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外交安全保障法 条文全文Lex50 · 50/50 · 私案条文

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第一編 総則

第一章 目的及び基本原則

第1条(目的)

〈原文(仮案)〉この法律は、我が国の独立及び平和を保持し、国際社会の平和と安定に寄与するため、外交、安全保障及び経済安全保障等に関する基本的事項を定め、もって国際秩序の維持と国民の安全の確保に資することを目的とする。

〈引用:国家安全保障会議設置法第1条〉内外の情勢に的確に対応するため、国家安全保障に関する重要事項を審議し、その方針を決定することを目的とする。

〈引用:防衛省設置法第3条〉防衛省は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つことを任務とする。

〈審査コメント〉目的条は、外交・防衛・経済安保を横断する包括的根拠条。

「平和」「独立」「繁栄」「国際秩序」「国民の安全」を五大柱とするのが妥当。

目的の中に「外交」「安全保障」「経済安全保障」の三分野を明示し、体系上の主語を「国」と定める。

〈修正案〉本法は、我が国の独立及び平和を維持し、国民の安全と繁栄を確保するとともに、国際社会の平和及び安定に寄与するため、外交、安全保障及び経済安全保障に関する基本的事項を定めることを目的とする。

第2条(基本理念)

〈原文(仮案)〉外交及び安全保障は、憲法の平和主義の理念に基づき、国際協調と自主的判断との調和を図りつつ、国際法の遵守、人権の尊重及び民主的統制の下に行われるものとする。

〈引用:国家安全保障戦略(令和5年改訂版)第I章〉我が国は、国際法の遵守、民主主義、基本的人権の尊重及び法の支配という普遍的価値を重視し、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に貢献する。

〈審査コメント〉憲法前文および第9条の趣旨を受け、「国際法の遵守」と「民主的統制」を明記。

外交・防衛・経済安保を同一理念軸で運用することを法文上担保する。

〈修正案〉外交及び安全保障に関する施策は、憲法の平和主義の理念に基づき、国際協調及び自主的判断の調和を図り、国際法の遵守、民主主義及び基本的人権の尊重並びに国民による民主的統制の下において行われるものとする。

第3条(国際秩序の基本原則)

〈原文(仮案)〉我が国は、国際連合憲章の目的及び原則を尊重し、国際法の下での平和的共存及び国際社会における法の支配の確立に努めるものとする。

〈引用:国際連合憲章第1条〉国際の平和及び安全を維持すること、並びに民族の平等権及び自決の原則を尊重することを目的とする。

〈審査コメント〉国連憲章を明示的に国内法の基礎理念として位置付けることにより、他の外交関連法(在外公館法、PKO協力法等)との整合が確保される。

「法の支配」「平和的共存」は国際法・外交両面の共通理念。

〈修正案〉国は、国際連合憲章の目的及び原則を尊重し、国際法の下での平和的共存、法の支配及び普遍的価値の擁護を通じて、国際秩序の安定及び発展に寄与するものとする。

第二章 定義

第4条(定義)

〈原文(仮案)〉この法律において「外交」とは、国の主権に基づき、外国その他の国際社会との関係において、平和及び繁栄の維持を目的として行う一切の政策及び行為をいう。

〈引用:外務省設置法第3条〉外務省は、外交政策を企画及び立案し、並びに国際関係に関する事務を総括することを任務とする。

〈審査コメント〉「外交」を行政作用概念として定義することにより、経済安保、国際刑事司法協力、文化外交等への包括的適用が可能となる。

「安全保障」や「経済安全保障」との区分を定義条内で明確にする必要あり。

〈修正案〉この法律において「外交」とは、国の主権に基づき、外国その他の国際社会との関係において、国際法の下で平和及び繁栄を維持するために行う政策及び行為をいう。

「安全保障」とは、我が国の独立、領土及び国民の安全を確保し、並びに国際社会の平和及び安定を維持するための施策をいう。

「経済安全保障」とは、経済及び技術に関する我が国の基盤を強化し、外的脅威又は不当な依存を防止することを目的とする施策をいう。

第三章 国の責務と基本機構

第5条(国の責務)

〈原文(仮案)〉国は、外交及び安全保障に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、実施する責務を有する。

〈引用:国家安全保障会議設置法第2条〉内閣は、国家安全保障に関する重要事項を審議するため、国家安全保障会議を置く。

〈審査コメント〉責務条として、内閣の主導責任と関係省庁の分掌を明確化。

将来の「外交安全保障戦略」の法定化にも耐えうる条構造。

〈修正案〉国は、外交、安全保障及び経済安全保障に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、内閣の責任の下においてこれを実施しなければならない。

第6条(基本機構)

〈原文(仮案)〉外交及び安全保障に関する重要事項を審議し、その方針を決定するため、内閣に国家安全保障会議を置く。

〈引用:国家安全保障会議設置法第2条〉内閣は、国家安全保障に関する重要事項を審議するため、国家安全保障会議を置く。

〈引用:防衛省設置法第4条〉防衛省は、国防に関する基本政策の企画及び立案を行う。

〈審査コメント〉国家安全保障会議法の条文を存置し、本法中に統合。

「国家安全保障局」「防衛省」「外務省」「警察庁」等の連携機構を次章以降で明記予定。

〈修正案〉内閣に、外交、安全保障及び経済安全保障に関する重要事項を審議し、その基本方針を決定するため、国家安全保障会議を置く。

国家安全保障会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

第二編 警察・公安秩序

第一章 警察の組織及び任務

第7条(警察の任務)

〈引用:警察法第2条〉警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、公共の安全と秩序を維持することをもってその責務とする。

〈審査コメント〉現行警察法第2条を中核として存置。

「国家安全保障」との体系整合のため、「国家的危機対応」の文言を追加する。

災害・テロ・サイバー攻撃を含む広義の治安概念を包含。

〈修正案〉警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、公共の安全と秩序を維持するとともに、災害、テロリズムその他国家の安全を脅かす事態に対処することをもってその責務とする。

〈関連法令〉警察法第2条、防衛省設置法第4条。

第8条(警察の組織)

〈引用:警察法第3条〉警察は、国家公安委員会及び都道府県警察から成る。

〈審査コメント〉組織条は存置。ただし国家公安委員会を「内閣直属機関」と明示し、外交安全保障体系の一部として位置づける。

公安調査庁との調整条を附則で設ける予定。

〈修正案〉警察は、国家公安委員会及び都道府県警察から成る。

国家公安委員会は、内閣に置かれる合議制の行政委員会とし、警察行政の民主的運営及び政治的中立を確保するための責任を有する。

第二章 警察官の職務執行

第9条(職務の基本)

〈引用:警察官職務執行法第1条〉警察官は、職務を執行するに当たり、国民の自由と権利を保護することを旨とし、その職権を濫用してはならない。

〈審査コメント〉憲法13条及び31条の趣旨を明示することで、警察権発動における人権保障原則を明文化。

本法では「警察権の制限」も外交・防衛法体系と接続するため、国際人権法との整合を図る。

〈修正案〉警察官は、職務を執行するに当たり、国民の自由と権利を保護し、その職権を濫用してはならず、常に法令及び人権尊重の原則に従って行動しなければならない。

第10条(武器使用の基準)

〈引用:警察官職務執行法第7条〉警察官は、犯人の逮捕その他職務の執行に当たり、正当な理由がある場合においては、武器を使用することができる。

〈審査コメント〉武器使用に関する条は、国際人権規範(比例原則)との整合を要する。

国家安全保障上の特別武器使用(対テロ・防衛出動支援)は後段の防衛編と接続。

〈修正案〉警察官は、職務の執行に際し、正当な理由がある場合に限り、必要な限度で武器を使用することができる。この場合においては、国際法及び人権の原則を尊重し、比例の原則に従うものとする。

第三章 公安調査機関

第11条(公安調査庁)

〈引用:公安調査庁設置法第3条〉公安調査庁は、暴力主義的破壊活動を行うおそれのある団体に関する調査を行うことを任務とする。

〈審査コメント〉現行条文を存置。ただし「国際テロリズム及びサイバー攻撃」に関する調査を追加。

内閣府直属とし、外交・防衛情報機構との連携を規定する。

〈修正案〉公安調査庁は、暴力主義的破壊活動その他国家の安全を脅かすおそれのある行為又は団体に関する調査及び分析を行い、国際テロリズム及びサイバー攻撃に関する情報の収集及び評価を行うことを任務とする。

第12条(公安審査委員会)

