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科学技術法 条文全文Lex50 · 47/50 · 私案条文

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第一条(目的)

〈原文:科学技術・イノベーション基本法第1条〉この法律は、科学技術及びイノベーションの振興を図るため、科学技術に関する施策の基本となる事項を定め、もって我が国の経済社会の持続的発展及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。

〈審査コメント〉現行法は経済発展中心の文言であるが、統合法では「人類の福祉」「持続可能性」「倫理」を理念に追加すべきである。科学技術の発展が環境・社会・生命倫理を伴うことを法目的として明記する必要がある。

〈修正案〉本法は、科学技術及びイノベーションの総合的かつ計画的な振興を図り、もって国民の福祉の増進、人類社会の持続的発展及び将来世代の利益に資することを目的とする。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第1条、環境基本法第1条、公共組織法第1条。

第二条(定義)

〈原文:科学技術・イノベーション基本法第2条〉この法律において「科学技術」とは、自然科学のみに限らず、人文科学及び社会科学を含むものとする。

〈審査コメント〉現行定義に「イノベーション」「研究開発」「研究機関」を明示的に包含する必要。特にAI、量子、ライフサイエンス等の新領域を包括する汎用定義へ。

〈修正案〉この法律において使用する用語の意義は、次に定めるところによる。

一 「科学技術」とは、自然科学、人文科学及び社会科学に係る知識の創造及びその応用をいう。

二 「イノベーション」とは、新たな知識又は技術を創造し、社会、経済又は環境において新たな価値を生み出すことをいう。

三 「研究開発」とは、科学技術の体系的な調査、実験、試験又は開発の過程をいう。

四 「研究機関」とは、国、地方公共団体又は法人その他の組織であって、科学技術に関する研究開発を行うものをいう。

五 「研究者」とは、科学技術に関する研究開発に従事する者をいう。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第2条、産業技術力強化法第2条、国立研究開発法人通則法第2条。

第三条(基本理念)

〈原文:科学技術・イノベーション基本法第3条〉科学技術は、国民の福祉の向上に寄与するものでなければならない。

〈審査コメント〉理念を包括的に整備する必要。倫理性・安全性・国際協調を加える。

〈修正案〉科学技術及びイノベーションは、次に掲げる理念に基づき推進されなければならない。

一 科学技術の成果が国民の福祉の向上及び社会の健全な発展に資すること。

二 環境の保全及び将来世代の利益に配慮しつつ、人類社会の持続可能な発展に寄与すること。

三 研究開発の自由を尊重し、研究者の自律と倫理を確保すること。

四 国際的な協力及び平和の目的に資すること。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第3条、環境基本法第3条、日本学術会議法第2条。

第四条(国の責務)

〈原文:科学技術・イノベーション基本法第4条〉国は、科学技術及びイノベーションに関する施策の総合的かつ計画的な策定及び実施を行う責務を有する。

〈審査コメント〉科学技術会議や政策審議機関の存在を踏まえ、「推進体制」を責務の一部に含める。

〈修正案〉国は、科学技術及びイノベーションに関する施策を総合的かつ計画的に策定し、実施しなければならない。

 国は、これらの施策を実施するため、政策審議機関、研究評価機関及び研究資金配分機構の有機的連携を確保しなければならない。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第4条、日本学術会議法第2条、JST法第4条。

第五条(地方公共団体の責務)

〈原文:科学技術・イノベーション基本法第5条〉地方公共団体は、その区域の特性に応じた科学技術及びイノベーションの振興に努めなければならない。

〈審査コメント〉地方大学・地域研究機関・自治体の技術政策連携を法的に明文化。

〈修正案〉地方公共団体は、その区域の自然的及び社会的特性に応じ、大学、研究機関及び産業界との連携を図りつつ、科学技術及びイノベーションの振興に関する施策を実施するよう努めなければならない。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第5条、地方自治法第2条。

第六条(民間の役割)

〈原文:科学技術・イノベーション基本法第6条〉企業等の民間の主体が果たす役割を尊重する旨規定。

〈審査コメント〉オープンイノベーション・社会的連携型R&Dを想定し、公益性を強調。

〈修正案〉企業その他の民間の主体は、科学技術及びイノベーションの推進において重要な役割を担うものであり、国及び地方公共団体は、その自発的かつ公益的な取組を尊重し、支援するものとする。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第6条、産業技術力強化法第3条。

第七条(研究者の責務)

〈原文:なし(現行法に明文規定なし)〉〈審査コメント〉研究倫理・データの信頼性確保の観点から、新設が必要。

〈修正案〉研究者は、科学技術に関する研究開発を行うに当たり、誠実にして公正な態度を保持し、その成果の社会的影響に配慮しなければならない。

 研究者は、研究データ及び知的財産の適正な取扱いに努めなければならない。

〈関連法令〉生命倫理指針、技術研究組合法、研究不正防止ガイドライン。

第八条(政策審議機関)

〈原文:日本学術会議法第2条〉日本学術会議は、我が国の科学者の代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映させることを目的とする。

〈審査コメント〉学術会議と科学技術政策審議会を制度上並立・連携させる条文化。

〈修正案〉内閣に、科学技術及びイノベーションに関する基本的事項を審議するため、科学技術政策審議会を置く。

 日本学術会議は、独立した学術機関として、科学の向上及び政策提言を行い、前項の審議会と相互に連携するものとする。

〈関連法令〉日本学術会議法第2条、総合科学技術・イノベーション会議設置法。

第九条(研究評価及び実施の原則)

〈原文:産業技術力強化法第3条〉国は、産業技術の研究開発を総合的に推進するものとする。

〈審査コメント〉現行制度では評価・実施基準が政令・通達レベルで曖昧。法文上で透明性・説明責任を定める。

〈修正案〉国及び地方公共団体は、科学技術に関する施策の実施及び研究資金の配分に当たり、透明性、公正性及び効率性を確保しなければならない。

 研究開発の評価は、学術的独立性及び社会的有効性を考慮して行わなければならない。

〈関連法令〉産業技術力強化法第3条、行政評価法第4条。

第十条(国際協力)

〈原文:科学技術・イノベーション基本法第9条〉科学技術の国際的展開に関する規定。

〈審査コメント〉AI、量子、宇宙、海洋など国際共同研究の枠組みを法的に担保。

〈修正案〉国は、科学技術及びイノベーションに関し、国際的協力の推進、研究者交流及び共同研究体制の整備に努めなければならない。

 国は、国際連合その他の国際機関との連携の下に、地球規模の課題解決に寄与する科学技術政策を推進するものとする。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第9条、宇宙基本法第22条。

第十一条(施策の総合化)

〈審査コメント〉現行法では内閣府主導の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)に依存。法上で省庁横断・公私連携を明記。

〈修正案〉国は、科学技術及びイノベーションに関する施策の企画及び実施に当たり、関係行政機関相互の連携を図るとともに、大学、研究機関、企業及び民間団体との協働を推進しなければならない。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第8条、国家行政組織法第8条。

第十二条(科学技術基本計画)

〈引用:科学技術・イノベーション基本法第7条〉政府は、科学技術基本計画を策定しなければならない。

〈審査コメント〉現行計画は「閣議決定ベース」で法拘束力が弱い。科学技術法では、計画策定を法定手続に格上げ。

〈修正案〉政府は、科学技術及びイノベーションに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、科学技術基本計画を定めなければならない。

