臣は、再造林の進捗を確認するため、報告又は実地検査を行うことができる。

 再造林に要する費用が保険金額を超える場合には、森林整備基金(第四編第三十二条)の交付金を併用することができる。

〈審査コメント〉 保険と再造林補助を連動させ、「支払=再生義務」

を法定化。

第三章 保険者及び運営

(森林保険機構)

第九十条 森林保険制度の運営を行うため、独立行政法人森林保険機構(以下「機構」という。)を設置する。

 機構は、保険の引受け、保険金の支払、再造林助成及び森林災害統計の整備を行うものとする。

 機構の業務は、主務大臣の監督を受ける。

〈引用:森林保険法第15条〉

(森林再生基金)

第九十一条 森林再生基金は、森林保険契約に基づく保険料、国及び地方公共団体の拠出金、寄附金及び投資収益をもって構成する。

 基金の資金は、次に掲げる用途に充てるものとする。

一 保険金の支払

二 再造林費用の助成

三 森林災害の調査及び復旧支援

四 予防的整備及び研究事業

 基金の運用及び会計は、主務省令で定めるところにより透明性を確保しなければならない。

〈審査コメント〉 保険・基金・再造林を一体運用。気候変動リスクファンド的仕組み。

(保険料の算定及び納付)

第九十二条 保険料率は、災害リスク、地域特性及び樹種別危険度を勘案して主務大臣が定める。

 保険料の納付は、毎年一回、森林経営管理台帳に基づき自動的に算出・徴収する。

 国及び地方公共団体は、公共目的森林に係る保険料の一部を補助することができる。

〈引用:森林保険法第6条〉〈審査コメント〉 台帳連動型課金制度を法定化。電子徴収・GISリンクを前提とする構造。

(再保険)

第九十三条 機構は、森林保険に係る大規模災害リスクを分散するため、国内外の保険会社との間で再保険契約を締結することができる。

 国は、特に大規模な森林災害が発生した場合には、再保険契約によっても填補し得ない損失に対し、財政措置を講ずるものとする。

〈引用:森林保険法第20条〉〈審査コメント〉 再保険条項を国際化。世界銀行等の災害債(Cat Bond)発行との整合を想定。

第四章 監督及び報告

(監督)

第九十四条 主務大臣は、機構の業務及び会計について監督し、必要があると認めるときは、報告を求め、又は職員に検査を行わせることができる。

 機構は、毎事業年度の終了後、業務報告書及び決算書を主務大臣に提出しなければならない。

〈引用:森林保険法第25条〉

(統計及び公表)

第九十五条 主務大臣は、森林災害の発生状況及び保険金の支払状況に関する統計を作成し、公表しなければならない。

 統計は、災害の種類、地域及び森林区分別に整理し、次期森林整備基本方針(第四編第二十六条)に反映させるものとする。

〈審査コメント〉 政策循環構造の一体化(保険統計計画改定)。

第五章 罰則

(虚偽申告)

第九十六条 偽りその他不正の手段により保険金の支払を受けた者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

(納付義務違反)

第九十七条 第八十六条の規定による保険加入又は第九十二条の納付を怠った者は、三十万円以下の過料に処する。

附 則〔森林法施行法・分収林特措法・森林組合合併助成法 統合〕

(施行期日)

第九十八条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 本法の施行に必要な準備行為は、前項の施行日前においても行うことができる。

〈引用:森林法施行法第1条〉

(経過措置)

第九十九条 この法律の施行の際、現行の森林法、森林経営管理法、森林病害虫等防除法、林業種苗法、国有林野管理経営法、森林保険法その他これらに関する法律に基づいてされた処分、手続又は契約は、原則としてこの法律の相当規定に基づいてされたものとみなす。

 この法律の施行の際、現に存する森林組合及び森林組合連合会は、第三編の規定により設立されたものとみなす。

 この法律の施行前に開始された事業又は手続であって、この法律の施行後においてもなお継続するものについては、当該事業又は手続に関し、必要な限度においてなお従前の例によることができる。

〈引用:森林法施行法第2条〉〈審査コメント〉 従前の行政処分・組合・契約を包括承継し、行政手続の連続性を確保。

(政令への委任)

第百条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

〈引用:森林法施行法第3条〉

(分収林契約の経過措置)

第百一条 この法律の施行の際、現に存する分収林契約は、当該契約に係る森林が第四編第二十八条に規定する森林経営管理区域に属するものとみなし、当該契約に基づく収益の分配その他の事項については、当該契約の定めるところによる。

 施行後に新たに締結する分収林契約は、政令で定める期間に限り、第五編第四十三条の森林担保権に関する特例として認めることができる。

〈引用:分収林特措法〉〈審査コメント〉 旧来の分収林契約を廃止せず、「移行的権利」として残す柔軟な措置。

(森林組合の合併助成)

第百二条 この法律の施行後五年間に限り、二以上の森林組合が合併した場合において、主務大臣は、予算の範囲内で合併に要する費用の一部を補助することができる。

 補助の対象及び基準は、政令で定める。

〈引用:森林組合合併助成法〉〈審査コメント〉 組合再編を促すため、暫定的な財政インセンティブを付与。

(関係法令の整理)

第百三条 この法律の施行に伴い、次に掲げる法律の一部を改正又は廃止する。

一 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)

二 森林経営管理法(平成三十年法律第四十八号)

三 森林病害虫等防除法(昭和二十五年法律第百二十一号)

四 林業種苗法(昭和五十二年法律第九十号)

五 国有林野管理経営法(昭和二十六年法律第二百四十六号)

六 森林保険法(昭和十四年法律第八十四号)

七 分収林特別措置法(昭和二十五年法律第百五号)

八 森林組合合併助成法(平成十年法律第七号)

 前項に掲げる法令の廃止又は改正の細目は、政令で定める。

〈審査コメント〉 法体系全体の再編を明示。旧法を全面吸収し、統合法制へ一本化。

(施行後の検討)

第百四条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、その施行の状況及び森林の整備、経営及び保険制度の効果を検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて法制の見直しを行わなければならない。

〈審査コメント〉 PDCAサイクルの法定化。持続的制度改善の根拠条文。