第二編 観光振興〔観光立国推進基本法/旅行業法/旅館業法/住宅宿泊事業法/通訳案内士法/IR整備法〕
第十一条(観光推進計画の策定)
〈引用:観光立国推進基本法第10条〉政府は、観光の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、観光立国推進基本計画を定めなければならない。
〈審査コメント〉本統合法では「文化芸術スポーツ推進基本計画」に包括されるが、観光分野について独立章を設けて実施可能とする。
〈修正案〉政府は、文化芸術スポーツ推進基本計画において、観光の振興に関する施策の基本的方向及び目標を定めるほか、特に必要があるときは、観光推進計画を別に策定することができる。
2 観光推進計画には、地域観光振興、国際観光の推進、宿泊・旅行産業の健全な発展及び観光資源の保全に関する事項を含めるものとする。
〈関連法令〉観光立国推進基本法第10条・第11条、国土形成計画法第9条。
第十二条(旅行業)
〈引用:旅行業法第1条〉この法律は、旅行業及び旅行業者代理業の適正な運営を確保し、旅行者の利益の保護を図ることを目的とする。
〈審査コメント〉現行法では消費者保護が中心であるが、統合法では「安全・信頼・国際標準」の三原則を明示し、デジタル化・サステナブル観光に対応する。
〈修正案〉旅行業及び旅行業者代理業は、旅行者の安全及び利益を保護し、誠実かつ公正に業務を行い、観光資源の持続的利用と地域経済の健全な発展に資するものでなければならない。
2 政府は、旅行業に関し、登録、保証金制度及び苦情処理等に関する制度を整備し、デジタル化、環境配慮及び国際的信頼性の確保に努めなければならない。
〈関連法令〉旅行業法第1条、第3条、第22条。
第十三条(通訳案内士)
〈引用:通訳案内士法第1条〉この法律は、通訳案内士の業務の適正な運営を確保し、旅行者の利便の増進を図ることを目的とする。
〈審査コメント〉通訳案内士制度は単なる語学資格ではなく、文化交流促進者としての法的位置付けを明確化する必要がある。
〈修正案〉通訳案内士は、外国人その他の旅行者に対し、我が国の文化、歴史、芸術、自然及び生活様式を正確かつ敬意をもって紹介する責務を負う。
2 政府は、通訳案内士の資質向上及び多言語対応の充実を図り、国際文化交流の担い手としてその地位の確立に努めなければならない。
〈関連法令〉通訳案内士法第1条、第2条、第4条。
第十四条(宿泊及び観光施設)
〈引用:旅館業法第1条〉この法律は、旅館業について、衛生の確保その他必要な事項を定め、公衆衛生の向上及び増進に資することを目的とする。
〈引用:住宅宿泊事業法第1条〉この法律は、住宅を活用した宿泊事業の適正な運営を確保し、観光の振興及び宿泊需要への的確な対応を図ることを目的とする。
〈審査コメント〉旅館業・ホテル業・民泊を一体的に「宿泊業」と定義し、保健・防災・環境・観光品質の4基準で整理する。
〈修正案〉宿泊業とは、旅館、ホテルその他人を宿泊させる施設を設け、これを営む事業をいう。
2 宿泊業者は、衛生の確保、防火・防災の措置及び周辺環境との調和を図るとともに、宿泊者に対して適正なサービスを提供しなければならない。
3 政府は、宿泊業に関し、営業許可、施設基準及び安全管理に関する基準を定め、観光の健全な発展を図るものとする。
4 住宅を活用する宿泊事業については、政令で定める基準に従い、地域の安全及び生活環境に支障を生じないよう適正に運営されなければならない。
〈関連法令〉旅館業法、住宅宿泊事業法、消防法、建築基準法。
第十五条(観光資源の保全及び活用)
〈引用:観光立国推進基本法第4条〉観光の振興は、我が国の優れた文化及び美しい自然を活かし行われなければならない。
〈審査コメント〉文化財保護法や自然公園法との重複を整理し、「観光による保全」原則を明文化。
〈修正案〉観光の振興は、我が国の自然、歴史、文化、伝統芸能及び生活文化を尊重し、その価値の保全及び継承と両立して行われなければならない。
2 国及び地方公共団体は、観光資源の過剰利用を防止し、環境への負荷を低減するための措置を講じなければならない。
〈関連法令〉文化財保護法第4条、自然公園法第3条。
第十六条(地域観光と文化観光)
〈引用:文化観光拠点施設整備法第3条〉地方公共団体は、地域の文化資源を活用し、文化観光拠点施設を整備するよう努めるものとする。
〈審査コメント〉「地域観光」と「文化観光」を統合し、地域の魅力創出と文化経済圏形成を目標化。
〈修正案〉地方公共団体は、地域の歴史的建造物、伝統工芸、芸術祭その他の文化資源を活用し、文化観光の拠点となる施設及び事業を整備するよう努めなければならない。
2 政府は、地域観光の推進に関し、交通、商業、農林水産業、教育等の施策と連携を図り、地域の文化経済圏の形成を支援するものとする。
〈関連法令〉文化観光拠点施設整備法、地域再生法。
第十七条(広域観光圏及びMICEの推進)
〈引用:観光圏整備法第3条〉国は、観光圏の整備を推進しなければならない。
〈引用:MICE推進法(仮称・関連指針)〉国は、国際会議、展示会等の開催を支援し、地域経済の国際競争力を強化するよう努める。
〈修正案〉国及び地方公共団体は、地域を越えた観光圏の整備を推進し、交通、宿泊、商業、文化施設等の連携を図らなければならない。
2 政府は、国際会議、展示会、見本市その他のMICEを通じて、我が国の文化及び産業の発信並びに国際的信頼の向上を図るものとする。
〈関連法令〉観光圏整備法、観光立国推進基本法第13条。
第十八条(統合型リゾート(IR))
〈引用:IR整備法第1条〉この法律は、特定複合観光施設区域の整備を推進することにより、観光の振興及び地域経済の発展に寄与することを目的とする。
〈審査コメント〉IR(Integrated Resort)は「観光・文化・国際会議・娯楽・宿泊」を包括する制度。統合法では「公正性」「文化性」「地域還元」を三原則とする。
〈修正案〉国は、観光、文化、国際会議、宿泊及び健全な娯楽を総合的に提供する特定複合観光施設区域(統合型リゾート)の整備を推進し、もって観光立国の実現及び地域経済の発展に寄与するものとする。
