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産業基本法 条文全文Lex50 · 39/50 · 私案条文

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第一編 総則

第一条(目的)

本法は、国民経済の健全な発展及び国民生活の向上を図るため、産業の国際競争力の強化、技術革新及び事業革新の促進並びに経済安全保障及び環境との調和を確保し、もって持続的かつ包摂的な産業社会の形成に寄与することを目的とする。

第二条(定義)

この法律において「事業者」とは、営利を目的として継続的に事業を行う法人又は個人をいう。

 「中小企業者」及び「小規模事業者」とは、事業者のうち、その規模が政令で定める基準以下のものをいう。

 「産業」とは、資源の開発、製造、加工、流通、販売及びこれらに関連するサービスを包含する経済活動をいう。

第三条(国及び地方公共団体の責務)

国及び地方公共団体は、産業の持続的発展及び地域経済の活性化を図るため、事業者の自助努力を基本としつつ、経営の基盤強化、技術革新及び新事業の創出を支援し、公正かつ自由な競争環境を確保する責務を有する。

第四条(産業政策基本計画)

政府は、産業の持続的発展及び国民経済の安定的成長を図るため、産業政策に関する基本計画(以下「産業政策基本計画」という。)を定めなければならない。

 産業政策基本計画は、おおむね五年ごとに見直しを行い、閣議の決定を経て公表するものとする。

 国及び地方公共団体は、産業政策基本計画に基づき、地域の実情に即した施策を講ずるものとする。

第五条(施策の基本方針)

国及び地方公共団体は、次の各号に掲げる施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。

一 経営基盤の強化及び経営革新の促進

二 技術開発及びデジタル化の推進

三 環境負荷の低減及び脱炭素化への取組

四 人材育成及び職業能力の向上

五 新事業・新産業の創出及び事業承継の円滑化

六 国際的な産業連携及び貿易投資の促進

七 地域産業の振興及び雇用の安定

第六条(産業統計及び情報の整備)

国は、産業に関する統計及び情報を体系的に整備し、公開し、並びに事業者がこれを活用し得る環境を整えるものとする。

 地方公共団体は、地域産業に関する統計及び情報を整備し、国の施策と調和を保って活用するものとする。

第七条(公正取引及び競争環境の整備)

産業政策は、自由かつ公正な競争を確保し、事業者の創意及び技術革新を促進することを基本とする。

第八条(産業技術及び環境調和)

国及び地方公共団体は、産業の振興に当たり、科学技術の進展を図りつつ、環境との調和及び資源の有効利用を確保するよう努めなければならない。

第二編 鉱業及び資源

第一章 鉱業制度〔鉱業法(存置・改修)〕

第一条(目的)

〈引用:鉱業法第1条〉この法律は、鉱物の開発及び利用の適正な管理を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

〈審査コメント〉統合法では「資源主権」「環境保全」「地域共生」を加味。鉱物資源のみならず地熱・深海資源を包括。

〈修正案〉本章は、鉱物その他の地下資源の探査、採掘及び利用の適正な管理を図り、環境との調和及び地域社会との共生を確保しつつ、資源の持続的利用を通じて国民経済の発展に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉鉱業法(昭和25年法律第289号)、エネルギー基本法、地熱資源開発促進法。

第二条(定義)

〈引用:鉱業法第2条〉この法律において「鉱業権」とは、政令で定める鉱物を掘採する権利をいう。

〈審査コメント〉統合法では「鉱業権」「採鉱権」「探鉱権」「特定資源開発権」を包括し、「深海資源」「地熱」「再生資源」を拡張的に定義。

〈修正案〉この法律において「鉱業」とは、鉱物その他政令で定める地下資源を探査し、採掘し、又はこれを処理する事業をいう。

 「鉱業権」とは、鉱業を行うために法令により設定される権利をいう。

 「特定資源」とは、地熱、深海底鉱物及びその他政令で定める非金属資源をいう。

〈関連法令〉鉱業法第2条、深海底鉱業暫定措置法第2条。

第三条(鉱業権の設定及び登録)

〈引用:鉱業法第3条、第4条〉鉱業権は、経済産業大臣の許可を受けて設定する。

〈審査コメント〉手続統合化により「登録制」原則を採用。地質情報の公開と環境影響評価を必須とする。

〈修正案〉鉱業権は、産業大臣の許可を受け、登録をもってその効力を生ずる。

 鉱業権の設定に当たっては、環境影響評価及び地域協議を経るものとする。

 鉱業権は、譲渡、相続又は合併により承継することができる。

〈関連法令〉鉱業法第3条、第4条、環境影響評価法、行政手続法。

第四条(鉱業権の存続期間及び更新)

〈引用:鉱業法第15条〉鉱業権の存続期間は、三十年を超えることができない。

〈修正案〉鉱業権の存続期間は、設定の日から三十年以内とし、必要があるときは十年を超えない範囲で更新することができる。

 更新に当たっては、当初の採掘計画及び環境保全措置の履行状況を審査しなければならない。

〈関連法令〉鉱業法第15条、環境影響評価法。

第五条(探査及び環境保全)

〈審査コメント〉現行鉱業法には直接規定なし。環境配慮義務を明文化する。

〈修正案〉鉱業者は、探査及び採掘に当たって、土壌、水質及び生態系への影響を最小限にとどめ、環境保全のために必要な措置を講じなければならない。

〈関連法令〉環境基本法、鉱山保安法、自然環境保全法。

第二章 鉱山保安〔鉱山保安法〕

第六条(目的)

〈引用:鉱山保安法第1条〉この法律は、鉱山における鉱業の安全を確保し、災害を防止し、もって公共の安全及び労働者の生命を保護することを目的とする。

〈修正案〉この章は、鉱山における鉱業活動の安全を確保し、災害を防止し、労働者及び周辺地域の住民の生命及び財産を保護し、もって公共の安全を確保することを目的とする。

〈関連法令〉鉱山保安法第1条、労働安全衛生法、災害対策基本法。

第七条(保安管理体制)

〈引用:鉱山保安法第2条、第3条〉鉱業権者は、保安規程を作成し、当局の認可を受けなければならない。

〈修正案〉鉱業権者は、鉱山保安に関する計画(以下「保安計画」という。)を作成し、産業大臣の認可を受けなければならない。

 鉱業権者は、保安統括者を選任し、常時鉱山の安全管理を行わなければならない。

〈関連法令〉鉱山保安法第2条〜第5条。

第八条(事故報告及び緊急措置)

〈引用:鉱山保安法第7条〉鉱山において災害が発生したときは、遅滞なく通報しなければならない。

〈修正案〉鉱業権者は、鉱山において災害又は事故が発生したときは、直ちに産業大臣及び地方公共団体に報告し、必要な緊急措置を講じなければならない。

〈関連法令〉鉱山保安法第7条、災害対策基本法。

第九条(鉱山保安監督)

〈引用:鉱山保安法第8条〉経済産業大臣は、鉱山保安監督官を置き、鉱山の安全を監督する。

〈修正案〉産業大臣は、鉱山保安監督官を置き、鉱山の安全、設備及び作業環境を監督する。

 監督官は、立入検査を行い、危険があると認めるときは操業停止を命ずることができる。

〈関連法令〉鉱山保安法第8条、第9条、行政手続法。

第三章 非金属資源(採石)〔採石法〕

第十条(目的)

〈引用:採石法第1条〉この法律は、採石業を適正に運営し、災害を防止し、国土の保全を図ることを目的とする。

〈修正案〉本章は、岩石、砂及び土砂の採取事業の適正な運営を確保し、災害の防止及び国土の保全を図り、もって地域の安全及び環境との調和に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉採石法第1条、国土利用計画法第43条、環境影響評価法。

第十一条(許可及び登録)

〈引用:採石法第3条〉採石業を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。

〈修正案〉採石業を営もうとする者は、都道府県知事の許可を受け、その所在地及び採取区域を登録しなければならない。

 許可は、災害防止及び環境保全の観点から審査しなければならない。

〈関連法令〉採石法第3条、第5条。

第十二条(災害防止及び原状回復)

〈引用:採石法第13条〉採石業者は、災害防止のため必要な措置を講じなければならない。

〈修正案〉採石業者は、採取に伴う崩壊、水害等の災害を防止し、採取終了後は速やかに原状回復又は植栽その他の環境保全措置を講じなければならない。

〈関連法令〉採石法第13条、環境基本法、砂防法。

第四章 砂利採取〔砂利採取法:国土法と注記連携〕

第十三条(目的)

〈引用:砂利採取法第1条〉この法律は、砂利採取の適正化を図り、災害を防止し、河川及び環境の保全を図ることを目的とする。

〈修正案〉本章は、砂利採取事業の適正化を図り、災害を防止し、河川及び海岸環境の保全を確保し、もって公共の安全及び国土保全に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉砂利採取法第1条、河川法、海岸法。

第十四条(許可及び管理)

〈引用:砂利採取法第4条〉砂利採取を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。

〈修正案〉砂利採取を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受け、採取区域及び方法を明示しなければならない。

 許可に当たっては、河川法その他関係法令との整合を図り、国土の保全を阻害しないことを確認しなければならない。

〈関連法令〉砂利採取法第4条、国土利用計画法第43条。

第十五条(監督及び罰則)

〈引用:砂利採取法第17条〉都道府県知事は、砂利採取の適正化のため、必要な監督を行うことができる。

〈修正案〉都道府県知事は、砂利採取の適正な実施を確保するため、必要に応じて立入検査を行い、危険又は不適正な行為を発見したときは、是正命令又は事業停止を命ずることができる。

〈関連法令〉砂利採取法第17条、行政手続法、環境影響評価法。

第三編 工業及び製造業

第一章 産業標準化〔産業標準化法(JIS法)〕

第一条(目的)

〈引用:産業標準化法第1条〉この法律は、産業標準の制定及び普及を図り、もって産業の合理化及び生産の効率化に資することを目的とする。

〈審査コメント〉旧法は戦後復興期の産業合理化を目的としており、現行では「国際標準化」「品質・安全」「環境配慮」を加える必要がある。

〈修正案〉本章は、産業標準の制定及び普及を通じて、品質、安全及び環境への配慮を確保し、国際的な整合性を有する製造活動の推進を図り、もって産業の健全な発展及び国際競争力の強化に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉産業標準化法(昭和24年法律第185号)、計量法、製品安全基本法。

第二条(産業標準)

〈引用:産業標準化法第2条〉産業標準とは、製品、データ、サービス等に関し、統一を図るための基準をいう。

〈審査コメント〉新法では「デジタル産業」「AI」「データフォーマット」も含む包括定義を採用。

〈修正案〉この法律において「産業標準」とは、製品、工程、サービス、データ及び情報処理の方法等について、互換性、安全性及び環境保全を確保するために定める基準をいう。

〈関連法令〉産業標準化法第2条、情報通信法第20条(データ標準化)。

第三条(標準の制定及び認証)

〈引用:産業標準化法第12条、第14条〉経済産業大臣は、日本産業規格を制定し、これに適合する製品等について表示を行うことができる。

〈審査コメント〉「JIS」及び「JISマーク認証制度」を維持しつつ、デジタル分野・サービス分野への拡張を明記。

〈修正案〉産業大臣は、産業標準を制定し、これを公示するものとする。

 産業大臣は、産業標準への適合を認証する制度を設け、これを表示することを認めることができる。

 認証機関は、公正かつ中立に審査を行い、その結果を公表しなければならない。

〈関連法令〉産業標準化法第12条、第14条、製品評価技術基盤機構法第4条。

第四条(国際標準化)