〈引用:公安審査委員会設置法第2条〉公安審査委員会は、暴力主義的破壊活動を行うおそれのある団体に対する規制に関する処分について審査を行う。

〈審査コメント〉行政委員会としての独立性を保持しつつ、情報共有の法的枠組みを明文化。

公安調査庁との区別を維持。

〈修正案〉公安審査委員会は、暴力主義的破壊活動を行うおそれのある団体に対する規制その他公安に関する重要事項について審査を行い、その独立した判断に基づき必要な決定をする。

第四章 暴力的団体及び破壊活動の規制

第13条(暴力的破壊活動の禁止)

〈引用:破壊活動防止法第3条〉暴力主義的破壊活動を行ってはならない。

〈審査コメント〉現行の破防法の禁止規定を維持しつつ、暴力団対策法やテロ防止特措法を包含。

団体・個人を問わず適用できる文言構成に整理。

〈修正案〉何人も、暴力その他の破壊的手段により、国家又は社会の安全を脅かし、又は公共の秩序を乱してはならない。

第14条(団体の規制)

〈引用:団体規制法第4条〉公安審査委員会は、当該団体が暴力主義的破壊活動を行うおそれがあると認めるときは、その活動を禁止する処分をすることができる。

〈審査コメント〉破防法・団体規制法・暴力団対策法の重複を整理し、公安審査委員会による包括的規制制度に統合。

不服申立て・裁判所審査の規定は後章「司法的救済」に連動。

〈修正案〉公安審査委員会は、暴力的破壊活動を行うおそれのある団体に対し、その活動を停止又は禁止することができる。この場合においては、必要な聴聞手続を経なければならない。

第五章 テロ対策及び重要施設防護

第15条(テロ防止)

〈引用:無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律第3条〉公安調査庁は、当該団体に関する調査を行うことができる。

〈審査コメント〉サリン事件を契機とする無差別大量殺人行為団体規制法を踏まえ、国際テロも対象とする。

航空・原子力・情報通信施設を含む重要インフラ防護を体系化。

〈修正案〉国は、テロリズムの防止及び被害の軽減を図るため、国際協力の下に、テロの計画、資金供与、及び実行に関する情報の収集、共有及び分析を行い、重要施設の防護その他の必要な措置を講じなければならない。

第六章 銃器及び危険物の規制

第16条(銃器の所持禁止)

〈引用:銃砲刀剣類所持等取締法第3条〉何人も、銃砲又は刀剣類を所持してはならない。

〈審査コメント〉現行条を維持しつつ、爆発物・化学物質等の危険物を包括。

国際条約(化学兵器禁止条約、爆発物規制)との接続を考慮。

〈修正案〉何人も、法令に基づく許可を受けないで、銃砲、刀剣類、爆発物その他これらに準ずる危険物を所持してはならない。

第七章 警備業及び周辺秩序の保持

第17条(警備業の適正)

〈引用:警備業法第1条〉この法律は、警備業の適正な運営を確保することにより、公共の安全及び秩序の維持に資することを目的とする。

〈審査コメント〉民間警備業者による重要施設警備・空港保安等を公的治安体系に接続。

外交施設警備(大使館等)を対象とする場合の特例を附則に記載予定。

〈修正案〉警備業を営む者は、その業務を適正に行い、公共の安全及び秩序の維持に資するとともに、警察その他の関係機関との連携に努めなければならない。

第三編 防衛・自衛隊

第一章 自衛隊の任務及び組織

第18条(任務)

〈引用:自衛隊法第3条〉自衛隊は、我が国を防衛し、公共の秩序を維持し、又は国際平和のための活動に寄与することを任務とする。

〈審査コメント〉現行法を基幹として維持。

外交安全保障体系の中核として、第一編「目的」との整合性を図る。

「存立危機事態」「国際平和活動」を包含。

〈修正案〉自衛隊は、我が国の独立及び平和を維持し、国民の生命及び自由を保護し、並びに国際社会の平和及び安全の確保に寄与することを任務とする。

第19条(組織)

〈引用:自衛隊法第4条〉自衛隊は、内閣総理大臣の指揮監督の下に、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊から成る。

〈審査コメント〉組織区分は現行の三自衛隊制を維持。

将来的な「統合防衛軍」構想を見据え、統合運用体制を明文化する。

〈修正案〉自衛隊は、内閣総理大臣の指揮監督の下に、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊から成る。

内閣総理大臣は、防衛大臣を通じて、自衛隊の統合的運用を指揮監督する。

統合幕僚監部は、統合運用に関する企画及び調整を担う。

〈関連法令〉防衛省設置法第5条、自衛隊法第4条。

第二章 行動の区分及び権限

第20条(防衛出動)

〈引用:自衛隊法第76条〉外部からの武力攻撃が発生した場合には、内閣総理大臣は、直ちに防衛出動を命ずることができる。

〈審査コメント〉現行の「武力攻撃事態対処法」「存立危機事態法」を包含。

憲法9条の範囲内での自衛権発動を前提に、「個別的・集団的」両自衛権を包括的に定義。

〈修正案〉外部からの武力攻撃が発生し、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が我が国の存立を脅かす事態に至った場合には、内閣総理大臣は、国会の承認を得て、自衛隊に防衛出動を命ずることができる。

第21条(治安出動)

〈引用:自衛隊法第78条〉内乱その他の事態に際し、警察力をもっては治安を維持することができないときは、内閣総理大臣は、防衛出動を命ずることができる。

〈審査コメント〉警察との権限接続(第二編)を明確化。

内乱・大規模テロ・非常災害に関する出動区分を整理。

〈修正案〉内乱、暴動、又は大規模な治安攪乱が発生し、警察力のみでは公共の安全及び秩序を維持することができない場合には、内閣総理大臣は、国会の承認を得て、自衛隊に治安出動を命ずることができる。

第22条(災害派遣)

〈引用:自衛隊法第83条〉災害が発生した場合において、生命、身体又は財産の保護のため特に必要があるときは、自衛隊は、都道府県知事の要請により、災害派遣を行うことができる。

〈審査コメント〉災害派遣は国民生活保全の主要機能。

防災法体系(気象防災法等)との連携を確保するため、要請・自主派遣双方を明記。

〈修正案〉自衛隊は、災害が発生した場合において、生命、身体又は財産の保護のため特に必要があるときは、都道府県知事の要請又は内閣総理大臣の指示により、災害派遣を行うことができる。

第三章 防衛施設及び周辺対策

第23条(施設の保全)

〈引用:防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律第1条〉防衛施設の設置又は運用に伴い影響を受ける地域の生活環境の整備を図る。

〈審査コメント〉防衛施設の設置・移転・騒音対策・補償の根拠を統合。

地位協定関連の土地利用法と附則で接続。

〈修正案〉国は、防衛施設の設置又は運用に伴い影響を受ける地域における生活環境の整備及び地域振興を図り、住民の生活の安定に資するため、必要な措置を講じなければならない。

第四章 情報の保護及び管理

第24条(特定秘密の保護)

〈引用:特定秘密の保護に関する法律第3条〉行政機関の長は、国の安全に著しい支障を及ぼすおそれがある事項を特定秘密として指定することができる。

〈審査コメント〉現行特定秘密保護法を統合法に吸収。

対象範囲を外交・防衛・テロ対策・経済安保まで拡張。

秘密指定及び管理の透明性確保を条文化。

〈修正案〉行政機関の長は、国の安全に著しい支障を及ぼすおそれがある事項を特定秘密として指定することができる。

特定秘密の指定、取扱い及び管理に関しては、法律に基づき、適正な手続及び国会による監視の下に行わなければならない。

第25条(防衛秘密の保護)

〈引用:自衛隊法第96条〉防衛に関する秘密を漏らしてはならない。

〈審査コメント〉自衛隊内部規範を統合法の情報保護体系に整合。

刑事罰は附則(刑法連携)にて別掲予定。

〈修正案〉防衛に関する秘密を取り扱う者は、その職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。ただし、国会又は裁判所への正当な報告・提出を妨げるものではない。

第五章 防衛産業及び装備基盤

第26条(装備品産業の基盤強化)

〈引用:防衛装備品基盤強化法第3条〉国は、防衛生産・技術基盤の強化を図る。

〈審査コメント〉現行法を包括し、経済安全保障法との整合性を図る。

「防衛生産基盤」

「防衛・安全保障産業基盤」に用語統一。

〈修正案〉国は、防衛及び安全保障に資する産業及び技術の基盤を強化し、その安定的供給及び技術の保全を確保するため、必要な施策を講じなければならない。

第27条(防衛技術の研究開発)