2 統合型リゾートの運営は、公正な管理、依存防止対策及び地域社会への適正な利益還元を確保しなければならない。
3 政府は、前項の目的を達するため、事業者の認定、監督及び倫理基準の整備に関する措置を講じるものとする。
〈関連法令〉IR整備法第1条、第2条、第7条、刑法第185条(賭博罪特例)。
第十九条(訪日外国人の受入促進)
〈引用:訪日外国人来訪促進法(通称インバウンド法)第2条〉政府は、訪日外国人の来訪を促進するため、国際的な広報、交通の利便性の向上及び受入環境の整備を図らなければならない。
〈修正案〉政府は、訪日外国人の来訪を促進するため、ビザ手続の円滑化、観光情報の多言語提供、交通及び通信環境の整備並びに国際的な広報活動を行うものとする。
2 地方公共団体は、外国人旅行者が地域の文化、自然及び生活に触れる機会を提供し、地域住民との共生及び交流を促進するよう努めなければならない。
第二十条(観光統計及び評価)
〈修正案〉政府は、観光に関する統計及びデータを整備し、観光施策の効果を定期的に評価し、その結果を公表しなければならない。
2 観光施策の評価に当たっては、環境負荷、地域経済波及効果、国際交流への寄与等を総合的に勘案するものとする。
第三編 文化芸術及び文化財〔文化財保護法・博物館法・日本芸術文化振興会法 等 統合〕
第二十一条(文化財の定義及び範囲)
〈引用:文化財保護法第2条〉この法律において「文化財」とは、有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、伝統的建造物群、文化的景観その他の文化的所産であって、歴史上又は芸術上価値の高いものをいう。
〈審査コメント〉現行法の分類を維持しつつ、デジタル文化財・文化的景観・近代産業遺産等を包括。
〈修正案〉この法律において「文化財」とは、有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、伝統的建造物群、文化的景観、近代化遺産、デジタル記録等その他の文化的所産であって、歴史上、芸術上、学術上又は技術上価値の高いものをいう。
2 文化財のうち、重要なものを「重要文化財」、世界的価値を有するものを「世界文化遺産」とし、その保存及び活用については政令で定める。
〈関連法令〉文化財保護法第2条、第27条、ユネスコ世界遺産条約。
第二十二条(文化財の保存及び活用)
〈引用:文化財保護法第4条〉文化財は、これを国民の共有の財産として尊重し、保存と活用の調和を図りつつ、次代に継承することを旨とする。
〈審査コメント〉現行法は「保存」重視であるが、統合法では「保存・活用・発信」の三本柱とする。
〈修正案〉文化財は、国民の共有の財産として尊重され、その保存、活用及び国際的発信が調和をもって行われなければならない。
2 国及び地方公共団体は、文化財の保全計画及び活用計画を策定し、その実施に必要な財政上、技術上及び人材育成上の措置を講じなければならない。
〈関連法令〉文化財保護法第4条、第125条、地方自治法第2条第14項。
第二十三条(博物館及び美術館)
〈引用:博物館法第2条〉博物館とは、資料を収集し、保管し、展示し、及び調査研究し、教育及び普及に資することを目的とする施設をいう。
〈審査コメント〉博物館・美術館・科学館を「文化施設」として一括し、デジタル展示・アーカイブを法的に位置づける。
〈修正案〉博物館、美術館、科学館その他の文化施設は、文化財及び芸術作品の収集、保存、研究、展示及び教育普及を行い、国民の知的及び文化的生活の向上に資することを目的とする。
2 国及び地方公共団体は、文化施設の整備及びネットワーク化を推進し、デジタルアーカイブの構築及び国際的共有を図らなければならない。
〈関連法令〉博物館法第2条、第3条、国立科学博物館法、国立美術館法、独立行政法人国立文化財機構法。
第二十四条(劇場・音楽堂等)
〈引用:劇場、音楽堂等の活性化に関する法律第2条〉劇場、音楽堂等とは、演劇、音楽、舞踊その他の舞台芸術を上演するための施設をいう。
〈審査コメント〉統合法では、劇場・音楽堂を「文化実演施設」と位置づけ、芸術創造・観光との連動を明示。
〈修正案〉劇場、音楽堂、映画館その他の文化実演施設は、芸術文化の創造及び発表の場として整備され、広く国民に開かれたものでなければならない。
2 国及び地方公共団体は、文化実演施設の整備及び運営に関し、芸術団体、民間事業者等との協働を促進するものとする。
〈関連法令〉劇場音楽堂活性化法第2条、第3条。
第二十五条(芸術文化振興会)
〈引用:日本芸術文化振興会法第1条〉この法律は、独立行政法人日本芸術文化振興会を設立し、芸術文化の振興を図ることを目的とする。
〈審査コメント〉芸術文化振興会、スポーツ振興センター、観光機構等を「文化芸術スポーツ推進機構」として統合運営可能に。
〈修正案〉国は、芸術文化の創造及び普及を支援するため、文化芸術スポーツ推進機構を設け、次の業務を行わせるものとする。
一 芸術文化活動及び公演、展示等への助成
二 国際文化交流及び芸術祭の開催支援
三 芸術文化に関する調査、研究及び人材育成
四 スポーツ及び観光と連携した文化事業の推進〈関連法令〉日本芸術文化振興会法、独立行政法人通則法。
第二十六条(文化功労者及び顕彰)
〈引用:文化功労者年金法第1条〉文化功労者の業績を顕彰し、年金を支給することにより、文化の向上発展に資することを目的とする。
〈修正案〉国は、学術、芸術その他文化の向上発展に特に功績のあった者を文化功労者として顕彰し、その名誉を称え、必要に応じて年金その他の顕彰措置を講ずるものとする。
2 文化功労者の選定及び顕彰に関する基準は、文化芸術審議会の意見を聴いて定める。
〈関連法令〉文化功労者年金法、国民栄誉賞に関する内閣告示。
第二十七条(宗教文化施設)
〈引用:宗教法人法第2条〉宗教法人は、宗教の教義を広め、儀式行事を行い、その他宗教の目的を達成するための事業を行う。