 基本計画は、概ね五年を一期とし、国会に報告しなければならない。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第7条、行政計画法(仮)。

第二編〔研究機関・研究大学〕

第一章 国立研究開発法人制度

第一条(目的)

〈引用:国立研究開発法人通則法第1条〉この法律は、国の試験研究機関の法人化に関し、必要な事項を定めることを目的とする。

〈審査コメント〉現行通則法では「独立行政法人法」の特例として構成されているが、統合法では科学技術体系の中核として「研究ミッション型法人」を定義する。

〈修正案〉国立研究開発法人は、国家の科学技術及びイノベーションの推進に関する基礎的又は応用的研究を行い、その成果を公共及び産業の発展に資することを目的とする法人とする。

〈関連法令〉国立研究開発法人通則法第1条、産業技術力強化法第4条。

第二条(設立及び監督)

〈引用:同法第3条・第4条〉国立研究開発法人は、政令で定めるところにより設立する。

〈審査コメント〉現行制度では法人設立と改廃が個別法に依存。統合法では「政令指定主義」に整理し、透明な評価制度を付す。

〈修正案〉国は、政令で定めるところにより、科学技術に関する研究開発を行う国立研究開発法人を設立することができる。

 国立研究開発法人の設立、組織及び業務の範囲は、研究分野ごとに政令で定める。

 国立研究開発法人は、内閣総理大臣の所轄とし、その業務については科学技術政策審議会の評価を受けなければならない。

〈関連法令〉国立研究開発法人通則法第3条、第4条、独立行政法人通則法第11条。

第三条(業務)

〈引用:同法第13条〉国立研究開発法人は、その目的の範囲内で研究開発を行う。

〈審査コメント〉成果の社会還元・データ公開・知財管理を統合法上の義務として明記。

〈修正案〉国立研究開発法人は、次に掲げる業務を行うものとする。

一 科学技術に関する基礎的及び応用的研究開発

二 研究成果の公開及びデータ共有

三 知的財産の管理及び活用

四 大学、産業界及び国際機関との共同研究の実施

五 若手研究者の育成及び研修〈関連法令〉国立研究開発法人通則法第13条、知的財産基本法第4条。

第四条(評価及び監督)

〈引用:国立研究開発法人通則法第31条〉国立研究開発法人の業務の実績について評価を行う。

〈審査コメント〉現行制度の「評価委員会」を統合法体系上「政策審議機関による評価」に統合。

〈修正案〉科学技術政策審議会は、国立研究開発法人の業務について、成果の有効性、効率性及び公共性の観点から定期に評価を行い、その結果を公表しなければならない。

〈関連法令〉国立研究開発法人通則法第31条、行政機関評価法第9条。

第二章 特定国立研究開発法人制度

第一条(定義)

〈引用:特定国立研究開発法人法第2条〉「特定国立研究開発法人」とは、高度な研究開発を行う国立研究開発法人であって、政令で定めるものをいう。

〈審査コメント〉特定国研(理研・産総研・JAXA 等)は実質的に「国家研究基盤」として扱うべき。統合法では、一般国研より上位層の「国家基幹研究機関」と定義。

〈修正案〉特定国立研究開発法人は、国家の科学技術及びイノベーション戦略における基幹的研究開発を担う法人であって、政令で指定するものをいう。

〈関連法令〉特定国立研究開発法人法第2条、国立研究開発法人通則法第2条。

第二条(研究ガバナンス)

〈審査コメント〉理事長の任期制限、研究成果の国際公開等を法定化。

〈修正案〉特定国立研究開発法人は、研究の自律性を尊重しつつ、倫理及び透明性を確保しなければならない。

 理事長及び監事の任期は五年以内とし、再任を妨げない。

 研究成果は、国際的な相互利用を目的として公表するものとする。

〈関連法令〉特定国立研究開発法人法第6条、第7条。

第三章 大学改革支援機構及び学位授与機構

第一条(大学改革支援機構の設立)

〈引用:大学改革支援・学位授与機構法第1条〉この法律は、大学改革支援・学位授与機構を設立する。

〈審査コメント〉現行機構は評価中心。統合法では、研究資金評価・ガバナンス支援・国際連携を包括する大学支援中核機関とする。

〈修正案〉国は、大学及び高等教育機関の研究力の強化並びにガバナンスの向上を図るため、大学改革支援機構を設立するものとする。

 機構は、大学に対する評価、助成及び国際連携支援を行う。

〈関連法令〉大学改革支援・学位授与機構法第1条、第3条。

第二条(学位授与)

〈引用:同法第4条〉機構は、所定の水準に達した者に学位を授与する。

〈審査コメント〉博士号相当を国際資格化するため、国際基準参照を明示。

〈修正案〉学位授与機構は、学士、修士及び博士の各課程における学位を審査の上授与する。

 授与に当たっては、国際的な学術基準を参照するものとする。

〈関連法令〉大学改革支援・学位授与機構法第4条、学校教育法第104条。

第四章 国際卓越研究大学

第一条(目的)

〈引用:国際卓越研究大学法第1条〉この法律は、国際的に卓越した研究活動を行う大学を支援する。

〈審査コメント〉大学法体系との整合を重視し、統合法内での位置づけを「特定大学」として明確化。

〈修正案〉国は、国際的に卓越した研究成果を創出する大学を、政令で「特定大学」として指定し、長期的かつ安定的な財政支援を行うものとする。

〈関連法令〉国際卓越研究大学法第1条、学校教育法第92条。

第二条(支援及び評価)

〈引用:同法第6条〉国は、当該大学の計画に基づき助成を行う。

〈審査コメント〉助成の透明性と成果評価を法上明文化。

〈修正案〉国は、特定大学に対し、研究の長期的安定性を確保するため、助成を行う。

 特定大学の成果は、科学技術政策審議会が五年ごとに評価し、その結果を公表しなければならない。

〈関連法令〉国際卓越研究大学法第6条。

第五章 日本学術振興会

第一条(目的)

〈引用:日本学術振興会法第1条〉日本学術振興会は、学術研究の助成を行うことを目的とする。

〈審査コメント〉JSPS の法的位置づけを「研究資金配分機構」として再整理。

〈修正案〉日本学術振興会は、我が国における学術研究の助成及び国際的交流を推進し、学術研究の水準向上を図ることを目的とする。

〈関連法令〉日本学術振興会法第1条。

第二条(業務)

〈引用:同法第3条〉学術研究の助成及び研究者の養成を行う。

〈審査コメント〉若手研究支援・国際共同研究助成を明示。

〈修正案〉日本学術振興会は、次に掲げる業務を行う。

一 国内外の学術研究の助成及び奨学金の交付

二 若手研究者の育成及びフェローシップの実施

三 国際共同研究及び学術交流の推進〈関連法令〉日本学術振興会法第3条、科学技術振興機構法第4条。

第六章 高度専門医療研究機構(医療国研連携)

〈引用:高度専門医療研究センター法(旧法)〉医療分野の基礎研究を促進するための機構を設立する。

〈審査コメント〉医療系国研(国立がんセンター、循環器センター等)を横断的に統合法内へ組込み、保健医療法との接続を担保。

〈修正案〉国は、医療及びライフサイエンス分野における高度専門研究を推進するため、医療研究機構を設立するものとする。

 機構は、臨床研究中核病院、大学病院及び国立研究開発法人と連携し、研究成果の医療応用を推進する。

〈関連法令〉高度専門医療研究センター法、保健医療法第二編。

【総括コメント】

第二編では、研究ガバナンスの三層構造を明示した点が特徴です。

すなわち:

基幹層(特定国研・特定大学)

中核層(一般国研・大学研究センター)

支援層(学術振興会・大学改革支援機構)

これにより、「研究資金」「人材」「評価」が縦割りなく接続され、AI・宇宙・医療等の次世代分野にも対応する体系が確立されます。

第三編〔研究資金・助成制度〕

第一章 科学技術振興機構(JST)

第一条(目的)

〈引用:科学技術振興機構法第1条〉この法律は、科学技術振興機構の設立及び運営に関し必要な事項を定めることを目的とする。

〈審査コメント〉現行JST法では「科学技術の振興」を目的としつつ、研究資金配分機能と情報基盤整備機能が分離している。統合法では、これを国家研究資金配分機構として再定義する。

〈修正案〉科学技術振興機構は、科学技術及びイノベーションの総合的な推進を図るため、研究資金の配分、研究成果の実用化支援及び科学技術情報の提供を行うことを目的とする。

〈関連法令〉科学技術振興機構法第1条、産業技術力強化法第5条。

第二条(業務)

〈引用:科学技術振興機構法第4条〉機構は、科学技術の振興に関する業務を行う。

〈審査コメント〉現行法の「研究費配分」「情報提供」「技術移転」を条文上整理。AI・量子等の重点領域を特定できる構造にする。

〈修正案〉科学技術振興機構は、次に掲げる業務を行うものとする。

一 国立及び民間の研究機関に対する研究資金の交付及び管理

二 研究開発成果の実用化及び社会実装に関する支援

三 研究成果のデータベース化及び科学技術情報の普及

四 研究倫理及び評価の基準策定支援

五 国際共同研究及び海外展開の推進〈関連法令〉科学技術振興機構法第4条、第5条。

第三条(助成の原則)

〈審査コメント〉統合法で新設。助成の透明性・成果評価を明文化。

〈修正案〉科学技術振興機構は、研究資金の配分に当たり、次に掲げる原則に従わなければならない。

一 学術的独立性の尊重

二 成果の社会的有効性の確保

三 研究者への公平な機会提供

四 研究データ及び費用の透明な公開〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第9条、行政機関評価法第4条。

第四条(研究評価及び公開)

〈引用:科学技術振興機構法第12条〉業務の実績評価に関する規定。

〈審査コメント〉評価結果の公表義務を法定化。研究不正防止・データ公開と連動。

〈修正案〉科学技術振興機構は、助成した研究の実績を定期に評価し、その結果を公表しなければならない。

 評価の方法及び基準は、科学技術政策審議会の承認を受けるものとする。

〈関連法令〉科学技術振興機構法第12条、情報公開法第5条。

第二章 学術研究助成法

第一条(目的)

〈引用:学術研究振興法(旧・学術研究会議法等)〉学術研究の振興を図るため、研究費の助成に関する基本事項を定める。

〈審査コメント〉科研費(科学研究費補助金)・特別推進研究・基盤研究を法制化し、研究者が自律的に申請できる仕組みを明確にする。

〈修正案〉この章は、学術研究に対する国の助成の基本原則を定めることにより、研究者の自由な発想に基づく研究活動を支援し、学術の進展に資することを目的とする。

〈関連法令〉科学研究費助成事業取扱規程(文部科学省告示)、日本学術振興会法。

第二条(助成の種類)

〈審査コメント〉科研費体系を明確化するため、助成区分を法定列挙化。

〈修正案〉国は、次に掲げる区分により、学術研究に対する助成を行うものとする。

一 基盤研究(特定分野に属さない自主的研究)

二 若手研究(新進研究者の育成を目的とするもの)

三 特別推進研究(国として特に重要な課題に係るもの)

四 国際共同研究(海外研究機関との協働によるもの)

五 新領域研究(AI、量子、生命科学等の新分野に係るもの)

〈関連法令〉学術研究助成取扱規程(文科省)、日本学術振興会法第3条。

第三条(申請及び審査)

〈審査コメント〉現行では告示ベース。統合法では公募原則・審査基準の明文化を行う。

〈修正案〉学術研究の助成を受けようとする者は、公募により申請しなければならない。

 審査は、学術的独立性を有する委員によって行われ、その基準は公平性及び透明性を確保するものとする。

 審査結果は公表されなければならない。

〈関連法令〉行政手続法第3条、情報公開法第5条。

第四条(研究費の管理)

〈審査コメント〉研究費の不正使用防止と監査制度を法定化。

〈修正案〉研究費は、研究目的にのみ使用されなければならない。

 国は、助成研究の経理及び支出状況について監査を行い、不正のある場合は助成を停止又は返還を命ずることができる。

〈関連法令〉補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)。

第三章 民間学術研究機関助成法

第一条(目的)

〈審査コメント〉民間財団・企業が行う研究助成を法的に支援するための新設条項。公益財団等の助成活動の透明性・税制優遇を整理。

〈修正案〉この章は、民間の学術研究機関及び公益法人による学術研究助成の促進を図り、産学協働による知識創造の基盤を強化することを目的とする。

〈関連法令〉公益法人認定法第2条、租税特別措置法第40条。

第二条(登録及び監督)

〈審査コメント〉助成基金の乱立を防止するため、登録制度を導入。

〈修正案〉民間学術研究助成を行う法人は、内閣府に登録しなければならない。

 登録を受けた法人は、助成の基準及び実績を毎事業年度公表しなければならない。

 内閣府は、登録法人の業務が公益目的に反する場合には、その登録を取り消すことができる。

〈関連法令〉公益法人認定法第28条、行政手続法第13条。

第三条(税制上の措置)

〈審査コメント〉寄附金税制の一元化を行う。研究助成法人への寄附を特別控除対象とする条項を設ける。

〈修正案〉研究助成を目的とする法人に対する寄附金については、法人税法及び所得税法の定めるところにより、所得控除又は税額控除の特例を適用することができる。

〈関連法令〉法人税法第37条、所得税法第78条、租税特別措置法第40条の二。

第四編〔産学連携・イノベーション〕

第一章 大学技術移転促進(TLO)

第一条(目的)

〈引用:大学等技術移転促進法第1条〉この法律は、大学等における研究成果の移転を促進することにより、我が国の産業の発展に寄与することを目的とする。

〈審査コメント〉現行法の目的を拡張し、知的財産管理・共創・地域展開を含む包括的な産学連携制度として整理。

〈修正案〉この章は、大学及び研究機関における研究成果の活用及び産業界への移転を促進し、もって科学技術の発展及び地域経済の活性化に資することを目的とする。

〈関連法令〉大学等技術移転促進法第1条、産業競争力強化法第2条。

第二条(技術移転機関)

〈引用:同法第2条〉大学等は、研究成果を活用するため、技術移転機関を設置することができる。

〈審査コメント〉現行制度ではTLOの法的位置づけが曖昧。統合法では、法人格及び認定制度を明確化。

〈修正案〉大学又は研究機関は、当該機関の研究成果の移転及び活用を行うため、技術移転機関(Technology Licensing Organization。以下「TLO」という。)を設置することができる。