〈引用:防衛省設置法第5条〉防衛省は、防衛に関する科学技術の研究及び開発を行う。

〈審査コメント〉民間・大学との共同研究を法定化。

研究成果の平和利用及び輸出管理を明示。

〈修正案〉防衛省は、防衛に関する科学技術の研究及び開発を行うとともに、民間企業及び学術機関との協力を通じて、その成果の平和利用及び輸出管理の適正化を図らなければならない。

第六章 電波及び活動確保

第28条(電波の保全)

〈引用:風力発電設備と自衛隊のレーダー保護関連法(通称)〉防衛省は、電波の受信障害を防止するため、風力発電事業者との調整を行う。

〈審査コメント〉「電波資源保全」条として法定化。

電波法・環境法・再エネ法との横断連携を意図。

〈修正案〉国は、防衛活動に必要な電波の利用を確保するため、電波の受信障害の防止、電波資源の調整及び関連事業者との協力に関し、必要な措置を講じなければならない。

第四編 地位協定及び在外公館

第一章 日米地位協定関連特例

第29条(駐留軍の法的地位)

〈引用:日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条〉日本国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持のため、合衆国の陸軍、空軍及び海軍の施設及び区域の使用を許す。

〈引用:日米地位協定(昭和35年条約第7号)第1条〉「日本国における合衆国軍隊の地位について規定する。」

〈審査コメント〉日米地位協定の国内法位置づけを明示化。

日本国の主権及び司法権との関係整理を法文化。

〈修正案〉日本国内に駐留する外国軍隊の地位は、条約その他の国際約束に基づき定められるものとする。

前項の規定に基づく外国軍隊の駐留及び活動は、日本国の主権及び法令を尊重して行われなければならない。

外国軍隊の構成員の法的地位及び刑事裁判権の行使については、別に条約及び国内法で定める。

第30条(刑事裁判権の行使)

〈引用:日米地位協定第17条〉日本国の当局は、合衆国軍隊の構成員等に対し、日本国の法令に従って裁判権を行使することができる。

〈審査コメント〉現行SOFA第17条の国内法的根拠を補強。

公平性確保と人権保護条項を追加。

〈修正案〉外国軍隊の構成員又はその家族による犯罪については、条約により日本国の裁判権が制限される場合を除き、日本国の裁判所がこれを管轄する。

裁判権の行使に当たっては、被疑者及び被害者の人権を十分に尊重し、関係当局の協力により公正を確保しなければならない。

第31条(土地及び施設の使用)

〈引用:日米地位協定第2条〉日本国は、合衆国軍隊の使用のために施設及び区域を提供する。

〈審査コメント〉駐留施設の提供・返還・環境対策を包括的に整理。

「土地利用法」「防衛施設周辺法」と連携。

〈修正案〉国は、条約に基づき外国軍隊の使用のために施設又は区域を提供することができる。

外国軍隊による施設の使用に当たっては、環境保全、地域の生活環境及び公共の安全に十分配慮しなければならない。

駐留施設の返還及び跡地利用に関する特別の措置は、政令で定める。

第二章 国連軍地位協定関連

第32条(国連軍の地位)

〈引用:国連軍地位協定(昭和27年)第1条〉国連軍の地位は、別途協定によって定める。

〈審査コメント〉国連軍駐留(朝鮮戦争以降)の法的残存条項を整理。

駐留の実態がない現状を踏まえ、将来の国際連携法制として基礎規定化。

〈修正案〉国は、国際連合憲章第43条に基づき、国際の平和及び安全の維持のため、国連軍の派遣又は駐留を受け入れる場合には、その地位及び権限を協定により定めるものとする。

第33条(国際軍の特例)

〈原文(仮案)〉国連軍以外の多国籍軍が日本国内において活動する場合における法的地位については、前条の例に準じ、協定を締結し、国会の承認を得なければならない。

〈審査コメント〉PKOや多国籍軍(湾岸戦争・イラク派遣等)への対応法制。

主権保持・国会統制の原則を明文化。

第三章 在外公館制度

第34条(設置)

〈引用:在外公館法第1条〉外務大臣は、必要があるときは、在外公館を設置することができる。

〈審査コメント〉現行法を存置。

政府代表機関としての法的位置づけを強化し、「領事事務」「文化・経済協力」も包含。

〈修正案〉外務大臣は、外交関係の維持及び国際協力の促進のため、必要があるときは、条約又は国際慣行に基づき、在外公館を設置することができる。

第35条(在外公館の職員)

〈引用:在外公館給与法第1条〉在外公館の職員の給与等に関し必要な事項は、別に法律で定める。

〈審査コメント〉給与・安全・待遇の法定化を統合。

危険地域赴任・外交特権との調整規定を設ける。

〈修正案〉在外公館の職員の給与、待遇及び安全確保に関し必要な事項は、別に法律で定める。

国は、在外公館職員の生命及び安全を確保するため、赴任地の治安情勢に応じた特別の措置を講じなければならない。

第36条(領事事務)

〈引用:領事関係に関するウィーン条約第5条〉領事の任務は、自国民の保護、旅券の発給、文書の認証等を含む。

〈審査コメント〉国際条約の義務を国内法として明文化。

帰国支援・在外邦人救援条を連動。

〈修正案〉在外公館の領事は、邦人の保護、旅券の発給、文書の認証及び所在国の法令に従った領事事務を行うものとし、その職務はウィーン条約の定めるところによる。

第四章 在外事務所及び帰国者支援

第37条(在外事務所)

〈原文(仮案)〉政府は、在外公館のほか、国際機関又は外国との協力関係を維持するため、在外事務所を設置することができる。

〈審査コメント〉JICA事務所、JETRO事務所などの公的機関の法的整理。

在外公館法体系に統合し、管轄の明確化を図る。

〈修正案〉政府は、在外公館のほか、国際機関又は外国との協力関係を維持するため、政令で定めるところにより、在外事務所を設置することができる。

第38条(帰国者及び領事支援)

〈引用:海外在留邦人援護関連法・帰国者支援法〉外務大臣は、災害、戦乱その他の緊急事態に際して、在外邦人の救援に関する措置を講ずる。

〈審査コメント〉在外邦人保護を外交法制の中心に位置づける。

国際紛争時・武力攻撃事態法(第八編)と接続。

〈修正案〉国は、災害、紛争その他の緊急事態に際して、在外邦人の生命及び安全を保護するため、救援及び帰国支援に関する措置を講じなければならない。

前項の措置には、輸送、宿泊、医療及び必要な資金の援助を含むものとする。

第五編 領域・海洋秩序

第一章 領海及び接続水域

第39条(領海の範囲)

〈引用:領海及び接続水域に関する法律第1条〉日本国の領海の幅は、基線から十二海里の線までの海域とする。

〈審査コメント〉現行領海法第1条を存置。

国際法上の基線概念(UNCLOS第5条)を明示化。

領海・内水の区分を定義章と連動。

〈修正案〉日本国の領海は、基線からその外側十二海里までの海域とする。

領海の基線は、国際連合海洋法条約の定めるところに従い、政令で定める。

内水は、基線の陸側にある水域とする。

第40条(接続水域)

〈引用:領海及び接続水域に関する法律第2条〉日本国は、領海の外側十二海里を超えない範囲に接続水域を設定する。

〈審査コメント〉現行法を準用し、税関・出入国・保健・環境分野の執行権を付加。

国際法第33条(UNCLOS)に整合。

〈修正案〉日本国は、領海の外側十二海里を超えない範囲に接続水域を設定し、関税、出入国管理、保健及び環境保全に関する法令の違反を防止し、又は処罰するため必要な措置を講ずることができる。

第二章 排他的経済水域及び大陸棚

第41条(排他的経済水域)

〈引用:排他的経済水域及び大陸棚に関する法律第1条〉日本国は、領海の外側に隣接する水域において、排他的経済水域を設定する。

〈審査コメント〉UNCLOS第56条に基づく国内実装。

水産法・資源法・エネルギー法(第十編)との連携を確保。

〈修正案〉日本国は、領海の外側に隣接し、その外側二百海里を超えない範囲の水域において、排他的経済水域を設定する。

国は、排他的経済水域において、天然資源の探査及び開発、海洋の科学的調査並びに環境保全を行う権利及び管轄権を有する。

第42条(大陸棚)

〈引用:同法第2条〉日本国は、領海の外側における大陸棚の天然資源の探査及び開発に関して主権的権利を有する。

〈審査コメント〉UNCLOS第77条に対応。

大陸棚延伸(沖ノ鳥島等)を政令指定可とする。

〈修正案〉日本国は、領海の外側にある海底及びその下の大陸棚における天然資源の探査及び開発に関して、主権的権利を有するものとし、その範囲及び方法は、国際法の定めるところに従い政令で定める。