〈審査コメント〉文化政策の範囲に宗教文化財・寺社建築を含めるため、宗教法人法の目的外援助との境界を明示。
〈修正案〉国及び地方公共団体は、宗教的意義を有する建造物、儀式、芸術品その他の宗教文化財について、宗教活動に直接関与することなく、その文化的価値の保存及び修理に関し必要な支援を行うことができる。
2 前項の措置は、憲法第89条に反しない範囲で行われなければならない。
〈関連法令〉宗教法人法、文化財保護法、憲法第20条、第89条。
第二十八条(国際文化交流及びユネスコ協力)
〈引用:ユネスコ活動に関する法律第1条〉我が国のユネスコ活動を推進するため、国際文化交流を促進することを目的とする。
〈修正案〉国は、ユネスコその他の国際機関との協力を通じ、文化遺産の保護、芸術及び学術交流の促進、並びに世界平和と相互理解の増進に努めなければならない。
2 政府は、国際文化交流基金その他の関係機関と連携し、文化外交の推進に必要な措置を講ずるものとする。
〈関連法令〉ユネスコ法、国際文化交流基金法、文化交流拠点法。
第二十九条(文字・活字・古典・障害者文化活動)
〈引用:文字・活字文化振興法第1条〉文字及び活字文化の振興を図ることにより、豊かな言語環境を形成することを目的とする。
〈引用:古典の日に関する法律第1条〉国民が古典に親しむ機会を得ることを目的とする。
〈引用:障害者による文化芸術活動の推進に関する法律第1条〉障害者による文化芸術活動の推進を図ることを目的とする。
〈修正案〉国は、文字及び活字文化の振興、古典の普及及び障害者による文化芸術活動の推進を図り、文化の多様性及び包摂性の確保に努めなければならない。
2 地方公共団体は、図書館、文学館、資料館等の活用を通じ、すべての人が文化芸術を享受し表現できる環境を整備するものとする。
〈関連法令〉文字・活字文化振興法、古典の日法、障害者芸術活動推進法。
第四編 スポーツ振興〔スポーツ基本法・ドーピング防止法・五輪特措法 等 統合〕
第三十条(スポーツの意義)
〈引用:スポーツ基本法第2条〉スポーツは、人間の尊厳の保持及び心身の健全な発達に資するものであり、すべての人が生涯にわたってスポーツに親しむことができる社会を実現することを基本理念とする。
〈審査コメント〉現行法の理念を存置しつつ、「文化・教育・国際理解」の統合的価値を明文化。
〈修正案〉スポーツは、心身の健全な発達を促進し、他者との連帯及び公正な競争を通じて人格の完成に寄与するものであり、文化芸術及び教育と並ぶ人間形成の基盤をなす。
2 国及び地方公共団体は、すべての人が生涯にわたりスポーツに親しむことができる社会の実現を図らなければならない。
〈関連法令〉スポーツ基本法第2条・第3条、教育基本法第3条。
第三十一条(国の責務)
〈引用:スポーツ基本法第9条〉国は、スポーツの振興に関し、総合的かつ計画的な施策を策定し及び実施する責務を有する。
〈修正案〉国は、スポーツの振興に関し、総合的かつ計画的な施策を策定し、文化、教育、健康、地域社会及び経済振興の各分野と連携して実施しなければならない。
2 政府は、スポーツ政策の総合推進機関として内閣にスポーツ庁を置き、関係行政機関相互の連絡調整を行うものとする。
〈関連法令〉スポーツ基本法第9条、文部科学省設置法第28条。
第三十二条(地方公共団体の責務)
〈引用:スポーツ基本法第10条〉地方公共団体は、その地域におけるスポーツの振興に関する施策を総合的かつ計画的に策定し及び実施する責務を有する。
〈修正案〉地方公共団体は、地域の実情に応じ、学校体育、地域クラブ活動、高齢者・障害者のスポーツ機会の確保その他スポーツ振興に関する施策を総合的に推進しなければならない。
第三十三条(スポーツ団体及び関係者の役割)
〈引用:スポーツ基本法第11条〉スポーツ団体は、自主的かつ自立的にその活動を行うとともに、スポーツの健全な発展に努めなければならない。
〈修正案〉スポーツ団体は、自主性及び透明性を保持し、スポーツの倫理及び公正の確保に努めなければならない。
2 スポーツ指導者及び競技者は、フェアプレーの精神を重んじ、他者の尊厳を尊重し、社会の模範となるよう努めなければならない。
3 政府は、スポーツ団体のガバナンス確立及びコンプライアンスの向上を支援するものとする。
〈関連法令〉スポーツ基本法第11条・第14条、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律。
第三十四条(スポーツ施設の整備)
〈引用:スポーツ基本法第12条〉国及び地方公共団体は、スポーツの振興に必要な施設の整備に努めるものとする。
〈修正案〉国及び地方公共団体は、学校、地域及び職場におけるスポーツ施設の整備を計画的に行い、障害者、高齢者その他多様な利用者の安全及び利便性に配慮しなければならない。
2 スポーツ施設は、災害時において避難所その他の公共施設として活用できるよう整備されるものとする。
〈関連法令〉スポーツ基本法第12条、防災基本法第49条。
第三十五条(学校体育及び生涯スポーツ)
〈引用:スポーツ基本法第13条〉国及び地方公共団体は、生涯にわたるスポーツ活動の推進を図るよう努めるものとする。
〈修正案〉国及び地方公共団体は、学校教育における体育及び健康教育の充実を図るとともに、生涯にわたるスポーツ活動を促進しなければならない。
2 大学、企業、地域団体等は、スポーツ施設の共同利用及び地域開放を進め、世代を超えたスポーツ参加の機会を確保するよう努めるものとする。
〈関連法令〉教育基本法第5条、学校教育法第21条。
第三十六条(スポーツ振興投票)
〈引用:スポーツ振興投票の実施等に関する法律第1条(toto法)〉この法律は、スポーツ振興投票の実施に関し、必要な事項を定め、もってスポーツの振興を図ることを目的とする。
〈審査コメント〉toto収益は文化・スポーツ財源に統合されるため、財政法との連携注記が必要。
〈修正案〉国は、スポーツの振興に要する経費に充てるため、スポーツ振興投票を実施することができる。
2 スポーツ振興投票の収益金は、スポーツ施設整備、競技団体支援、青少年育成及び文化芸術との連携事業に充てるものとし、財政会計法の定めるところにより管理される。