 TLOは、内閣府令で定める基準に適合する場合において、内閣総理大臣の認定を受けることができる。

 認定TLOは、研究成果の特許化、技術評価及びライセンス契約の締結を行うことができる。

〈関連法令〉大学等技術移転促進法第3条〜第5条、特許法第35条。

第三条(共同研究及び利益配分)

〈審査コメント〉研究成果の帰属・利益分配を法定化し、国研・大学間・民間企業間のルールを共通化。

〈修正案〉大学、研究機関及び企業は、共同研究の成果の権利帰属及び利益配分について、あらかじめ契約により定めなければならない。

 国は、前項の契約に係るガイドラインを策定し、透明性及び公平性を確保するものとする。

〈関連法令〉産業技術力強化法第16条、特許法第73条。

第四条(地域イノベーション拠点)

〈審査コメント〉地域大学・中小企業連携による技術革新拠点(地方版TLO)の制度化。

〈修正案〉地方公共団体は、大学、研究機関及び企業と連携し、地域の特性に応じたイノベーション拠点を整備するよう努めなければならない。

 国は、地域イノベーション拠点に対し、施設整備費その他必要な助成を行うことができる。

〈関連法令〉地域科学技術振興法、地方創生推進法第11条。

第二章 共用・大型研究施設利用促進

第一条(目的)

〈引用:共用促進法(文部科学省令)〉国立研究施設の共用促進を図る。

〈審査コメント〉現行では政令・告示ベース。統合法では「共用原則」を法定化し、国家資産の効率利用を明文化。

〈修正案〉この章は、国立研究施設及び大型科学実験設備の共用を促進し、研究資源の有効活用を図ることを目的とする。

〈関連法令〉大型放射光施設法、スーパーコンピュータ共用ガイドライン。

第二条(共用の原則)

〈修正案〉国及び国立研究開発法人は、保有する研究施設・設備を、大学、研究機関又は民間企業が共同で利用できるよう、共用体制を整備しなければならない。

 共用の実施に当たっては、学術的公平性及び安全性を確保しなければならない。

〈関連法令〉科学技術振興機構法第5条の三、行政財産使用許可規程。

第三条(利用支援)

〈修正案〉国は、共用施設の運営費及び利用者支援のための助成を行うことができる。

 利用料金の徴収及び免除の基準は、政令で定める。

〈関連法令〉国有財産法第18条、独立行政法人通則法第14条。

第三章 基盤技術研究円滑化

第一条(目的)

〈引用:基盤技術研究円滑化法第1条〉この法律は、基盤技術研究の実施を円滑にするため必要な措置を定めることを目的とする。

〈審査コメント〉製造業・インフラ技術・標準化・安全基準等の研究支援を法体系に組み込む。

〈修正案〉この章は、製造業、情報通信、エネルギー、環境等の基盤技術に関する研究開発を円滑に推進し、我が国の科学技術の基礎的基盤を強化することを目的とする。

〈関連法令〉基盤技術研究円滑化法第1条、産業技術力強化法第5条。

第二条(研究支援)

〈修正案〉国は、基盤技術の研究に必要な資金、施設及び人材の確保に関し、助成又は支援を行うものとする。

 支援を受けた研究機関は、成果を共有し、技術基準の統一に資するよう努めなければならない。

〈関連法令〉産業標準化法、JIS・ISO連携法。

第四章 ものづくり基盤技術振興

第一条(目的)

〈引用:ものづくり基盤技術振興基本法第1条〉この法律は、ものづくり基盤技術の振興を図ることを目的とする。

〈審査コメント〉中小製造業や地域産業振興との接続を明示化。

〈修正案〉この章は、製造業における基盤技術及び生産技術の振興を図り、もって我が国の産業競争力及び地域経済の持続的発展に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉ものづくり基盤技術振興基本法第1条。

第二条(中小企業との連携)

〈修正案〉国は、中小企業が大学及び研究機関と連携して技術開発を行う場合において、資金及び情報の提供その他必要な支援を行うよう努めなければならない。

 地方公共団体は、地域のものづくり企業の技術人材の育成及び設備導入に関し、国と協力して支援を行うものとする。

〈関連法令〉中小企業基本法第9条、産業集積法第4条。

第五章 科学技術イノベーション創出活性化

第一条(目的)

〈引用:科学技術イノベーション創出活性化法(仮称、旧特定産業活性化法)〉科学技術による新産業創出を目的とする。

〈審査コメント〉政府R&Dプログラム(SIP・ImPACT・Moonshot等)を法体系に明確化し、「挑戦的研究支援」「クロスアポイントメント」を包括。

〈修正案〉この章は、科学技術に基づく新たな産業及び社会的価値の創出を促進し、研究者、企業及び行政の協働による革新的取組を推進することを目的とする。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション創出推進法(旧特例法)、産業競争力強化法第5章。

第二条(挑戦的研究支援)

〈修正案〉国は、リスクの高い先駆的又は異分野融合型の研究開発に対し、特別の支援措置を講ずるものとする。

 この場合においては、研究成果の社会的・経済的波及効果を考慮して評価を行うものとする。

〈関連法令〉ムーンショット型研究開発制度、産業技術力強化法第11条。

第三条(クロスアポイントメント制度)

〈修正案〉大学、研究機関及び企業の研究者は、相互に兼務を行うことができる。

 国は、前項の兼務に係る雇用、報酬及び研究成果の取扱いについて、透明性を確保するための指針を定めなければならない。

〈関連法令〉国家公務員法第104条、労働契約法第14条。

第四条(成果の社会実装)

〈修正案〉国及び地方公共団体は、研究開発の成果が公共サービス及び社会制度の改善に資するよう、試行的導入(サンドボックス制度)及び実証事業を推進しなければならない。

〈関連法令〉新技術等実証特例制度法、デジタル社会形成基本法第22条。

第六章 国際共同研究推進(多国籍R&D特措)

第一条(目的)

〈審査コメント〉国際共同研究や多国籍企業のR&Dセンター誘致を促す新設条項。

〈修正案〉この章は、外国の研究機関、大学及び企業との共同研究の推進並びに国際的研究開発拠点の形成を図ることを目的とする。

〈関連法令〉科学技術・イノベーション基本法第9条、外国為替及び外国貿易法第25条。

第二条(共同研究協定)

〈修正案〉国は、外国政府又は国際機関との間で、科学技術に関する共同研究協定を締結することができる。

 国立研究開発法人及び大学は、当該協定に基づき、共同研究を行い、その成果を共有することができる。

〈関連法令〉国際協力法、宇宙基本法第22条。

第三条(特例措置)

〈修正案〉外国の研究者が我が国において研究活動を行う場合には、出入国管理及び難民認定法その他の法令にかかわらず、研究滞在資格に関し特別の定めを設けることができる。

〈関連法令〉出入国管理及び難民認定法第19条の三、科学技術外交推進法(仮)。

第五編〔宇宙・海洋科学〕

第一章 宇宙基本理念

第一条(目的)

〈引用:宇宙基本法第1条〉この法律は、宇宙の開発及び利用の推進に関する基本的事項を定め、もって人類社会の持続的発展に寄与することを目的とする。

〈審査コメント〉統合法では「宇宙開発」ではなく「宇宙科学・宇宙利用」を包括。安全保障・産業・環境・国際協力を包括的に扱う。

〈修正案〉この章は、宇宙に関する科学的探求及びその成果の平和的利用を推進し、もって人類の福祉及び地球環境の保全に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉宇宙基本法第1条、環境基本法第1条、国際宇宙条約第4条。