〈引用:産業標準化法第65条〉経済産業大臣は、国際標準化活動を推進する。

〈審査コメント〉統合法ではISO・IEC・ITU等の国際機関への参加を恒常条文化し、知財保護と両立させる。

〈修正案〉国及び地方公共団体は、国際標準化機関との協力を推進し、国際的に整合のとれた産業標準の策定及び普及を図るものとする。

〈関連法令〉産業標準化法第65条、知的財産基本法第12条。

第二章 製品評価及び技術基盤〔NITE法〕

第五条(目的)

〈引用:製品評価技術基盤機構法第1条〉この法律は、製品の安全及び品質の確保に資するため、独立行政法人製品評価技術基盤機構を設立し、その業務等を定めることを目的とする。

〈審査コメント〉統合法では個別機関設置法の性格を外し、技術基盤行政の恒常原則化を図る。

〈修正案〉国は、製品の安全及び品質の確保並びに産業技術の信頼性向上のため、試験、評価、認証及び標準化に関する技術基盤を整備しなければならない。

 製品評価に関する中核的機関を置き、国際的な認証及び適合性評価を実施するものとする。

〈関連法令〉製品評価技術基盤機構法、製品安全基本法、独立行政法人通則法。

第三章 火薬類の規制〔火薬取締法〕

第六条(目的)

〈引用:火薬類取締法第1条〉この法律は、火薬類の製造、販売、貯蔵及び取扱いについて必要な規制を行い、公共の安全を確保することを目的とする。

〈審査コメント〉火薬類取締法・高圧ガス保安法・電気工事関連法の安全規制を共通様式化する基礎条文。

〈修正案〉本章は、火薬類の製造、貯蔵及び使用について必要な安全管理及び監督を行い、公共の安全及び環境の保全を確保することを目的とする。

〈関連法令〉火薬類取締法、高圧ガス保安法、労働安全衛生法。

第四章 高圧ガス保安〔高圧ガス保安法〕

第七条(目的)

〈引用:高圧ガス保安法第1条〉この法律は、高圧ガスの製造、貯蔵、販売及び消費に関する保安を確保することを目的とする。

〈審査コメント〉産業全体法においては、災害防止とともにエネルギー安全保障を意識した文言に改める。

〈修正案〉本章は、高圧ガスの製造、貯蔵、販売及び使用に関する保安を確保し、災害を防止するとともに、エネルギー供給の安全及び安定を図ることを目的とする。

〈関連法令〉高圧ガス保安法、エネルギー基本法、災害対策基本法。

第八条(製造・販売の許可)

〈引用:高圧ガス保安法第5条〉高圧ガスの製造を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。

〈修正案〉高圧ガスの製造又は販売を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受け、その施設が保安基準に適合していることを確認しなければならない。

〈関連法令〉高圧ガス保安法第5条、消防法、建築基準法。

第五章 工業用水及び工場立地〔工業用水法・工場立地法〕

第九条(目的)

〈引用:工業用水法第1条〉この法律は、工業用水の確保及び合理的利用を図ることを目的とする。

〈引用:工場立地法第1条〉この法律は、工場の立地の適正化及び環境の保全を図ることを目的とする。

〈審査コメント〉両法を統合し、「産業基盤整備」として位置づける。

〈修正案〉本章は、工業用水の確保及び合理的利用並びに工場立地の適正化を図り、産業活動と環境及び地域社会との調和を確保することを目的とする。

〈関連法令〉工業用水法、工業用水道事業法、工場立地法、都市計画法。

第十条(立地基準及び調整)

〈引用:工場立地法第3条〉工場を設置しようとする者は、環境基準に適合しなければならない。

〈修正案〉事業者は、工場の設置又は拡張を行うに当たり、土地利用、環境及び交通に関し、政令で定める基準に適合しなければならない。

 国及び地方公共団体は、地域の土地利用計画に基づき、工場立地の調整及び環境保全に必要な措置を講ずるものとする。

〈関連法令〉工場立地法第3条、環境影響評価法、都市計画法。

第六章 電気工事及び安全管理〔電気工事士法/電気工事業法/電気用品安全法〕

第十一条(目的)

〈引用:電気工事士法第1条〉この法律は、電気工事の作業に従事する者の資格を定め、電気設備の安全を確保することを目的とする。

〈修正案〉本章は、電気工事に関する資格及び事業の適正な運営を確保し、電気設備及び製品の安全並びに公共の安全を確保することを目的とする。

〈関連法令〉電気工事士法、電気工事業法、電気用品安全法。

第十二条(資格及び登録)

〈引用:電気工事士法第3条〉電気工事の作業に従事する者は、電気工事士の免状を受けなければならない。

〈修正案〉電気工事の作業に従事する者は、政令で定める資格を有し、産業大臣の登録を受けなければならない。

 登録は、更新制とし、一定期間ごとに技能及び安全に関する講習を受けなければならない。

〈関連法令〉電気工事士法第3条、電気工事業法第7条。

第十三条(電気用品の安全性)

〈引用:電気用品安全法第8条〉電気用品を製造、輸入又は販売する者は、政令で定める技術基準に適合するようにしなければならない。

〈修正案〉電気用品を製造、輸入又は販売する者は、技術基準に適合することを確認し、適合表示を行わなければならない。

 適合表示を偽って行った者には、行政上の是正命令及び罰則を科することができる。

〈関連法令〉電気用品安全法第8条、第9条。

第七章 製造安全及び災害防止〔統合条〕

第十四条(総合安全管理)

〈審査コメント〉火薬類・高圧ガス・電気設備などの安全基準を共通化する総括条文。

〈修正案〉事業者は、製造施設及び関連設備について、安全管理計画を策定し、従業者の教育及び訓練を行い、災害の防止及び被害の軽減を図らなければならない。

 国及び地方公共団体は、製造安全に関する情報共有、技術基準及び指導体制を整備するものとする。

〈関連法令〉労働安全衛生法、災害対策基本法、高圧ガス保安法、火薬類取締法。

第四編 嗜好品産業

第一章 たばこ産業〔たばこ事業法〕

第一条(目的)

〈引用:たばこ事業法第1条〉この法律は、たばこ事業の適正な運営を確保し、財政収入の安定及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

〈審査コメント〉旧法は財政重視。統合法では「健康影響」「需要抑制」「税制管理」を追加し、社会的責任を明示する。

〈修正案〉本章は、たばこ事業の適正な運営を確保し、国民の健康への影響に配慮しつつ、財政の健全性及び公正な市場秩序を維持し、もって国民経済の安定的発展に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉たばこ事業法、健康増進法、租税特別措置法。

第二条(定義)

〈引用:たばこ事業法第2条〉この法律において「製造たばこ」とは、たばこ葉を原料として製造した喫煙用の製品をいう。

〈修正案〉この法律において「たばこ事業」とは、たばこの製造、輸入、販売及び広告その他これに附帯する事業をいう。

 「製造たばこ」とは、たばこ葉又はこれに準ずる原料を用いて製造した喫煙用製品をいう。

 「加熱式たばこ製品」及び「電子たばこ製品」は、政令で定める基準に従い、同一の規制体系に属するものとする。

〈関連法令〉たばこ事業法第2条、健康増進法第25条の3。

第三条(許可及び監督)

〈引用:たばこ事業法第8条、第11条〉たばこの製造を行おうとする者は、財務大臣の許可を受けなければならない。

〈審査コメント〉専売制廃止後も「登録制」による監督を維持。監督権限は産業大臣に一元化。

〈修正案〉たばこの製造又は輸入を行おうとする者は、産業大臣の登録を受けなければならない。

 産業大臣は、登録に当たり、製造施設の保安及び品質基準への適合を確認しなければならない。

 産業大臣は、たばこ事業の運営が公共の安全又は健康を害するおそれがあると認めるときは、必要な命令又は登録の取消しを行うことができる。

〈関連法令〉たばこ事業法第8条、第11条、行政手続法。

第四条(健康及び表示)

〈引用:健康増進法第25条の3〉たばこの包装及び広告には、喫煙が健康に及ぼす影響に関する事項を表示しなければならない。

〈修正案〉たばこ製品には、政令で定める基準に従い、喫煙が健康に及ぼす影響に関する警告表示を行わなければならない。

 たばこの広告及び販売促進は、未成年者の喫煙防止に配慮し、誤認又は過度の誘引を行ってはならない。

〈関連法令〉健康増進法第25条の3、未成年者喫煙禁止法。

第二章 日本たばこ産業株式会社制度〔JT法〕

第五条(目的及び性格)

〈引用:日本たばこ産業株式会社法第1条〉この法律は、日本たばこ産業株式会社を設立し、たばこ事業の適正な運営を確保することを目的とする。

〈審査コメント〉現行法の「特殊会社」構造を改正し、一般会社法体系に移行。国家保有株式を段階的に処理する経過措置を附則に移行。

〈修正案〉日本たばこ産業株式会社は、たばこ製品の製造、販売及び輸出入に関する事業を営む法人とし、会社法の適用を受ける。

 国は、財政の安定及び健康影響対策の財源確保のため、必要な範囲で当該会社の株式を保有することができる。

〈関連法令〉日本たばこ産業株式会社法、会社法、財政法。

第三章 塩事業〔塩事業法〕

第六条(目的)

〈引用:塩事業法第1条〉この法律は、塩の需給の安定を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

〈審査コメント〉旧専売体制の残存条文を整理し、「食品法(第38法)」との接続を明記。

〈修正案〉本章は、塩の製造及び流通の安定を確保し、衛生及び品質の維持並びに環境の保全を図り、国民生活及び食品産業の基盤を支えることを目的とする。

〈関連法令〉塩事業法、食品衛生法、食品表示法。

第七条(製造及び販売の届出)

〈引用:塩事業法第4条〉塩を製造する者は、経済産業大臣に届け出なければならない。

〈修正案〉塩を製造又は販売する者は、産業大臣に届け出なければならない。

 産業大臣は、必要があるときは品質管理及び衛生管理の状況について報告を求めることができる。

〈関連法令〉塩事業法第4条、食品法第八編(製造管理)。

第四章 アルコール事業〔アルコール事業法/日本アルコール産業法〕

第八条(目的)

〈引用:アルコール事業法第1条〉この法律は、アルコールの需給の安定を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

〈審査コメント〉旧法は戦時統制の名残を保持。新法では「産業用・医療用・食品用アルコール」の区分を明確化し、税制・安全・環境を包含。

〈修正案〉本章は、アルコールの製造、輸入、販売及び貯蔵の適正な管理を図り、用途別の供給の安定及び安全を確保し、環境との調和を保ちつつ、産業及び生活の基盤を支えることを目的とする。

〈関連法令〉アルコール事業法、日本アルコール産業株式会社法、酒税法。

第九条(区分及び管理)

〈引用:アルコール事業法第2条、第3条〉アルコールは、用途別に区分して管理する。

〈修正案〉アルコールは、産業用、医療用、食品用及び燃料用に区分して管理するものとする。

 産業大臣は、用途別の供給量及び備蓄量を定め、需給の安定を確保するため必要な措置を講じなければならない。

 アルコールの製造又は輸入を行う者は、政令で定める安全基準及び環境基準を遵守しなければならない。

〈関連法令〉アルコール事業法第2条、第3条、エネルギー基本法。

第十条(特殊法人の整理)

〈引用:日本アルコール産業株式会社法第1条〉日本アルコール産業株式会社を設立する。

〈審査コメント〉JT法と同様に一般法人化し、附則に経過措置を設ける。

〈修正案〉日本アルコール産業株式会社は、アルコールの製造及び販売に関する事業を営む法人とし、会社法の適用を受ける。

 国は、当該法人の事業に係る株式を段階的に処理するものとする。

〈関連法令〉日本アルコール産業株式会社法、会社法。

第五編 流通・市場・倉庫

第一章 倉庫業制度〔倉庫業法〕

第一条(目的)