第三章 低潮線及び島嶼の保全

第43条(低潮線の保全)

〈引用:低潮線保全法(平成26年法律第30号)第1条〉国は、低潮線の変動の防止を図るため、必要な措置を講ずるものとする。

〈審査コメント〉海岸侵食対策・離島保全を包括。

国土法・環境法との接続。

〈修正案〉国は、低潮線の変動を防止し、領海及び排他的経済水域の基線の安定を確保するため、海岸保全、環境保全及び離島保全に関し必要な措置を講じなければならない。

第44条(島嶼の保全及び利用)

〈引用:離島振興法第1条〉離島の振興を図ることにより、我が国の領域の保全を図る。

〈審査コメント〉離島法の趣旨を海洋法体系に統合。

併せて無人島管理・領有権主張の法的根拠を強化。

〈修正案〉国は、離島の自然的及び社会的条件に応じ、居住及び産業の振興並びに防災体制の整備を通じて、領域の保全及び国境離島の適正な利用を図らなければならない。

第四章 海洋基本政策

第45条(基本理念)

〈引用:海洋基本法第3条〉海洋の開発及び利用並びに海洋環境の保全は、調和を図りつつ行われなければならない。

〈審査コメント〉現行海洋基本法第3条の理念を維持。

「安全保障・環境・経済」の三位一体原則を明文化。

〈修正案〉海洋の開発、利用及び保全に関する施策は、環境保全及び安全保障との調和を図りつつ、国際協調の下に持続可能な発展を目的として行われなければならない。

第46条(基本計画)

〈引用:海洋基本法第16条〉政府は、海洋基本計画を定めなければならない。

〈審査コメント〉現行制度を踏襲。

国際海洋秩序・海洋資源開発・安全保障連携を明文化。

〈修正案〉政府は、海洋の総合的かつ計画的な開発、利用及び保全を推進するため、海洋基本計画を定めなければならない。

海洋基本計画には、海洋資源の開発、海洋環境の保全、海上交通の安全確保及び国際協力に関する施策を定めるものとする。

第五章 海洋調査及び水路業務

第47条(海洋調査)

〈引用:水路業務法第2条〉海上保安庁は、水路測量及び海図の作成を行う。

〈審査コメント〉現行水路業務法を包含。

海洋研究開発機構法(JAMSTEC)との整合を確保。

〈修正案〉国は、海洋の自然的及び地理的条件を把握し、海上交通の安全及び海洋資源の適正な開発を図るため、海洋調査、水路測量及び海図の作成を行うものとする。

第48条(海洋情報の公開)

〈引用:海洋基本法第25条〉国は、海洋に関する情報の整備及び提供を行う。

〈審査コメント〉情報公開及び安全保障情報の両立を図る。

防衛・経済安保両編と連動。

〈修正案〉国は、海洋に関する情報を整備し、適正に公開するものとする。ただし、国の安全及び国際関係に重大な支障を及ぼすおそれがある情報については、この限りでない。

第六章 領海外国船の航行

第49条(外国船の航行秩序)

〈引用:領海外国船航行法(昭和28年法律第64号)第1条〉外国船舶が日本国の領海を航行する場合は、無害通航の原則に従わなければならない。

〈審査コメント〉国際海洋法第17条(無害通航権)を国内法化。

防衛・警備(海上保安法)との接続を意識。

〈修正案〉外国船舶が日本国の領海を航行する場合は、国際法の定めるところに従い、平和的目的に限り無害通航を行わなければならない。

前項の通航により我が国の平和、安全又は秩序を害する行為をしてはならない。

第50条(措置権)

〈引用:同法第2条〉外務大臣は、無害通航に該当しない外国船舶に対し、領海外退去を要求できる。

〈審査コメント〉外務・防衛・海保の三機関連携を条文化。

安全保障上の通報義務・退去命令手続を統一。

〈修正案〉外務大臣は、防衛大臣及び国土交通大臣と協議の上、無害通航に該当しない外国船舶に対し、領海からの退去その他必要な措置を命ずることができる。

第七章 駐留軍跡地及び再編円滑化

第51条(跡地利用の推進)

〈引用:駐留軍等跡地利用特別措置法第1条〉駐留軍等の施設の返還に伴う跡地の利用を円滑にする。

〈審査コメント〉沖縄返還・防衛施設転用を中心とした地域再生政策を包含。

土地利用・産業・観光法制(国土法、産業基本法、文化法)と連動。

〈修正案〉国は、外国軍隊又は自衛隊の施設の返還に伴う跡地について、地域の特性に応じた土地利用及び産業・文化振興を推進し、地域経済の発展及び国民生活の向上に資する措置を講じなければならない。

第六編 国際刑事司法協力

第一章 総則及び基本原則

第52条(目的)

〈引用:国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律第1条〉この法律は、国際刑事裁判所に対する協力等に関し必要な事項を定めることを目的とする。

〈審査コメント〉本編の目的条は、国際刑事司法協力全体を包含する上位概念に整理。

「引渡」「共助」「移送」「国際裁判協力」の四類型を網羅。

〈修正案〉この編は、国際社会における法の支配の確立及び重大な国際犯罪の防止に資するため、逃亡犯罪人の引渡し、刑事共助、受刑者の移送及び国際刑事裁判所その他の国際機関との協力に関し、必要な事項を定めることを目的とする。

第53条(基本原則)

〈引用:国際刑事裁判所協力法第2条〉我が国は、国際法の原則に基づき、国際刑事裁判所に対する協力を誠実に行うものとする。

〈審査コメント〉各種協定(欧米・ASEAN・UN)との一貫性を担保。

「相互主義」「人権尊重」「国内法準拠」の三原則を明文化。

〈修正案〉国は、国際法の原則に基づき、刑事司法に関する国際協力を誠実に行うものとする。

国際刑事司法協力は、相互主義の原則、人権の尊重及び国内法の手続に従って行わなければならない。

第二章 逃亡犯罪人の引渡し

第54条(引渡請求)

〈引用:逃亡犯罪人引渡法第2条〉外国政府は、犯罪人の引渡しを請求することができる。

〈審査コメント〉現行法を存置。

「国際刑事裁判所」や「特別法廷」への引渡を含むよう整理。

〈修正案〉外国政府又は国際刑事裁判所その他の国際刑事機関は、犯罪人の引渡しを請求することができる。

前項の請求は、条約又は国際約束に基づき、法務大臣を通じて行うものとする。

第55条(引渡の要件)

〈引用:逃亡犯罪人引渡法第3条〉引渡しは、二重処罰の原則その他一定の要件を満たすときに限る。

〈審査コメント〉現行法の「二重犯罪」原則を明確に維持。

政治犯例外及び死刑国への引渡制限を国際人権基準に整合化。

〈修正案〉引渡しは、当該行為が日本国の法律及び請求国の法律のいずれにおいても犯罪を構成する場合に限る。

政治的犯罪に関しては、引渡しを行わない。

請求国において拷問又は残虐な刑罰を受けるおそれがあるときは、引渡しを拒否することができる。

第56条(審査及び裁判所の関与)

〈引用:同法第10条〉東京高等裁判所は、犯罪人引渡し事件を審査する。

〈審査コメント〉裁判所関与条文を保持。

行政・外交判断との役割分担を条文化。

〈修正案〉犯罪人の引渡しの適否は、法務大臣の請求に基づき、裁判所が審査し、その判断に従って処理するものとする。

第三章 国際捜査共助

第57条(刑事共助の原則)

〈引用:国際捜査共助法第1条〉外国の刑事手続に関し、捜査上の共助を行うことができる。

〈審査コメント〉現行法の対象範囲を拡張(サイバー犯罪、経済犯罪、環境犯罪)。

外務・法務・警察庁の三省庁共管を想定。

〈修正案〉国は、外国又は国際刑事機関の刑事手続に関し、証拠収集、押収、捜索及び送達等の捜査上の共助を行うことができる。

第58条(手続)

〈引用:同法第5条〉共助は、法務大臣を通じて行う。

〈審査コメント〉国内手続の明確化。

検察庁・警察庁・裁判所の連携を明記。

〈修正案〉国際捜査共助は、法務大臣を通じて行うものとする。

法務大臣は、共助の実施に当たり、外務大臣、警察庁長官及び検察当局と協議しなければならない。

第59条(共助の制限)

〈原文(仮案)〉国は、共助の実施が我が国の主権、安全又は公共の秩序を害するおそれがあるときは、これを拒否することができる。

〈審査コメント〉政府裁量の限界を明確にし、外交判断の統制を確保。

第四章 受刑者の移送

第60条(移送の原則)