3 投票事業の運営及び公正の確保については、独立行政法人日本スポーツ振興センターが行うものとする。
〈関連法令〉スポーツ振興投票法第1条、第4条、財政会計法第18条。
第三十七条(ドーピング防止)
〈引用:ドーピング防止活動の推進に関する法律第3条〉国は、ドーピング防止活動を推進し、競技の公正を確保しなければならない。
〈修正案〉競技者は、ドーピングその他不正行為を行ってはならない。
2 国及び地方公共団体は、ドーピング防止に関する国際的基準に基づき、教育、検査及び処分制度を整備しなければならない。
3 スポーツ団体は、世界アンチ・ドーピング規程に適合する規程を定め、競技者の権利を保護しつつ厳正に運用するものとする。
〈関連法令〉ドーピング防止法、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)規程。
第三十八条(国際競技大会等の開催)
〈引用:東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法第1条〉この法律は、競技大会の円滑な準備及び運営を確保するため必要な特別措置を定める。
〈審査コメント〉五輪・W杯・万博等の特措法群を恒久条文化。国際大会の「公共責任・透明性・持続性」を三原則とする。
〈修正案〉国及び地方公共団体は、オリンピック・パラリンピック、ワールドカップその他国際的競技大会の開催に当たり、公共の責任の下に公正かつ持続可能な運営を確保しなければならない。
2 政府は、国際競技大会の開催に際して、交通、警備、環境、文化及び医療の各分野における関係行政機関の連携を図り、必要な特別措置を講ずるものとする。
3 大会後における施設及び財政の適正な管理についても、国及び地方公共団体が責任を負う。
〈関連法令〉東京2020特措法、FIFAワールドカップ特措法、万博特措法(第七編参照)。
第三十九条(障害者スポーツ及び共生社会)
〈引用:障害者基本法第14条〉国及び地方公共団体は、障害者がスポーツを楽しむ機会を確保しなければならない。
〈修正案〉国及び地方公共団体は、障害者がスポーツを通じて自立及び社会参加を促進できるよう、施設の整備、指導者の育成及び情報の提供を行わなければならない。
2 学校及び地域社会は、インクルーシブなスポーツ活動を推進し、共生社会の実現に資するものとする。
〈関連法令〉障害者基本法第14条、スポーツ基本法第17条。
第四十条(スポーツの国際協力)
〈引用:スポーツ基本法第18条〉国は、スポーツに関する国際的な交流及び協力を促進しなければならない。
〈修正案〉国は、国際的なスポーツ交流及び協力を促進し、スポーツを通じた平和及び友好の増進を図らなければならない。
2 政府は、開発途上国に対するスポーツ技術協力及び人材交流を推進し、国際機関と連携して世界的なスポーツ発展に貢献するものとする。
〈関連法令〉スポーツ基本法第18条、国際協力機構法(JICA)。
第四十一条(表彰及び記録)
〈修正案〉政府は、スポーツの振興及び国民の士気高揚に資するため、優れた業績を挙げた競技者及び団体を表彰し、その記録を保存するものとする。
2 表彰の基準及び記録の管理については、文化芸術スポーツ推進会議の意見を聴いて定める。
〈関連法令〉国民栄誉賞告示、スポーツ功労者表彰規程。
第六編 公営競技・競馬等〔競馬法/自転車競技法/モーターボート競走法 統合〕
第五編 著作権・コンテンツ産業〔著作権法・著作権等管理事業法・コンテンツ振興法 統合〕
第四十二条(著作物の定義)
〈引用:著作権法第2条第1項第1号〉この法律において「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
〈審査コメント〉著作物の定義に「プログラム」「AI生成物」など現代的創作物を包括。
思想・感情・表現の三要素に加え「創造的関与」の有無を明確化。
〈修正案〉この法律において「著作物」とは、人の思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術、音楽、映画、演劇、プログラムその他これらに準ずる表現を含むものをいう。
2 人工知能その他の自動生成技術により作成された表現物については、人の創作的関与が認められる範囲において著作物とみなす。
〈関連法令〉著作権法第2条、文化庁「AI生成物に関する著作権制度の在り方」(令和5年報告書)。
第四十三条(著作者及び著作権)
〈引用:著作権法第17条〉著作者は、その著作物を創作した者をいう。
著作者は、その著作物についてこの法律の定める権利を享有する。
〈修正案〉著作者は、その著作物を創作した個人又は法人その他の団体をいう。
2 著作者は、人格的利益及び財産的利益を保護され、創作の成果を公正に利用される権利を有する。
3 著作者の死後の権利存続期間は、著作者の死後七十年とする。ただし、法人等著作物については公表後七十年をもって終了する。
〈関連法令〉著作権法第17条、第51条。
第四十四条(著作権の内容)
〈引用:著作権法第18条~第28条〉著作者は、公表権、氏名表示権、同一性保持権を有し、複製、上演、公衆送信、翻訳、二次的著作物利用等を独占する権利を有する。
〈修正案〉著作権は、次に掲げる権利を含む。
一 著作者人格権(公表、氏名表示、同一性保持)
二 財産権(複製、上演、公衆送信、翻訳、上映、頒布、展示、貸与、二次的著作物の利用)
三 デジタル権(電子的複製、インタラクティブ配信、AI学習利用に関する制御)
2 政府は、デジタルネットワーク社会に対応するため、権利制限の適正化及び利用円滑化措置を講じなければならない。
〈関連法令〉著作権法第18~30条、令和3年改正法(AI・教育利用関連)。
第四十五条(著作隣接権)
〈引用:著作権法第89条〉実演家、レコード製作者、放送事業者及び有線放送事業者は、著作隣接権を有する。
〈修正案〉実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者及び映像配信事業者は、著作隣接権を有し、これを保護される。