〈引用:倉庫業法第1条〉この法律は、倉庫業の登録その他の制度を定め、その業務の適正な運営を確保することにより、物資流通の円滑化を図ることを目的とする。

〈審査コメント〉旧法の目的を基礎としつつ、現代的には「サプライチェーン」「災害対応」「情報化」「環境配慮」を加える。

〈修正案〉本章は、倉庫業の適正な運営を確保し、物資流通の円滑化、災害時の安定供給及び環境との調和を図り、もって国民生活及び産業活動の基盤を維持することを目的とする。

〈関連法令〉倉庫業法、物流総合効率化法、災害対策基本法、環境基本法。

第二条(定義)

〈引用:倉庫業法第2条〉この法律において「倉庫業」とは、寄託を受けた物品の保管を営業として行う事業をいう。

〈審査コメント〉デジタル物流・冷凍・危険物・データ倉庫など多様化を反映。

〈修正案〉この法律において「倉庫業」とは、他人から寄託を受けた物品を保管し、又はこれに附帯する荷役、梱包、配送、情報管理等を行う事業をいう。

 「物流拠点」とは、倉庫業その他物流関連事業を総合的に営む施設をいう。

〈関連法令〉倉庫業法第2条、物流総合効率化法、通関業法。

第三条(登録)

〈引用:倉庫業法第3条〉倉庫業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない。

〈審査コメント〉統合法では「産業大臣登録」に一本化。安全・衛生・情報セキュリティ基準を追加。

〈修正案〉倉庫業を営もうとする者は、産業大臣の登録を受けなければならない。

 登録は、施設の構造、保安、衛生及び情報管理が政令で定める基準に適合することを要件とする。

〈関連法令〉倉庫業法第3条、行政手続法、個人情報保護法。

第四条(業務運営及び保管証券)

〈引用:倉庫業法第7条〉倉庫業者は、寄託物の保管について倉庫寄託約款に従い、寄託者の利益を保護しなければならない。

〈引用:倉庫業法第9条〉倉庫業者は、寄託物の保管を証する倉庫証券を発行することができる。

〈審査コメント〉寄託・保管・証券化を包括的に整理し、電子化(e-倉庫証券)を導入。

〈修正案〉倉庫業者は、寄託物を善良な管理者の注意をもって保管し、約款に従い、寄託者の利益を保護しなければならない。

 倉庫業者は、寄託物の保管を証する証券(電子情報を含む。)を発行することができる。

 倉庫証券は、譲渡又は担保に供することができる。

〈関連法令〉倉庫業法第7条、第9条、電子帳簿保存法、商法第593条。

第五条(監督及び報告)

〈引用:倉庫業法第10条〉国土交通大臣は、倉庫業者に対して必要な報告を求めることができる。

〈修正案〉産業大臣は、倉庫業者に対し、業務及び施設に関し必要な報告を求め、又は立入検査を行うことができる。

 倉庫業者は、災害時における保管物資及び物流機能の提供について、政令で定める協力措置を講じなければならない。

〈関連法令〉倉庫業法第10条、災害対策基本法。

第二章 卸売市場制度〔卸売市場法:食品法と連携〕

第六条(目的)

〈引用:卸売市場法第1条〉この法律は、生鮮食料品等の流通の円滑化を図り、もって国民生活の安定に寄与することを目的とする。

〈審査コメント〉統合法では「卸売市場」を食料・産業両面から扱う。「食品法(第38法)」との条文参照関係を付す。

〈修正案〉本章は、生鮮食料品その他の産業物資の公正かつ効率的な流通を確保し、価格の安定及び消費者への安定供給を図り、もって国民生活及び地域経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉卸売市場法(昭和46年法律第35号)、食品法第38編、独占禁止法。

第七条(定義)

〈引用:卸売市場法第2条〉この法律において「卸売市場」とは、生鮮食料品等の卸売を行う施設をいう。

〈修正案〉この法律において「卸売市場」とは、生鮮食料品その他政令で定める物資について、卸売又はせり取引を行う施設をいう。

 「市場関係事業者」とは、卸売業者、仲卸業者及び販売業者をいう。

〈関連法令〉卸売市場法第2条、商業法第12編。

第八条(開設及び認定)

〈引用:卸売市場法第3条〉卸売市場を開設しようとする者は、農林水産大臣又は都道府県知事の認可を受けなければならない。

〈審査コメント〉統合法では「産業大臣認定」へ一元化し、地方分権により都道府県市場も含む。

〈修正案〉卸売市場を開設しようとする者は、産業大臣の認定を受けなければならない。

 認定に当たっては、施設の衛生、物流、価格情報の公正性及び環境負荷の低減に関し、政令で定める基準に適合していなければならない。

〈関連法令〉卸売市場法第3条、地方自治法、食品法第4編(食品流通)。

第九条(取引の原則)

〈引用:卸売市場法第7条〉卸売市場における取引は、せり売り又は入札によらなければならない。

〈審査コメント〉現行法の「せり・入札原則」を維持しつつ、電子市場(e-market)を明記。

〈修正案〉卸売市場における取引は、せり、入札又は電子取引によるものとし、公正、迅速及び透明でなければならない。

 市場管理者は、取引情報を記録・保存し、価格動向を公表するものとする。

〈関連法令〉卸売市場法第7条、電子商取引法、食品法第40条。

第十条(衛生及び安全)

〈引用:卸売市場法第11条〉卸売市場の開設者は、衛生管理に必要な措置を講じなければならない。

〈修正案〉卸売市場の開設者は、食品衛生法その他の関係法令に従い、取引物資の衛生及び安全を確保しなければならない。

 市場における廃棄物及び排水の処理は、環境への影響を最小限に抑えるよう努めなければならない。

〈関連法令〉卸売市場法第11条、食品法第41条、環境基本法。

第十一条(監督及び報告)

〈引用:卸売市場法第12条〉農林水産大臣又は都道府県知事は、必要な報告を求めることができる。

〈修正案〉産業大臣は、卸売市場の開設者及び市場関係事業者に対し、業務に関し必要な報告又は資料の提出を求め、又は立入検査を行うことができる。

 都道府県知事は、地域市場に関し、災害時等における供給確保のため必要な指導を行うことができる。

〈関連法令〉卸売市場法第12条、災害対策基本法。

第六編 中小企業及び協同組織

第一章 中小企業政策総則〔中小企業基本法・小規模企業振興基本法〕

第一条(目的)

〈引用:中小企業基本法第1条〉この法律は、中小企業の生産性の向上その他の経営の革新及び新たな事業の創出を通じて、我が国経済の持続的な発展を図ることを目的とする。

〈引用:小規模企業振興基本法第1条〉この法律は、小規模企業の持続的発展を図るため、その振興に関する施策の基本を定めることを目的とする。

〈審査コメント〉両法を統合し、「包摂的成長」「地域経済基盤」「多様な働き方」などを追加。

〈修正案〉本章は、中小企業及び小規模事業者の自立的発展を支援し、地域経済の活力の維持及び国民生活の安定に寄与するため、経営の革新、生産性の向上及び新事業の創出を促進し、もって持続的かつ包摂的な経済成長を図ることを目的とする。

〈関連法令〉中小企業基本法第1条、小規模企業振興基本法第1条、地域振興法。

第二条(定義)

〈引用:中小企業基本法第2条〉この法律において「中小企業者」とは、資本金の額又は出資の総額若しくは従業員数が一定基準以下の会社及び個人をいう。

〈修正案〉この法律において「中小企業者」とは、資本金の額、出資の総額又は常時使用する従業員の数が政令で定める基準以下の法人又は個人をいう。

 「小規模事業者」とは、中小企業者のうち、従業員の数が常時二十人(商業又はサービス業に属する事業にあっては五人)以下のものをいう。

 「協同組織」とは、中小企業者が相互扶助の精神に基づき、共同して事業又は経営の合理化を図るために設立する法人をいう。

〈関連法令〉中小企業基本法第2条、小規模企業振興基本法第2条、中小企業等協同組合法第3条。

第三条(国及び地方公共団体の責務)

〈引用:中小企業基本法第3条〉国及び地方公共団体は、中小企業の自助努力を基本としつつ、その経営の基盤強化を図るための施策を講じなければならない。

〈修正案〉国及び地方公共団体は、中小企業及び小規模事業者の自助努力を基本としつつ、経営基盤の強化、事業承継の円滑化、人材育成及び地域との連携を支援しなければならない。

〈関連法令〉中小企業基本法第3条、小規模企業振興基本法第3条。

第四条(中小企業施策の基本方針)

〈引用:中小企業基本法第6条〉国及び地方公共団体は、次に掲げる施策を講じなければならない。

〈修正案〉国及び地方公共団体は、中小企業の振興に関し、次の各号に掲げる施策を総合的に推進するものとする。

一 経営革新及び生産性向上の促進

二 創業及び新事業の育成支援

三 デジタル化及び国際化の推進

四 資金調達及び信用保証体制の充実

五 協同組織及び地域ネットワークの強化

六 人材育成、雇用安定及び働き方の多様化支援

七 事業承継及び再生支援

八 地域資源の活用及び地域経済循環の促進〈関連法令〉中小企業基本法第6条、産業競争力強化法第35条。

第二章 協同組織〔中小企業等協同組合法・中小企業団体法〕

第五条(目的)

〈引用:中小企業等協同組合法第1条〉この法律は、中小企業者が自主的に組織する協同組合を助長し、その経済的地位の向上を図ることを目的とする。

〈修正案〉本章は、中小企業者が相互扶助の精神に基づき、共同事業及び協調活動を通じて経済的自立を図るための協同組織を振興し、もって中小企業の経営安定及び地域経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉中小企業等協同組合法、中小企業団体法。

第六条(組織及び設立)

〈引用:中小企業等協同組合法第4条、第7条〉協同組合は、主たる事務所の所在地において設立登記をもって成立する。

〈修正案〉協同組織は、定款を作成し、主たる事務所の所在地において設立登記をすることにより成立する。

 協同組織の設立には、少なくとも四人以上の中小企業者を要する。

〈関連法令〉中小企業等協同組合法第4条、第7条、会社法第49条。

第七条(監督及び報告)

〈引用:中小企業等協同組合法第49条〉主務大臣は、協同組合に対して業務又は財産に関し必要な報告を求めることができる。

〈修正案〉産業大臣は、協同組織に対し、業務又は会計に関して必要な報告又は資料の提出を求め、必要に応じて検査を行うことができる。

 協同組織は、毎事業年度終了後に事業報告及び財務諸表を公表しなければならない。

〈関連法令〉中小企業等協同組合法第49条、行政手続法。

第三章 商工会・商工会議所〔商工会法・商工会議所法〕

第八条(目的)

〈引用:商工会法第1条〉この法律は、商工会の組織及び運営に関する基本事項を定め、地域商工業の総合的な改善発展を図ることを目的とする。

〈修正案〉本章は、商工会及び商工会議所の組織及び運営に関する基本事項を定め、地域の商工業の発展及び中小企業の経営支援を通じて地域社会の活力向上に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉商工会法、商工会議所法、地域振興法。

第九条(設立及び事業)

〈引用:商工会法第7条〉商工会は、地域内の商工業者によって設立される。

〈修正案〉商工会は、市町村の区域又はこれに準ずる区域を単位として設立され、地域の商工業者を会員とする。

 商工会は、経営相談、金融斡旋、人材育成、販路開拓その他中小企業の経営基盤強化に関する事業を行う。

 商工会議所は、広域的又は都市型経済圏における中核組織として、国際取引及び都市経済に関する事業を行う。

〈関連法令〉商工会法第7条、商工会議所法第12条。

第四章 信用保険・保証制度〔中小企業信用保険法・信用保証協会法〕

第十条(目的)