〈引用:受刑者移送法第1条〉日本国は、刑を言い渡された外国人受刑者を本国に移送することができる。

〈審査コメント〉「人道的配慮」と「更生支援」を目的として明確化。

国際犯罪人道法の理念を踏まえ、相互主義を維持。

〈修正案〉外国人受刑者は、本人の同意がある場合に限り、その国籍国に移送することができる。

国は、受刑者の人権の尊重及び更生の促進を目的として、必要な措置を講じなければならない。

第61条(移送の手続)

〈引用:同法第6条〉法務大臣は、移送を承認する。

〈審査コメント〉現行法を維持しつつ、外交ルート明確化。

移送中の権利保障を付加。

〈修正案〉法務大臣は、外務大臣を通じて、移送の申請を受け、これを承認する。

移送の実施に際しては、受刑者の人権及び安全を確保するための措置を講じなければならない。

第五章 国際刑事裁判所及び協定

第62条(国際刑事裁判所との協力)

〈引用:国際刑事裁判所協力法第3条〉我が国は、国際刑事裁判所に対する協力を誠実に行うものとする。

〈審査コメント〉ICC協力法の条文を統合法に吸収。

「人道に対する罪」「戦争犯罪」「ジェノサイド犯罪」への明示。

〈修正案〉国は、国際刑事裁判所に対し、逮捕、引渡し、証拠提出及び被害者保護等に関し、誠実に協力しなければならない。

第63条(日米重大犯罪協定)

〈引用:日米相互刑事共助条約(MLAT)第1条〉両国は、刑事事件に関する捜査、訴追及び裁判における共助を行う。

〈審査コメント〉MLATの国内法化。

他国(EU、ASEAN)との共助条約にも準用できる構造に。

〈修正案〉日本国は、外国との間で締結する相互刑事共助条約に基づき、刑事事件に関する捜査、訴追及び裁判における共助を行う。

前項の共助の範囲、手続及び制限は、条約及び国内法の定めるところによる。

第七編 国際人道法・捕虜取扱い

第一章 国際人道法の遵守及び処罰

第64条(目的及び原則)

〈引用:ジュネーブ諸条約(1949)共通第1条〉締約国は、いかなる場合においても、これらの条約を尊重し、また尊重させる義務を負う。

〈審査コメント〉国内法上の実施義務を明示化。

国際刑事裁判所協力法(第六編)と整合。

「国際人道法(IHL)」の定義を条文内に明示。

〈修正案〉国は、国際連合憲章及び国際人道法に基づき、武力紛争における人道の原則を尊重し、これを確実に実施する責務を有する。

この編において「国際人道法」とは、武力紛争時における戦闘行為の制限及び被害者の保護に関する国際法上の規範をいう。

第65条(国際人道法違反の処罰)

〈引用:国際人道法違反処罰法(平成16年法律第115号)第1条〉武力紛争における人道法違反行為を処罰することを目的とする。

〈審査コメント〉現行法の刑事処罰条を統合法に移設。

「重大な違反行為」の定義を包括化。

〈修正案〉武力紛争において、殺害、拷問、非人道的取扱い、民間人又は捕虜の攻撃、医療施設への攻撃その他国際人道法上の重大な違反行為をした者は、これを処罰する。

前項の罪の法定刑、管轄及び訴追手続は刑法及び刑事訴訟法の例による。

〈関連法令〉刑法第4条(国外犯処罰)、国際刑事裁判所協力法第3条。

第二章 捕虜及び被拘束者の取扱い

第66条(捕虜の待遇)

〈引用:ジュネーブ第三条約第13条〉捕虜は、常に人道的に取り扱われなければならない。

〈審査コメント〉国内法上の明確な「捕虜取扱法」化を図る。

自衛隊法第100条(武力攻撃事態時の措置)と接続。

〈修正案〉捕虜及び被拘束者は、いかなる場合においても人道的に取り扱われなければならない。

捕虜の生命、健康及び人格を尊重し、暴行、脅迫又は屈辱的取扱いをしてはならない。

捕虜の身分、収容、通信及び送還に関する手続は、国際人道法及び条約の定めるところによる。

第67条(国内実施体制)

〈原文(仮案)〉国は、捕虜及び被拘束者の保護のため、関係行政機関の連携体制を整備し、国際赤十字委員会その他の国際機関との協力を行わなければならない。

〈審査コメント〉国内の「捕虜監理局」「赤十字連携体制」など制度的措置を法定化。

第三編(防衛)及び第八編(国際平和活動)への接続条として意義が大。

第三章 赤十字標章及び医療保護

第68条(標章の保護)

〈引用:赤十字標章及び名称等の使用の制限に関する法律第1条〉赤十字標章等を不正に使用してはならない。

〈審査コメント〉ジュネーブ条約第一条及び追加議定書Iに対応。

「赤新月」「赤水晶」等国際標章を包括。

〈修正案〉何人も、赤十字、赤新月又は赤水晶その他これに準ずる標章を、正当な権限によらず使用してはならない。

国は、赤十字社及び国際赤十字・赤新月運動の活動に必要な保護を与えなければならない。

第69条(医療活動の保護)

〈引用:ジュネーブ第一条約第19条〉固定及び移動医療施設は、いかなる場合にも攻撃してはならない。

〈審査コメント〉医療従事者・施設保護を明記。

国際医療活動(第八編「国際緊急援助」)と整合。

〈修正案〉武力紛争においては、医療施設及び医療従事者は尊重され、保護されなければならない。

医療施設への攻撃、医療従事者に対する妨害又は報復行為をしてはならない。

第四章 禁止兵器に関する規定

第70条(生物兵器の禁止)

〈引用:生物兵器の禁止に関する法律第1条〉生物兵器の開発、生産及び貯蔵を禁止する。

〈審査コメント〉生物兵器禁止条約(BWC)に基づく現行法を存置し、併せて「化学兵器」「地雷」「クラスター弾」を体系化。

〈修正案〉何人も、生物剤又は毒素を兵器として開発し、製造し、取得し、又は保持してはならない。

第71条(化学兵器の禁止)

〈引用:化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第1条〉化学兵器の開発、生産及び使用を禁止する。

〈修正案〉何人も、化学兵器を開発し、生産し、取得し、又は使用してはならない。

国は、化学兵器の廃棄及び関連施設の管理を確実に行わなければならない。

第72条(地雷及びクラスター弾の禁止)

〈引用:対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)第1条〉各締約国は、対人地雷を使用、開発又は移譲してはならない。

〈引用:クラスター弾禁止条約第1条〉各締約国は、クラスター弾を使用、開発又は保有してはならない。

〈修正案〉国は、対人地雷及びクラスター弾を使用し、又は他国に移譲してはならない。

国は、保有する対人地雷及びクラスター弾の廃棄を速やかに実施し、被害者支援の措置を講じなければならない。

〈審査コメント〉両条約の国内履行義務を包括的に規定。

被害者支援を明文化した点で国内法より進展。

第八編 国際協力・平和活動

第一章 総則及び基本理念

第73条(目的)

〈引用:国際平和協力法第1条〉国際連合の平和維持活動等に協力するため、必要な事項を定める。

〈審査コメント〉本編の目的は「国際協力・人道支援・平和維持」を包括。

国連憲章第6章・第7章に基づく行動を国内法化。

〈修正案〉この編は、国際社会の平和及び安全の維持又は回復のため、国際連合その他の国際機関による平和維持活動、人道支援及び我が国の安全に関わる国際協力に関し、必要な事項を定めることを目的とする。

第74条(基本理念)

〈引用:国際平和協力法第2条〉国際協力は、国際連合憲章の精神にのっとり、国際の平和と安全の維持に寄与するものでなければならない。

〈審査コメント〉「国際協調主義」「非侵略」「民主的統制」を理念として整理。

〈修正案〉国際協力及び平和活動は、国際連合憲章の精神にのっとり、平和主義及び国際協調主義に基づき、国際社会の信頼と協力のもとに行われるものとする。

第二章 国際緊急援助

第75条(派遣及び任務)

〈引用:国際緊急援助隊の派遣に関する法律第3条〉外務大臣は、外国における災害の発生に際し、国際緊急援助隊を派遣することができる。

〈審査コメント〉災害対応の国際人道支援を位置づける。

平時の外交活動としての援助を合法化。

〈修正案〉外務大臣は、外国において大規模災害その他人道上の緊急事態が発生したときは、被災国政府の要請に基づき、国際緊急援助隊を派遣することができる。

国際緊急援助隊は、救助、医療、感染症防止、水・食料供給その他の人道援助活動を行う。

第76条(自衛隊・警察・医療機関の派遣)