2 著作隣接権の保護期間は、公表後七十年とする。
3 政府は、インターネット配信及びAI合成音声等の新技術に関する隣接権保護の在り方を検討し、国際的整合を図らなければならない。
〈関連法令〉著作権法第89条、WIPO実演・レコード条約。
第四十六条(登録及び特例)
〈引用:プログラムの著作物に係る登録特例に関する法律第1条〉この法律は、コンピュータ・プログラムの著作物の登録について特例を定める。
〈修正案〉著作物の登録は、著作権の発生を妨げることなく、その保護及び取引の円滑を図るため行うものとする。
2 プログラムその他電子的著作物については、電子登録をもって法的効力を有するものとする。
3 登録事務は、文化庁長官の指定を受けた登録機関が行う。
〈関連法令〉プログラム登録特例法、電子署名法。
第四十七条(著作権等管理事業)
〈引用:著作権等管理事業法第1条〉この法律は、著作権等管理事業の適正な運営を確保するため必要な事項を定める。
〈審査コメント〉JASRACなどの管理団体を対象とするが、透明性と競争原理を法定化する。
〈修正案〉著作権等管理事業者は、著作物の利用許諾及び対価の分配を公正かつ透明に行わなければならない。
2 政府は、著作権等管理事業者の監督及び指導を行い、競争及び利用者の利便性の確保を図るものとする。
3 管理団体は、収支、分配率及び管理方針を公開しなければならない。
〈関連法令〉著作権等管理事業法第1条、第4条、第8条。
第四十八条(映画盗撮防止及び不正行為の禁止)
〈引用:映画の盗撮の防止に関する法律第1条〉映画の盗撮を防止し、著作権の保護を図ることを目的とする。
〈修正案〉何人も、映画の上映中に録音又は録画を行ってはならない。
2 上映事業者は、盗撮防止のために必要な措置を講じ、警察及び関係団体と連携しなければならない。
3 前二項の規定に違反した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
〈関連法令〉映画盗撮防止法第1条、第2条。
第四十九条(国際著作権及び条約の実施)
〈引用:万国著作権条約及びベルヌ条約実施法第1条〉この法律は、万国著作権条約及びベルヌ条約の実施に関し必要な事項を定める。
〈修正案〉国は、万国著作権条約、ベルヌ条約、WIPO著作権条約その他の国際条約を誠実に履行し、著作権の国際的保護及び流通を促進するものとする。
2 政府は、外国における著作権保護に関し、国際機関及び外国政府と協力し、相互主義の原則に基づく制度整備を行うものとする。
〈関連法令〉万国著作権条約実施法、ベルヌ条約実施法、WIPO条約。
第五十条(戦後特例法の整理)
〈引用:連合国著作権特例法(昭和27年法律第144号)〉占領期間中における連合国著作権の特例を定めたもの。
〈審査コメント〉現行では死文化した条文であり、附則に移行整理する。
〈修正案〉占領期間中における特例に関する法令は廃止し、著作権に関する国際的権利関係は、この法律及び関連条約の定めるところによる。
〈関連法令〉連合国著作権特例法(廃止予定)。
第五十一条(コンテンツ産業の振興)
〈引用:コンテンツ産業振興法(平成16年法律第81号)第1条〉この法律は、コンテンツの制作、流通及び利用の促進を図り、我が国の経済及び文化の発展に寄与することを目的とする。
〈審査コメント〉統合法では「創造から流通・保護・輸出まで」を包括する文化経済政策の中核とする。
〈修正案〉国は、映像、音楽、出版、ゲーム、アニメーション、デジタルコンテンツその他の文化的創作物の制作、流通及び利用を促進し、もって文化及び経済の発展に寄与するものとする。
2 政府は、コンテンツ産業における人材育成、知的財産保護、海外展開及び投資促進に関する施策を総合的に推進しなければならない。
3 地方公共団体は、地域の文化資源を活用したコンテンツの創出及び発信を支援するよう努めなければならない。
〈関連法令〉コンテンツ産業振興法、知的財産基本法。
第五十二条(デジタルアーカイブ及び文化経済圏)
〈修正案〉国は、文化財、著作物及びコンテンツのデジタル化及びアーカイブ化を推進し、国民が広くアクセスできる環境を整備しなければならない。
2 政府は、デジタルアーカイブを基盤とする文化経済圏の形成を図り、国際的なデータ共有及び学術研究への活用を促進するものとする。
〈関連法令〉国立国会図書館法、知的財産推進計画(内閣府)。
第五十三条(公営競技の意義)
〈引用:競馬法第1条〉この法律は、競馬の健全な発達を図るとともに、その収益をもって社会公共の福祉に寄与することを目的とする。
〈審査コメント〉現行法は「農林水産業振興」を主目的とするが、統合法では文化・スポーツ・地域振興を含む公益目的を明示する。
〈修正案〉この法律において公営競技とは、競馬、自転車競技、小型自動車競走、モーターボート競走その他政令で定める競技であって、国又は地方公共団体がその健全な発展を図るために実施するものをいう。
2 公営競技は、国民の健全な娯楽として行われ、その収益は文化芸術、スポーツ及び地域社会の振興に充てられることを目的とする。
〈関連法令〉競馬法第1条、モーターボート競走法第1条、自転車競技法第1条。
第五十四条(施行主体)
〈引用:競馬法第2条、第3条〉競馬は、農林水産大臣又は都道府県等が主催する。
〈審査コメント〉各法で所管が異なるため、「国及び地方公共団体による許可制統合」構造に整理。
〈修正案〉公営競技は、国、都道府県、市町村又はその組合が、政令で定める基準に従い実施することができる。
2 国の機関が主催する場合は、当該競技の性質に応じ、関係大臣が主管する。
3 地方公共団体が主催する場合は、条例で主催権者、収益配分及び監督に関する事項を定めなければならない。
〈関連法令〉競馬法第3条、地方自治法第244条。
第五十五条(日本中央競馬会)
〈引用:日本中央競馬会法第1条〉日本中央競馬会は、競馬の施行及び畜産の振興を目的とする法人とする。