〈引用:中小企業信用保険法第1条〉この法律は、中小企業者が資金を円滑に調達できるよう信用保険制度を設けることを目的とする。

〈修正案〉本章は、中小企業者及び小規模事業者の資金調達を円滑にするため、信用保証及び信用保険の制度を整備し、金融取引の安定を図ることを目的とする。

〈関連法令〉中小企業信用保険法、信用保証協会法、金融法第18編。

第十一条(信用保証協会)

〈引用:信用保証協会法第1条〉信用保証協会は、中小企業者の資金調達を容易にするため、信用保証を行うことを目的とする法人とする。

〈修正案〉信用保証協会は、中小企業者の資金調達を容易にし、地域金融の安定を確保するため、信用保証業務を行う法人とする。

 信用保証協会は、産業大臣の監督を受ける。

〈関連法令〉信用保証協会法、金融法第4章。

第五章 中小企業基盤整備及び支援〔中小機構法・官公需法・投資育成法・事業承継円滑化法等〕

第十二条(基盤整備機関)

〈引用:中小企業基盤整備機構法第1条〉この法律は、中小企業基盤整備機構を設立し、中小企業の振興を図ることを目的とする。

〈修正案〉国は、中小企業及び小規模事業者の振興に関する施策を総合的に実施するため、中核的機関を設け、設備投資、技術支援、人材育成及び販路開拓に関する支援を行うものとする。

〈関連法令〉中小企業基盤整備機構法、産業競争力強化法第35条。

第十三条(官公需)

〈引用:官公需法第1条〉この法律は、国等の契約における中小企業者の受注の機会を増進することを目的とする。

〈修正案〉国及び地方公共団体は、物品、役務又は工事の契約において、中小企業者及び小規模事業者の受注機会を確保するよう努めなければならない。

〈関連法令〉官公需法第1条、公共調達法(公共組織法附属法)。

第十四条(投資育成及び事業承継)

〈引用:中小企業投資育成法第1条、事業承継円滑化法第1条〉中小企業の成長及び事業承継を支援することを目的とする。

〈修正案〉国は、中小企業の投資及び事業承継を促進するため、投資育成会社制度及び事業承継支援制度を整備し、円滑な資本の循環及び企業存続を確保しなければならない。

〈関連法令〉中小企業投資育成法、事業承継円滑化法。

第十五条(共済制度)

〈引用:小規模企業共済法第1条〉この法律は、小規模企業の経営者等の福祉の増進を図るための共済制度を設けることを目的とする。

〈修正案〉国は、小規模事業者及び中小企業者の経営者又は従業者の生活の安定及び事業継続を図るため、共済制度を設けるものとする。

〈関連法令〉小規模企業共済法、倒産防止共済法、社会保障法第九編。

第七編 知的財産

第一章 総則〔知的財産基本法〕

第一条(目的)

〈引用:知的財産基本法第1条〉この法律は、知的財産の創造、保護及び活用を一体的に推進し、もって我が国の経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。

〈審査コメント〉現行法を中核とし、「デジタル・AI時代の創造資本」「国際競争力」「教育・人材育成」を追加。

〈修正案〉本章は、知的財産の創造、保護及び活用を一体的に推進し、科学技術及び文化の発展並びに国際的競争力の強化に資することを目的とする。

 知的財産政策は、デジタル技術及び人工知能の進展に即応し、知識の共有と保護の均衡を図ることを旨とする。

〈関連法令〉知的財産基本法第1条、科学技術・イノベーション基本法。

第二条(定義)

〈引用:知的財産基本法第2条〉この法律において「知的財産」とは、発明、著作、意匠その他人間の創造的活動により生じる財産的価値を有するものをいう。

〈修正案〉この法律において「知的財産」とは、発明、考案、意匠、商標、著作物、回路配置、営業秘密、データベースその他人間の創造又は知識活動により生じる財産的価値を有するものをいう。

 「産業財産権」とは、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権をいう。

〈関連法令〉知的財産基本法第2条、特許法第1条、意匠法第1条、商標法第1条。

第三条(基本理念)

〈引用:知的財産基本法第3条〉知的財産の創造、保護及び活用は、国民生活の向上及び経済社会の持続的発展に寄与するものでなければならない。

〈修正案〉知的財産は、創造の自由及び公共の利益との調和を基本とし、産業、学術及び文化の発展に寄与するものでなければならない。

 国及び地方公共団体は、知的財産の教育、人材育成及び地域展開を促進しなければならない。

〈関連法令〉知的財産基本法第3条、第4条。

第二章 特許〔特許法〕

第四条(目的)

〈引用:特許法第1条〉この法律は、発明を保護及び利用することにより、発明を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする。

〈修正案〉本章は、発明の保護及び利用を図り、科学技術の進展及び産業の発展を促進し、もって社会全体の知的創造活動の振興に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉特許法第1条、産業競争力強化法。

第五条(特許要件及び出願)

〈引用:特許法第29条、第36条〉特許を受けることができる発明は、産業上利用することができる発明であって、新規性及び進歩性を有するものに限る。

〈修正案〉発明が特許を受けるためには、産業上利用可能であり、新規性、進歩性及び公序良俗への適合を備えることを要する。

 特許出願は、特許庁長官に提出する願書に明細書及び図面を添付して行うものとする。

 出願、審査及び登録に関する手続は、電子的手段により行うことができる。

〈関連法令〉特許法第29条、第36条、第17条の3。

第六条(審査及び特許権)

〈引用:特許法第66条〉特許権は、特許出願の日から20年をもって存続期間とする。

〈修正案〉特許権は、特許出願の日から起算して20年をもって存続期間とする。

 医薬品等については、政令で定める範囲において、存続期間を延長することができる。

 特許庁長官は、特許の審査、登録及び異議申立てに関する事務を所掌する。

〈関連法令〉特許法第66条、第68条、第99条。

第三章 実用新案〔実用新案法〕

第七条(目的及び特例)

〈引用:実用新案法第1条〉この法律は、考案を保護及び利用することにより、実用新案の進歩を奨励し、産業の発達に寄与することを目的とする。

〈修正案〉考案を保護及び利用することにより、中小企業及び個人発明者の技術的創意を奨励し、実用的な改良技術の発展を促進することを目的とする。

〈関連法令〉実用新案法第1条、第3条。

第四章 意匠〔意匠法〕

第八条(目的)

〈引用:意匠法第1条〉この法律は、意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする。

〈修正案〉本章は、物品の形状、模様、色彩その他の意匠を保護し、デザインの創造及びその適正な利用を促進し、文化的価値と経済的価値の両立を図ることを目的とする。

〈関連法令〉意匠法第1条、文化芸術基本法。

第五章 商標〔商標法〕

第九条(目的)

〈引用:商標法第1条〉この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与することを目的とする。

〈修正案〉商標を保護及び適正に管理することにより、事業者の信用を維持し、消費者の利益を保護し、もって公正な競争及び産業の発展に資することを目的とする。

〈関連法令〉商標法第1条、不正競争防止法。

第六章 知的財産教育・情報機関〔INPIT法〕

第十条(知的財産情報機関)

〈引用:独立行政法人工業所有権情報・研修館法第1条〉この法律は、独立行政法人工業所有権情報・研修館を設立することを目的とする。

〈修正案〉国は、知的財産に関する情報の収集、分析及び普及並びに知的財産教育を推進するため、知的財産情報機関を設けるものとする。

 当該機関は、特許庁の所管のもとに、産業界、大学及び地域支援機関との連携を図るものとする。

〈関連法令〉INPIT法、教育基本法、科学技術・イノベーション基本法。

第七章 国際出願及び保護〔PCT法等〕

第十一条(国際出願)

〈引用:特許協力条約第3条、国際出願法第1条〉国際出願は、条約に従い、特許庁に提出することができる。

〈修正案〉発明者は、条約の定めるところにより、国際出願を行うことができる。

 産業大臣は、国際的調和及び技術移転の促進のため、外国特許庁及び国際機関との協力を行うものとする。

〈関連法令〉特許協力条約、国際出願法、WIPO憲章。

第八章 半導体回路配置〔回路配置法〕

第十二条(目的)

〈引用:半導体集積回路の回路配置に関する法律第1条〉この法律は、回路配置の保護を図り、もって半導体産業の発展に寄与することを目的とする。

〈修正案〉本章は、半導体集積回路の回路配置を保護し、技術革新及び産業競争力の維持を図り、国際的な技術保護体制との整合を確保することを目的とする。

〈関連法令〉回路配置法、特許法、国際出願法。

第九章 弁理士制度〔弁理士法〕

第十三条(目的及び職責)

〈引用:弁理士法第1条〉この法律は、弁理士の業務に関する事項を定め、産業財産権制度の適正な運営に資することを目的とする。

〈修正案〉弁理士は、知的財産に関する専門的知識に基づき、出願、審査、権利化及び紛争解決に関する業務を行うことにより、知的財産制度の適正な運営及び創造活動の促進に資する。

〈関連法令〉弁理士法、弁護士法、行政書士法。

第八編 会計・専門職

第一章 公認会計士制度〔公認会計士法〕

第一条(目的)

〈引用:公認会計士法第1条〉この法律は、公認会計士の業務に関し必要な事項を定め、もって財務書類等の適正を確保し、企業の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする。

〈審査コメント〉旧法の目的を維持しつつ、企業統治(ガバナンス)・非財務情報・ESG等の概念を追加。

〈修正案〉本章は、公認会計士の業務に関する基本事項を定め、財務書類及び関連情報の適正を確保し、企業の健全な経営及び投資者並びに社会の信頼を保護することを目的とする。

 会計監査は、持続可能性及び企業統治の観点から行われるものとする。

〈関連法令〉公認会計士法第1条、金融商品取引法第193条の2、会社法第396条。

第二条(定義)

〈引用:公認会計士法第2条〉この法律において「公認会計士」とは、公認会計士の登録を受けた者をいう。

〈修正案〉この法律において「公認会計士」とは、財務書類その他経営に関する情報について監査又は証明を行う専門職であって、産業大臣の登録を受けた者をいう。

 「監査法人」とは、複数の公認会計士が共同して監査業務を行うことを目的として設立された法人をいう。

〈関連法令〉公認会計士法第2条、会社法第34条。

第三条(登録及び試験)

〈引用:公認会計士法第3条、第4条〉公認会計士となるには、公認会計士試験に合格し、登録を受けなければならない。

〈修正案〉公認会計士となろうとする者は、会計士試験又は政令で定める特例試験に合格し、産業大臣の登録を受けなければならない。

 試験は、会計、監査、法務、経済及び情報技術に関する知識を測るものとする。

 産業大臣は、試験の基準及び実施方法を定める。

〈関連法令〉公認会計士法第3条、第4条、特例試験法。

第四条(職責及び独立)

〈引用:公認会計士法第25条〉公認会計士は、独立の立場においてその業務を行わなければならない。

〈修正案〉公認会計士は、独立かつ公正な立場において監査及び証明の業務を行い、職務の遂行に際しては、誠実、客観及び専門的判断に基づかなければならない。

 会計士は、依頼者又は第三者の不当な影響を受けてはならない。

〈関連法令〉公認会計士法第25条、会社法第394条。

第五条(業務の範囲)

〈引用:公認会計士法第2条第1項〉公認会計士は、財務書類の監査又は証明を行う。

〈修正案〉公認会計士は、財務書類その他経営に関する情報の監査、証明、評価及び助言に関する業務を行う。

 会計士は、非財務情報(環境、社会、ガバナンス等を含む。)に関する評価又は保証業務を行うことができる。

〈関連法令〉公認会計士法第2条第1項、金融商品取引法。

第六条(懲戒及び監督)