〈引用:同法第6条、第7条〉自衛隊及び警察官を隊員として派遣できる。

〈審査コメント〉各機関の派遣権限を横断的に整合化。

〈修正案〉政府は、前条の任務を遂行するため、必要に応じて自衛隊、警察官、消防職員又は医療関係者を派遣することができる。

これらの派遣は、国際人道法及び派遣国の法令を尊重して行われなければならない。

第三章 国際平和協力活動(PKO)

第77条(国際平和協力活動)

〈引用:国際平和協力法第3条〉国際平和協力業務は、国際連合の平和維持活動その他国際的な平和のための活動をいう。

〈審査コメント〉現行法の定義を拡張し、国連以外の多国間活動(EU・ASEAN・アフリカ連合等)も対象化。

〈修正案〉国際平和協力活動とは、国際連合その他の国際機関又は地域機構が行う平和維持活動、選挙監視、人道支援及び復興支援の業務をいう。

国は、国際平和協力活動に積極的に参加し、国際社会の平和及び安定の確保に寄与しなければならない。

第78条(派遣の手続)

〈引用:国際平和協力法第4条〉政府は、国会の承認を得て実施計画を定めなければならない。

〈審査コメント〉民主的統制と迅速性の両立を確保。

緊急派遣時の事後承認手続きを追加。

〈修正案〉政府は、国際平和協力活動を実施しようとするときは、あらかじめ国会の承認を得なければならない。

緊急の必要がある場合には、派遣後速やかに国会の承認を求めなければならない。

第79条(活動の原則)

〈引用:同法第25条〉国際平和協力活動に従事する者は、武器を使用してはならない。

〈審査コメント〉PKO五原則(停戦合意・同意・中立性・撤収自由・自衛使用)を明文化。

〈修正案〉国際平和協力活動は、(一)停戦合意が成立していること、(二)当該国の同意があること、(三)中立的に実施されること、を基本とする。

国際平和協力業務に従事する者は、自衛又は要員防護のために必要な最小限度の武器の使用を除き、武力を行使してはならない。

第四章 重要影響事態・存立危機事態への対応

第80条(定義)

〈引用:重要影響事態安全確保法第2条〉我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態をいう。

〈修正案〉「重要影響事態」とは、我が国の周辺地域において発生し、我が国の平和及び安全に重大な影響を与えるおそれのある事態をいう。

「存立危機事態」とは、我が国に対する武力攻撃が発生し、又はこれに準ずる事態により、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合をいう。

第81条(対応措置)

〈引用:平和安全法制整備法(平成27年法律第76号)〉他国防衛のための自衛隊活動を可能とする。

〈審査コメント〉現行安保法制(2015)を統合法として再構文。

個別的・集団的自衛権の範囲を明確に。

〈修正案〉政府は、重要影響事態又は存立危機事態が発生したときは、必要な自衛隊の行動その他の措置を講ずることができる。

これらの措置は、憲法及び国際法の許す限度において行われ、国会の承認を要する。

第五章 国民保護及び国内措置

第82条(目的)

〈引用:国民保護法第1条〉武力攻撃事態等における国民の保護を図る。

〈修正案〉この章は、武力攻撃事態その他緊急事態に際し、国民の生命、身体及び財産を保護し、社会秩序の維持を図ることを目的とする。

第83条(国・地方公共団体の責務)

〈引用:国民保護法第4条〉国及び地方公共団体は、相互に連携して国民の保護を図る責務を有する。

〈修正案〉国及び地方公共団体は、相互に連携し、国民の避難、救援及び生活支援を的確に実施する責務を有する。

国は、国民保護計画を策定し、これに基づき必要な措置を講じなければならない。

第84条(避難及び救援)

〈審査コメント〉現行法第90条以下の簡素化版。

〈修正案〉政府は、武力攻撃事態等に際し、避難、救援及び物資の供給を円滑に実施するための体制を整備する。

自治体及び指定公共機関は、国民保護計画に従い、避難誘導及び救援活動を実施する。

第六章 国際平和支援及び特定公共施設利用

第85条(国際平和支援)

〈引用:国際平和支援法(平成27年法律第77号)第3条〉国際社会の平和及び安全の維持に資するため、自衛隊が後方支援を行うことができる。

〈修正案〉政府は、国際社会の平和及び安全の維持に資するため、国際連合決議その他国際法に基づき、自衛隊その他の機関を派遣し、後方支援、輸送、補給その他必要な活動を行うことができる。

これらの活動は、武力行使と一体化しない範囲において実施されなければならない。

第86条(特定公共施設の利用)

〈引用:特定公共施設利用法(平成27年法律第78号)〉政府は、外国軍等に特定公共施設を利用させることができる。

〈修正案〉国は、国際平和支援又は国際緊急援助の実施に当たり、空港、港湾その他の特定公共施設を外国軍又は国際機関に利用させることができる。ただし、主権及び安全の確保に支障を及ぼさない範囲に限る。

第九編 制裁・安全保障措置

第一章 総則及び基本原則

第87条(目的)

〈引用:特定船舶入港禁止法第1条〉我が国は、国際の平和及び安全の維持のために、特定船舶の入港を禁止することができる。

〈審査コメント〉本編の目的は「国際連合決議及び国際協定に基づく制裁の国内履行」を包括。

国連憲章第41条(非軍事的措置)を根拠とする。

〈修正案〉この編は、国際連合安全保障理事会決議その他の国際的合意に基づき、国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要な経済的、外交的又は交通上の措置を講ずることを目的とする。

第88条(基本原則)

〈引用:国連憲章第41条〉武力によらない措置として、経済関係、鉄道、海運、航空郵便等の断絶を行うことができる。

〈審査コメント〉国内法として「非軍事的強制措置」の限界を規定。

憲法第9条との整合を維持。

〈修正案〉制裁及び安全保障措置は、国際法及び憲法の定める平和主義の理念に基づき、武力によらない手段により実施されなければならない。

これらの措置は、国際連合憲章第41条に適合する範囲で行われるものとする。

第二章 特定船舶及び入港禁止措置

第89条(特定船舶の指定)

〈引用:特定船舶入港禁止法第2条〉国土交通大臣は、特定の国に属する船舶を指定できる。

〈審査コメント〉北朝鮮制裁法制を母体として包括化。

国際制裁対応の常設的仕組みへ。

〈修正案〉国土交通大臣は、国際連合決議その他の国際的措置に基づき、特定の国、団体又は個人に属する船舶を「特定船舶」として指定することができる。

指定に当たっては、外務大臣、防衛大臣及び財務大臣と協議しなければならない。

第90条(入港禁止)

〈引用:同法第3条〉特定船舶は、日本国の港に入港してはならない。

〈審査コメント〉現行法を維持し、海洋秩序法(第五編)と連携。

緊急時の退避入港を例外規定で担保。

〈修正案〉特定船舶は、日本国の港湾に入港してはならない。

ただし、人命救助、避難又は天災地変による緊急避難のために入港する場合は、この限りでない。

第三章 資産凍結及び金融制裁

第91条(資産凍結の実施)

〈引用:テロ資産凍結法(平成24年法律第111号)第3条〉国際連合決議に基づき、特定個人又は団体の資産を凍結することができる。

〈審査コメント〉テロ関連資産凍結法(UNSCR1267等)を中核に統合。

金融庁・外務省・財務省の三省共管構造を明文化。

〈修正案〉政府は、国際連合決議その他の国際的措置に基づき、テロリズムその他国際平和を脅かす行為に関与する個人又は団体の資産を凍結することができる。

資産の凍結は、財務大臣が命じ、金融機関はその実施に協力しなければならない。

第92条(金融取引の制限)

〈引用:外為法第16条、第21条〉財務大臣は、特定の支払又は取引を制限できる。

〈審査コメント〉外為法制裁条項を包含。

経済安全保障(第十編)との整合を確保。

〈修正案〉財務大臣は、資産凍結に関連して、特定の金融取引又は支払を制限し、又は禁止することができる。

金融機関は、指定を受けた個人又は団体との取引を行ってはならない。

第四章 貨物検査及び輸送規制

第93条(貨物検査の実施)

〈引用:北朝鮮貨物検査特措法第3条〉外務大臣は、国際連合決議に基づき、貨物の検査を実施することができる。

〈審査コメント〉UNSCR1874(2009)等に基づく制裁措置を法定化。

検査権限・実施機関・国際連携を明記。

〈修正案〉外務大臣は、国際連合決議に基づき、特定国又は団体に関連する貨物に対し、検査を行うことができる。

検査は、海上保安庁及び税関当局が実施する。

検査の結果、禁止物資であることが判明した場合は、没収その他の措置を講ずる。

第94条(外国軍用品の輸送規制)