〈審査コメント〉中央競馬会(JRA)を「国家公営競技運営法人」として再定義。スポーツ・文化への連携を明文化。
〈修正案〉日本中央競馬会は、国家公営競技運営法人として設立され、次の業務を行う。
一 中央競馬の施行及び管理
二 競走馬の改良及び畜産の振興
三 収益の一部を文化芸術、スポーツ及び地域振興に充てること
2 日本中央競馬会は、独立行政法人通則法に準じた会計及び監査制度を設け、業務の透明性を確保しなければならない。
〈関連法令〉日本中央競馬会法第1条、第7条。
第五十六条(競走の公正)
〈引用:競馬法第4条〉競馬は、公正に行われなければならない。
〈審査コメント〉全公営競技に共通化し、刑法との整合性を確保。
〈修正案〉公営競技は、公正かつ誠実に行われなければならない。
2 競技関係者は、賭博その他の不正行為を行い、又はこれを助長してはならない。
3 国及び主催者は、競技の公正確保のため、審判員の独立性及び監視体制を整備しなければならない。
〈関連法令〉競馬法第4条、刑法第185条(賭博罪)、スポーツ振興法第36条(toto関連)。
第五十七条(参加者及び免許)
〈引用:競馬法第5条〉騎手、調教師等は免許を受けなければならない。
〈審査コメント〉競技ごとの資格制度を共通化(騎手・選手・整備士・審判員などを「公営競技資格者」と総称)。
〈修正案〉公営競技に従事する者(騎手、選手、整備士、審判員その他の者をいう。)は、関係大臣の免許又は登録を受けなければならない。
2 免許又は登録の基準、手続及び有効期間は政令で定める。
3 不正行為又は非行があった者は、免許の取消し又は停止を受けることがある。
〈関連法令〉競馬法第5条、モーターボート競走法第3条、自転車競技法第3条。
第五十八条(賭式及び払戻)
〈引用:競馬法第8条・第9条〉競馬の勝馬投票券の発売及び払戻に関する事項を定める。
〈審査コメント〉公営競技共通の賭式制度に整理し、電子的発券・オンライン賭式を合法化。
〈修正案〉主催者は、政令で定めるところにより、公営競技の結果に基づく投票券を発売することができる。
2 投票券の発売は、電子的手段をもって行うことができる。
3 投票金の一定割合は、法定控除率の範囲内で主催経費及び公益還元金に充てられる。
4 払戻は、公正に実施し、当該競技終了後速やかに行うものとする。
〈関連法令〉競馬法第8条、第9条、自転車競技法第7条、小型自動車競走法第5条。
第五十九条(収益の配分及び公益還元)
〈引用:競馬法第32条、自転車競技法第24条、モーターボート競走法第25条〉主催者は、収益金を関係事業に交付する。
〈審査コメント〉現行は事業別配分で複雑。統合法では「共通公益還元率」を設け、文化・スポーツ・地域に三分配。
〈修正案〉公営競技の収益金は、次に掲げる割合で公益目的に充てられるものとする。
一 文化芸術振興基金 二割
二 スポーツ振興基金 二割
三 地域社会振興及び福祉基金 二割
四 主催者経費及び施設維持 三割
五 災害復興及び特別基金 一割
2 前項の割合は、財政会計法に基づき政令で調整することができる。
3 国及び主催者は、収益配分の状況を毎年度公表しなければならない。
〈関連法令〉競馬法第32条、財政会計法第16条。
第六十条(交付金制度及び財政連携)
〈審査コメント〉財源面で財政会計法・スポーツ振興法・文化芸術推進法の財源条文と接続。
〈修正案〉国及び地方公共団体は、公営競技収益金を財源として、文化芸術、スポーツ及び観光振興に関する事業に対し、交付金又は補助金を交付することができる。
2 交付金の交付及び管理に関しては、財政会計法の定めるところによる。
3 交付金の使途は、透明性及び公共性を確保しなければならない。
〈関連法令〉財政会計法第20条、スポーツ振興法第36条。
第六十一条(監督及び報告)
〈引用:競馬法第35条〉農林水産大臣は、競馬の監督に当たる。
〈審査コメント〉統合法では「関係大臣の合同監督制度」を採用(文化・スポーツ・地方行政が共管)。
〈修正案〉公営競技の実施に関しては、関係大臣が共同して監督を行う。
2 主催者は、毎会計年度終了後、実施状況及び収支を関係大臣に報告しなければならない。
3 監督大臣は、必要があると認めるときは、報告又は資料の提出を求め、又は職員に実地検査をさせることができる。
〈関連法令〉競馬法第35条、行政機関監査法。
第六十二条(罰則)
〈引用:競馬法第39条、自転車競技法第31条、モーターボート競走法第30条〉不正行為等に対する罰則規定。
〈修正案〉次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一 不正に競技結果を操作した者
二 公営競技に関し、職務により知り得た情報を不正に利用した者
三 公営競技に係る賭博その他の不正行為を教唆し又は幇助した者
2 前項の罪を犯した者が法人であるときは、その法人に対し、一千万円以下の罰金刑を科する。
〈関連法令〉競馬法第39条、刑法第62条。第七編 博覧会・国際イベント特措〔国際博覧会法群統合〕
第六十三条(目的)
〈引用:国際科学技術博覧会特別措置法第1条〉この法律は、国際科学技術博覧会の円滑な開催を確保するために必要な特別の措置を定める。
〈審査コメント〉従来の個別博覧会法(1985筑波・1990花博・2005愛知・2025大阪など)を包括し、「国際博覧会及び国際的文化イベントの恒久制度化」
を目的とする。
〈修正案〉この法律は、国際博覧会、国際的文化・科学技術イベント及びスポーツ・芸術・観光の総合的催事(以下「国際イベント」という。)の円滑な開催及び運営を確保するために必要な基本的事項を定め、もって国際的理解の増進及び国家の文化的発展に資することを目的とする。
〈関連法令〉国際科学技術博覧会特措法第1条、大阪・関西万博特措法第1条、BIE条約第2条。
第六十四条(定義)
〈引用:大阪・関西万博特措法第2条〉「博覧会」とは、経済産業大臣が指定する国際博覧会をいう。
〈修正案〉この法律において「国際博覧会」とは、国際博覧会条約に基づき、国又は地方公共団体が主催し、又はその参加を支援する文化、科学技術、産業、環境等に関する展示会であって、国際的な参加を伴うものをいう。