〈引用:公認会計士法第28条〉公認会計士が職務上の義務に違反したときは、主務大臣は懲戒処分をすることができる。

〈修正案〉産業大臣は、公認会計士が法令又は職業倫理に違反したときは、登録の取消し、業務停止又は戒告の処分をすることができる。

 会計士に関する監督及び審査は、独立した審査機関により行うものとする。

〈関連法令〉公認会計士法第28条、行政手続法。

第二章 会計監査及び特例試験〔特例試験法〕

第七条(特例試験)

〈引用:特例試験法第1条〉この法律は、公認会計士の資格に係る特例試験を定めることを目的とする。

〈修正案〉産業大臣は、国際的会計基準又は特定分野の知識を要する業務に従事する者に対し、特例試験を実施することができる。

 特例試験に合格した者は、政令で定める範囲において会計監査業務を行うことができる。

〈関連法令〉特例試験法、公認会計士法第3条。

第八条(国際基準及び倫理)

〈引用:なし(新設条)〉〈修正案〉会計監査は、国際会計基準(IFRS)及び倫理規範に従って行われるものとする。

 産業大臣は、国際的な基準の整合を図るため、外国の監査機関との協力を推進するものとする。

〈関連法令〉IFRS財団協定、金融庁設置法。

第三章 計理士制度〔旧計理士法〕

第九条(経過及び整理)

〈引用:計理士法(昭和11年法律第69号)〉計理士の資格及び登録に関する事項を定める。

〈審査コメント〉戦前法としての「計理士」は公認会計士制度に統合済み。統合法では、歴史的経過を附則化し、資格称号は存続せず。

〈修正案〉旧計理士法は廃止する。ただし、施行日前に取得した計理士の資格を有する者については、所定の手続により公認会計士として登録することができる。

〈関連法令〉旧計理士法(昭和11年法律第69号)、公認会計士法附則。

第九編 造船業

第一章 総則〔造船法〕

第一条(目的)

〈引用:造船法第1条〉この法律は、船舶の建造に関する秩序を確立し、もって造船業の健全な発達を図ることを目的とする。

〈審査コメント〉旧法は「建造秩序」の確立を目的としていたが、統合法では「技術革新・安全・環境・国際競争力」を包含する。

〈修正案〉本章は、船舶の建造及び修繕に関する基本的事項を定め、造船業の健全な発展及び技術革新を促進し、海上安全及び環境保全を確保し、もって我が国の産業及び海洋政策の発展に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉造船法第1条、海洋基本法、環境基本法、海上安全法。

第二条(定義)

〈引用:造船法第2条〉この法律において「造船業」とは、船舶の建造及び修繕を業として行う事業をいう。

〈修正案〉この法律において「造船業」とは、船舶及び浮体構造物の建造、修繕又は改造を業として行う事業をいう。

 「船舶」とは、政令で定める基準に適合する海上又は内水面における航行体をいう。

 「造船所」とは、造船業を営むための設備及び技術を有する事業所をいう。

〈関連法令〉造船法第2条、船舶安全法第2条。

第三条(国及び地方公共団体の責務)

〈引用:なし(新設条)〉〈修正案〉国は、造船業の技術開発、環境対策及び国際競争力の強化を図るため、必要な施策を総合的に講じなければならない。

 地方公共団体は、地域における造船関連産業の振興及び人材育成に努めなければならない。

〈関連法令〉造船法前文(趣旨)、産業競争力強化法第35条。

第二章 建造計画及び認定〔造船法〕

第四条(建造計画の認定)

〈引用:造船法第3条〉造船業を営む者は、毎年度、建造計画を国土交通大臣に届け出なければならない。

〈審査コメント〉旧制度の届け出制を残しつつ、統合法では「産業大臣認定制」に変更。デジタル報告・統合審査を導入。

〈修正案〉造船業を営む者は、毎事業年度における建造計画を産業大臣に届け出なければならない。

 産業大臣は、国際的需給状況、環境性能及び安全基準を勘案し、必要があるときは当該計画を変更すべき旨を勧告することができる。

 建造計画及び実績は、電子的手段により報告することができる。

〈関連法令〉造船法第3条、電子帳簿保存法、海上運送法。

第五条(技術及び安全基準)

〈引用:造船法第4条〉造船業者は、政令で定める基準に従い船舶を建造しなければならない。

〈審査コメント〉「環境性能」「省エネ」「災害対応」を加えた包括的技術基準に改定。

〈修正案〉造船業者は、政令で定める構造、安全及び環境性能基準に従い、船舶を建造しなければならない。

 産業大臣は、船舶の建造に関する技術基準を定めるにあたり、国際海事機関(IMO)の基準に準拠するものとする。

〈関連法令〉造船法第4条、船舶安全法、海洋汚染防止法、IMO条約。

第六条(環境及び災害対応)

〈引用:なし(新設条)〉〈修正案〉造船業者は、船舶の設計及び建造にあたり、環境負荷の低減及び災害時の対応機能を考慮しなければならない。

 国は、低炭素船及び再生可能エネルギー関連船舶の開発を支援するものとする。

〈関連法令〉地球温暖化対策推進法、再エネ特措法。

第三章 小型船造船業〔小型船造船業法〕

第七条(目的及び登録)

〈引用:小型船造船業法第1条、第2条〉小型船造船業を営む者は、登録を受けなければならない。

〈修正案〉本章は、小型船及び内航船の建造及び修繕を行う事業の適正な運営を確保し、海上安全及び地域産業の発展を図ることを目的とする。

 小型船造船業を営もうとする者は、産業大臣の登録を受けなければならない。

 登録は、技術、施設及び安全管理体制が政令で定める基準に適合することを要件とする。

〈関連法令〉小型船造船業法、船舶職員及び小型船操縦者法。

第八条(指導及び助成)

〈引用:なし(新設条)〉〈修正案〉国は、小型船造船業者に対し、技術指導及び設備改善のための助成を行うことができる。

 地方公共団体は、漁業・観光・防災等に資する小型船の建造を支援することができる。

〈関連法令〉地域振興法、水産法、観光振興法。

第四章 外国船舶製造規制〔外国船舶製造不当廉価防止法〕

第九条(目的)

〈引用:外国船舶製造不当廉価防止法第1条〉この法律は、外国の船舶製造に係る不当な廉価競争を防止し、我が国造船業の健全な発展を図ることを目的とする。

〈修正案〉本章は、外国の船舶製造に関し不当な廉価又は補助金により競争が著しく阻害される場合において、必要な防止措置を講じ、もって国際的に公正な造船市場を維持することを目的とする。

〈関連法令〉外国船舶製造不当廉価防止法、外国為替及び外国貿易法、WTO補助金協定。

第十条(調査及び措置)

〈引用:外国船舶製造不当廉価防止法第3条、第4条〉政府は、不当廉価製造があったと認めるときは、必要な措置をとることができる。

〈修正案〉産業大臣は、外国船舶製造に関する価格又は補助金の実態を調査し、不当廉価があると認めるときは、WTO協定に基づき適切な是正措置を講ずることができる。

 是正措置には、輸入制限、課徴金又は協定交渉の要請を含む。

〈関連法令〉外国船舶製造不当廉価防止法、通商法。

第五章 産業秩序維持〔臨時建造調整法(廃止・附則化)〕

第十一条(経過及び整理)

〈引用:臨時建造調整法第1条〉この法律は、船舶の建造を調整することを目的とする。

〈審査コメント〉戦後臨時法であり、現行統合法では廃止・附則化。

〈修正案〉旧臨時建造調整法は廃止する。ただし、施行日前に認可された建造計画に関しては、附則において経過措置を定める。

〈関連法令〉臨時建造調整法、造船法附則。

第十編 農業関連産業

第一章 総則〔特定農産加工業臨時措置法・農業基本法連接〕

第一条(目的)

〈引用:特定農産加工業臨時措置法第1条〉この法律は、特定農産加工業の健全な発展を図り、農業との連携を強化することを目的とする。

〈審査コメント〉旧法の「臨時措置」を廃し、統合法では「恒常的な産業体系法」として再構成。

対象を食品加工に限らず、バイオ・木材・再生資源まで拡張。

〈修正案〉本章は、農業と密接に関連する加工、流通及び供給産業の健全な発展を図り、地域資源の有効活用及び環境負荷の低減を推進し、もって持続可能な産業体系の形成に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉特定農産加工業臨時措置法、農業基本法、地域産業振興法、食品法第五編。

第二条(定義)

〈引用:特定農産加工業臨時措置法第2条〉「特定農産加工業」とは、農産物を原料として加工する事業をいう。

〈修正案〉この法律において「農業関連産業」とは、農産物、林産物又は水産物を原料として、食品、資材、燃料又は建材を製造し、又は流通する事業をいう。

 「地域循環型産業」とは、地域内で生産、加工、流通及び消費が連続し、資源の再利用及び排出削減を図る事業体系をいう。

〈関連法令〉特定農産加工業臨時措置法第2条、地球温暖化対策推進法、循環型社会形成推進基本法。

第三条(国及び地方公共団体の責務)

〈引用:なし(新設条)〉〈修正案〉国は、農業関連産業の振興及び地域経済循環の促進を図るため、必要な施策を講じなければならない。

 地方公共団体は、地域の実情に応じて、農業関連産業の集積及び人材育成を推進するものとする。

〈関連法令〉農業基本法第4条、地域振興法第3条。

第二章 農産加工業〔特定農産加工業臨時措置法〕

第四条(支援及び指定)

〈引用:特定農産加工業臨時措置法第3条、第5条〉政府は、特定農産加工業を指定し、必要な資金の融通その他の措置を講ずることができる。

〈修正案〉産業大臣は、農産加工業のうち、地域の基幹的役割を担うものを「地域基幹加工業」として指定することができる。

 国は、当該事業に対し、設備投資、研究開発及び販路開拓に関する助成又は融資を行うものとする。

 指定に際しては、地域の農業団体、商工団体及び金融機関の意見を聴取しなければならない。

〈関連法令〉特定農産加工業臨時措置法第3条、第5条、農業近代化資金助成法。

第五条(地域ブランド及び認証)

〈引用:なし(新設条)〉〈修正案〉国は、農産加工品の品質及び地域的特性に基づく認証制度を設けることができる。

 認証を受けた製品は、地域ブランドとして流通における優先的取扱いを受けることができる。

〈関連法令〉地理的表示保護法(GI法)、商標法第七編第九条。

第三章 生産資材及び供給安定〔農業生産資材供給安定法〕

第六条(目的及び供給)

〈引用:農業生産資材供給安定法第1条〉この法律は、肥料、飼料その他の農業資材の安定的な供給を図ることを目的とする。

〈修正案〉本章は、肥料、飼料、農薬、機械及びエネルギー資材の安定的かつ持続可能な供給を確保し、農業生産活動の効率化及び環境保全を図ることを目的とする。

 国は、資材の需給及び価格の動向を監視し、供給の安定を損なうおそれがあるときは必要な措置を講ずるものとする。

〈関連法令〉農業生産資材供給安定法、肥料取締法、エネルギー供給構造高度化法。

第七条(備蓄及び価格調整)

〈引用:農業生産資材供給安定法第6条〉政府は、資材の需給の著しい変動を防止するため、必要な備蓄を行うことができる。

〈修正案〉産業大臣は、農業資材の需給の著しい変動又は国際的供給制約が生じたときは、政令で定めるところにより、備蓄、輸入調整又は価格安定措置を講ずることができる。

〈関連法令〉農業資材安定法第6条、食料・農業・農村基本法。

第四章 木材及び林産資源〔木材安定供給特措法〕

第八条(目的)

〈引用:木材安定供給特措法第1条〉この法律は、木材の需給の安定を図ることを目的とする。

〈修正案〉本章は、木材及び林産資源の安定供給及び高付加価値利用を促進し、もって森林の持続的経営及び地域経済の活性化に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉木材安定供給特措法、森林法第一編、再エネ特措法。

第九条(木材資源の利用及び地域振興)