〈引用:外国軍用品等輸送規制法(昭和27年法律第82号)〉外国の軍用品を日本国領域を通じて輸送してはならない。

〈審査コメント〉現行法を近代化。

軍事転用物資及び無人兵器技術も対象に含む。

〈修正案〉何人も、外国の軍用品又はこれに準ずる装備若しくは技術を、日本国の領域を通じて輸送し、又はこれに関与してはならない。

ただし、国際連合又は政府の承認を得た国際平和活動に関するものは、この限りでない。

第五章 執行及び罰則

第95条(執行措置)

〈原文(仮案)〉政府は、前各章に定める措置の実効を確保するため、必要な監督、調査及び行政処分を行うことができる。

〈審査コメント〉外為法・海保法・警察法の執行規定を統合。

第96条(罰則)

〈引用:各特措法の刑罰規定〉入港禁止違反、資産凍結違反、輸送規制違反等を刑事罰対象とする。

〈修正案〉本編の規定に違反して特定船舶の入港を許可し、又は特定個人に対する資産移転を行った者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

前項の未遂は、罰する。

第十編 経済安全保障

第一章 総則及び基本原則

第97条(目的)

〈引用:経済安全保障推進法第1条〉我が国の安全を確保するとともに、経済の健全な発展を図るため、経済安全保障の推進に関し必要な事項を定める。

〈審査コメント〉本編は、外交・安全保障・経済政策を統合する橋渡し法。

経済安保の四本柱(重要物資の供給確保、基幹インフラの信頼性、先端技術の育成、秘密情報の保護)を法定化。

〈修正案〉この編は、我が国の独立、平和及び繁栄を確保するため、重要物資、基幹インフラ及び先端技術の安全確保並びに機微情報の保護その他経済安全保障に関する基本的事項を定めることを目的とする。

第98条(基本理念)

〈引用:経済安保推進法第2条〉経済安全保障は、国民生活及び経済活動の安定と発展を基礎としつつ推進されなければならない。

〈審査コメント〉「自由貿易体制」「国際連携」「開放経済と安全保障の調和」を明文化。

〈修正案〉経済安全保障は、自由で公正な国際経済秩序のもとに、開放経済と国家安全保障との調和を図りつつ推進されなければならない。

国は、国際的な分業及び相互依存関係のもとで、経済的威圧への抵抗力を強化するよう努めなければならない。

第二章 重要物資及びサプライチェーンの強靱化

第99条(重要物資の指定)

〈引用:経済安保推進法第3条〉政府は、国民生活及び経済活動に不可欠な物資を指定できる。

〈審査コメント〉重要鉱物・半導体・医薬品・エネルギー等を対象化。

国土法・エネルギー法・産業基本法と連動。

〈修正案〉政府は、国民生活及び経済活動の安定の確保のため特に必要と認める物資を「重要物資」として指定することができる。

国は、重要物資の安定的な供給を確保するため、生産、備蓄、代替供給及び輸入多角化に関する施策を講じなければならない。

第100条(供給確保計画)

〈引用:同法第4条〉政府は、供給確保に関する基本方針を定める。

〈修正案〉政府は、重要物資ごとに、国内生産体制、国際連携、緊急時対応及び情報共有を含む供給確保計画を策定し、毎年見直しを行うものとする。

第三章 基幹インフラの安全性確保

第101条(特定社会基盤事業)

〈引用:経済安保推進法第8条〉政府は、基幹インフラ事業を指定し、審査制度を設ける。

〈審査コメント〉電力・通信・交通・金融・水道等を包括。

防衛施設周辺法・サイバーセキュリティ法と整合。

〈修正案〉政府は、国民生活及び経済活動に不可欠な電気通信、エネルギー、運輸、金融、水供給等の事業を「特定社会基盤事業」として指定する。

事業者は、重要設備の設置又は変更に当たり、国の審査を受けなければならない。

第102条(安全保障上の審査)

〈原文(仮案)〉政府は、外国投資その他の行為が特定社会基盤事業の安全性に影響を及ぼすおそれがあるときは、当該行為を制限又は禁止することができる。

〈審査コメント〉外為法第27条(対内直接投資規制)を統合。

経済安保推進法第9条を参照。

第四章 先端重要技術及び研究開発支援

第103条(先端技術の保護と育成)

〈引用:同法第11条〉政府は、先端重要技術の研究開発を支援する。

〈審査コメント〉防衛技術・宇宙・量子・AI・バイオを包括。

科学技術法(第47法体系)と連携。

〈修正案〉政府は、国の安全及び産業競争力の維持向上に資する先端重要技術について、研究開発、実証及び安全管理を総合的に推進する。

必要に応じて、民間・大学・研究機関間の安全保障連携協定を締結できる。

第104条(技術流出防止)

〈引用:外為法第25条〉特定技術の提供を制限する。

〈修正案〉何人も、国家の安全又は国際の平和及び安全の維持を害するおそれのある技術を、外国に提供してはならない。

政府は、輸出管理制度を整備し、技術移転の監視及び違反に対する措置を講じるものとする。

第五章 機微情報及び経済安保情報の保護

第105条(機微情報の管理)

〈引用:経済安保推進法第13条〉政府は、特定秘密に準ずる経済安全保障上の情報を保護する。

〈審査コメント〉特定秘密保護法(第3編)との整合を図る。

企業・研究機関・公共団体を対象化。

〈修正案〉国は、経済安全保障に関する機微情報を適切に保護し、漏えいを防止するため、必要な措置を講じなければならない。

政府は、指定事業者に対し、情報取扱者の認証、アクセス制限及び監査を行うことができる。

第六章 国際金融・貿易保険及び経済協力

第106条(国際金融機関との協力)

〈引用:日本政策金融公庫法、国際協力銀行法〉日本政策金融公庫は国際金融取引を行う。

〈審査コメント〉JBIC、IMF、世界銀行、ADB等の加盟措置を統合。

経済外交及び開発協力の資金面を制度化。

〈修正案〉国は、国際通貨基金、世界銀行、アジア開発銀行その他の国際金融機関との協力を通じ、国際経済秩序の安定及び開発支援に努めるものとする。

日本政策金融公庫及び国際協力銀行は、政府の方針に基づき、国際金融取引及び投資支援を行う。

第107条(貿易保険及び輸出入支援)

〈引用:日本貿易保険法(NEXI法)第1条〉日本貿易保険は、輸出取引等を保険の方法により支援する。

〈修正案〉国は、日本貿易保険株式会社を通じ、我が国企業の輸出、海外投資及び資源確保に関する取引を保険の方法により支援し、経済安全保障の確保及び国際競争力の強化を図る。

第108条(国際経済制裁との整合)

〈審査コメント〉

第九編制裁措置との衝突回避条。

〈修正案〉経済安全保障に関する施策は、国際連合安全保障理事会決議その他の国際制裁措置と整合を保ちつつ実施されなければならない。

第十一編 外交文化・交流

第一章 総則及び基本理念

第109条(目的)

〈引用:国際交流基金法第1条〉我が国と諸外国との相互理解を促進し、国際友好関係の増進を図る。

〈審査コメント〉本編は「文化・教育・人材・知的貢献」を外交の柱として体系化。

外務省の文化交流政策・ODA文化協力・学術外交を含む。

〈修正案〉この編は、文化、学術、教育及び人的交流を通じて、諸外国との相互理解及び信頼を深め、国際社会の平和及び安定に寄与するとともに、我が国の文化的独立と創造的発展を図ることを目的とする。

第110条(基本理念)

〈引用:文化芸術基本法第3条〉文化芸術は、人々の心を豊かにし、社会の発展に寄与する。

〈審査コメント〉文化外交の理念として、「相互尊重・多文化共生・平和的国際交流」を明文化。

〈修正案〉外交文化及び国際交流に関する施策は、相互尊重、多文化共生及び平和的国際協調の理念に基づき推進されなければならない。

国は、我が国の文化及び芸術の特質を活かし、国際社会における創造的貢献を行うよう努めなければならない。

第二章 国際協力機構及び文化交流機関

第111条(国際協力機構)

〈引用:独立行政法人国際協力機構法(JICA法)第1条〉開発途上地域に対する技術協力及び資金協力を行う。

〈審査コメント〉JICAを中核に据え、ODA体系の法的位置づけを明確化。

外務省所管の国際協力政策と文化交流を一体運用。

〈修正案〉独立行政法人国際協力機構(以下「機構」という。)は、我が国の外交政策に基づき、開発途上地域その他の国に対して技術協力、資金協力及び人材育成支援を行うものとする。