第二条(基本原則)

〈引用:宇宙基本法第2条〉宇宙の開発及び利用は、平和目的に限り行われなければならない。

〈審査コメント〉「開発・利用」から「科学・観測・応用」に改め、研究・産業利用を含む包括原則へ。

〈修正案〉宇宙科学及び宇宙利用は、平和の目的に限り行われなければならない。

 宇宙に関する活動は、国際的な信頼及び協力のもとに行い、宇宙環境の保全並びに将来世代の利益に配慮して行われなければならない。

〈関連法令〉宇宙基本法第2条、国際宇宙条約第9条。

第三条(責務)

〈引用:宇宙基本法第4条〉国は、宇宙開発及び利用の推進を図る責務を有する。

〈審査コメント〉「安全保障利用」「産業政策」「科学研究」を三位一体で扱う必要。

〈修正案〉国は、宇宙に関する科学的研究、産業的利用及び安全保障上の利用の調和を図りつつ、その健全な発展に必要な施策を総合的に実施しなければならない。

 地方公共団体は、地域産業及び教育研究の振興に資するよう努めなければならない。

〈関連法令〉宇宙基本法第4条、科学技術・イノベーション基本法第4条。

第二章 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

第一条(目的)

〈引用:宇宙航空研究開発機構法第1条〉宇宙航空研究開発機構を設立する。

〈審査コメント〉現行法の「独法的性格」から「国家宇宙科学機関」へ格上げ。研究・安全保障・民間連携を包括。

〈修正案〉宇宙航空研究開発機構(以下「機構」という。)は、宇宙及び航空に関する研究開発及びその成果の利用を推進し、もって科学技術の発展、産業の振興及び国民生活の向上に資することを目的とする。

〈関連法令〉宇宙航空研究開発機構法第1条、国立研究開発法人通則法。

第二条(業務)

〈引用:同法第3条〉機構は、宇宙開発に関する業務を行う。

〈審査コメント〉宇宙観測・探査・打上げ・利用・教育を整理。

〈修正案〉機構は、次に掲げる業務を行うものとする。

一 人工衛星、ロケットその他宇宙機の開発及び運用

二 宇宙環境及び地球観測に関する科学的研究

三 宇宙資源及び天体探査のための研究開発

四 宇宙データの解析及び民間提供

五 宇宙教育及び国際協力の推進〈関連法令〉宇宙航空研究開発機構法第3条、第4条。

第三条(民間連携)

〈審査コメント〉SpaceX、Arianespace等の国際動向を踏まえ、打上げ事業のライセンス制を法定化。

〈修正案〉機構は、民間事業者及び大学との連携により、人工衛星の打上げ、輸送及び運用に関する業務を行うことができる。

 国は、打上げ事業を行おうとする者について、技術基準及び安全基準を定め、登録を行うものとする。

〈関連法令〉宇宙活動法第3条〜第7条、宇宙資源探査法第4条。

第四条(宇宙データの利用)

〈引用:リモートセンシング記録法第1条〉衛星リモートセンシングによる情報の適正な取扱いを図る。

〈修正案〉人工衛星により得られたリモートセンシングデータは、公共の利益のために活用されなければならない。

 国は、災害対策、環境監視、農林水産及び都市計画等に資するよう、当該データの提供体制を整備するものとする。

〈関連法令〉リモートセンシング記録法第2条、災害対策基本法第6条。

第三章 人工衛星打上げ・管理

第一条(打上げの許可)

〈引用:宇宙活動法第3条〉打上げの許可制度。

〈審査コメント〉現行法では経産大臣許可。統合法では内閣府の安全保障管理下に置く。

〈修正案〉人工衛星の打上げを行おうとする者は、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。

 許可は、安全性、環境保全及び国際義務遵守の観点から行うものとする。

〈関連法令〉宇宙活動法第3条、第4条、国際宇宙条約第6条。

第二条(登録及び責任)

〈修正案〉国は、打上げられた人工衛星について登録簿を作成し、国際機関に報告しなければならない。

 打上げ国は、宇宙物体によって生じた損害について、国際責任を負うものとする。

〈関連法令〉宇宙損害責任条約第2条、宇宙活動法第10条。

第四章 宇宙資源探査・利用

第一条(目的)

〈引用:宇宙資源探査法第1条〉民間事業者による宇宙資源探査を促進。

〈審査コメント〉「採取・利用」を「研究・利用」へ拡張し、科学技術法体系に統合。

〈修正案〉この章は、月その他の天体における資源の探査及び利用を促進し、宇宙科学の発展及び宇宙産業の健全な成長に寄与することを目的とする。

〈関連法令〉宇宙資源探査法第1条、国際宇宙条約第2条。

第二条(探査の許可)

〈修正案〉宇宙資源の探査又は採取を行おうとする者は、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。

 許可に当たっては、国際条約及び環境影響評価の結果を考慮しなければならない。

〈関連法令〉宇宙資源探査法第4条、環境影響評価法第3条。

第三条(研究及び共有)

〈修正案〉国は、宇宙資源に関する研究データを国際的に共有し、科学的知見の蓄積及び人類共通の利益に資するよう努めなければならない。

〈関連法令〉国際宇宙条約第1条、第9条。

第五章 海洋科学研究

第一条(目的)

〈引用:海洋基本法第1条〉この法律は、海洋の開発、利用及び保全の総合的推進を図ることを目的とする。

〈審査コメント〉統合法では「科学技術による海洋理解と利用」を主題とする。環境・資源・気候研究を含む。

〈修正案〉この章は、海洋に関する科学的研究及びその成果の利用を総合的に推進し、もって地球環境の保全及び海洋資源の持続的利用に資することを目的とする。

〈関連法令〉海洋基本法第1条、環境基本法第3条。

第二条(海洋研究開発機構)

〈引用:海洋研究開発機構法第1条〉海洋研究開発機構を設立する。

〈修正案〉海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、海洋及び地球科学に関する研究を行い、その成果を公共及び産業に提供することを目的とする。

 機構は、深海探査、気候変動観測、地震・津波予測その他の研究を実施するものとする。

〈関連法令〉海洋研究開発機構法第1条、第3条。

第三条(国際連携)

〈修正案〉国は、海洋及び気候に関する国際的な科学研究に積極的に参加し、国際的な観測網及びデータ共有体制を構築しなければならない。

〈関連法令〉海洋基本法第25条、国連海洋法条約第239条。

第六編〔ICT・情報科学研究〕

第一章 情報処理促進機構(IPA)

第一条(目的)

〈引用:情報処理の促進に関する法律第1条〉この法律は、情報処理の促進を図ることを目的とする。

〈審査コメント〉現行IPA法は「情報化推進」目的に留まるが、統合法では「情報科学の研究・安全性確保・人材育成」を含む広義の制度へ。

〈修正案〉この章は、情報科学及び情報通信技術に関する研究開発を推進し、もって産業の発展及び国民生活の利便性の向上を図るとともに、情報セキュリティの確保及び人材の育成を目的とする。

〈関連法令〉情報処理の促進に関する法律第1条、サイバーセキュリティ基本法第3条。

第二条(情報処理推進機構)