〈引用:なし(新設条)〉〈修正案〉国は、地域産木材の利用を促進するため、公共建築物その他の施設において木材の使用を推進するものとする。

 地方公共団体は、木材産業の集積を図るため、加工施設及び流通拠点の整備を行うことができる。

〈関連法令〉公共建築物木材利用促進法、地域振興法。

第五章 遺伝資源及び生物多様性〔遺伝資源不正競争防止法〕

第十条(目的)

〈引用:遺伝資源不正競争防止法第1条〉この法律は、遺伝資源の不正な取得及び利用を防止することを目的とする。

〈修正案〉本章は、遺伝資源及び関連情報の不正な取得、利用又は海外流出を防止し、もって生物多様性及び知的財産の保護を図ることを目的とする。

〈関連法令〉遺伝資源不正競争防止法、生物多様性基本法、特許法第七編。

第十一条(届出及び監督)

〈引用:なし(新設条)〉〈修正案〉遺伝資源の採取、輸出又は研究利用を行おうとする者は、政令で定めるところにより、産業大臣に届出なければならない。

 産業大臣は、必要があると認めるときは、利用の中止又は情報開示の制限を命ずることができる。

〈関連法令〉遺伝資源不正競争防止法第3条、環境影響評価法。

第十一編 国際・通商支援

第一章 総則〔JETRO法・通商基本法的規定を統合〕

第一条(目的)

〈引用:日本貿易振興機構法第1条〉この法律は、日本貿易振興機構の業務の運営に関し必要な事項を定め、我が国貿易の振興に資することを目的とする。

〈審査コメント〉旧法は「貿易振興」に限定されていたが、統合法では「通商・産業・文化・技術の総合展開」へ。

〈修正案〉本章は、我が国の産業及び文化の国際的展開を総合的に支援し、通商及び投資の円滑化、国際経済秩序の形成、並びに持続可能な発展に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉日本貿易振興機構法、経済産業省設置法第3条、国際開発協力基本法。

第二条(定義)

〈引用:JETRO法第2条〉この法律において「機構」とは、日本貿易振興機構をいう。

〈修正案〉この法律において「国際支援機構」とは、産業及び通商の国際的展開を支援するため設立された法人をいう。

 国際支援機構には、次の機構を含む。

一 日本貿易振興機構(JETRO)

二 海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)

三 海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)

四 その他政令で定める国際支援機関〈関連法令〉JETRO法第2条、JOIN法第2条、クールジャパン機構法。

第三条(国及び地方公共団体の責務)

〈引用:なし(新設条)〉〈修正案〉国は、通商政策の推進及び国際支援機構の総合的運営を図り、海外における日本産業・文化の信頼及び発信力を高める施策を講じなければならない。

 地方公共団体は、地域産業の国際展開を促進し、海外市場との交流及び協力を支援するものとする。

〈関連法令〉地域振興法第3条、地方自治法第2条第9項。

第二章 日本貿易振興機構〔JETRO法〕

第四条(設立及び目的)

〈引用:JETRO法第3条〉機構は、我が国の貿易及び投資の振興を図ることを目的とする。

〈修正案〉日本貿易振興機構は、我が国の産業及び企業の国際競争力の強化、貿易及び投資の促進、並びに海外市場情報の提供を目的とする。

 機構は、国際的経済協力及び文化交流の推進に資する事業を行うものとする。

〈関連法令〉JETRO法第3条、経済産業省設置法。

第五条(業務)

〈引用:JETRO法第4条〉機構は、我が国の貿易振興に関する事業を行う。

〈修正案〉機構は、次の事業を行う。

一 国際貿易及び投資に関する調査、情報提供及び相談

二 中小企業の海外展開に対する支援

三 文化産業及び創造産業の国際展開に関する支援

四 国際展示会、商談会及びフォーラムの開催

五 外国政府及び国際機関との協力・共同事業〈関連法令〉JETRO法第4条、経済産業省設置法附則。

第三章 海外需要開拓支援機構〔クールジャパン機構法〕

第六条(目的)

〈引用:海外需要開拓支援機構法第1条〉この法律は、海外における日本の地域資源及び文化の需要を開拓することを目的とする。

〈修正案〉海外需要開拓支援機構は、我が国の文化、コンテンツ、食、観光及び地域産品に関する国際需要を創出し、文化経済圏の形成を促進することを目的とする。

〈関連法令〉海外需要開拓支援機構法第1条、文化芸術推進基本法。

第七条(業務)

〈引用:クールジャパン機構法第2条〉機構は、出資、融資、共同事業等を通じて海外需要を開拓する事業を行う。

〈修正案〉機構は、次の事業を行う。

一 日本の文化・生活産業の国際展開に対する投資・出資・融資

二 海外市場におけるブランド構築及びプロモーション

三 地域産業及び観光事業の海外発信に関する支援

四 国際共同制作、展示、イベントの開催及び支援〈関連法令〉海外需要開拓支援機構法第2条。

第四章 海外交通・都市開発事業支援機構〔JOIN法〕

第八条(目的)

〈引用:JOIN法第1条〉この法律は、海外交通・都市開発事業の推進を支援することを目的とする。

〈修正案〉海外交通・都市開発事業支援機構は、鉄道、港湾、空港、都市開発、水道及び環境インフラ等の海外展開を促進し、我が国企業の国際事業参入を支援することを目的とする。

〈関連法令〉JOIN法第1条、インフラ輸出戦略。

第九条(事業)

〈引用:JOIN法第2条〉機構は、出資その他の方法により海外交通・都市開発事業を支援する。

〈修正案〉機構は、次の事業を行う。

一 海外における交通・都市開発事業への出資、融資及び経営支援

二 民間企業の国際コンソーシアム形成の支援

三 国際基準策定及び技術協力の推進

四 国際都市開発における環境・防災技術の普及促進〈関連法令〉JOIN法第2条、都市再生特別措置法。

第五章 海外インフラ参入促進〔海外インフラ参入促進法〕

第十条(目的)

〈引用:海外インフラ参入促進法第1条〉この法律は、海外インフラ事業への我が国企業の参入を促進することを目的とする。

〈修正案〉本章は、我が国企業の海外インフラ市場への円滑な参入を支援し、国際競争力を強化するとともに、相手国の持続的発展に貢献することを目的とする。

〈関連法令〉海外インフラ参入促進法第1条、国際協力機構法(JICA法)。

第十一条(政府支援)

〈引用:海外インフラ参入促進法第2条〉政府は、企業の海外インフラ事業への参入を支援するため、金融支援及び情報提供を行うものとする。

〈修正案〉産業大臣は、企業の海外インフラ事業に関し、次の支援を行うことができる。

一 リスクマネー供給、債務保証及び保険の提供

二 プロジェクト形成、契約支援及び制度協調

三 国際金融機関及び相手国政府との連携支援〈関連法令〉海外インフラ参入促進法第2条、国際協力銀行法(JBIC法)。

附則

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二年以内に、政令で定める日から施行する。

(経過措置)

第二条 旧法による許可、認可、登録その他の処分は、この法律の相当規定に基づくものとみなす。

(特例法の廃止)

第三条 別表に掲げる法律は、この法律の施行の日をもって廃止する。

(政令への委任)

第四条 この法律の施行に必要な事項は、政令で定める。

(統合産業審議会)

第五条 内閣府に統合産業審議会を置き、産業政策の調査及び統合産業白書の作成を行う。

(関連法令の整理)

第六条 政府は、関係法令の文言をこの法律に合わせて整備するものとする。

(準用)

第七条 知的財産に関する事項については、特許法その他関係法令の例による。

(施行後の検討)

第八条 政府は、この法律の施行後五年を目途として施行状況を検討し、必要な措置を講ずるものとする。

別表 廃止法一覧鉱業法施行法、水洗炭業法、深海底鉱業暫定措置法、高圧ガス保安法改正附則第5条、特定農産加工業臨時措置法、木材安定供給特措法、日本貿易振興機構法、海外需要開拓支援機構法、JOIN法、海外インフラ参入促進法 ほか政令指定法。

では、現行の経産系基本法との違い(ポートフォリオ責任・早期介入・事業整理組合・公的無限責任OS)を正面に据えた「産業基本法」条文たたき台です。

分量を絞り、まずは「骨組み」になる総則+事業整理の中心部分だけを書きます。

産業基本法(案)

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、我が国における産業の事業及び資源の構成並びに再構成について、国及び地方公共団体がその責任においてこれを適正に管理するための基本原則を定めることにより、地域ごとの産業構造の安定的な発展と、その基盤となる雇用、所得、税収その他の経済基盤の確保を図り、もって国民経済の健全な成長に寄与することを目的とする。

 国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、債務の負担その他の事情により中長期にわたる事業計画の策定及び履行が困難となるおそれのある事業について、その倒産、法的整理又は事業の廃止に至る前の段階において、指定公共組織である事業整理組合その他この法律の定める制度を通じて当該事業の再構成又は円滑な退出を図る責務を有する。

(定義)

第二条 この法律において「産業」とは、農林水産業、鉱業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業その他の事業活動であって、地域の経済及び雇用の基盤を構成するものをいう。

 この法律において「事業」とは、前項に規定する産業に属する継続的な経済活動であって、一定の資産、負債及び従事者をもって営まれるものをいう。

 この法律において「圏域」とは、地域の産業構造を一体として把握し、これを構成及び再構成する単位として、政令で定める区域をいう。

 この法律において「事業整理」とは、事業の継続が困難となるおそれのある場合において、当該事業に係る資産、負債、事業用資源及び従事者の在り方を見直し、その再構成又は退出を図ることをいう。

 この法律において「事業整理組合」とは、事業整理を行うため、事業者及び債権者その他の関係者が共同して組織し、当該事業の再構成又は退出に関する計画の策定及び実施を行う法人であって、この法律の定めるところにより設立されるものをいう。

(基本理念)

第三条 産業に関する施策は、個々の事業者に対する補助金、融資その他の支援措置の実施にとどまることなく、圏域ごとの産業構造をポートフォリオとして把握し、その構成及び再構成を通じて、当該圏域における付加価値、雇用及び税収の安定的な確保を図ることを基本として行われなければならない。

 産業に関する施策は、事業の倒産、法的整理又は事業の廃止に至った後の措置に偏重することなく、債務の負担その他の事情により中長期の事業計画の策定及び履行が困難となる段階(いわゆる早期警戒段階)において、事業整理組合その他の仕組みによる事業整理を重視して行われなければならない。

 国及び地方公共団体は、圏域ごとの産業構造について、その維持及び再構成につき最後まで責任をもって対処するものとし、そのために必要な金融、税制その他の制度を総合的に活用しなければならない。ただし、個々の事業者の全ての損失を無制限に填補するものではなく、適正な情報開示及び事業整理計画の履行を条件として、当該圏域全体の安定を確保することを旨とするものとする。

(国の責務)

第四条 国は、前二条に定める目的及び基本理念に従い、産業に関する施策を総合的に策定し及び実施するとともに、圏域ごとの産業構造の状況を把握し、その構成及び再構成に関する基本方針を定めなければならない。

 国は、事業整理組合その他の制度が適切に機能するよう、関係する法令、金融制度及び税制の整備を行うとともに、必要な財政上、税制上及び金融上の措置を講じなければならない。

(地方公共団体の責務)

第五条 地方公共団体は、国の施策と相まって、圏域ごとの産業構造の状況を把握し、その構成及び再構成に関する計画を策定するとともに、地域の事業者その他の関係者と協力して、事業整理を含む産業に関する施策を実施するよう努めなければならない。

 地方公共団体は、事業整理組合その他の仕組みを通じて、倒産又は事業廃止に至る前の段階にある事業者の相談及び支援を行う体制を整備するよう努めなければならない。

(産業ポートフォリオの編成及び管理)