2 「国際イベント」とは、国際競技大会、国際芸術祭、世界的文化見本市その他これに類する催事をいう。
〈関連法令〉BIE条約第1条、国際博覧会法各特措法。
第六十五条(基本方針)
〈審査コメント〉現行の万博法では個別目的中心。統合法では、文化・経済・外交・持続可能性の四原則を共通理念化。
〈修正案〉国際博覧会及び国際イベントの開催は、次に掲げる基本方針に基づき行われなければならない。
一 文化、科学技術及び産業の発展を促進すること。
二 持続可能な社会及び地球環境の保全に資すること。
三 国際相互理解及び平和の推進に寄与すること。
四 国民生活の向上及び地域経済の発展に寄与すること。
〈関連法令〉大阪・関西万博特措法第3条、SDGs実施指針。
第六十六条(主催及び組織)
〈引用:国際博覧会協会法・万博特措法第5条〉博覧会の開催主体として特定法人を設立する。
〈審査コメント〉「一時的法人」ではなく「恒常的国際博覧会機構」を法定化。国・自治体・民間を横断的に。
〈修正案〉国は、国際博覧会及び国際イベントの開催に係る計画及び調整を行うため、内閣に国際博覧会推進本部を置く。
2 国際博覧会の主催のため、国、地方公共団体及び民間事業者が出資して設立する特別法人として、国際博覧会機構を置く。
3 国際博覧会機構は、開催地における施設整備、展示運営、国際参加調整、会計及び記録保存を行うものとする。
〈関連法令〉大阪・関西万博特措法第6条、独立行政法人通則法。
第六十七条(開催計画の認定)
〈引用:愛知万博法第3条〉経済産業大臣は、開催計画を認定する。
〈修正案〉国際博覧会又は国際イベントを開催しようとする者は、主催者及び関係行政機関の協議を経て、政府に開催計画を提出し、その認定を受けなければならない。
2 開催計画には、目的、期間、会場、施設整備、環境保全、財務及び安全管理の各事項を含めるものとする。
3 政府は、前項の認定を行うに当たり、文化芸術スポーツ推進会議の意見を聴かなければならない。
〈関連法令〉愛知万博法第3条、大阪・関西万博特措法第8条。
第六十八条(土地及び施設の整備)
〈引用:国際科学技術博覧会法第7条〉国及び地方公共団体は、会場用地の取得その他必要な措置を講じなければならない。
〈修正案〉国及び地方公共団体は、国際博覧会の会場用地及び関連施設を整備し、その周辺地域のまちづくり及び交通アクセスの改善を図るものとする。
2 土地の取得、造成及び施設整備に要する費用のうち、公共性の高い部分については国が補助する。
3 博覧会終了後、当該施設は「国際文化・科学技術記念公園」として整備し、教育・研究・観光・文化活動に供するものとする。
〈関連法令〉国際科学技術博覧会法第7条、国土利用計画法、都市再生特措法。
第六十九条(特別の財政措置)
〈引用:万博特措法第13条〉政府は、必要な財政上の措置を講じなければならない。
〈修正案〉政府は、国際博覧会及び国際イベントの開催に要する経費について、予算の範囲内で補助金、交付金又は融資の制度を設けるものとする。
2 国際博覧会機構は、寄附金、入場料、賃料その他の収入をもってその経費に充てることができる。
3 公営競技その他公益事業からの特定交付金を、博覧会開催財源に充てることができる。
〈関連法令〉大阪・関西万博特措法第13条、財政会計法第21条。
第七十条(入場料及び料金)
〈修正案〉国際博覧会機構は、入場料、施設使用料及び出展料を定めることができる。
2 料金は、物価、事業費及び公共負担の均衡を考慮し、関係大臣の認可を受けなければならない。
〈関連法令〉国際科学技術博覧会法第11条、独立行政法人通則法。
第七十一条(環境及び安全の確保)
〈審査コメント〉環境影響評価、建築安全、防災、保健衛生を包括的に規定。国際基準(ISO 20121)への適合を要件とする。
〈修正案〉国及び主催者は、国際博覧会及び国際イベントの開催に当たり、環境への負荷を最小化し、建築及び施設の安全、交通の円滑及び来場者の保健衛生を確保しなければならない。
2 主催者は、環境マネジメント及び持続可能性に関する国際標準に適合する措置を講じるものとする。
〈関連法令〉環境影響評価法、建築基準法、消防法、健康増進法、ISO 20121(持続可能なイベント運営)。
第七十二条(国際参加及び文化交流)
〈引用:BIE条約第4条〉加盟国は、相互の参加を奨励する。
〈修正案〉政府は、国際博覧会及び国際イベントに外国政府、国際機関及び民間団体が円滑に参加できるよう支援しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、外国使節団及び参加者に対して、文化交流及び経済交流の促進に必要な便宜を供与するものとする。
3 政府は、国際博覧会を通じて日本文化の発信及び国際理解の増進に努めるものとする。
〈関連法令〉BIE条約、外為法、出入国管理及び難民認定法。
第七十三条(記録及び継承)
〈審査コメント〉万博終了後の記録保存・後継施設整備を明文化し、「国家文化遺産」として継承する構造。
〈修正案〉国際博覧会機構は、開催の経過、展示及び成果に関する記録を作成し、これを恒久的に保存しなければならない。
2 政府は、博覧会の成果を継承するため、記念館、資料館、デジタルアーカイブその他の施設を整備し、教育及び研究に供するものとする。
3 これらの記録は、国の文化財として位置付けられる。
〈関連法令〉国立国会図書館法、文化財保護法第182条。
第七十四条(臨時措置)
〈引用:過去特措法附則〉博覧会終了後の職員処遇及び特例的規定を整備。
〈修正案〉国際博覧会の開催に伴い必要な特別の措置については、政令で定めるところにより、建築、交通、入国、通信、税関、消防、警備、医療及び防災に関する関係法令の特例を設けることができる。
2 特例は、当該博覧会又は国際イベントの開催期間及びその準備・撤去期間に限り適用される。
〈関連法令〉大阪・関西万博特措法第20条、関係各省庁設置法。
第七十五条(附則・歴史的特例)