国は、機構の活動を通じて、平和構築、災害復旧及び人道支援を推進する。

第112条(国際交流基金)

〈引用:独立行政法人国際交流基金法第1条〉文化及び知的交流を通じ、国際相互理解を促進する。

〈審査コメント〉日本語教育、学術連携、芸術派遣、対話事業などを法的に明文化。

〈修正案〉独立行政法人国際交流基金は、文化、芸術及び学術に関する国際交流を推進し、相互理解の促進及び我が国の文化の発信に努めるものとする。

政府は、国際交流基金の活動を支援し、文化外交の推進に必要な財政上の措置を講ずる。

第三章 文化遺産の国際的保護及び協力

第113条(文化遺産の保全協力)

〈引用:文化遺産の保護のための国際協力に関する法律第1条〉国際的な協力により文化遺産の保存及び修復を推進する。

〈審査コメント〉文化庁・外務省連携。

UNESCO条約(1972世界遺産条約、1954ハーグ条約)を根拠に整理。

〈修正案〉国は、国際連合教育科学文化機関その他の国際機関との協力により、国内外の文化遺産の保存、修復及び継承を推進し、これに必要な専門家の育成及び技術協力を行うものとする。

第114条(武力紛争時の文化財保護)

〈引用:武力紛争の際の文化財の保護に関する法律第1条〉武力紛争の際に文化財を保護するための措置を定める。

〈審査コメント〉

第七編(国際人道法)との整合を確保。

「青盾標章」「国際保護登録」制度を存置。

〈修正案〉武力紛争の際には、文化財及び文化施設は尊重され、保護されなければならない。

国は、国際保護標章の登録及び文化財の退避保護その他の措置を講ずるものとする。

第四章 学術・教育・人的交流

第115条(学術外交)

〈引用:国連大学設立協定法第1条〉国連大学を我が国に設置する。

〈審査コメント〉国連大学法を文化外交体系に統合。

学術・知的貢献の法的位置づけを強化。

〈修正案〉国は、国際連合大学その他の国際教育研究機関と連携し、学術及び科学技術の交流を通じて国際社会の知的発展に貢献する。

政府は、国内大学及び研究機関の国際共同研究を支援するため、必要な措置を講ずるものとする。

第116条(人的交流及び留学生支援)

〈引用:留学生交流推進法(趣旨)〉留学生交流を促進する。

〈審査コメント〉外務省・文部科学省連携条文として再構成。

「双方向の留学」「人材循環」を理念化。

〈修正案〉国は、外国人留学生の受入れ及び日本人学生の海外派遣を促進し、双方向的な人的交流を推進しなければならない。

国は、留学生の生活、教育及び就業支援に関し、必要な措置を講じるものとする。

第五章 文化外交と国民参加

第117条(文化外交の推進)

〈引用:外務省設置法第4条第10号〉外務省は、文化に関する国際交流を企画及び実施する。

〈審査コメント〉政府全体の文化外交戦略を体系的に明示。

地方自治体・民間団体の参加を奨励。

〈修正案〉政府は、文化、芸術、教育及びスポーツを通じた外交の推進に関する基本方針を定め、文化外交を総合的に推進する。

地方公共団体、民間団体及び個人は、文化外交の推進に協力することができる。

第118条(国民の国際理解促進)

〈引用:ユネスコ活動法(趣旨)〉国民の国際理解及び国際協力の精神を涵養する。

〈修正案〉国は、教育及び広報を通じて、国民の国際理解及び多文化共生の意識を高めるよう努めなければならない。

【附則】外交安全保障法(統合整理)

第一章 施行期日及び経過措置

第1条(施行期日)

この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において、政令で定める日から施行する。

第2条(施行準備)

政府は、この法律の施行に必要な政令及び省令を、施行日前に制定することができる。

前項に定める政令及び省令は、この法律の施行の日から効力を生ずる。

第3条(施行前の措置の効力)

この法律の施行前に旧法に基づき行われた処分、手続その他の行為は、この法律に相当する規定に基づき行われたものとみなす。

第二章 旧法の廃止及び読み替え

第4条(旧法の廃止)

次に掲げる法律は、すべて廃止する。

一 国家安全保障会議設置法(昭和三十八年法律第百十八号)

二 防衛省設置法(平成十九年法律第九号)

三 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)

四 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)

五 警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)

六 公安調査庁設置法及び公安審査委員会法

七 破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)

八 暴力団対策法(平成三年法律第七十七号)

九 特定秘密保護法(平成二十五年法律第百八号)

十 防衛装備移転三原則実施法及び防衛装備品基盤強化法

十一 領海法、接続水域法、排他的経済水域及び大陸棚法

十二 海洋基本法(平成十九年法律第三十三号)

十三 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)

十四 海賊対処法(平成二十一年法律第五十五号)

十五 水路業務法(昭和二十七年法律第百三十九号)

十六 港湾施設保安法(平成十六年法律第三十一号)

十七 外国不利益取扱特措法(昭和二十八年法律第八十七号)

十八 国際協力機構法(平成十四年法律第百三十六号)

十九 国際交流基金法(昭和四十七年法律第百三十七号)

二十 文化遺産国際協力法(平成十八年法律第七十七号)

二十一 武力紛争時文化財保護法(昭和二十九年法律第百十一号)

二十二 国連大学法(昭和五十年法律第七十二号)

二十三 経済安全保障推進法(令和四年法律第四十三号)

二十四 外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)

二十五 日本貿易保険法(平成十三年法律第三十七号)

二十六 国際協力銀行法(平成十一年法律第三十九号)

二十七 国際通貨基金加盟法(昭和二十七年法律第百八十四号)

二十八 世界銀行加盟法(昭和二十七年法律第百八十五号)

二十九 その他本法に統合された関連法令

第5条(読み替え)

他の法令中において、廃止された各法の条項を引用する場合は、この法律中のこれに相当する規定を引用するものとみなす。

前項の規定により読み替えられる条項の対応関係は、政令で定める。

第6条(政令委任)

この法律の施行に関し必要な経過措置その他の細目は、政令で定める。

第三章 国際協定及び特例措置

第7条(日米地位協定関連法との関係)

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく日米地位協定及びその関連法令の効力は、本法施行後もなお継続する。

前項に定める協定の実施に関する民事・刑事・税制上の特例は、この法律の規定に適合する範囲内において効力を有する。

政府は、必要に応じて協定の改定又は附属取極を行うことができる。

第8条(国際連合軍地位協定との関係)

国際連合軍地位協定及びその関連法令の規定は、外交安全保障法第四編の規定に従って解釈・運用するものとする。

第9条(沖縄復帰関連特例)

沖縄の復帰に伴い制定された特別法のうち、土地、財産及び税制に関する経過措置は、施行の日以後も効力を有する。

政府は、沖縄及び奄美・小笠原の地域における安全保障及び経済発展の特性を考慮し、必要な施策を講ずるものとする。

第10条(国際刑事司法協定の承継)

この法律の施行の際、旧「国際刑事司法共助法」その他刑事共助関係に関する協定に基づき行われていた手続は、本法第六編の規定に基づくものとみなす。

第四章 行政機構の移行

第11条(組織の改組)

この法律の施行により、次に掲げる組織はそれぞれ本法に基づく機関として存続する。

一 防衛省外交安全保障省(仮称)

二 公安調査庁外交安全保障情報庁(仮称)

三 国際協力機構外交文化協力庁(仮称)

四 海上保安庁外交安全保障省の外局とする。

前項に掲げる組織の内部部局及び職員の権限は、政令で定める移行計画に従う。

第12条(既存職員の地位)

旧法に基づき任命された職員は、この法律の相当する規定に基づき任命されたものとみなす。

旧法に基づく懲戒その他の処分は、この法律において行われたものとみなす。

第13条(資産及び契約の承継)

旧法に基づき設置された行政機関、独立行政法人その他の機関が有する権利及び義務は、政令で定めるところにより、新設又は継承される機関に承継させる。

第五章 報告及び検証

第14条(年次報告)

政府は、外交安全保障に関する施策の実施状況及び成果について、毎年度国会に報告しなければならない。

第15条(五年後の見直し)

政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第六章 総合規定

第16条(引用関係一覧の作成)

内閣法制局は、本法に統合された旧法の条文との対応関係表を作成し、官報において公示するものとする。

第17条(附帯法令の存続)

この法律の施行に伴い、各旧法に基づいて制定された政令・省令・告示その他の法令は、この法律に抵触しない限り、当分の間効力を有する。

第18条(短期施行特例)

この法律の施行に際し、特に緊急を要する事項については、政令により一部先行して施行することができる。