第六条 国及び地方公共団体は、圏域ごとに、主要な産業ごとの付加価値額、雇用者数、賃金水準、税収その他政令で定める指標を用いて、当該圏域の産業ポートフォリオの状況を把握しなければならない。

 国及び地方公共団体は、前項の産業ポートフォリオの状況に応じて、当該圏域における事業の新たな参入、統合、再編及び退出の方向性を定め、これに即して事業整理、投資促進その他の施策を講ずるものとする。

 国は、前二項に定める産業ポートフォリオに関する情報を全国的に集約し、その分析の結果を公表するとともに、産業に関する施策の企画及び立案並びに法令の見直しに反映させなければならない。

(関係者の協力)

第七条 金融機関、事業者団体、専門家その他の関係者は、事業整理及び圏域ごとの産業ポートフォリオの再構成に資するよう、国及び地方公共団体の施策に協力するよう努めなければならない。

 金融機関は、債務の負担その他の事情により事業の継続が困難となるおそれがあると認めるときは、政令で定めるところにより、当該事業者に対し事業整理組合その他この法律の定める仕組みの利用を勧奨し、又は国若しくは地方公共団体に情報の提供を行うよう努めなければならない。

第二章 事業整理及び早期支援

(事業整理の対象)

第八条 この法律に基づく事業整理の対象となる事業は、次に掲げる状況のいずれかに該当し、かつ、適切な事業計画の策定及び履行が困難となるおそれがあると認められるものとする。

一 継続的な欠損又は債務超過の状態にあること。

二 主要な資産の処分その他の短期的な資金確保に依存していること。

三 経営者の頻繁な交代その他経営の継続性に著しい支障が生じていること。

四 会計帳簿その他の資料に照らし、粉飾決算その他財務の適正な表示が確保されていないおそれがあること。

五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事情があること。

(早期支援の原則)

第九条 国及び地方公共団体は、前条各号のいずれかに該当するおそれがある事業について、その倒産、法的整理又は事業の廃止に至る前の段階において、事業整理組合その他この法律の定める仕組みを通じて、当該事業の再構成又は退出に関する計画の策定及び実施を支援するよう努めなければならない。

 前項の支援は、事業者による適正な情報の開示及び事業整理計画の履行の意思を前提として行われるものとし、これらが認められない場合には、その全部又は一部を行わないことができる。

(事業整理組合の設立)

第十条 事業整理組合は、事業者及びその主たる債権者その他の関係者が共同して、定款を作成し、主務大臣の認可を受けて設立するものとする。

 事業整理組合は、法人とする。

 事業整理組合の定款には、その目的、名称、地区、組合員の資格及び加入若しくは脱退に関する事項、事業の内容、役員、事業整理計画の策定及び変更の手続その他政令で定める事項を記載しなければならない。

(事業整理組合の目的及び業務)

第十一条 事業整理組合は、相互扶助及び共助の精神に基づき、事業者の自立的な経営の再生又は円滑な退出を図るため、事業整理を行うことを目的とする。

 事業整理組合は、前項の目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。

一 事業整理の対象となる事業に係る資産、負債、事業用資源及び従事者の状況の把握及び評価

二 当該事業の再構成又は退出に関する計画(以下「事業整理計画」という。)の策定

三 債権者との間における債権の条件変更、債務免除その他の合意の斡旋

四 事業の譲渡、統合、分割その他資産及び事業用資源の再配置の実施

五 事業整理計画の実施に必要な資金の調達に関し、国、地方公共団体、金融機関その他の者との調整

六 前各号に掲げるもののほか、事業整理の円滑な実施に必要な業務

(公的支援及び金融・税制上の措置)

第十二条 国及び地方公共団体は、事業整理組合が策定する事業整理計画であって、圏域の産業ポートフォリオの安定に資すると認められるものについて、政令で定めるところにより、次に掲げる措置を講ずることができる。

一 政策金融機関その他の金融機関を通じた資金の供給

二 利子補給その他の金融上の支援

三 債権の買取りその他の方法による金融機関の有する債権に係るリスクの分担

四 租税特別措置その他の税制上の支援

五 補助金その他の予算上の措置

 前項第三号に規定する債権の買取りその他の措置は、金融機関及び事業者が相応の負担を分担することを前提として行うものとし、その条件は、産業ポートフォリオの安定に資する範囲で最小限度のものとしなければならない。

(早期参加に対する特例)

第十三条 事業者が、第八条に規定する状況が顕在化する前に、政令で定める基準に従い、自ら事業整理組合に参加し、かつ、適正な情報の開示及び事業整理計画の履行を行ったときは、国及び地方公共団体は、政令で定めるところにより、当該事業者の代表者又は保証人の負担する個人保証その他の責任の軽減その他の特例を認めることができる。

(虚偽申告等に対する措置)

第十四条 事業者が、事業整理計画の策定又は実施に際し、虚偽の申告その他不正の行為を行ったときは、国及び地方公共団体は、第十二条第一項の措置の全部又は一部を取り消し、又は当該事業者に対し、受けた支援の返還その他政令で定める措置を命ずることができる。

 前項の場合において、国及び地方公共団体は、当該事業者に対し、一定期間、この法律に基づく事業整理その他の支援の利用を制限することができる。

第三章 事業整理組合の組織等

(組織)

第十五条 事業整理組合は、事業整理の対象となる事業を営む事業者及びその主たる債権者その他の利害関係人をもって組織するものとする。

 事業整理組合は、組合員の責任の範囲に応じ、無限責任及び有限責任の二種とする。

 無限責任の事業整理組合にあっては、組合財産をもってその債務を完済することができない場合において、組合員はその全財産をもって連帯してその債務を弁済する責任を負う。

 有限責任の事業整理組合にあっては、組合員はその払込出資額の範囲内においてのみ組合の債務について責任を負う。

(指定公共組織としての位置付け)

第十五条の二 事業整理組合は、公共組織法第二百十四条に規定する指定公共組織とする。

 事業整理組合のうち、農業法第条に規定する農業事業整理組合その他政令で定めるものは、公共組織法第二百三十四条に規定する特別民間法人とする。

 事業整理組合の職員その他の従事者の身分、服務及び責任に関して必要な事項は、公共組織法及びその他の関係法令の定めるところによる。

(組合員)

第十六条 事業整理組合の組合員となることができる者は、次に掲げる者とする。

一 第八条に規定する事業整理の対象となる事業を営む事業者

二 前号の事業者に対する主たる債権を有する金融機関その他の者

三 前二号に掲げるもののほか、事業整理計画の策定及び実施において継続的に関与することが必要な者であって、定款で定めるもの

 事業整理組合は、定款で定めるところにより、組合員の資格、加入及び脱退に関する基準を定めるものとする。

 事業整理組合の組合員は、定款の定めるところにより、事業整理計画の策定及び実施に関し、その有する情報の提供その他必要な協力を行わなければならない。

(規約)

第十七条 事業整理組合を設立しようとする者は、定款を作成しなければならない。

 定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 目的

二 名称

三 地区

四 主たる事務所の所在地

五 組合員の資格及び加入並びに脱退に関する事項

六 責任の種類(無限責任又は有限責任)及び有限責任の場合における出資一口の金額並びにその払込みの方法

七 事業の種類及び事業整理計画の策定及び変更に関する手続

八 理事、監事その他の役員に関する事項

九 総会その他の意思決定機関の構成及び運営に関する事項

十 組合員の負担金、出資金その他の財務に関する事項

十一 公告の方法

十二 存続期間又は解散の事由を定めたときは、その期間又は事由

十三 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項

 定款には、設立者が署名し、又は記名押印しなければならない。

(設立の認可)

第十八条 事業整理組合を設立しようとする者は、定款及び政令で定める書類を添えて、主務大臣の認可を申請しなければならない。

 主務大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合すると認めるときは、その認可をしなければならない。

一 事業整理計画の対象となる事業が第八条に規定する要件に該当すること。

二 当該事業整理計画が圏域の産業ポートフォリオの安定に資するものであると認められること。

三 事業整理組合の組織及び業務の運営が健全かつ適切に行われると見込まれること。

四 その他政令で定める基準に適合すること。

(法人格の取得)

第十九条 事業整理組合は、次条第一項の規定による設立の登記をすることによって成立する。

(設立の登記)

第二十条 事業整理組合は、その成立の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において設立の登記をしなければならない。

 前項の登記をするには、前条に規定する設立の認可書の写し及び政令で定める書類を添付しなければならない。

(登記事項)

第二十一条 事業整理組合の設立の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。

一 第十七条第二項第一号から第四号まで及び第六号並びに第十一号に掲げる事項

二 設立の認可の年月日

三 理事の氏名及び住所並びに代表権を有する理事であるときはその旨

四 有限責任の事業整理組合にあっては、出資一口の金額及びその払込みの方法

五 その他政令で定める事項

(登記事項の変更)

第二十二条 前条各号に掲げる事項に変更を生じたときは、事業整理組合は、その日から二週間以内に、その変更の登記をしなければならない。

(登記の対抗力)

第二十三条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

(監督)

第二十四条 事業整理組合は、主務大臣の監督に属する。

 主務大臣は、事業整理組合の業務又は財産の状況について必要があると認めるときは、当該事業整理組合に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告を求め、又はその職員に当該事業整理組合の事務所その他の施設に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

 主務大臣は、事業整理組合の業務がこの法律若しくはこれに基づく命令又は定款に違反し、若しくはそのおそれがあると認めるとき、又はその業務若しくは財産の状況が不健全であると認めるときは、当該事業整理組合に対し、その業務の運営の改善その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(認可の取消し等)

第二十五条 主務大臣は、事業整理組合が次の各号のいずれかに該当するときは、その設立の認可を取り消し、又はその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 この法律若しくはこれに基づく命令又は定款に違反したとき。

二 虚偽その他不正の手段により第十八条第一項の認可を受けたとき。

三 事業整理計画の実施が著しく遅滞し、又は適切に行われていないと認められるとき。

四 その他事業整理組合の業務の運営が著しく不適切であり、事業整理を継続させることが不相当であると認められるとき。

 前項の規定により設立の認可を取り消された事業整理組合は、遅滞なく解散しなければならない。

(解散及び清算の監督)

第二十六条 事業整理組合の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。

 裁判所は、必要があると認めるときは、主務大臣の意見を聴き、又は主務大臣に対し調査を嘱託することができる。

 主務大臣は、事業整理組合の解散及び清算に関し、必要があると認めるときは、裁判所に対し意見を述べることができる。

第四章 産業政策手段

(産業政策手段の類型)

第二十七条 この法律において産業政策手段とは、前条までの規定に基づき、圏域ごとの産業ポートフォリオの構成及び再構成並びに事業整理の円滑な実施に資するため、国及び地方公共団体が講ずる施策であって、次に掲げる類型に区分されるものをいう。

一 金融・資本手段 出資、融資、保証、利子補給、債権の買取りその他資金調達条件に関する措置

二 税制手段 税額控除、特別償却、軽減税率その他租税特別措置に関する措置

三 所得・雇用手段 雇用維持、職業訓練、転職・再配置支援その他人材の確保及び活用に関する措置

四 需要側手段 公共調達、需要創出事業、価格安定措置その他需要の喚起及び安定に関する措置

五 基盤・空間手段 産業基盤施設、統合公共施設その他の施設の整備又は活用及び土地利用の調整に関する措置

六 情報・標準・知的資産手段 データ基盤、標準化、知的財産の創出・保護及び活用に関する措置

七 前各号に掲げるもののほか、政令で定める産業の構成及び再構成に資する措置

(産業政策手段の選択及び組合せの原則)

第二十八条 国及び地方公共団体は、産業政策手段を講ずるに当たっては、圏域ごとの産業ポートフォリオの状況(主要産業ごとの付加価値、雇用、税収その他政令で定める指標をいう。)を踏まえ、当該圏域における産業構造の偏在及び脆弱性を是正し、又は強みを伸長する観点から、その選択及び組合せを行わなければならない。