〈引用:同法第15条〉独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の設立を定める。

〈審査コメント〉IPAを「国家情報科学研究機構」として明確化。サイバーセキュリティセンター・AI評価基盤を統合。

〈修正案〉国は、情報科学及び情報処理技術の研究開発、標準化及び人材育成を推進するため、情報処理推進機構を設立するものとする。

 機構は、情報処理技術に関する研究開発、試験及び評価を行うとともに、情報セキュリティ及びAIに関する研究を推進する。

〈関連法令〉情報処理の促進に関する法律第15条、サイバーセキュリティ基本法第17条。

第三条(業務)

〈引用:同法第16条〉機構の業務を規定。

〈審査コメント〉AI・量子・情報基盤を含めた業務体系を明文化。

〈修正案〉情報処理推進機構は、次に掲げる業務を行うものとする。

一 情報処理及びAIに関する研究開発

二 情報システムの標準化及び認証

三 サイバーセキュリティに関する研究及び対応支援

四 情報科学人材の育成及び資格認定

五 量子計算・先端ICTに関する国際共同研究の推進〈関連法令〉情報処理の促進に関する法律第16条、量子技術イノベーション戦略。

第二章 ICT研究開発促進(特定公共通信システム法統合)

第一条(目的)

〈引用:特定公共通信システム法第1条〉公共通信システムの開発を促進することを目的とする。

〈審査コメント〉現行法は行政通信網限定。統合法では、公共・学術・防災通信の一体化を目的に拡張。

〈修正案〉この章は、公共及び学術の通信システムに関する研究開発を促進し、安全で信頼性の高い情報通信基盤の整備を図ることを目的とする。

〈関連法令〉特定公共通信システム法第1条、情報通信技術戦略本部設置法。

第二条(通信研究開発)

〈修正案〉国は、通信及び放送に係る技術の融合、衛星通信及び量子通信を含む先端的通信技術の研究開発を推進するものとする。

 研究成果は、公共サービス、防災及び教育分野における利活用を図るものとする。

〈関連法令〉電波法第100条、放送法第3条。

第三条(安全確保)

〈修正案〉国及び関係機関は、通信システムの安全性及び冗長性を確保し、災害、事故又はサイバー攻撃に備えるための体制を整備しなければならない。

〈関連法令〉サイバーセキュリティ基本法第4条、災害対策基本法第6条。

第三章 通信・放送融合技術開発

第一条(目的)

〈引用:通信・放送融合技術開発促進法第1条〉通信と放送の融合技術の開発を促進する。

〈審査コメント〉放送・通信・ネットワークを包括的に整理。AIによる自動編集・メディア生成などの社会応用も対象とする。

〈修正案〉この章は、通信及び放送の融合並びに次世代情報伝達技術の開発を促進し、もって情報流通の多様化及び文化的発展に資することを目的とする。

〈関連法令〉通信・放送融合技術開発促進法第1条、著作権法第30条の四。

第二条(技術開発及び支援)

〈修正案〉国は、放送及び通信におけるコンテンツ制作、配信及び保存技術の開発を支援する。

 民間事業者は、情報の信頼性及び多様性を確保しつつ、AIによる自動生成情報の取扱いに関し、適正を期さなければならない。

〈関連法令〉放送法第4条、AI倫理指針(内閣府令)。

第四章 AI研究開発・活用推進

第一条(目的)

〈引用:AI戦略推進法(仮称)〉人工知能の研究開発及び活用を推進する。

〈審査コメント〉AIは科学技術法体系の中核。研究・倫理・社会利用の三本柱で構成する。

〈修正案〉この章は、人工知能の研究開発及びその成果の適正な活用を推進し、もって社会、産業及び行政の革新に資することを目的とする。

〈関連法令〉AI戦略2025、科学技術・イノベーション基本法第9条。

第二条(研究開発)

〈修正案〉国は、人工知能の基礎理論、機械学習、自然言語処理、画像認識等に関する研究を推進しなければならない。

 研究機関及び企業は、相互に協力してAI技術の発展に寄与するよう努めなければならない。

〈関連法令〉情報処理の促進に関する法律第3条、大学共同利用機関法。

第三条(倫理及び安全)

〈修正案〉AIの研究開発及び利用は、人権、プライバシー及び公平性に配慮しなければならない。

 国は、AIの設計、学習及び運用に関する倫理指針を定めるものとする。

 AIに起因する事故又は損害に関しては、政令で定めるところにより責任の所在を明らかにする。

〈関連法令〉個人情報保護法第3条、消費者安全法第12条。

第四条(社会実装及び行政利用)

〈修正案〉国及び地方公共団体は、AIを行政事務、教育、医療、交通、エネルギーその他の分野において活用し、その効率性及び透明性を高めるよう努めなければならない。

 AIの行政利用に当たっては、説明可能性及び市民参加の確保に留意しなければならない。

〈関連法令〉デジタル社会形成基本法第25条、行政手続法第3条。

第五条(AI国際協力)

〈修正案〉国は、人工知能の研究及び倫理に関する国際的協調を推進し、OECD及び国連機関等と連携して国際基準の形成に努めるものとする。

〈関連法令〉OECD AI原則、G7広島AIプロセス合意文書。

第七編〔科学者・技術者制度〕

第一章 技術士制度

第一条(目的)

〈引用:技術士法第1条〉この法律は、技術士の資格を定め、その業務を明らかにすることを目的とする。

〈審査コメント〉現行法は土木・機械等の分野に偏重。統合法では、AI・宇宙・エネルギー等の新領域を含む「科学技術士」として再定義する。

〈修正案〉この章は、科学技術に関する高度の専門的応用能力を有する者の資格及び業務を定め、もって科学技術の適正な発展と公共の福祉に資することを目的とする。

〈関連法令〉技術士法第1条、職業能力開発促進法第6条。

第二条(定義)

〈引用:技術士法第2条〉「技術士」とは、科学技術に関する専門的応用能力を有する者をいう。

〈審査コメント〉定義に「倫理・説明責任・国際基準」を追加。

〈修正案〉この法律において「技術士」とは、科学技術に関する専門的知識及び応用能力を有し、その成果について公共の安全、環境及び人権の保護に配慮しつつ、独立して専門的判断を行う者をいう。

〈関連法令〉技術士法第2条、国際エンジニア資格(APEC Engineer Framework)。

第三条(登録)

〈引用:技術士法第3条〉技術士は、登録を受けなければならない。

〈修正案〉技術士となろうとする者は、国家試験に合格し、内閣府の登録を受けなければならない。

 登録は、専門分野ごとに行うものとする。

 登録情報は、国民が閲覧できる形で公表されなければならない。

〈関連法令〉技術士法第3条、第4条、個人情報保護法第76条。

第四条(業務の適正化)

〈引用:技術士法第44条〉技術士は、信用を傷つける行為をしてはならない。

〈修正案〉技術士は、誠実にして公正な態度を保持し、依頼者及び社会に対して説明責任を負う。

 技術士は、専門業務において安全性、環境保全及び人権尊重に配慮しなければならない。

 違反があった場合は、資格の停止又は取消を行う。

〈関連法令〉技術士法第44条、第45条、行政手続法第13条。

第五条(継続教育)

〈審査コメント〉現行法に明文化なし。統合法で新設。

〈修正案〉技術士は、その専門能力を維持するため、継続的な学習及び訓練を行わなければならない。

 国は、継続教育の機会を確保するため、オンライン研修及び共同研究制度を整備するものとする。

〈関連法令〉職業能力開発促進法第7条、科学技術・イノベーション基本法第8条。

第二章 研究組合制度(技術研究組合法統合)