〈審査コメント〉過去の万博・五輪特措法を附則に整理・記録保存化。
〈修正案〉次に掲げる法律は、この法律の施行により廃止する。
一 国際科学技術博覧会特別措置法(昭和57年法律第36号)
二 国際花と緑の博覧会特別措置法(昭和62年法律第47号)
三 愛知万博特別措置法(平成12年法律第52号)
四 大阪・関西万博特別措置法(平成31年法律第28号)
五 オリンピック及びパラリンピック競技大会特別措置法(平成27年法律第33号)
六 FIFAワールドカップ特別措置法(平成13年法律第54号)
七 これらに準ずる歴史的特例法
2 これらの法律に基づき設置された施設、記録及び財産は、国際博覧会機構に承継される。
〈関連法令〉各特措法附則。
【附則】
第一条(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において、政令で定める日から施行する。
2 各編に規定する事項については、政令で定めるところにより、段階的に施行することができる。
3 政府は、この法律の施行に先立ち、施行準備のために必要な事務を行うことができる。
第二条(定義の整備)
関係法令において引用する「文化芸術基本法」「スポーツ基本法」「観光立国推進基本法」その他この法律により廃止される法律の名称は、この法律の相当規定に読み替えるものとする。
第三条(経過措置)
この法律の施行の際現に行われている文化、芸術、スポーツ又は観光に関する国の計画、方針その他の処分は、この法律の相当規定に基づいて行われたものとみなす。
2 この法律の施行前に設立された独立行政法人、特殊法人又は一般社団法人であって、文化芸術、スポーツ又は観光の推進に関する事務を行うものは、政令で定めるところにより、文化芸術スポーツ推進機構又は国際博覧会機構に統合し、又はその監督を受けるものとする。
3 この法律の施行前において旧法によりなされた許可、免許、認可その他の処分は、当該旧法に対応する本法の規定に基づくものとみなす。
4 施行日前に係属する訴訟、申請その他の手続は、従前の例による。
第四条(職員の引継ぎ)
この法律の施行に伴い廃止される独立行政法人等の職員であって、文化庁、スポーツ庁又は観光庁の事務に従事していた者は、本人の意思に反しない限り、文化芸術スポーツ推進機構の職員とみなす。
第五条(財産及び債権の承継)
この法律の施行に伴い廃止される法人又は機関の財産、権利及び義務は、政令で定めるところにより、文化芸術スポーツ推進機構又は日本中央競馬会に承継させることができる。
第六条(罰則に関する経過)
この法律の施行前に旧法に基づいて犯した行為に対しては、なお従前の例による。
第七条(政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第八条(旧法の廃止)
次に掲げる法律は、廃止する。
一 文化芸術基本法(平成十三年法律第百四十八号)
二 スポーツ基本法(平成二十三年法律第七十八号)
三 観光立国推進基本法(平成十八年法律第百十七号)
四 旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)
五 通訳案内士法(昭和二十九年法律第二百十号)
六 旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)
七 住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)
八 IR整備法(平成三十年法律第八十号)
九 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)
十 博物館法(昭和二十六年法律第八十五号)
十一 日本芸術文化振興会法(平成九年法律第百五号)
十二 劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(平成二十四年法律第四十八号)
十三 文字・活字文化振興法(平成十七年法律第九十一号)
十四 スポーツ振興投票の実施等に関する法律(平成十年法律第六十三号)
十五 ドーピング防止活動の推進に関する法律(平成三十年法律第百四号)
十六 競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号)
十七 日本中央競馬会法(昭和二十八年法律第百五号)
十八 自転車競技法(昭和二十三年法律第百九号)
十九 小型自動車競走法(昭和二十五年法律第二百八号)
二十 モーターボート競走法(昭和二十六年法律第二百四十二号)
二十一 映画の盗撮の防止に関する法律(平成十九年法律第六十五号)
二十二 コンテンツ産業振興法(平成十六年法律第八十一号)
二十三 国際科学技術博覧会特別措置法(昭和五十七年法律第三十六号)
二十四 国際花と緑の博覧会特別措置法(昭和六十二年法律第四十七号)
二十五 愛知万博特別措置法(平成十二年法律第五十二号)
二十六 大阪・関西万博特別措置法(平成三十一年法律第二十八号)
二十七 オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法(平成二十七年法律第三十三号)
二十八 FIFAワールドカップ特別措置法(平成十三年法律第五十四号)
二十九 その他この法律により包括された法令
第九条(国際条約との接続)
この法律に関連する国際条約のうち、次に掲げるものについては、当該条約の趣旨に従い適用する。
一 ユネスコ憲章
二 万国著作権条約及びベルヌ条約
三 世界知的所有権機関(WIPO)著作権条約及び実演・レコード条約
四 国際博覧会条約(BIE条約)
五 世界アンチ・ドーピング規程(WADA Code)
六 国際オリンピック憲章
七 その他文化、スポーツ及び観光に関する国際条約又は協定
第十条(検討条項)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、文化芸術、スポーツ及び観光の推進に関する施策の実施状況を検討し、その結果に基づき必要な措置を講じなければならない。