 産業政策手段は、単一の手段に過度に依存することなく、金融・資本手段、税制手段、所得・雇用手段、需要側手段、基盤・空間手段及び情報・標準・知的資産手段を相互に補完させるよう、体系的に講じられなければならない。

 国及び地方公共団体は、特定の業種又は個別事業者に対する補助その他の支援が、長期にわたり圏域の産業ポートフォリオの再構成を妨げることとならないよう、当該支援の期間、規模及び条件について適切な制限を設けなければならない。

(事業段階に応じた産業政策手段の運用)

第二十九条 国及び地方公共団体は、産業政策手段を運用するに当たっては、事業の段階に応じて、次に掲げる区分に従い、その重点を配分しなければならない。

一 成長段階 事業の拡大及び新分野への進出を図る段階にあっては、主として金融・資本手段、税制手段及び情報・標準・知的資産手段を用いること。

二 早期警戒段階 第八条各号に掲げる状況が生ずるおそれがある段階にあっては、事業整理組合その他この法律に基づく事業整理の仕組みへの参加を促すことを前提として、金融・資本手段及び所得・雇用手段を重点的に用いること。

三 退出・再配置段階 事業の全部又は一部の終了及び資源の他事業への再配置を図る段階にあっては、需要側手段及び基盤・空間手段を含む複数の手段を組み合わせ、雇用及び地域経済への影響を最小化するよう配慮すること。

 前項第二号に規定する早期警戒段階においては、事業整理組合を経由しない個別の補助金又は融資その他の産業政策手段の運用は、短期的な資金繰りのみに終始し、事業整理を遅延させることとならないよう、その対象及び条件を限定しなければならない。

(事業整理との接続における優先措置)

第三十条 国及び地方公共団体は、第八条に規定する事業整理の対象となる事業を営む事業者が、自ら事業整理組合に参加し、かつ、第十一条第一項に規定する事業整理計画の策定及び履行を行う場合には、第二十七条各号に掲げる産業政策手段のうち、金融・資本手段、税制手段及び所得・雇用手段について、政令で定めるところにより、当該事業者又は事業整理組合に対し優先的に適用することができる。

 前項の優先的適用は、当該事業整理計画が圏域の産業ポートフォリオの安定及び再構成に資すると認められる場合に限り行うものとし、その内容及び効果については、事業整理計画の評価に合わせて検証しなければならない。

(重複及び過度な支援の回避)

第三十一条 国及び地方公共団体は、産業政策手段を講ずるに当たっては、同一の事業又は同一の目的に対し、複数の制度による支援が重複し、又は過度となることのないよう、制度間の調整を行わなければならない。

 前項の調整を行うため、国は、産業政策手段に関する制度の一覧及びその対象、規模、期間その他政令で定める事項を整理し、これを公表しなければならない。

 地方公共団体は、国の前項の取組と調和を図りつつ、当該地方公共団体が講ずる産業政策手段と国その他の者の講ずる産業政策手段との関係を把握し、その結果を公表するよう努めなければならない。

(産業政策手段の評価及び見直し)

第三十二条 国は、産業政策手段について、その実施状況及び効果を定期的に評価し、その結果を公表しなければならない。

 前項の評価は、少なくとも次に掲げる指標に基づき行うものとする。

一 圏域ごとの産業ポートフォリオの構成及び推移

二 事業整理組合を通じて再構成された事業の件数及び当該事業に係る雇用の維持又は創出の状況

三 事業整理を経ることなく倒産又は事業廃止に至った事業の件数及び規模

四 前各号に掲げるもののほか、政令で定める指標

 国は、前二項の評価の結果に基づき、産業政策手段の統廃合、条件の見直しその他必要な措置を講じなければならない。

 地方公共団体は、国の評価の結果を踏まえつつ、自らが講ずる産業政策手段の効果について評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない。

(事業整理データとの連携)

第三十三条 国は、事業整理組合に係る事業整理計画及びその実施状況に関する情報を、産業政策手段の企画及び立案のためのデータとして集約し、分析しなければならない。

 国及び地方公共団体は、前項の分析結果を踏まえ、産業政策手段の対象、条件及び運用方法の改善を図るものとする。

 前二項の規定により集約し、分析する情報の範囲及び取扱いに関し必要な事項は、個人情報の保護及び企業秘密の保護に十分配慮しつつ、政令で定める。

では、第七編を条文素案としてまとめます。

(条番号は通し番号ではなく「第条」としています。最終的には全体構成に応じて振り直す前提です。)

第七編 農業技術、データ及び研究開発

第一章 総則

条 国及び地方公共団体は、農業に係る技術及び研究開発(以下「農業技術等」という。)が、食料の安定供給の確保並びに農業の高度化及び先端産業化にとって不可欠であることにかんがみ、第二編に規定する農業資源及び農業資源観測設備並びに第三編及び第五編に規定する産地構造及び農業経営体の在り方と調和を保ちつつ、農業技術等の体系的な振興を図るものとする。

 国及び地方公共団体は、農業技術等の振興に当たり、科学技術法、情報法その他の関係法令との整合を図りつつ、研究開発の成果及びデータが広く農業者及び地域社会に還元されるよう配慮しなければならない。

条 この法律において「農業データ」とは、第二編に規定する農業資源観測情報のほか、農業経営体の作付及び生産、労働、経営及び取引に関する情報並びにこれらに関連する気象、土壌その他の環境情報であって、農業の高度化及び地域の防災その他の公共の利益に資するものをいう。

 国及び地方公共団体は、農業データの収集、整備及び利用が、農業経営体の自立性及び経営上の秘密の保持に配慮しつつ行われるよう、必要な措置を講ずるものとする。

条 農業技術等及び農業データに関しこの編に定めるもののほか、研究開発、知的財産、個人情報の保護及び情報公開に関する事項については、科学技術法、情報法その他の関係法令によるものとする。

第二章 研究開発及び試験研究機関

条 国及び地方公共団体は、農業技術等に関する研究開発が、作物、家畜その他の農業生産の基盤に係るものから、スマート農業技術、環境保全技術及び農業資源観測設備に関連する技術に至るまで、体系的かつ計画的に推進されるよう、必要な施策を講ずるものとする。

 前項の施策を講ずるに当たっては、農業経営体の現場ニーズ、第三編に規定する産地・作目マトリクス及び第六編に規定する流通、加工及び輸出の状況が適切に反映されるよう配慮しなければならない。

条 国及び地方公共団体は、農業に関する試験研究機関、大学その他の教育研究機関及び民間の研究機関(以下「試験研究機関等」という。)と連携し、農業技術等に関する研究開発及びその成果の実証、普及及び人材育成を一体として推進するものとする。

 国及び地方公共団体は、公共組織法に基づき置かれる農業に関する公共組織の内部に、農業技術及び研究開発を所掌する部又は室を置き、前項に規定する試験研究機関等との連絡調整を行わせるよう努めるものとする。

条 国及び地方公共団体は、農業技術等の実証及び評価が、実際の営農条件の下で行われるよう、農地等を活用した実証フィールドを整備し、又はその整備を促進するものとする。

 前項の実証フィールドにおける試験研究に用いられる農地等の使用に関する契約その他必要な事項については、第二編及び第五編の趣旨に照らし、農業経営体の営農に支障を生じないよう配慮しなければならない。

第三章 農業データの整備及び利用

条 国は、農業データの相互利用及び連携を容易にするため、作物、品種、栽培方法、農地の属性、農業機械、農薬及び肥料その他農業に関する対象ごとに必要な標準コード及び分類体系並びにデータ項目及びフォーマットの標準を定めるものとする。

 前項の標準は、共通試験法及び情報法に基づく教育、評価及び情報システムとの相互運用性を確保しつつ、第二編に規定する農業資源観測設備及び第六編に規定する流通、加工及び輸出に関する情報との連携が図られるよう定められなければならない。

条 国及び地方公共団体は、農業資源観測設備その他の観測装置、農業機械、ビニールハウスや倉庫その他の施設並びに農業経営体からの提供により農業データを収集し、これを安全に蓄積するための情報基盤を整備するものとする。

 農業データの収集に当たっては、目的、収集方法及び利用範囲について、農業経営体その他の関係者に対し、あらかじめ明確に説明し、必要な同意を得るよう努めなければならない。

条 国及び地方公共団体は、農業データを、農業経営の改善、災害の防止、環境保全、研究開発及び政策立案その他公共の利益のために利用するとともに、農業経営体その他の者が自らの経営又は研究開発のために当該データを活用することができるよう、必要な措置を講ずるものとする。

 農業データの二次利用に当たっては、個人情報の保護及び経営上の秘密の保持に十分配慮するとともに、農業経営体に対する適切なフィードバック及び利益の還元が図られるよう努めなければならない。

 農業データの提供及び二次利用に関する手続、利用条件及び費用負担その他必要な事項は、情報法その他の関係法令との整合を保ちつつ、政令で定める。

条 国及び地方公共団体は、農業データを活用した人工知能その他の高度な情報処理技術(以下「農業AIモデル」という。)の開発及び利用が、農業経営の高度化及び省力化に資するとともに、農業経営体による意思決定を補完するものとして適切に位置付けられるよう、必要な施策を講ずるものとする。

 農業AIモデルの設計及び運用に当たっては、その前提となるデータ、推論方法及び結果の限界について、農業経営体その他の利用者が理解しうるよう説明が行われるよう配慮しなければならない。

 農業AIモデルの利用に係る責任の所在その他必要な事項は、情報法その他の関係法令の定めるところによる。

第四章 スマート農業技術の導入及び安全の確保

条 国及び地方公共団体は、農業資源観測設備と連携する自動運転農機、ドローン、ロボットその他のスマート農業技術が、農業経営体の規模及び地域の特性に応じて導入されるよう、リースその他の導入手段の多様化、標準機能の明確化及び技術支援体制の整備等に関し必要な施策を講ずるものとする。

 前項の施策を講ずるに当たっては、農業者の負担が過度とならないよう配慮するとともに、第二編及び第六編の規定に基づく農業資源及び流通の構造との一体性が損なわれないよう留意しなければならない。

条 スマート農業技術の利用に当たっては、農地等及びその周辺における安全の確保が図られなければならない。

 スマート農業技術の利用に伴い事故その他の損害が生じた場合の責任の分担については、当該技術の設計、製造、保守及び運用に関与する者の役割に応じ、民法その他の関係法令の定めるところにより適切に定められなければならない。

 国は、前二項の趣旨に沿い、スマート農業技術の安全基準及び試験方法に関する指針を定めるものとする。

条 国は、スマート農業技術及び農業資源観測設備に関し、相互接続性、安全性及び保守の容易性の確保に資するため、機能、通信方式及びデータ仕様に関する標準を定めるものとする。

 国は、前項の標準への適合性を確認するための認証制度を設けることができる。

 前二項に規定する標準及び認証の制度においては、農業経営体が特定の事業者又は製品に不当に拘束されることのないよう配慮しなければならない。

条 国及び地方公共団体は、第五編に規定する担い手の育成と相まって、スマート農業技術及び農業データの利活用に関する教育及び研修の機会を整備し、農業経営体が自ら当該技術を理解し、選択し、及び適切に運用することができるよう支援するものとする。

以上が、第七編「農業技術、データ及び研究開発」の骨格と条文素案です。

第二編で整備した「観測設備・インフラ」

第五編で規定した「経営体・担い手」

第六編の「流通・輸出」

と横串でつながるようにしてあるので、ここから先は、もっと昭和寄りの文体にしたい条逆に簡素化して政令委任に寄せたい条など、厚みの調整を一緒にやっていければと思います。