第一条(目的)

〈引用:技術研究組合法第1条〉この法律は、技術研究組合の設立を促進することを目的とする。

〈審査コメント〉共同研究の法的基盤を強化し、AI・バイオ・エネルギー等の分野に適用拡大。

〈修正案〉この章は、複数の企業、大学及び研究機関が共同して研究開発を行うための技術研究組合の制度を定め、産学連携による研究の推進を図ることを目的とする。

〈関連法令〉技術研究組合法第1条、産業競争力強化法第27条。

第二条(組合の設立)

〈引用:同法第3条〉二以上の事業者が組合を設立することができる。

〈修正案〉二以上の法人又は大学、研究機関は、共同して技術研究組合を設立することができる。

 設立は、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

 組合は、法人格を有し、研究開発、知的財産管理及び成果の事業化を行うことができる。

〈関連法令〉技術研究組合法第3条〜第6条。

第三条(成果の共有)

〈修正案〉組合の構成員は、研究成果の帰属及び利用について、契約により定めなければならない。

 成果の共有が公益性を有する場合、国は当該研究成果の公表を推奨する。

〈関連法令〉産業技術力強化法第16条、特許法第73条。

第三章 研究倫理及び生命倫理

第一条(目的)

〈引用:ヒトクローン技術規制法第1条〉この法律は、クローン技術に関する倫理的課題に対処するため必要な事項を定めることを目的とする。

〈審査コメント〉倫理領域を「生命・情報・社会」まで拡張。保健医療法との接続を前提に、科学技術倫理の一般法規定を置く。

〈修正案〉この章は、科学技術の研究及び利用に伴う倫理的課題に対処し、生命の尊厳及び人間の権利を尊重しつつ、研究の自由と社会的責任の調和を図ることを目的とする。

〈関連法令〉ヒトクローン技術規制法第1条、生命倫理指針、個人情報保護法第3条。

第二条(研究倫理の基本原則)

〈修正案〉科学技術に関する研究者は、次の各号に掲げる原則を遵守しなければならない。

一 誠実性(研究成果を偽造・改ざん・盗用しないこと)

二 透明性(研究過程及び資金の開示)

三 説明責任(社会及び関係者に対する責任の明示)

四 独立性(外部圧力からの自由)

〈関連法令〉研究活動における不正行為防止指針(文部科学省告示)、行政機関個人情報保護法。

第三条(生命倫理)

〈修正案〉生命科学に関する研究は、人間の尊厳を尊重し、生命の創造又は改変に関して慎重でなければならない。

 人体に関する実験、遺伝子改変及び再生医療に係る研究は、倫理審査委員会の承認を受けて行わなければならない。

 国は、倫理審査及び安全性確保に関する基準を定めるものとする。

〈関連法令〉再生医療等安全性確保法第3条、ヒトクローン技術規制法第4条。

第四条(情報倫理)

〈審査コメント〉AI、バイオ、データ科学を横断する「情報倫理」の条項を新設。

〈修正案〉研究者及び機関は、個人情報、遺伝情報及びAI学習データを取り扱うに当たり、当該情報の取得、利用及び共有について法令及び倫理基準を遵守しなければならない。

 国は、情報倫理及びデータガバナンスに関する教育及び国際協力を推進する。

〈関連法令〉個人情報保護法第16条、AI倫理原則(G7広島プロセス)。

第五条(研究不正の防止)

〈修正案〉国は、研究活動における不正行為を防止するため、通報制度及び監査制度を整備しなければならない。

 研究機関は、不正行為が確認された場合、その結果を公表し、是正措置を講じなければならない。

〈関連法令〉研究活動における不正行為防止指針、公益通報者保護法第3条。

第四章 科学者の社会的責務

第一条(公共的使命)

〈審査コメント〉研究者の「社会契約」的地位を明文化。日本学術会議法の趣旨を継承。

〈修正案〉科学者は、科学の発展を通じて社会の持続的発展及び人類の福祉に寄与する責務を有する。

 科学者は、その成果を公正かつ平易に国民に説明し、科学的知見の共有に努めなければならない。

〈関連法令〉日本学術会議法第2条、科学技術・イノベーション基本法第3条。

第二条(社会との対話)

〈修正案〉国及び地方公共団体は、科学者と市民が相互に理解を深めるための科学コミュニケーションの機会を提供しなければならない。

 科学館、大学及びメディアは、科学的知識の普及及び誤情報の是正に努めるものとする。

〈関連法令〉科学技術週間規程(内閣府告示)、教育基本法第13条。

第三条(国際倫理基準との整合)

〈修正案〉国は、科学者及び技術者に関する国際的倫理基準の形成及び調和に努め、ユネスコ「科学者の責任に関する勧告」その他の国際文書に適合するよう施策を講じなければならない。

〈関連法令〉

第八編〔医療・ライフサイエンス研究〕

第一章 医療機器研究開発促進

第一条(目的)

〈引用:医療機器開発促進法第1条(旧法)〉医療機器の研究開発を促進するための施策を定める。

〈審査コメント〉現行法は製造業支援中心であり、統合法では「研究段階から臨床応用までの一貫推進」を理念化。医工連携・デジタル医療・AI診断を包含。

〈修正案〉この章は、医療機器及び医療技術に関する研究開発を総合的に推進し、もって国民の健康及び医療の質の向上に資することを目的とする。

〈関連法令〉医療機器開発促進法第1条、医薬品医療機器等法第1条。

第二条(国の責務)

〈修正案〉国は、医療機器及び関連技術の研究開発について、大学、研究機関及び企業の連携を促進しなければならない。

 国は、研究成果の標準化及び国際承認取得のための支援体制を整備するものとする。

〈関連法令〉医療機器法第2条、産業競争力強化法第8条。

第三条(安全性及び倫理の確保)

〈修正案〉医療機器に係る研究開発は、安全性及び有効性の確保並びに倫理的配慮をもって行われなければならない。

 臨床試験に該当する研究は、被験者の同意及び倫理審査委員会の承認を要する。

〈関連法令〉臨床研究法第4条、再生医療等安全性確保法第5条。

第二章 高度専門医療研究(国研連携)

第一条(目的)

〈引用:高度専門医療研究センター法第1条〉高度な医療研究の推進を目的とする。

〈審査コメント〉現行制度(国立がんセンター・循環器センター等)を「国家医療研究機構群」として統合法体系に明示。研究・臨床・教育の三位一体運営を基本とする。

〈修正案〉この章は、特定の疾病又は医療技術分野に関し、高度専門的な研究及び臨床応用を推進するための研究機関の設立及び運営に関する基本事項を定める。

〈関連法令〉高度専門医療研究センター法第1条、保健医療法第二編第4章。

第二条(研究機構)

〈修正案〉国は、がん、循環器、感染症、精神・神経、再生医療その他の分野において、高度専門医療研究機構を設立することができる。

 当該機構は、臨床研究、基礎研究及び教育を一体的に実施する。

 機構は、国立研究開発法人、大学及び病院と連携しなければならない。

〈関連法令〉国立がん研究センター法、国立循環器病研究センター法。

第三条(成果の普及)

〈修正案〉高度専門医療研究機構は、その研究成果を国内外に公表し、医療提供体制の改善及び医療人材育成に資するよう努めなければならない。

〈関連法令〉健康増進法第8条、医療法第30条の五。

第三章 医療分野の研究開発推進(統合法中核)

第一条(目的)

〈引用:医療分野の研究開発推進法第1条〉医療分野の研究開発を総合的に推進する。

〈審査コメント〉統合法では、基礎研究―臨床研究―実用化までの連携と、国民参加・倫理審査・透明性の確保を法目的に追加。

〈修正案〉この章は、医療分野の研究開発を総合的かつ計画的に推進し、基礎から臨床及び実用化に至る連携を確保するとともに、倫理性及び透明性の高い医療の発展を図ることを目的とする。

〈関連法令〉医療分野の研究開発推進法第1条、科学技術・イノベーション基本法第9条。

第二条(研究開発計画)

〈修正案〉政府は、医療分野に関する研究開発推進計画を定めなければならない。

 当該計画は、基礎研究、臨床研究、再生医療、AI医療及びデジタルヘルスの各分野を包含するものとし、概ね五年を一期とする。

〈関連法令〉医療分野の研究開発推進法第4条、科学技術基本計画。

第三条(研究資金及び助成)

〈修正案〉国は、医療分野の研究開発に対し、研究資金の配分、設備整備及び人材育成に関する助成を行うものとする。

 助成の基準及び手続は、透明性及び倫理性を確保するものでなければならない。

〈関連法令〉科学技術振興機構法第4条、補助金適正化法第3条。

第四条(患者・国民参加)

〈修正案〉国は、医療研究に関する計画の策定及び実施に当たり、患者、家族及び国民の意見を聴取するよう努めなければならない。

 研究機関は、被験者等の安全と尊厳を尊重し、説明及び同意の原則を遵守しなければならない。

〈関連法令〉臨床研究法第5条、患者の権利に関するリスボン宣言。

第五条(データ・バンク及びAI活用)

〈審査コメント〉医療DX(デジタル・トランスフォーメーション)への対応として新設。個人情報と公共データ利用のバランスを取る。

〈修正案〉国は、医療情報、ゲノム情報及び臨床研究データの収集、管理及び活用を推進するため、全国的医療データバンクを整備するものとする。

 当該データは、匿名化その他個人の権利を保護する措置を講じた上で、AIによる解析及び政策立案に活用することができる。

〈関連法令〉医療情報保護指針、個人情報保護法第16条、デジタル社会形成基本法第28条。

第六条(国際協力)

〈修正案〉国は、医療及びライフサイエンス分野における国際的共同研究及び人材交流を推進し、研究成果を共有しなければならない。

 感染症その他の地球規模課題に関する研究については、国際機関との協力の下に行うものとする。

〈関連法令〉国際医療研究センター法、WHO憲章第2条。

第四章 再生医療及び遺伝子研究

第一条(目的)

〈引用:再生医療等安全性確保法第1条〉再生医療等の安全性を確保することを目的とする。

〈審査コメント〉生命倫理条項と整合。研究・臨床・規制・商業化を統合的に扱う。

〈修正案〉この章は、再生医療及び遺伝子関連技術に関する研究開発を推進し、その安全性及び倫理性を確保し、もって国民の健康の保持及び医療の進歩に資することを目的とする。

〈関連法令〉再生医療等安全性確保法第1条、遺伝子治療指針。

第二条(審査及び承認)

〈修正案〉再生医療及び遺伝子研究を実施する者は、倫理審査委員会の承認を受けなければならない。

 国は、再生医療等の研究に関し、安全性及び品質の基準を定めるものとする。

〈関連法令〉再生医療等安全性確保法第5条、医薬品医療機器等法第23条の二。

第三条(商業化及び成果利用)

〈修正案〉国は、再生医療技術の産業化及び国際的展開を支援するものとする。

 研究機関及び企業は、研究成果を公益目的に供するよう努めなければならない。

〈関連法令〉産業競争力強化法第27条、特許法第73条。

附則〔施行・承継・経過措置〕

第一条(施行期日)

〈修正案〉この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 各編に係る施行期日は、研究機関の改組又は予算措置の状況に応じ、政令で分けて定めることができる。

〈審査コメント〉組織法改正を伴うため段階施行が妥当。JST・JAXA・IPA等の機構改組に合わせて一年内の漸次施行とする。

第二条(施行準備)

〈修正案〉政府は、この法律の施行に必要な政令及び省令を、施行日前に制定することができる。

 施行準備のために必要な事務を行うため、内閣府に「科学技術統合法準備室」を置く。

〈関連法令〉国家行政組織法第8条、行政手続法第3条。

第三条(関係法令の整備)

〈修正案〉政府は、この法律の施行に伴い、他の法令中における「科学技術基本法」、「科学技術振興機構法」その他これに類する文言を「科学技術法」に改めるものとする。

 前項の改正は、別に制定する「科学技術法施行法」において一括して行う。

〈関連法令〉法令用語改正一括法(平成11年)、行政機関等名称統一基準。

第四条(廃止法令)

〈修正案〉次に掲げる法律は、この法律の施行の日をもって廃止する。

一 科学技術・イノベーション基本法

二 科学技術振興機構法

三 日本学術振興会法

四 情報処理の促進に関する法律

五 特定公共通信システムの開発に関する法律

六 通信・放送融合技術開発促進法

七 宇宙基本法

八 宇宙航空研究開発機構法

九 海洋研究開発機構法

十 技術研究組合法

十一 医療分野の研究開発推進法

十二 医療機器研究開発促進法

十三 その他本法により統合される法律〈審査コメント〉「廃止法」ではなく「吸収・承継」方式を採用する。施行法別表で旧法新法条項対応を整理予定。

第五条(機関の承継)

〈修正案〉この法律の施行の際、次に掲げる法人は、それぞれ本法に基づく研究機関として存続するものとみなす。

一 独立行政法人科学技術振興機構(JST)

二 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

三 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)

四 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

五 日本学術振興会(JSPS)

 前項に掲げる機関の権利義務は、施行日において当然に本法に基づく機関に承継されるものとする。

〈関連法令〉国立研究開発法人通則法第3条、国家公務員法附則第6条。

第六条(経過措置)

〈修正案〉この法律の施行前に旧法の規定によりなされた許可、認可、登録その他の処分は、本法の相当規定によりなされたものとみなす。

 本法の施行の際現に進行中の研究助成、契約又は補助金の交付手続については、当該年度に限り従前の例によることができる。

 倫理審査委員会及び研究不正対応制度は、改組前後の機関を通じて引き継がれるものとする。

〈関連法令〉行政手続法第32条、補助金適正化法附則第2条。

第七条(政令委任)

〈修正案〉この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

〈審査コメント〉研究機関の細則、人事・給与、倫理審査・データ公開基準などを政令・省令委任。

〈関連法令〉国家行政組織法第11条、内閣法第11条。

第八条(報告及び検討)

〈修正案〉政府は、この法律の施行後五年を経過した後、科学技術及び研究制度の実施状況について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講じなければならない。

 前項の報告は、国会に提出し、国民に公表するものとする。

〈関連法令〉行政機関評価法第12条、科学技術基本計画関連規定。

第九条(国際条約との整合)

〈修正案〉この法律の施行により、国際宇宙条約、国連海洋法条約その他科学技術に関する国際条約の実施に支障が生じないよう、関係機関はその整合を確保しなければならない。

〈関連法令〉条約法第26条(誠実履行原則)、国際協定履行法制標準指針。